麻田雅文のレビュー一覧

  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾し、敗戦を認め、日本の戦争は終わった。という、常識は正確ではない。日本はまだ戦争中だった。なぜなら、ソ連が8月8日に日本へ宣戦布告し、満州や北方では日ソ戦争が続いていたからだ。戦争は半月で終わったとはいえ、これはこれで間違いなく戦争だ。しかも、その結果として日本は多くの国民をシベリアで抑留され、北方領土を失う。

    なぜ、ソ連は敗戦濃厚な日本へ宣戦布告したのか。なぜ、敗戦を受け入れた日本へさらに戦争を続けたのか。そして、日ソ戦争を経て、日ソ両国とアメリカ、中国が得たもの、失ったものを本書は分析する。

    突然のソ連参戦で油断していた日本は無抵抗に、蹂躙

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    2025年11月15日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    元々終戦間際の調整役としての役回りを期待していたソ連の侵攻、それに続く奪取や蛮行。
    今の日露関係の起点のみならず、中国とロシアとの蜜月の関係、ウクライナ戦争に通ずるロシア人に蔓延るDNA等、示唆がひたすら多い良書だった。

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    2025年09月14日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    八月十五日正午の玉音放送で、戦争が終わり、日本が負けた。これでもう空襲に怯えないで済む。ところが、満洲、朝鮮半島、樺太、千島列島にとってはそうではなかったことが初めて分かった。本当に、ソ連が八月八日に対日参戦したことは歴史で習った。しかし、八月十五日を過ぎても戦闘が行われ、住民が奪われ、強姦されたことは習わなかったのではないだろうか。

    本書の最後に年表があり、最後の項目は九月十七日、ソ連軍、北緯38度線以上の朝鮮半島の占領を完了。
    このあと、武装解除された関東軍は、もう日本人住民を守ることができず、満洲や樺太などに住んでいた日本人は(今まで圧政を敷かれていた)朝鮮の人やソ連兵の暴力にさらされ

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    2025年08月20日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    自分の歴史観が揺さぶられる一冊。1945年の8月、9月に満州、朝鮮半島で何が起きていたのかを知る。今まさにロシアとウクライナが戦っていることを踏まえても、第2次世界大戦から刻々と歴史は続いており、国同士の争いは終わっていないことを感じられる。

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    2025年08月18日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    第二次世界大戦終結間際に起きた日ソ戦争の全貌を描く本。あとがきに「日ソ戦争で流された血や涙はまだ乾いていない」とあるように、悲惨な実態であったにもかかわらず、その詳細はまだ明らかでない。結論から言うと、終戦間際の日本が弱ったところにソ連がハイエナのように食いつき、領土や資源、あげくに抑留という形で労働力まで奪っていった悪辣な戦争と言える。まあ日本もとやかく言えるような戦い方をしていないが、強姦や虐殺が当たり前だったソ連軍の非道はそれを上回る。著者の指摘するように、日ソ戦争は日本だけでなく、朝鮮半島の分断や中華人民共和国の誕生など東アジアの戦後史に大きな影響を与えた。その意味でも、日ソ戦争の全体

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    2025年08月01日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    太平洋戦争の最末期、突然開かれたソ連との戦端。参戦のタイミングを測るソ連。一方でアメリカの原爆投下で戦争は終結に向かう。終戦後の日本統治、北海道統治は慌ただしく決められ,北方領土四島の領有もきちんと話し合われた形跡がない。

    この日ソ戦争に関してソ連側の軍規の緩さ、軍の残虐さ、横暴さは今も変わらないと思う。略奪品を一旦ソ連軍に集めはするが、安く兵士に払い下げるなど,常識が通用しない行動をとる。その最たるものがシベリア抑留。ソ連側のロジックとしては、独ソ戦で多数の死傷者を出したため、復興に必要な人手を捕虜にやらせた、ということだろうが、国際法上は全く根拠のない違反行為である。

