羽田正のレビュー一覧

  • 興亡の世界史 東インド会社とアジアの海

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    面白かったです。
    最初期の株式会社や貿易はどのようなものだったのか興味を持ち手に取りました。
    加えて、400年前ごろ?の世界の横のつながりがわかったし、
    各国の東インド会社の歴史的価値、世界がつながる近代化への道のりの序章なのだなと思いました。


    374近代ヨーロッパは、一体化したそれ以前の世界の人々の様々な活動が総体として生み出した世界全体の子供なのである。
    (中略)東インド会社の時代が終わりを迎えたとき、世界は近代ヨーロッパの論理に従って大きく変化していくのである。

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    2019年10月09日
  • 興亡の世界史 東インド会社とアジアの海

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    ポルトガル、オランダ、イギリス、そしてフランスにおいて設立された東インド会社は、ヨーロッパとアジアを結び、世界が一つとなる機運を作り上げた。その歴史を、ときにヨーロッパから、時にインドから、そして東インド会社の勢力の東端と言える日本から、縦横無尽に語りつくす一冊。インドにおける、現在でいうところの国籍にはとらわれない「海の帝国」と、日本をはじめとする東アジアにおける内と外を区別し陸の支配を重視する「陸の帝国」の対比も面白い。

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    2018年11月17日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    ヨーロッパ中心主義からの脱却、ますますグローバル化する世界の中での「歴史」の意義を考えなければならない。

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    2014年10月07日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    時代ごとの人の集団のうごきの断面図をそれぞれにつくっていくこと
    銀河鉄道の夜の「それぞれ時代の地理の本」のイメージに近く思える。

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    2013年05月14日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    現行の世界史の問題点を挙げ、「新しい世界史」の構想を打ち立てた本。

    現行の世界史には、①日本人の世界史であること、②自と他の区別や違いを強調していること、③ヨーロッパ中心史観から自由でない、という問題点がある。

    私たちが世界市民の一人であることを理解できるような世界史にするために、著者は、これらの状況から脱却する必要があると述べる。

    たしかに高校世界史の大半はヨーロッパ関連にあてられているし、学生はそれが中心のように思うだろう。
    各国でどういった教育をするかということは、国際社会において大きなファクターになる。今後が注目されるところ。

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    2013年05月12日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    これまでの世界史がヨーロッパ中心だったことは事実だ.地球全体の歴史をまとめるという構想は素晴らしいアイデアだと思うが,具体的な記述を早く読んでみたいものだ.

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    2012年07月25日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    世界は一つ。そのことを世界史を通して実現させよう。そんな著者の思いが伝わってきた。世界史に関して全く無知であるが、それぞれの国がそれぞれの立場の歴史観でもって歴史を語る現状打開に向けての意気込みが伝わり、世界史を改めて勉強したくなった。

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    2011年11月29日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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     グローバル化がすすみ,ますます一体となる現代世界において,「地球市民」による「新しい世界史」のあり方を提起した書。
     これまでの学校教育の世界史は,時系列による各国の歴史であり,またヨーロッパが中心であることに,さしたる疑問も持たずに慣れ親しんできた。
     しかし著者はこれらを取っ払い,「人間集団間の総合的な比較によってある時代の世界の見取り図を描く」ことが必要であるとした。つまり世界史を時系列で捉えるのではなく,現代世界との対比を重視し,横との関連性を重視していくというのだ。この手法には,正直なところ難解に感じた。だが著者も述べているが,具体的な議論はこれからであろう。刺激と可能性に満ちた内

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    2011年11月29日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    歴史学とは何かとか、歴史学者が歴史というものをどのように捉えているかの一端を知れる本。

    自分は高校生のころ歴史というとただ年号を覚える暗記科目といったイメージしか持っていなかったが、そうではなく過去の失敗や教訓を現代や未来に活かそうとする学問なのだと理解した。

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    2022年07月22日
  • 興亡の世界史 東インド会社とアジアの海

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     世界で初の株式会社と言われる東インド会社。

     若い時、株屋で営業の仕事をしていたものの、歴史については全く不勉強だったため、「君、東インド会社、知っているよね?」とお客様に問われても、「はい、全く知りません!」と自信満々に断言して笑いを取るくらいしかできなかったものです。

     年を経て改めて歴史を学んでみると、なんと東インド会社が一つではない!驚きました(レベル低くてごめんなさい) イギリス、オランダ、フランスが類似のコンセプトの会社を(中身は違うけど)営んでいました。

     本作品は、そのような東インド会社について詳述した読み応えのある作品です。

     本作でためになったのは、東インド会社が

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    2021年06月26日
  • 〈イスラーム世界〉とは何か 「新しい世界史」を描く

