見波利幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いじめの例で出てくるものとしてはとても理不尽なものであり、容易に抵抗することができるものではないと思いました。
筆者の立場としては、法的に争うという手前の関係性の修復やいじめ主の望む対応を取ることにより結果的に穏便にうまくいくことをメインの対策に据えているように見えました。この辺が別の本「大人のいじめ」とは違う点と思いましたが、個人的には人間関係でストレスを抱えてる状況は常にストレスにさらされ心を病むものであり、ここに出てくるような対応ができるのはよほど心に余裕がないと出来ないように、個人的には思いました。
争わなくて済むなら争わないほうが面倒も負担も少ない、というのは僕自身も思うのですが。 -
Posted by ブクログ
心が折れてしまう事例を、豊富なカウンセリングの経験を交えながら紹介。対策方法や職場環境の改善に繋がる助言を丁寧に述べています。
90分のメンタルヘルス研修ではあまり効果がなく、目新しい内容を盛り込んだ1日や2日かけての研修を取り入れるべき。表面的な内容の研修でなく、踏み込んだ内容や知らないことを取り上げることで多種多様な質問が活発に出て、活気あふれる研修になる、については説得力がありました。
「本人が成長ややりがいを感じる仕事ではなく、やらされ仕事である」「職場に人をほめる風土や習慣がない」この2点が揃うと本人がどれだけ頑張ってもレジリエンスは低下し、心が折れやすい状況へと近づいていきます。
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Posted by ブクログ
会社の読書会のテーマ本として購入。
インパクトのあるタイトルで、なんとなく「ネガティブなブラック企業あるある」集かと思ったが、そんなこともなく。
「こんな管理者の言動が、職場の人たちの心を折っている」というニュアンスの本だった。
この手の本を読むと「あー、そりゃそうだろ。当然じゃん」と思ったりもするものだが、自分はその禁忌を犯してないかというと実際はそんなこともなかったりする。「それはあなたが考える仕事だ」と言って部下を放置したり、承認することなしに叱責したり、部下からの挨拶を待っていたり、ホウレンソウを徹底するよう強要していたり。
軽い気持ちで読んだものの、職場における自分の動き方・考え方をイチから見直すきっかけとなった。
普通の新書のボリュームだが、非常に読みやすくすんなり読めたのも好印象。 -
Posted by ブクログ
心が折れる職場とは必ずしもあからさまなパワハラや長時間残業が常態化している職場ではなく、むしろ有能な人達が理路整然と理屈で業務を指示するあまり部下各人の意志や感情に寄り添えてないことが問題となっている。
自分が部下を指導しようと思う上で、また他人の指導を客観的に評価する上で心がけておきたい内容が多い。
以下抜粋
業務上のコミュニケーションにおいても問題の解決方法だけでなく、その問題を抱えている部下の今の気持ちをくみ取る必要がある。p.19
報・連・相とは本来上司の側がいち早く異変やリスクを察知して早めの問題解決に当たるべき。p.26
論理的思考が重視される職場ではメンタルヘルスに問題が起きても、業務の内容や制度の欠陥ばかり考えることが多い。p.32
「頭のいい人」がそろう職場では、感情を露わにすることが何か恥ずかしいと認識される傾向がある。p.34
メンタルの不調を抱える人は「正しい解決策」ではなく、まず「このつらい気持ちをわかってほしい」と感じている。それなのに「現状はどうなのか」「あなたは何をしたいのか」などと質問し「こういう状況で解決するにはこの方法がいい」とコンサルテーションしてしまい、メンタル不調者の求めていることとのギャップが大きい。p.35
同じような長時間労働で働いていても好きな仕事を楽しんでいる場合は労働時間を長く感じないが、やらされている望まない業務の場合は働くことそのものが苦痛になる。p.38
仕事のモチベーションの源泉には外的なもの(職場環境、作業状況、待遇、昇進)や内的なもの(仕事が好き、達成感・満足感、仕事の意義、自分の成長)があるが、後者の方がモチベーションに強い影響を与える。p.47
若手社員は自らの仕事を選ばないため必ずしも大きな成果に結びつかない。そのため若い社員ほど頑張りなどプロセスで評価される割合が大きく、ベテラン社員は成果で評価されるべきである。p.52
公務員などで異動が多い場合には専門性が深まらず、「自分の仕事とは何か」と本質的な悩みを抱えてしまうケースもある。p.68
部下を叱る場合には同様に認めて評価している点にもコメントするべきである。「叱る」、「認める」の一方だけの言葉は部下の心を素通りする。
