野村総一郎のレビュー一覧
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自分のメンタルの弱さや仕事の不出来さや、自分自身への不甲斐なさを抱えている人に読んで欲しい一冊です。
老子は学生時代に歴史で少し触れた程度しか知らなかったのですが、もっと早くこの考え方に出会いたかった、もっと早くこの本を読みたかったと強く思うくらい私の心を楽にしてくれる考え方でした。
書籍内では、比べることをやめる「ジャッジフリー」という言葉が各所に出てきます。
自分や他人への不満、それらは自分の中の色々な基準をもとに「ジャッジ」をしているから生まれるものだというのです。それで辛くなるのなら、ジャッジすることをやめればいい、やめる考え方はたくさんあるよとこの本に教えてもらいました。
日々突発的な悩みにもどういう考え方が効果的かが書かれており、悩みが出るごとにそのテーマの部分を読むと定着しやすいです。
私はメンタルが落ち込んでどうしようもないときに再読しています。
読み終わってみて、改めて自分を楽な気持ちにするために必要な考え方が多くあると感じています。
きっと自分自身が多くのことをジャッジしていていて、人を信じられなかったり見栄のために背伸びしたりして、苦しくなっていたのでしょう。
実際、今までの人生で人と比べることででストイックになれることもありましたが、結局常に気持ちは苦しいままで、「あれおかしいな、苦しいぞ」と思うことばかりでした。
これからは、老子の考え方に触れつつ、自分の心に優しい生活を送りたいと思います。そして、いつかはその優しさを人に分け与えられるようになりたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
元々、仏教に興味があり勉強していくうちに、仏教に似た思想の老子という人物に辿り着きました。中国から伝わった仏教にも似た老子の考えに興味を持ち、この本に出会いました。
この本は老子の教えを、精神科医の著者が分かりやすく解釈してくれています。老子の教えとは簡単にいうと人生を楽にしてくれる教訓。そんな教えを32項目に分けて解説してくれています。
32項目あった中で、どれにも共通する言葉がありそれは「ジャッジしない」という事です。
ジャッジしないとは、例えばあの人は自分より上だ、下だ。とか。こうであるべき、こうしなきゃ。とか。
ついつい日常の中で「ジャッジ」してしまう事に気付かされますが、それが自分の事を苦しめている事にも気付かされます。
挫折したり、誰かと比べて情けなくなったり、他にも人生の中で悩む事がたくさんありますが、それは全て自分の中で「ジャッジ」しているのだと改めて気付かされました。
とにかく何か心の中でモヤモヤがある時は、この本に立ち戻り、ジャッジしてないかな?と客観的に立ちかえられるようになりたいです。
とても心が軽くなる良作に出会えました。
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Posted by ブクログ
自分の中では、ここ10ヶ月の中で1位と
言いきれる様な良本に巡り会えたような気持ち。
今の自分に全てがピッタリで、
素直に心に言葉と例えがマッチした。
ずーーーっと、頑張って頑張って、
誰にも負けない、自分にも負けないと、
ひたすらに努力努力努力し続けてきた人生で、
ここに来て、ポキッと折れて、
生きる意味を見失い、自己肯定感が下がり、
恐らく躁鬱病の様な症状が出ていたから、
本当にこの本に会えて良かった。
若いうちは、それは逃げだとか妥協だとか、
鬱なんて弱さだ、なんて言う側の人間だったけど、
自分がそうなったらいかに辛いことか
本当に過去の浅はかな自分に教えてあげたい。
この本は、暫くメンタルがしっかり安定するまで
すぐ手に取れる所に置いて繰り返し読みたいと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ45年間、延べ10万人以上の患者と向き合った精神科医が教える老子哲学。
精神医療の現場で、うつ病の患者に老子の言葉が刺さる経験をした著者が、「老子の言葉は心に効く」と考えた。精神療法では、認知行動療法、対人関係療法などの西欧由来の技法がメジャーであるが、西欧由来であるが故に「東洋の価値観や思想」に基づく日本人には適応しにくいと感じるケースもあるとのこと。このため、意義や効果が証明されている西欧由来の医療技法にも、やはり「日本らしいカスタマイズ」や「東洋思想に見合ったアプローチ」というものが必要。そうしたアプローチの一つとして老子哲学が期待できると著者は説く。
そもそも老子とは古代中国の春秋戦国時代の思想家で、その思想は老荘思想として現代に伝えられており、同じ春秋戦国時代に端を発する儒教と双璧をなす思想である。これらの思想は、「上り坂の儒家、下り坂の老荘」といわれている。儒教は、社会の中で生きる術を教え、礼儀を重んじ、自らを厳しく戒めるような思想である。一方、老荘思想はそんな社会の外側になって、「まぁまぁ、それでいいじゃないか」という考え方である。このため、人生が上り坂でイケイケのとき、物事がうまく運んでいるときは、儒教に従って厳しめに自らを律していくとよい。しかし、人生が下り坂で、いまいち元気がない、そんなふうに行き詰まっているときは、老荘特有の「ゆるさ」や「自由気ままさ」に寄り添ってみてはどうかというのが、「上り坂の儒家、下り坂の老荘」という言葉の意味である。
老子の哲学は、ある意味では「弱さを承認する思想」なので「甘えを認める哲学」ととられかねないところがあるのも事実である。しかし、老子の哲学は、物事の価値を判断しない・他と比較しない「ジャッジフリー」な哲学であり、うつ病にある極端な心的傾向(①劣等意識、②被害者意識、③完璧主義、④執着主義)を解きほぐす気づきを与える可能性があるとのこと。このため、本書では、「32の老子の言葉」を取り上げて、「ジャッジフリー」な考え方を紹介し、精神科医である著者が「意訳」ならぬ「医訳」をして、分かりやすく紹介している。
