あらすじ
高校時代、私は渋谷で月25日を過ごす“難民高校生”だった。
「居場所を失くした若者」として希望のない生活を送っていた著者が、小さなつながりから変わりはじめ、国際支援の大きなイベントや被災地支援の商品企画プロジェクトの成功を通じて、自分への自信と社会での居場所を取り戻していく過程を描く。「ささいなきっかけから社会的に孤立する」ことは誰にでも起きる可能性があることであり、特に属するコミュニティが限られる「若者」に対する社会的支援の必要性を訴える。
村上龍氏推薦!
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今どきの若者は・・・といったことがある人、またその言葉に違和感や怒りを感じる人は読んでほしい。
Colabo代表・仁藤夢乃さんが今どきの若者の悩み、苦しみと同じ苦しみの渦中にいて社会活動家に成長するまでがつづられている。
子供たちが立派に成長するためには、激励や説教などではなく、私たちの優しさと支えが必要なのだ。
今どきの若者はすごい。
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学校という居場所にいられないということはすごくしんどいことなんだと思う。
それは本著で作者が語っている。
そんな場所に行ってしまった人たちに対して何がしてやれるのか。
作者は大人に対して「個人と向き合う」、「可能性を信じる」、「姿勢を見せる」の三つをして欲しいと述べている。
この三つはどれも納得させられるものだった。これを大人の責任として自分も取りくみたい。
同じ年齢の作者に励まされた一冊だった。
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カタリバの同期が書いた本。
悔しいけど、乗り越えてきた波の数が違って、現時点では全く適わないと思った。
僕は「普通」すぎる。まだまだ足りない。
本書には筆者の高校生時代、高校中退後、大学入学後、震災後、と様々な場面が子細に描かれている。
ドキュメンタリー系の本によく出てきては主人公の心中で皮肉られる「理解してくれない周囲」は、作中で見れば「こいつはなんで主人公を理解してくれないんだ」という感想を抱きがちだが、現実世界に照らし合わせて考えてみると、作中で指弾されているような発言を自分も軽々としていることに気付かされることがある。
今回はまさにそのような反省を伴う読書だった。
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今どきの若者は、という前に自分を見つめ直してみよう。果たして我々は「まともな大人」なのだろうか。
ここには「助けて」という声や「ここにいる」という声がある。彼女たちの体験談はリアルで時に身を切るように痛くて、悲しみや切なさに溢れている。
では、だからといって本書がエンタメ小説のように「泣ける〜」と消費される本であるかと問われると答えはNOだ。
問題行動を起こす子には背景に何らかの問題や原因があり、それらに目を向けてあげなくてはならない。
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○社会学を専攻し、各種事業を手掛ける仁藤氏の作品。
○著者の高校時代からの活動や心情を振り返りつつ、「大人と子供」という関係について、独自の視点で描いた作品。
○事実に基づいた具体的な描写は、読む人の心を大きく動かしている。全体をとおして、著者の素直な心情が伝わってきた。
○文章としては、若干くどい表現も多く、読むのに疲れてしまったが、内容はすばらしかった。
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少し遠くのことばかり追いかけるのではなくて、
もう少し足下も見た方がよいと強く思った。
社会的な繋がりを失った、
高校生達が巧みに大人に騙されて、
暗い世界に入り込んでしまう、
そういう現実を実際の高校生達のインタビューから
作られた本。
著者も実体験を踏まえた上で書いているので、
更にリアルさが際立っていた。
"最近の若者…"という言葉がはびこる世の中で、
一方で"最近の大人は…"という言葉もあるんじゃないかと
思う。
どちらかが悪いとかではなくて、
若者、とか、大人とか関係なく、
お互いに正しく生きられる、
お互いに楽しく生きられる、
そんな社会を形成するのが必要だなと思った。
どちらに対しても、偏見持つ事なく、
寄り添える、地縁とか血縁関係なく、