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部下に難しい仕事を与えたときにはその困難さに応じたサポートがセットで提供されなければならない。p.89
仕事自体は厳しくなくとも自発的に働いている感覚が持てなければメンタル不調になる可能性は高い。p.90
10人のチームで9人がそれぞれ1000万円の利益を上げ、一方でマネジャーは1500万円の利益を上げ自慢している。これは上司の役割ではない。部下からは反感を買うし、「上司の権力で美味しい仕事を持っていっている」と思われる恐れもある。p.93
出世を目指す上司はさらにその上司の事をより意識する。一方で部下のトラブルに対しては「面倒だ。自分を巻き込まないでほしい」と考えがちである。仕事のパフォーマンスが上がらない部下には「アドバイス」はするが、それでもできないと「あいつは使えない」とレッテルを貼り心理的には「切り捨てる」判断をする。p.101
上司から部下には4つのサポートがある。
情報面、情報収集に基づくコンサルテーション
情緒面、共感などによる精神的な支え
道具面、直接的な手助け
評価面、プロセス及び結果に対する適切な評価。p.107
会社と家の往復だけの生活をしている人は会社での承認が得られなければ「自分に価値はない」と考え、自己否定に繋がる。p.121
働きぶりを認めてくれる人が職場に一人もいないとすると、その社員がいくら自分で報酬を設定し鼓舞しても、モチベーションは継続しにくい。p.130
自分にとって何が一番大事か、モチベーションの源泉に気付くことで、それを守る、またはそれを得るために最大限の努力をする覚悟が出来、多少の苦労にも耐えられる。p.135
自分の技術がなく業務の遂行に差し支えるなら、本来はそれを上司に正直に話し、適切なサポートを受けるようにするべきである。p.139
自分の能力が劣っていると自覚している場合に仕事量でカバーしようとすることもひともいるが、スキル不足でカバーできない現実に直面するとメンタル不調に陥る可能性がある。p.200
休職からの復帰も本人との対話から本人の意思を確認することが重要である。上司が不調の原因を勝手に判断して職場を変えてしまうと自信喪失に陥る場合もある。p.204
上司との面談は、部下がどういう仕事であれば情熱を向けられるのか、どんな仕事が好きで、10年後、20年後にどうなっていたいか会話する場である。p.206
働きやすい職場の本質とは、目の前の人を尊重し、その人の気持ちと向き合おうとしているのか、その人と対峙したときにその人を生み育ててくれたご両親や、配偶者や子供など家族を感じられるか。p.211 -
Posted by ブクログ
本書を読んで反省も多かった。カウンセラーとして第一線でご活躍されている筆者だけに、メンタル不調者が多発する職場が帰納法的に経験則で解説され、私自身の感覚と現実が乖離しており大変勉強になった。ノルマや長時間労働が直接的にはメンタル不調へは関係ないことは感じていたが、主体性を重んじすぎたり論理的過ぎたりする職場もメンタル不調を引き起こすのは改めての気付きである。結局は我々は人間であるので、感情を吐露・共有でき、承認欲求を満たせるかが重要だと痛感させられた。他方で、多少は触れられているものの、いまの日本社会ではメンタル不調者の対応を管理者(経営者含む)へ丸投げされているのが現状なので、今後多発するであろう管理者自身のメンタル不調対策は誰がケアするのか、という将来的な課題が横たわっている。
具体的な解決策が書かれているような本ではないが「心が折れる」職場の分析は腑に落ち色々と気付きがある一冊であった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2017年、1冊目です。
とても共感できる内容でした。表面的なメンタルヘルス対策を否定されています。
上司がまず先に、自己開示行わないと部下は心を開かず、信頼関係は生まれない。
一方的に部下のメンタル不調原因を聞き出そうとしても、心の扉は開かれない。
確かにそうだと感じます。相手のことに耳を傾けますと一方的に宣言しても、
なかなか本音は出てこないですね。
それに、自己開示すること自体が、自分自身の成長につながるとことは、
”ジョハリの窓”理論からも裏付けられています。
また、管理職に知識付与的な面だけのメンタルヘルス研修をするほど、
心が折れる部下が増えるとも指摘しています。画一的でデリカシーの欠けた
対処方法に走ってしまうということです。
私は、かつてお世話になった上司から、「人の上司になるということは、その人の人生に影響を及ぼすことになる。その気概を持って務めなさい」と言われました。
そこまで、関わりを持ちたくないと思う人も最近は、上司側にも部下側にも増えていると思いますが、この言葉は、決して忘れてはならないものだと思っています。
おわり
同じ著者の「劣化するシニア社員」という本が気になる。