(感想)
私自身、心的傾向のうち、③完璧主義と④執着主義的傾向が強く、その結果、①の劣等意識を抱く様になった状態にある。このため、この書で紹介された老子の言葉のいくつかは、なるほどと頷かされるものであった。ただ、この思想を本当に自分のものにしていくには、日々の出来事の中でその思想を自分に言い聞かせることを積み重ねて、身に着けていくことが必要だろうと思った。このため、この書は他の認知行動療法の本と合わせて、何度でも読み返したいと思う。もともと、禅の源流の一つに老荘思想があること、また、太平洋戦争を終戦に導いた鈴木貫太郎元首相の愛読書が老子であったことから、老子には興味があり解説本を読んだこともあったので、本書もとても興味深く読ませてもらった。本書で紹介された老子の言葉の部分を、他の老子の解説本でも改めて読みなおして、深くその思想への理解も深めていきたいと思う。
(紹介された言葉)
本書で紹介された老子哲学のうち、私自身が心にとめた言葉は次のとおり。
・昆布の思考:自分は何も残していないと嘆く必要はまったくない。本当に優れた生き方をしている人は、自分の跡に、何も残していかないものだ。
・鏡の思考:“人に勝つものは力あり。自ら勝つものは強し。”勝ち負けという概念自体、あやしいもの。そのんなものに振り回されず、他人に向いた視線を、自分自身に向けてみる。
・時計の思考:“努めて行う者は志有り” 結果を出すことに執着する必要はない。「努力を続けている」という、それだけで十分に達成している。
・毒きのこの思考:“善人は不善人の師、不善人は善人の資なり” 「不真面目な人」「ずる賢い人」に腹を立てるのではなく、そんな人からも何かを学ぶ。キーワードは「ジャッジしない」こと。
・ミットの思考:“恨みに報ゆるに徳をもってす”
・めがねのつるの思考:“曲なればすなわち全し“ 人間がねじ曲がっているなら、ねじ曲がったままでいい。「できないこと」を嘆くより、「このままどう生きるか」を考えてみよう。
・幽霊の思考:地位、名誉、お金、評価を求める人は多いけれど、自分の身体を犠牲にしてまで、「手に入れなければならないもの」など何もない。
・塩むすびの思考:“足るを知れば辱められず、止まるを知ればあやうからず” 本当に足りていないのか?足るを知り、幸運を感じ、謙虚、感謝、一生懸命。
・愛猫の思考:“大道廃れて、仁義あり” ●●せねばというルールはない。
・茶碗の思考:「役に立つ」「役に立たない」なんて簡単には決められない。
・塩大福の思考:“その栄を知りて、その辱を守れば、天下の谷となる” 「成功と失敗」「栄光と挫折」の両方を知っているひとは、面白くて強い。「高み」しか知らない人は、じつは弱い。
・てるてる坊主の思考:完璧な準備をしたってうまくいかないことはある。よかれと思ったことが裏目に出ることもある。いつも、いつも「正しい因果関係」があるわけじゃない。
・鯉のぼりの思考:自然に任せて、ただ生きていけばいい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「元気なときの孔子、いまいちなときの老子」
うつ病で悩む患者さんを診察してきた精神科医の立場から書かれた本。
多くの人が抱く悩みや不安に対しての治療の一つとして、老子の教えを取り入れており、著者の解釈も含めてわかりやすく紹介されている。
特に、気持ちが落ち込む大きな理由の一つとして「いつも他人と比べてしまっている」ことを挙げていて、これには非常に共感した。
自身、SNSで友人のキラキラした日常をみて、「それに比べて自分は味気ない毎日だ…」となったり、
職場で能力があり活躍する同僚をみて、「自分は役に立ててない…」と感じることもある。
こういった感情に対し、著者は老子の教えを引用して、「ジャッジしないことの大切さ」について述べている。
印象に残った思考は、
・他人が気になったら鏡の思考
→勝ち組、負け組、というのは相対的なもの。安易に振り回されず、他人に向いた視線を自分自身に向けて見る。
・絶望したら塩むすびの思考
→ほんとうは十分なのに、自分で「足りない」って思い込んでるだけかもしれない。
一つの事実に対して幸運か不幸かと感じるのは自分次第
老子の、無為自然(自然のまま、流れに任せて生きるのがいい)という考え方は、
でも現実はそんなこと言ってられないよ!
と言いたくなる人もいる気はするが、
それでも自分にとっては肩の力が一つ抜けた気がして、読んで良かったと思う。
装丁や挿絵にも癒されたので、気持ちが落ち込む日が来たらまた再読したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレちょうど『グランド・ブダペスト・ホテル』を観る数日前から読み始めて、観終えた後に読み終えた、というのもあり何となくこのとぼけた雰囲気を身にまといつつ確信を付いてくる、という意味で本日はすごく良い気持ちで眠れそうな読後感。
著者は医学の立場から分かりやすい症例を紹介しつつ、専門的な話は別枠でかみ砕いて説明しており(しかも専門家から見ると多少違うニュアンスかもしれないがあえて、とのこと)、信頼できる印象の先生である。
とはいえ内容は普通。この手の書籍を好んで読む私のような人たちには新しい発見はないと思います。初版1998年と古いので(しかし読んだのは2003年第8刷&改訂なし版なので名著と言えよう)、もしかしたら現代医療では異なるアプローチになるのかもしれない。
しかしあえて★5にしているのはすごくトボけている文体です!コロンボ風に語ってみたり、謎が謎を呼ぶミステリー風に書いてみたり、嫌な患者だなあーしかし私もプロである、なんて正直に述べてみたりなど、本として飽きさせない面白さ。著者の最近の本もぜひ読もうと思います!オススメです!