モームのレビュー一覧

  • 月と六ペンス

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    ゴーギャンがモデルとばかり思っていたが、性格とかかなり異なるとの事。名作として読み継がれてきたが、発表当時は世俗作家との評価だったらしい。書名の解題も解説で触れられ、合点がいく。知人の裏切り方が人非人で、憑かれたような行動は体格もさながら怪人。求めるものが多数の人のそれと違っても幸せな人生を全うした。2021.7.13

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    2021年07月13日
  • 月と六ペンス

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    富や名声、安定した生活。
    そういったものを投げ売ってでもやらねばならないことに取り憑かれた男の物語。

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    2021年07月01日
  • 月と六ペンス

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    明かすのも恥ずかしいが、途中まで実話だと思って読んでた。実在した画家と記者の話かと。もちろん、そうではないんだけど。
    まあ、それぐらいリアリティのある、描写豊かで人間臭さのある文章だということで、自分を慰めておこう。
    モームの本は初めて。
    主人公の記者は傍から見ればかなりのひねくれ者。実際、人はこれぐらい当たり前にひねくれ者だけど。対象の画家は、これまたビックリするほどの変わり者。いや、本当は羨ましい。こんなに自分に正直な人がいるのか?と疑ってしまう程に。
    日本では特に他人様に迷惑をかけないように言い聞かされて育つことが多いように感じるが、実際のところ何が迷惑なのかは分からない。自分だったら不

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    2021年04月18日
  • 月と六ペンス

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    ネタバレ

    語り手に一番共感した。若い人の感性はわからないしきっと素晴らしい物があるんだろうけど、きっと自分はそれが評価されなくなっても古い物にこだわり続けてる。それに絵のセンスも自分と全く一緒……。その辺通して、勝手にモームとお話出来たら絶対楽しいんだろうなあって想像してた!!
    ストルーブとその妻の話が一番面白かった。どうして妻がストリックランドを好いたのか最初全然わかんなかったし、むしろストルーブみたいな人と私も結婚出来たらなあって思ってたけれど、妊娠していた話を聞いて印象が一変。でもストルーブみたいな可哀想なくらい滑稽な人、確かにこういう人どこかに居るよね……ってなる、本当に描くの上手い。ストリック

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    2021年03月07日
  • 月と六ペンス

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    お~久しぶりに一冊の本を読みきった気がする…。
    「モームブーム」って何だか口に出したくなる言葉。解説読んで面白いな~とも思ったけど、もうちょっと深入りした論文的なの読んでみたくなった(っていっつもこういうこと言いながら調べていない)。言葉遣い、知らないことわざがいっぱいあって調べるの楽しかった。やっぱり外国語の本読んでると、原文が気になりますね!(と言って、これも調べない)

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    2020年06月23日
  • 月と六ペンス

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    題名に惹かれて読み始めた。エキセントリックな画家を、近くで見ている主人公の視点から描く。ゴーギャンをモデルとした画家のキャラクターが印象的。偏屈でぶっ飛んでいて、「こんな人現実には存在しない」と思わせる反面、生き生きとしたリアリティを持って描かれているため「作家とゴーギャンは知り合いだったのか?」と想像させられる。解説でモームが同性愛者であったことについて触れられていたが、画家を近くで見守り観察する主人公の視点にその片鱗が感じられるような気がした。

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    2020年05月05日
  • 月と六ペンス

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    イギリスからはじまり、パリ、タヒチへと旅し、最後にイギリスへ戻る。スタートとゴールは同じ場所だが、価値観が180度回転している。いや、もしくは回転していないのかもしれない。つまり、ストリックランド夫人は最初も最後もスノッブだったということだ。夫どう評価しようと、彼女の根幹は揺るがなかったとも言える。
    それはともかく、おもしろい小説だ。おとなしく、特徴もなかったストリックランドがパリで鬼のような生活をして、タヒチで魂の自由を手に入れる。土地が人に影響を与えるのだろうか。それとも、人は自分にあった土地をそのつど見つけるのだろうか。

