仁藤夢乃のレビュー一覧
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子どもを巡る、保育、養護、療育、貧困対策、性の多様性、居場所作りなどについて各テーマごとにコンパクトにまとめられており、第一線で活躍しマスコミにもよく登場する筆者たちが現場発の生の声で語っている。
今保育士の受験勉強の途中で、児童養護や福祉について学んでいるので、乳児院や養護施設、里親、虐待からの保護などいろいろディープな環境にある子どもたちの事情に興味があって読んでみた。
正直読んでいて辛くなる。
一般人に縁がありそうなのは保育園の待機児童問題くらいで、その他は不幸にして家庭や親に恵まれなかった子たち、または、生まれつきの障害や性的マイノリティーなどの苦労を負った子たちだ。
しかしその -
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カタリバの同期が書いた本。
悔しいけど、乗り越えてきた波の数が違って、現時点では全く適わないと思った。
僕は「普通」すぎる。まだまだ足りない。
本書には筆者の高校生時代、高校中退後、大学入学後、震災後、と様々な場面が子細に描かれている。
ドキュメンタリー系の本によく出てきては主人公の心中で皮肉られる「理解してくれない周囲」は、作中で見れば「こいつはなんで主人公を理解してくれないんだ」という感想を抱きがちだが、現実世界に照らし合わせて考えてみると、作中で指弾されているような発言を自分も軽々としていることに気付かされることがある。
今回はまさにそのような反省を伴う読書だった。 -
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少し遠くのことばかり追いかけるのではなくて、
もう少し足下も見た方がよいと強く思った。
社会的な繋がりを失った、
高校生達が巧みに大人に騙されて、
暗い世界に入り込んでしまう、
そういう現実を実際の高校生達のインタビューから
作られた本。
著者も実体験を踏まえた上で書いているので、
更にリアルさが際立っていた。
"最近の若者…"という言葉がはびこる世の中で、
一方で"最近の大人は…"という言葉もあるんじゃないかと
思う。
どちらかが悪いとかではなくて、
若者、とか、大人とか関係なく、
お互いに正しく生きられる、
お互いに楽しく生きられる、
そんな -
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この方はどこからどう見ても恵まれすぎていて、なんでグレたんだろう、難民になったんだろう?って疑問しかわかなかった
どんな状態でも愛を送り続けてくれるおじいちゃんの存在や、高校(私学)を辞めても河合塾の生活全般を(行けば)提供してくれるフリースクールみたいなところにも通わせてもらえる余裕のある家庭環境もあって
もっと本当に抜け出せない人はたくさんいそうだなぁと思う
やってることはすごいし、彼女にしかできないことをこれからもやってもらったらいいなと思った
物質的には恵まれている日本で心が貧困になっちゃってる、親や近しい人から無条件の愛を降り注いでもらえなかったらこうなるのかなと感じた
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子どもの人権をまもるというテーマに沿って……かな? けっこうそうそうたる人々が稿を寄せている。宮田雄吾(大阪共立病院・大村椿の森学園)、山野良一(名寄市立大学・専門社会調査士)、駒崎弘樹(認定NPO法人フローレンス代表)、仁藤夢乃(一般社団法人Colabo代表)、熊谷晋一郎(東京大学・当事者研究)、大塚玲子(編集者・ライター)、内田良(名古屋大学・教育社会学)、大貫隆志(「指導死」親の会共同代表)、大原榮子(「メンタルフレンド東海」世話人代表・名古屋学芸大学)、前川喜平(元文部科学省事務次官)、白濵洋子(佐賀女子短期大学・学校保健)、内藤朝雄(明治大学・社会学)、山下敏雄(弁護士)、村田和木(
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ネタバレ難民高校生(学校にまともにいかない、行き場所を失いぐれている高校生)だった著者の体験記。
学校にもあまりいかず、家族ともコミュニケーションをとらず(とれず)、いわゆるグレて昼夜が逆転した生活だった著者がある農園ゼミに参加することにより少しずつ自分を変えていく生活。
前半はいわゆる難民高校生だったことの著者のぐれた生活、後半は更生(といっていいかわからないが)してからの著者の活動。
伝えたいメッセージとしては「居場所がない子供たちの心の叫びを聞いてほしい」ってことだと思う。
思ったのは人間いきなりではなく、外部の環境や本人の考え方が相互作用を起こしながら少しずつ変わっていくということ。
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Posted by ブクログ
環境や周囲の大人とのすれ違いで渋谷を徘徊する難民高校生となってしまった著者が様々な出会いによってそこから抜け出せたのはたまたま運が良かったからなのかも知れない。誰にでも難民に陥る可能性はある。そして周囲の友人に恵まれなければ、努力だけでは抜け出せないことも多いと感じた。それだけにリアル。大人は彼らに何がしてあげられるか。
学校で彼らが接するであろう「先生」と呼ばれる人たちのほとんどは学生時代「ダメな子」ではなかったと思うので、正直荷が重い問題だと思う。では、誰が難民高校生を救えるんだろうか・・・。著者の活動が一人でも多くの若者に希望を与えてくれればと思います。