千野帽子のレビュー一覧

  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    人間が物語、ストーリーの枠組みで世界を解釈しがちである、ということ自体はわかっていたつもりであったが、具体的にどのように、ということについて解像度が上がった気がする。
    特に、公正世界の誤謬(中村文則作品で結構出てくる気がする)というフレームワークはまさにそうだな、と。自分が良いことをすれば、良いこととして自分に返ってくるはずである、悪いことをすれば悪いこととして返ってくる。そういう基本的な因果認識。
    それがあるから逆に、悪いことが起こった時に、「自分が何か悪いことをしたのが原因なのだ」というストーリーの捏造をしてしまい、自分を苦しめる。
    また逆に、一生懸命努力した自分には良い未来がくるはず、と

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    2025年05月30日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    私たちは、「世界」をストーリーの形で認識している。雨が降った、遠足の前に熱が出た、など思い通りにいかないことだらけの人生。それは、自分には他者や環境を変える力があるという幻想による苦しみかもしれない。コントロール可能なのは、できごとに対する自分の態度ただひとつ。感情にまかせて衝動的に動いてしまうことが多い私だが、この本を読んで感情の赴くままに行動することは実は「自由」とは程遠いものだと知った。その時選択肢はなく感情の奴隷になっているからだ。支配的な物語から脱出し自分のストーリーを描いていきたい。

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    2025年05月04日
  • 東京マッハ

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    面白い!文句なしに面白い!人と何かについて語るってなんて面白いの!俳句、だいすきーーー!という気持ちになった。アマリリスとゆすらうめのくだり、分かる。

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    2024年02月04日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    近頃の僕が漠然と考えていた疑問に答えてくれる内容で、付箋貼りまくりでした。

    なかなか簡単にまとめられないのですが、人間には出来事を「物語」として把握する能力があり、独立した前後の出来事を因果関係で結びつけてしまうと。
    むしろ「物語」として把握するために個人的な出来事にも理由や意味を求める(「なぜ」このような悲劇的な出来事が「私」の身に起きたのか)。
    嘘でもいいから説明が欲しい(因果応報)。
    そして何らかの決着をつけて新しい平衡状態に辿り着きたい。
    現実世界の理解もフィクションも物語化の構造は同じ。

    著者が引用、言及する分野が幅広くて、その圧倒的な読書量に感銘を受けました。

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    2023年01月15日
  • 東京マッハ

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    俳句漫画「ほしとんで」で句会というものを知った。あの学生たちの句会もたのしかったけど、「東京マッハ」の大人たちの句会も相当おもしろい!!いつか会場で見てみたいなぁ。

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    2022年03月16日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    ひとが物語を求めるのは、「感動や共感がほしいから」といったあまーいことが書かれた本とおもっていたら、実際は正反対のシビアな科学的な内容でした。
    脳に関する本と併読していたのですが、ようするに脳が情報を処理しやすくするために、いちいちコトとコトをつなげて、わかりやすいよう物語していたのですね。本来コトとコトには因果関係はなにもないのに。コトとコトをわけてとらえるには、イマコノトキと向き合うことが肝心と強く感じました。逆に会社で説明するときは、物語化してあげるといいんだなとも勉強になりました。

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    2021年05月25日
  • ロボッチイヌ ──獅子文六短篇集 モダンボーイ篇

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    軽い気持ちで手に取れる作家、獅子文六…。
    彼の本は、三冊目でしたが、大いに笑いました。
    ユーモアの塊。
    まさか、このトンチンカンの中に著者がいるとは。
    結末に近づくにつれて、ドキドキ。
    オチがいつだって惹き込まれて、どんどん読めます。

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    2021年04月21日
  • ロボッチイヌ ──獅子文六短篇集 モダンボーイ篇

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    「ロボッチイヌ」というタイトルを誤解して購入。
    とんだ勘違いでしたが、うれしい誤算となりました。
    獅子文六の作品、他にもちくま文庫でたくさん出ているようなので、揃えたいと思います。

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    2018年05月26日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    人間は意味や因果関係を求め物語を作ってしまう。人によってはそれに捉われ苦しむこともある。自分自身もそうだな。