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    2020年02月11日
  • 月と六ペンス

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    ゴーギャンの絵が好きになった頃、講師に教えていただいて知った本。人間的にあまり好きではないけれど、自分の意思を貫く頑固さは、私も少しは見習いたい。ストリックランドはちょっとやりすぎですがね…。

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    2020年01月28日
  • 月と六ペンス

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    ゴーギャンをモデルにしてるとは言え、ゴーギャンはこんなに傲慢であったのかしら?どこまでをモデルにしたのかわからなかった。最後の癩病も調べたけどゴーギャンの死因が癩だと書かれてあるものは見つけられなかった。
    読みやすさは◎。光文社の古典リメイクはだいたい読みやすくていいと思う。新潮や角川ののバキバキに硬い翻訳もアレあれで味があるけど、なかなか取っ付きづらさもあったりして。

    因みに、最後の解説にあった「本書は同性愛小説である」には、納得出来ない。


    2018.11.10再読
    初読時に比べて内容は分かっていたので読むのが楽だった。今回初めて解説を読んだら、「ゴーギャンがモデル」というのは適切では

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    2018年11月11日
  • 月と六ペンス

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    話が激しく展開していくのとは裏腹に、読みながらゆったりまどろむような気持ちになって、まるで童話のようだった。

    男女の機微が随分ミステリアスに描かれていてかわいいなあ、と思っていたのですが最後の解説を見て腑に落ちました。まあそんなの抜きにしてもオトコとオンナのことは第三者が見てわけわかんないくらいの方が素敵だと思います。恋や愛を言葉で説明したってしょうがないや。

    しかしこの登場人物と読み手の間の絶妙な距離感はなんだろう。冗談でも「あーわかるわかる」なんて言えない彼らのシンプルな神々しさは。

    どの登場人物をとっても「このひとはきっとどこで何しててもこういう風にしか生きられなかったろうな」と思

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    2012年05月23日
  • マウントドレイゴ卿/パーティの前に

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    『ジェイン』『パーティーの前に』は素晴らしく面白かった。『パーティー』は、寸劇にピッタリ!って思った。

    どの作品もオチが良かった。
    読者の予想の範囲内で、しかも上手くオチていた。
    素敵なオチのいい例でしたね。

    『月と六ペンス』読んでみたい。

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    2012年05月16日
  • マウントドレイゴ卿/パーティの前に

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    サマセット・モームといえば10代の時に読んだ「月と6ペンス」しか知らなかった私にとって、彼の優れた短編小説に出会えた一冊です。人間の愚かさ、醜さ、そして滑稽さを見事に書き綴った作品であると同時に、ミステリ小説としても楽しめました。

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    2011年09月07日
  • マウントドレイゴ卿/パーティの前に

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    ここ最近まとめてモームを読んでいての感想。
    他の出版社から出ている同じ短編を読んでいるが、訳の違いで随分印象が変わっている。この古典新約文庫は柔らかい翻訳、ハンマーで棘棘していた日本語をならしている感じがした。例えば「ジェイン」なんかは、他の文庫では印象的な言葉だった単語が言い換えられていたりして、インパクトは減っている。流れをとるかパンチ力を取るかというところだった。こっちの方が後から読んでしまったというのもあるけれど、もう少し、尖っててもよいと思う。語り手の距離感が微妙に近くなり、個人的にいくつかの、良さが消えている気がした。

    内容は文句なく面白いです。

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    2011年07月22日
  • マウントドレイゴ卿/パーティの前に

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    とにかく読みやすくて面白い海外古典文学ならモームで間違いないのを再確認。
    訳者があとがきで書いているように、僕も「モームは通俗的」との評価を聞いて、読みだしたのがずいぶん遅くなった口ではあるけど。これから海外古典文学読み出すならモームからは本当におすすめ。