    本書は、「全体の

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    2025年07月02日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    ・「8月15日で戦争は終わった」って、ずっとそういうふうに思ってた。でもこの本を読むと、終わったどころか、むしろそこから始まった戦いもあったんだなと。

    ・ソ連が満洲とか樺太とか千島に一気に攻めてきたのは知識としては知ってたけど、ここまで本格的だったとは思ってなかった。
    しかも、民間人がすごく巻き込まれていたということにびっくりした。開拓団の話はきつい。

    ・8月15日以降の日本って「平和になった」っていうイメージだったけど、実際には現地では停戦がうまく伝わらず、むしろ攻撃が激しくなってたりする。
    終わるはずの戦争が、別のかたちで続いてる感じ。

    ・シベリア抑留につながる話も出てくる。捕虜とし

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    2025年06月24日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    かなり前に占守島の戦闘を描いた浅田次郎さんの「終わらざる夏」を読みました。あの時も苦い思いが残りました。昭和天皇の無責任さと日本政府、日本軍の底抜けのバカさ加減は既に十分認識していましたが、ロシアという国の陰湿、非道さとロシア人の程度の低さはやっぱりそうだったかと改めて思わされました。プーチンはまさにそのロシアを象徴する悪人。そんなロシアと仲良くする必要などないですね。北方領土返還まで国交断絶しても良いんじゃないですか。ロシアで儲けようとしている日本企業には不買運動を起こすべきだと思いました。

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    2025年05月14日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    圧巻でした。
    『シベリア出兵』に続けて本書を読み、今まで知らなかったソ連と日本の出来事や、アメリカとの関係性を認識することができました。

    戦争を終わらせることの難しさ。
    武装解除によって起こること。
    民間人が取り残されたときに起きること。
    集団自決を選ぶに至った女性たちが置かれた環境の厳しさ。

    戦争は起こしてはならないと、改めて胸に刻みました。

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    2025年04月24日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    むがー!

    どうする?どうしたらいい?

    はい、『独ソ戦』に続いて今度は、その反対側で行われた『日ソ戦』について学びます

    しかも今回は日本が絡んできますので、より身近

    それにしてもソ連軍非道いわ
    いや日本軍だってまぁまぁ非道いんだが、あいつらほんまにエグい

    無条件降伏しとるのにがんがん攻めてくるし
    民間人殺しまくりだし
    女性は強姦されまくりだし
    あるものみんなとってくし
    どさくさに紛れて千島列島占領しちゃうし
    どんどんシベリアとか送るし

    スターリンが非道いのか
    ソ連軍が非道いのか
    ロシア人て基本そんな奴なのか
    戦争でおかしくなってたのか
    その全部なのか
    わかりません

    分かりませんけど

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    2025年04月22日
  • シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争

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    知らなかった歴史を知ることができ、興味深く読みました。

    尼港事件については本書で初めてその内容を知り、言葉を失いました。

    情報の取り扱い、意思決定のルート、様々な立場の人たちの思惑がからんだ先に起きてくる様々な事象に、これは過去のことと割り切ってしまってはいけないと、身が引き締まる思いでした。
    また、戦争を終わらせることの困難さが、意思決定に携わる要人たち各々の人柄とともに伝わってきました。死者が増えてゆくほど引き返せなくなってゆく、その場にいる人にしかわからない苦しさ。「どうやって終わらせるのか」の判断の厳しさも思いました。

    歴史に疎い私にもイメージが浮かぶほど、わかりやすく書かれてお

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    2025年04月17日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    教科書では、「8月9日にソ連が、中立条約を破棄して侵攻した」と短い記述があるくらいだと理解していたが、短期間で広大な領域で戦闘が行われたことを初めて知った。力作。

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    2025年04月11日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

