ポワロ、マープル、クィンら名探偵もの含む8編の短編集。
「三匹の盲目のねずみ」
大雪に閉ざされた宿屋。宿主は不慣れな若夫婦。互いに見知らぬ4人の客。
8年前の児童虐待の復讐に燃える殺人犯がこの宿に紛れ込んだという警察からの電話。
犯人は誰なのか?次に狙われるのは誰なのか?
マザー・グースの調べにのって起こる連続殺人劇、戯曲「ねずみとり」の原作。
「奇妙な冗談」
冗談好きで独身だったマシューおじさん。甥と姪に財産を遺して亡くなった。
ところがどこを探しても大金を探し出せない甥と姪。
困り果てた二人が相談したのはミス・マープルだった。
“あなたのヘンリーおじさんの健康に乾杯!”
「昔ながらの殺人事件」
セント・メアリ・ミード村で、金持のスペンロー夫人が自宅で殺された。
詮索好きの村人達は、夫のスペンローを財産目当ての殺人犯に仕立て上げた。
人のいいスペンローを救おうと立ち上がったのは老嬢ミス・マープルだった。
「申し分のないメイド」
メイドのグラディスは雇い主の姉妹から覚えの無い盗みを疑われクビにされた。
次にこの気難しい姉妹に従事したのは完璧なメイドだった。
だがしばらくして事件が起きた。ミス・マープルはグラディスの汚名を晴らせるか。
「管理人事件」
病み上がりで気分の優れぬミス・マープル。
ヘイドック医師の処方箋は、奇妙な管理人が引き起こした死亡事故の小説だった。
ルイーズは殺されたのか?管理人の正体は?ヘイドック医師の娘の安否は?
「四階のフラット」
夜遊び帰りの4人の若い男女。しかし鍵を落として4人は家へ入れない。
仕方なく石炭用リフトで4階に上がるが、間違って3階の部屋に入ってしまった。
そこで見たのは女性の遺体だった。そして5階に住んでいたのは名探偵ポワロだった。
「ジョニー・ウェイバリーの冒険」
やや冷たくそつの無い資産家の妻と、赤ら顔で陽気な由緒ある家柄の夫。
彼等の3歳の坊やジョニーが予告誘拐された。彼等はポワロに助けを求めた。
“道楽者のサイテー男は、掃除のさいに隅を掃くのを忘れてしまう。”
「愛の探偵たち」
吝嗇家で資産家の老人が殺された。
若く美人の妻とその愛人は、互いをかばうように自分が犯人だと名乗り出た。
無実のヒーローヒロイン。小説のような出来事に感慨に耽るサタースフェイト。
だが善良な恋人の味方、ハーリ・クィンはまだ推理を止めなかった。