薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
帯にタッキーが写っているけど、TVドラマになるわけね。
最近、こういう感じが多いけど、小ネタを潰しながら、お話全体としてはひとつの謎を追うというのは、確かにTVドラマ向きな話ではあるわな。
少年の頃に姉を暴行で殺された主人公が、警官経由探偵になり、依頼人(主に犯罪被害者)からの調査をこなしながら、独自に姉を殺した犯人のその後を追うというお話。
心の底に憎悪の焔を隠し、いつ爆ぜるともしれない感情を抱えて、刑期を終えて出てきた犯人の生活を探り、彼らが赦すに値するか否かを問い続ける。
前半、40頁程度の話が連なって進む話は、登場人物のそれぞれが罪を犯したか、あるいは犯罪によって肉親を喪ったり家庭を壊された人々で、いずれの側にせよどこまで行っても救いようのない暗さが付きまとい、多少読むのがキツイ。
後半、姉を殺した犯人の出所後に迫る話になって、「犯罪被害者遺族は、何をもって 罪を赦すことができるのか?」というテーマが更に重く圧し掛かってくるのだけど、主人公の躊躇を尻目に周りのほうから展開し、主人公の葛藤が突き詰められないまま、ある意味、普通の小説の展開になって、最後はきれいにまとまってしまう。
前半の遣る瀬なさに比べ、結末の後口は悪くなく、まあいいんだけど、投げたテーマに対する落し方としてはこれで良かったのかい?という感じも。