    この新訳はまたさらさらとした日本語で読みやすいけど、その分、不気味さが薄まっているかも知れない。

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    2011年05月31日
  • マウントドレイゴ卿/パーティの前に

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     「人間の不可解さを浮き彫りにする珠玉の6編」とあるように、まともだなぁと思っていた登場人物が話の進展に伴い黒い面を見せてくれる。個人的に良かったのは、「雨」「掘り出しもの」だろうか。今までミステリは避けて通ってきたが、これだけ面白いなら手を出してみようかな、と思う。思うだけでもある。
     人間の醜く卑しい面を見せつけつつも、どこか笑い飛ばせるような読後感。「雨」のデイヴィッドソンなど、どんなオチで締められるのかと思ったら、まさかそこまで堕ちるとは・・・聖人なんていないよね、と思ってしまう。

    人間と絆、月と六ペンスを読んだ際に感想を書くのを忘れてしまったのが悔やまれる。もう一度読み直してみよう

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    2011年05月22日
  • 月と六ペンス

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    物語の展開が、ものすごくドラマチックな小説だと思った。
    この小説のストーリーテリングの巧みさは、最初から最後まで見事だった。そもそも、「月と六ペンス」というタイトルの付け方からしてスゴい。
    モームは、現代であれば名うての構成作家になるような人だったのだと思う。

    自伝的小説でありながら、本人の手による記録ではなく、それを観察する「私」の視点からの描写になっていることで、とても客観的にストリックランドという人物の特異性が浮かび上がるようになっている。
    「私」の考え方は、常識的で、大衆的で、大きく偏ったところがほとんどない。いわば、当時のヨーロッパの社会通念そのものを代表する立場として、ホームズを

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    2020年07月15日
  • 報いられたもの/働き手

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    再びモーム。「月と六ペンス」、「聖火」、「ジゴロとジゴレット」に続き四作品目。円熟期に、“自らの魂の満足のために”書いた四大問題劇のなかの二篇、という位置付けらしい。

    原題はそれぞれ、「報いられたもの」=For the services rendered と、「働き手」=The breadwinner。

    いずれの作品も、自己犠牲は幸せに通じていない、という点で共通している。前者は、戦争で国家に、三姉妹の長女が視力障害者となった兄に、後者では、父親が家族に、献身的に尽くすが、誰も幸せではない。

    かといって、身勝手に生きることが推奨されているわけでもない。

    寺地はるなさんの「架空の犬と嘘を

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    2025年05月20日
  • 月と六ペンス

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    ストリックランドは、馬鹿なのか?
    奥さん捨てて、人の妻を自殺に追い込んで、当の本人は絵画を描くことに夢中になってる。

    絵画芸術家って、こんな奴らが多いのか?
    もし多いなら、絵画を見たくない。

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    2025年04月28日
  • 人間のしがらみ(下)

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     ミルドレッドに失恋した主人公フィリップは、新しい恋も始まり立ち直りつつあったが、そんな彼の前に恋人に捨てられたと言ってミルドレッドが現れる。彼女を見てフィリップの感情はまた揺さぶらるのだが、果たして二人の間はどうなるのか、といったところから下巻は始まる。

     そして、フィリップが親しく付き合い、その言動に目を見張ったり、才能に憧れたりした友人たちが、ある者は病に倒れ、また別のある者は夢をあきらめたりして、かつての親密な関係が失われていく一方、医局員として研修をしていた病院で知り合ったことがきっかけで、アセルニー一家との交際が始まり、フィリップは人生の新たな一面に目覚めていく。
     そんな中、フ

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    2025年03月31日
  • 聖火

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    半身不随の夫の不可解な死をめぐる推理小説風の戯曲。立場が違えば抱える悩みや思考も変わってくるのだろうが、互いの価値観のぶつけあいが読み手の心をささくれ立たせる作品である。最後のシーンにおいて何が正しいのかなんて議論しだしたら、人間の利己的で卑しい面があらわになりそうである。

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    2024年05月31日