黒川博行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
黒マメコンビシリーズの第1弾で、黒川博行さんのデビュー作(1984年)。銀行強盗が人質を連れて逃げ、身代金を要求。その犯人を追う警察のお話。
第3弾から先に読みはじめてしまったからなのか、黒マメコンビのテンポが、まだ確立されていなくて、すこし肩すかしを喰った感じ。新しいミステリーをいろいろ読んでしまった後だったからなのかもしれないけれど、途中から筋書きが読めてしまったのも残念。そして、2003年の文庫の解説でも書かれていたけれど、結末がちょっと不満。
とはいえ、大阪弁での刑事物。テンポよく読み進むことができて、悪くなかった。黒マメコンビシリーズ、第3弾→第1弾と読んだから、次は第2弾を読まなくちゃ。 -
Posted by ブクログ
大阪府警シリーズの第一冊目。
お話としては、大阪の銀行で銀行強盗が発生。
その場に居合わせた男性客が犯人を取り押さえようとしたが犯人に撃たれ負傷、そのまま連れ去られ犯人からは身代金の要求が。
大阪府警捜査一課が犯人逮捕に当たるが、最初は行き当たりばったりでの誘拐かと思われたが、犯人は意外に巧妙な交渉を持ちかけてくる。
事件の真相自体はある程度事件が進展した時点で何となく思っていた通りでしたが、エンディングの持って行き方は新鮮でした。
あと書かれたのが80年代前半なので携帯電話も登場せず電話ボックスが犯人からの連絡に頻繁に使用されるのが懐かしかった。
この小説は登場人物のキャラが一人一人個性的で、こんな奴ら本当に居るんだろうな・・・と思わせる。
大阪府警が舞台と言うことで会話はすべて大阪弁、特に主人公の黒田と亀田の会話は軽妙で楽しく読むことができた。 -
Posted by ブクログ
相変わらず軽快な関西弁のやりとりは、リズムよく楽しく読ませてくれます。
しかし・・・肝心のストーリーが何というかパンチが効いてないです。
1、なぜあのチケット屋を狙ったのかのかの動機が最後に突然出てきて、主人公の動機に同感させるにはあまりにも少ないページ数だった。
2、金塊を屋敷から運び出す描写がいまいち掴みきれない。(自分の読解力に問題あり?)
3、刑事の其々のキャラがいまいち魅力的ではなく、感情移入しづらい。
4、泰三爺さんの最後の行動が不明。 動機を知ってからの行動なら、まあギリギリ納得。
誘拐ものの最大の見せ場は身代金の受け渡し場面にあるのはいうまでもなく、そこに作家たちは様々なアイデアを凝らす。しかし犯人と被害者、犯人と警察との人間ドラマが薄いとシステマチックなアイデア先行だけの小説になってしまう。
刑事である「私」と、犯人である「おれ」という一人称の二重構造をとり、追う者と追われる者のドラマをほぼ同等の寄りで描くことで、人間臭さを物語に反映させようとしたのではないかと思われる。
難をいえば、事件の渦中から物語を始めて、発端まで戻す手法にあまり意味を見出せなかったことと、「私」と「おれ」という一人称の二重構造が、どこかの場面で交錯すれば劇的だったのではないかという欲求が残ってしまったことか。