繋がりを持てる社会、自分もこの日本社会を形成する
1人の人間として、考える必要がある、と思った。
そういう意味で、今後も特定の世代とだけ、
関わるのは辞めていきたい。
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よくある話かと思いきや、阿蘇さんとの出会いから、著者の人格が一気に深化、活性化し始める。ロールモデルの大切さ。葛藤、停滞してきた著者だからこそ今があるという説得力。被災地への視点も尊厳に満ちている。これから正念場をなんどもくぐるだろうが、私も大人の一人として、姿勢を見せていくことでエールと感想に代えたい。
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家庭にも学校にも居場所がなく、渋谷に居場所を求めた著者。
その時に出会った人を通して、現代の高校生の抱えている問題を書いている。
うちにも家庭に居場所がないのでは?と思えるコがいる。
学校で反発していて、我々を困らせるけど、学校が唯一の居場所で、わがまま言える場所なんだね。
ここが無くなったコたちは、難民になるのかと思うと、教育に関わる者として、責任は重いなと改めて感じる。
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この方はどこからどう見ても恵まれすぎていて、なんでグレたんだろう、難民になったんだろう?って疑問しかわかなかった
どんな状態でも愛を送り続けてくれるおじいちゃんの存在や、高校(私学)を辞めても河合塾の生活全般を(行けば)提供してくれるフリースクールみたいなところにも通わせてもらえる余裕のある家庭環境もあって
もっと本当に抜け出せない人はたくさんいそうだなぁと思う
やってることはすごいし、彼女にしかできないことをこれからもやってもらったらいいなと思った
物質的には恵まれている日本で心が貧困になっちゃってる、親や近しい人から無条件の愛を降り注いでもらえなかったらこうなるのかなと感じた
17歳の時に付き合っていた彼氏は東京で働いて一人暮らしをしていたけど、どこからきて、どんな理由で仕事をしているのか聞いたこともなかった、とういうのが、とても印象的だった
お互いのことを話さずに(素性を知らずに)付き合える人間関係ってのがわからなかったので
文中にもそういう関係性やお互いを信用しないなどが渋谷での関係性と書かれていたので、切なかった
少なくとも
大人だからえらいとか、最近の若者があかん、とかも全く聞くに値しないよって子どもや若い人たちに全力で伝えたい
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家庭に居場所がなく実際に渋谷ギャルだった仁藤夢乃さん。
彼女がどんな世界を生きて、そしてどんな世界を見てきたのか。
メイドカフェでの勤務。
「生きるため」にこうした仕事をしていた10代の女の子たち。
湯浅誠『貧困襲来』より引用
「貧困」というのは「溜め」のない状態のことだ
貧困に陥らないためには「金銭的な溜め」や「人間関係の溜め」そして「精神的な溜め」が必要。
貯蓄や親や友人とのつながり、そして自信やゆとり。
こうした溜めが我々を支えている。
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恵まれている環境なのに全てが嫌で反抗してしまう女子高生達に昔の自分を重ねて読みました。大人達は私達の事は分かってくれないと思っていました。今なら大人の気持ちも考えられますが、当時は鬱陶しいだけでした。著者が書いているように、高校生や学生に関わる大人達にも読んで欲しいです。読んだ後に少しはお互いの距離が縮まれば、その事で彼女達が自分を傷つける事が減り、精神的蓄えが生まれると思います。著者は高校を辞めた事で、結果的に世界が広がり一歩が踏み出せたので、悩んでいる子達に高校だけが全てではないと知って欲しいです。
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家庭や学校、他のどこにも居場所がないと感じている高校生。彼らを見守る大人のいない状態で生活するようになると、危ない誘惑がたくさん待っている。精神的な「溜め」もなく、他の選択肢も知らず貧困な大人になってしまう。
渋谷という居場所が、若者を食い物にしている場所でもあったわけで。一人で生きていくしかない思いつめるのが思春期、その心理を当事者として語ったこと。
