千野帽子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文筆家・千野帽子氏が編者の短編集。表題作は眉を顰める向きもあるかも知れないけど、ナンセンスコメディとして面白い。現代の日本だとあながちジョークになってないかも(オリエント工業とか←小声)。ブラックユーモアや諷刺作品、或いは病床エッセイかと思って読み進めると怪しい展開に向かう「文六神曲編」、過去の作品の作中人物が電話をかけてくるメタフィクション風な「南の男」とか意外なバラエティー性は感じるけれど、「文庫で復刊されている文六作品はウィットと諷刺に富んだコメディ調が主流ですが、ちょっとテイストの違う作品をご賞味ください」って感じの、編者の気取った意図が何となしに透けて見えるのがマイナス。
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Posted by ブクログ
人が生きていることや、何かが起こることに原因はあっても、必ずしも意味や目的があるとは限らない。人はそこに意味や目的があると思いたい。この行為が物語化なのだ。
「前後即因果の誤謬」
「わかる」と思う気持ちは感情以外のなにものでもない。「わかった気になる」と「わかる」のあいだには本質的な線引きができない。
「出来事が君の欲するように起ることを望まぬがいい、むしろ出来事が起るように起ることを欲し給え、そうすれば君はゆとりを持つことになるだろう」ギリシア ストア派哲学者エピクテトス「提要」『人生談義』下巻、岩波文庫
物語、ストーリー、世界解釈。