    購入済み

    第二次大戦の裏

    ソ連参戦の一行の裏が、よくわかる一冊。北方領土を守った日本陸軍の健闘、シベリア抑留や、うちの親、祖父母も経験した満州からの引き揚げの苦労が身に迫ってきた。巻末の参考文献のボリュームに、どれだけのご苦労と思いで書かれたかが伝わる。

    #アツい #深い #共感する

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    2025年03月20日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    1945/8/8から始まった戦争の記憶。大変分かりやすかった。「戦争の記憶の風化に抗いたい」著者の思いがまっすぐに伝わってくる。
    高校生や大学生、若い世代に読んでほしい。一冊読み切るのが難しいと感じている人には、端的にまとめられた「あとがき」だけでも読んでほしい。そして共に歴史をつないでいきたい。

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    2025年03月15日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    久しぶりにとんでもない良書に出会えた充実感があった。日ソ戦争という、太平洋戦争のサブの文脈として捉えられがちな陰惨な戦争を本気で解読した一冊であると思う。シベリア抑留、満洲残児、ラストエンペラー溥儀というような独り歩きしている単語の裏にある歴史的背景とソ連という国の持つ恐ろしい性格をこれほど素人にもわかりやすく示している一冊はあまりなく、単なる事実の羅列ではなく、将兵や政治家の人物像や心理が伝わって来た。今自分が普通にぬくぬくと生活をしていることに心から感謝し、歴史の証人たちに敬意を表したくなる一冊だった。

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    2025年03月09日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    ネタバレ

    秀作。
    日本人の殆どが注目していないのに大事な歴史。もっと知らなけらばいけない。
    日本最後の(最後にしたい)戦争。
    ロシア(ソ連)は信じるに足らない国であることを認識しなくてはいけない。中国も。米国も信じ切ることはできない。自国の防衛は必要で、外交の巧みさも必要。

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    2025年02月01日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    本年はちょうど終戦から80年。だからというわけではないが、第28回司馬遼太郎賞を受賞するなど評価が高い本作を読んでみた。本作は表題のとおり、第2次世界大戦末期に行われた「日ソ戦争」について描いた作品である。原爆投下後ソヴィエト聯邦が大日本帝国に対して参戦して、「ポツダム宣言」受諾後も戦争が継続されたことはもちろん歴史の授業でも習うため智識として知ってはいたが、本作ではじめて知るような内容も多かった。たとえば、日本がソ聯と開戦するまさにその直前まで、聯合国との媾和の仲介をソ聯に依頼していたとは知らなかった。たしかに「日ソ中立条約」を結んでいたとはいえ、おなじ枢軸国であるドイツと大激戦を繰り広げた

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    2025年01月26日
  • 日ソ戦争 帝国日本最後の戦い

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    日本とソ連の戦争の概要を述べた本。研究書という堅苦しさがなくすっと読める。起こったことがていねいに紹介されているが、深みは感じられない。
    戦争というものが多くの民間人を犠牲にするものだということははっきりと分かる。

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    2025年01月09日
  • シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争

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    歴史においてあまりクローズアップされないシベリア出兵ですが、実は後の第二次世界大戦にもつながっていく非常に重要な出来事でありました。 共産主義のソヴィエトを警戒する意図だけではなく、欧米諸国からの圧力、そして第一次世界大戦の分け前を得るために欧米諸国にアピールしなければならなかった背景など、この本を読んでいると知らなかった意外な発見に驚くことが多々あります。 シベリア出兵は日本の歴史を考える上で実は大きな意味を持った事件だったということをこの本では感じさせられました。

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    2024年08月16日
  • シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争

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    シベリア出兵についてあまり書かれていないとあとがきでは述べられていたが、その後結構書かれていると思われる。朝日新聞で紹介されていた本である。
     歴史というよりも日本のシベリア出兵における政治史であるというのは、原敬日記をもとにしているのからかもしれない。
     歴史の教科書に書かれていない詳細な記述であった。

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    2023年01月25日