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難民高校生(学校にまともにいかない、行き場所を失いぐれている高校生)だった著者の体験記。
学校にもあまりいかず、家族ともコミュニケーションをとらず(とれず)、いわゆるグレて昼夜が逆転した生活だった著者がある農園ゼミに参加することにより少しずつ自分を変えていく生活。
前半はいわゆる難民高校生だったことの著者のぐれた生活、後半は更生(といっていいかわからないが)してからの著者の活動。
伝えたいメッセージとしては「居場所がない子供たちの心の叫びを聞いてほしい」ってことだと思う。
思ったのは人間いきなりではなく、外部の環境や本人の考え方が相互作用を起こしながら少しずつ変わっていくということ。
ドラマと違って人間変わろうとおもっていきなり変わることは少ない。
外部の刺激や行動が変わり考え方が変わり、そうすると刺激や行動の捉え方が少しずつかわり、またその相乗効果で考え方も変わる・・・そういったプロセスを経て思考や行動がかわっていくのだと思う。
この本も多分に脚色や編集はあるだろうけど。
著者にも農園ゼミに参加してある日突然変わったわけではなくて、その人たちとの接触頻度があがることで少しずつ行動が変わり、考え方が変化していったんだということ。
著者やその活動に興味はないけどそのことに興味はあったんでそういう意味ではよかったかも。
関係ないがAKBのメンバーの姉だったらしいがそのことは著者では一切ふれていない。
Posted by ブクログ
金銭的・関係性貧困状態にある高校生などの支援をしている仁藤さんの本。
仁藤さん自身のことや周りの同じような境遇だった人について、今の活動に至る経緯が書かれていた。
Posted by ブクログ
環境や周囲の大人とのすれ違いで渋谷を徘徊する難民高校生となってしまった著者が様々な出会いによってそこから抜け出せたのはたまたま運が良かったからなのかも知れない。誰にでも難民に陥る可能性はある。そして周囲の友人に恵まれなければ、努力だけでは抜け出せないことも多いと感じた。それだけにリアル。大人は彼らに何がしてあげられるか。
学校で彼らが接するであろう「先生」と呼ばれる人たちのほとんどは学生時代「ダメな子」ではなかったと思うので、正直荷が重い問題だと思う。では、誰が難民高校生を救えるんだろうか・・・。著者の活動が一人でも多くの若者に希望を与えてくれればと思います。
Posted by ブクログ
子どもだったときのこととか中学、高校だったときのこと、忘れないと思ってても、忘れてしまうんだなと思った
それを忘れたら子どもに歩み寄れないよね
そんなことを感じた
一人の個人の人間として向き合うために
Posted by ブクログ
ほんと溜めは大事だ。
高校とかもうすごい遠くてでも振り返ってみると割と昨日のような感じもしなくもない。(未だに時々出席日数が足りなくて卒業できないかもって不安になってる夢をみたりする)
高校のときの世界はは家庭と学校のみでそこにおいての関係性を崩すと途端難民化するというのはよく解った。高校生で金銭的な溜めがあるこは稀だ。
あたしも家庭と学校以外の場ができたとき、そこがほんと居場所になった。
それ以前に出会った大人で自分に影響を与えたひとは皆無だ。
だから余計に生きる意味を失っていく。難民化した高校生が出会う大人の大半は彼女彼らの若さを商品として考えるひとたちなのだ。
でもいつなのかは分からないけど、きっと出会える。自分に影響を与えるひとに。
彼女も出会った。そして彼女の中で決して大きいとはいえないけど変化が起きた。その彼女にまた他のひとが出会っていく。
諦めそうになると思うけど、とりあえずこの本を読んでほしい。文章力がちょっと足りない感じがするんだけど、でも近い目線で描かれてるから伝わる。
あたしも思ってた。大人はあたしの気持ちなんて分からない。
今その大人にあたしがなった。リアル高校生とはなかなか接する機会がなくて、電車とかですれ違うだけだと、最近のこは何を考えてるのかなーって思ったりする。
あたしもそう思ってたことこの本を読んで思い出した。
「私じゃないとできないこと」はない。
でも「私だからできること」はある。
これに激しく同意。
誰にでもそのひとだからできることがある。
だから自分を諦めないで欲しい。
大人に余裕がない国は子どもに希望を与えること難しいんだろうな。子どもが希望を与えてくれてるっていうのは所々にあるんだろうけど、それを子どもが実感できるかできないかっていのもそのこにとってはとても大きなことな気がする。