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     本書は2005年に刊行された「イスラーム世界の創造」の改訂文庫版である。
     イスラム教やムスリムを語る際、安易に、ひと括りに「イスラーム世界」と表現しないよう注意を促している。
     「イスラーム世界」という語は、①概念としてのムスリム共同体(ムスリムが理想として頭に描く実体を持たない理念的な空間)という定義において用いるべきであると。「イスラーム世界」としてひと括りに用いるべきでない定義として、②イスラーム諸国会議機構、③ムスリムが多数を占める地域、④ムスリム支配者が統治し、イスラム法が施行されている地域であると。
     「イスラーム世界」とは、イスラム教が純粋に内包する精神世界を指す場合に限り用

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    2021年03月05日
  • イラン史

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     本書は「西アジア史2イラン・トルコ」(2002,山川出版社)のイラン部分の抜粋・再編集版とのこと。初学者にはもう少し年表や地図などで細かく解説していただければありがたい。
     それにしてもペルシヤやインドなどの人名はスッと頭に入らないので厄介だが、西アジアや中央アジアの人々の生活・文化には魅力を感じるので、しばらく学ぶ努力をしたい。
     後進の研究者による本書のさらなるブラッシュアップを期待したい。

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    2021年02月07日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』は当然参照されるだろうと予想していたが、川北稔『砂糖の世界史』も登場してきたのは、興味深かった。

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    2020年12月11日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    「新しい世界史」ってなんだろう……そんな軽い興味から手に取った一冊。これまでの歴史学で無自覚に濫用されてきた「ヨーロッパ」と「非ヨーロッパ」という歴史の捉え方に著者は異を唱え、新たな視点を提案している。問題点の指摘やその重大性は十分に理解できるものの、抽象的な記述が延々と続き、退屈。「新たな視点」を導入して得られるであろう具体的な記述がもっと欲しい。誰に向けて書かれた内容であるかが見えにくかった。

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    2020年05月03日
  • 興亡の世界史 東インド会社とアジアの海

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    東インド会社を通してみる世界史。貿易のダイナミズムに弾みがつき、世界経済のグローバル化の起点になったことがわかる。

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    2019年01月31日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    思ったほど驚くようなことはなく、流し読みになった。高校生などには勧めたい本。
    これまでの世界史のとらえ方、特にヨ―ロッパ中心史観を改革する必要と方法について多くの紙幅を割いている。その主張には概ね賛同する。
    しかしながら、隔靴掻痒というか、、、
    現代世界でいわゆる「欧米」がいかに主導的役割を占め続けているか、それが「ヨ―ロッパ亅中心史観の原因であることに触れないように書いているあたりに不満を持った。
    理想だけを優等生的に書いているようで、これでは「ヨーロッパ」を解体することは叶わないのではと、歯痒い気がするのである。

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    2018年08月04日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    2013年47冊目

    【全体要約】
    日本人にとって世界史とは、高校で習う世界史に基礎がおかれている。しかしこれはあくまで日本人にとっての世界史であり、世界中で普遍的な世界史ではない。そして世界中の世界史はあくまでヨーロッパ、西洋を中心においた歴史観において構成されているため、世界中の人々のための世界史たり得ない。地球がこれほどにグローバル化した以上、地球市民のための世界史を考えるべきではないか。そのために必要な方策を探るのが本書の目的である。

    【構成】

    1章:日本人にとっての世界史
    ー日本の大学では、西欧に追いつくために西洋史(現在の世界史に近い)が研究され、ナショナリズムのために日本史が

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    2013年03月30日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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     現在の「世界史」を自他の相違を所与の条件とする自国中心史観、ヨーロッパ中心史観とみなし、それに代わり、「地球市民」「地球主義」に立脚し「世界はひとつ」と実感できる「新しい世界史」像を提起する。歴史叙述からのあらゆる中心性の排除(被支配者やマイノリティ中心の見方も危険視される)、時系列による通史の放棄など、従来の歴史学の常識を否定する大胆で野心的な試みである。

     問題は「世界はひとつ」という考え方、「地球市民」という帰属意識自体がある種の権力、イデオロギーとして機能する可能性に無自覚なことである。本書がヨーロッパ中心史観の例として攻撃する「世界システム」論が、「周縁」の立場からの新自由主義へ

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    2018年08月16日
  • 新しい世界史へ 地球市民のための構想

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    「イスラム」とか「ヨーロッパ」とか適当に使ったらあかんなぁと思った!
    羽田さんの掲げる新しい世界史観は未完成のものではあるけど
    ぜひとも授業に取り入れさせていただきたい。

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    2012年04月03日
  • 冒険商人シャルダン

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    面白かったー。こういう人がいたんだね。著者はあとがきで、ヨーロッパとイスラム世界という二項対立の概念自体を反省しているけれども、論点がわかりやすくてよかったと思う。当時のヨーロッパは宗教的にとても偏狭だったんだなあ…(まあ今も結構偏狭なところがあると思うけど)

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    2012年04月03日