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    2018年03月20日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    物語は世界を認識する方法の一つでしかないのですが、強力なのでそれに囚われてしまいがち。僕の周囲ですと、ドルオタと自称する人はその傾向が強いです。本書を読んで物語の呪縛から解き放たれると、少し幸せになれるかもしれません。

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    2018年01月08日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    物語学(ナラトジー)の入門。世の中を理解するのに物語が必要であり、出来事を述べることには何かもっともらしい理由がないといけない。時系列で起こったことにはそれぞれに理由があるべきであると考え、無理やりにでもでっち上げる。べき論は概ね感情的なものであり、さらに、それが一般論と一致すると納得感が増す。自分のしたことでさえ、説明的な一般論で納得してしまう部分がある(実際は何の理由すらないかもしれない)。
    期待という放物線の予測はありがちなものであり、これをなくすことで物語から自分が解放されうる。

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    2017年06月03日
  • 青ひげ夫人と秘密の部屋~「見たな」の文学史~

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    青ひげの物語を知っているだろうか。ある富豪の夫人が秘密の部屋で驚愕の事実を知る物語だ。本書ではその構成に類似する物語を追い、古典や現代作品との読み解きを行う。古典に馴染みがないとやや読みづらい点はあるが多数の作品との関連は面白い。

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    2025年05月11日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    webちくま「人生につける薬 人間は物語る動物である」18回連載を加筆修正して5章に

    各個人が考えたり感じたりする判断となるその前提ができる精神作用や言葉の仕組み等を、たくさんの読書を経てまとめている

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    2024年02月05日
  • 東京マッハ

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    俳句の句会がどういうものか面白おかしく知れる本。戯曲形式で、四人とゲストの掛け合いに臨場感があって良いです。

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    2023年11月03日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    理解した、と思う時、人はじつは決めつけている

    「ベキ論」によって人は、世界や他者を操作できると思い込んでしまう。(コントロール幻想)

    感情に突き動かされて行動することは選択肢をまずから手放すことであり、「自由」からもっとも遠い

    世界でひとつだけ選択可能なものは、できどことに対する自分の態度である。p.178

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    2023年10月01日
  • ロボッチイヌ ──獅子文六短篇集 モダンボーイ篇

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    ラブドールを作ったり、信仰宗教をでっちあげたり。こんな昔から考えられていたことなのだなぁ。まったく今と変わらない。
    深刻そうな話もちゃんとオチがついて軽く笑えて読後感が良い。

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    2023年01月14日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    ネタバレ

    タイトルから、小説について何らかのことが書いてある本かな、と手にとった
    想像していた内容とは違って、最初は戸惑ったが、どんどん面白くなった
    例えば。昨今の宗教被害の問題など、なぜ人はそういう世界にはまってしまうのか、
    今一つピンとこなかったのだが、「物語」をキーワードに説かれていて、
    非常に参考になった
    物語のいいところも悪いところも知ることができました

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    2022年10月12日
  • 東京マッハ

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    句会の楽しさを初めて知りました。
    最初に自分でも選句することで、まるでイベントに参加しているような気分になれます。

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    2022年04月02日
  • 東京マッハ

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    句会の思わぬポテンシャル(ライブ感やゲーム性)を啓発される。
    俳句は瞬間を捉えるものと思っていたけど、その切迫感を俯瞰してみるとおかしみに転じたりして、一粒で二度美味しい、みたいな。

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    2022年03月05日
  • 人はなぜ物語を求めるのか

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    物語の成り立ちについて勉強したくて読んだのですが、人間が物事を認識する上で因果関係を求め、物語として捉える。また思い込みなど「何故自分だけ」という理想の物語を描き苦しむ習性やストレスへの対処なども簡潔に説明している良い本でした。

    わかりやすく説明してくれているため章ことにスラスラ読んでしまうのだけれど、印象に残った部分以外ポロポロ抜け落ちてそうなので気になったところを再読してメモを取っておこうと思う。

    内容とは関係ないけど、ちくまプリマー新書の紙質…好き。

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    2022年01月15日