宇佐川晶子のレビュー一覧

  • リンカーン・ハイウェイ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スチュードベーカーというアメ車に乗ってリンカーンハイウェイ(アメリカを東西に横断する道路)を旅する少年たちのロードノベルだと思っていたけど、兄弟とその友達、そして行く先々で出会う人たちの物語だった。たった10日間の冒険だけど、679ページもあり重い。
    登場人物は問題児だと思っていたけど、みんな個性的があって魅力的。物語のラストは想像と違ったけど、こういうのもありだと思った。

    0
    2024年11月26日
  • 約束

    Posted by ブクログ

    南アフリカのある白人一族を主役に、アパルトヘイトが廃止される過渡期の時代の同国を描いているが、視点の置き方が面白い。俯瞰視点から見下ろすように、一人の内面から別の一人の内面へとシームレスに移りかわっていくため、注意深く読まないと現在誰の視点なのか見失ってしまう。そして「視点」には微かに妙な自我があり、クライマックスでは突如登場人物に呼びかけたりもする。あらすじにも「神の視点」とあるこの独特の視点の置き方が、誰か一人に肩入れするでもなく、バラバラで自己中心的な一族それぞれの言い分と滑稽さを公平に浮き彫りにしている。

    0
    2024年08月10日
  • 夕陽の道を北へゆけ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    メキシコ。カルテルに親族16人を惨殺された母子の冒険譚。カルテル、コヨーテ、移民、通りすがりの人々の人間臭さが好き

    0
    2023年11月26日
  • 愛の探偵たち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    愛の探偵たち
    クリスティの短編集。女史が生み出してきた探偵たちが活躍する作品集。
    三匹の盲目なねずみ
     100ページ以上ある為、中編だと認識。新婚夫婦が初めて民泊を経営し、そこに宿泊する様々な特徴の人々。大雪で外部との連絡が途絶えた環境。捕まらない殺人鬼。「雪の山荘」のお約束が十二分に詰まったお手本の様な作品。合わせて、クリスティはサスペンス作品の出来も素晴らしい事を思い出させてくれた作品。
     ストーリーについてはある程度犯人も予測しやすくなっているが、とても面白い。登場人物達の癖づけによって皆んなが怪しく見え、疑う事が出来る状態で進行する為、スリリングな内容だ。
     奇妙な冗談
     マープルが登場。若き夫婦の叔父が亡くなり、遺産があるはずだが見つからない。知人の伝手でマープルを紹介してもらい、遺産探しがスタートされる。短い物語で大きな波は無いが宝探しは古今東西面白い道理で今回もとてもユニークに感じた。高額切手での遺産は今の時代では中々思いつかないが、叔父さんのちゃめっ気にほのぼのした空気感の物語だ。
     昔ながらの殺人事件
     探偵役はマープル。セントメアリミードで発生する事件について、全てマープルに報告すれば良いのにと思うのは僕だけだろうか(笑)警察署長に至るまでマープルの観察力、推理力についていけるものはいない。今回もスペンローという人物が感情を出さないタイプなので警察から疑われているが、この時代は陪審員制度然り、感情に訴えなければ無罪になれないのではと思う程だ。
     マープルの観察と推察はシンプルであり急所を突いている。今回はお節介な部分も魅力だ。
     申し分のないメイド
      探偵役はマープル。村で発生する盗難事件について。彼女が最後、犯人を警官に告げるシーンにおいて、自身のメイドのいとこがあらぬ疑いでクビになり、噂が経っている事を解消する為に憤りを感じている部分が、彼女の優しさだけでは無く強さも表している。事件はありきたりではあるが、犯人の正体についつは楽しむ事ができた。
     管理人事件
     病気で塞ぎ込んでいるマープルにヘイドック医師が身近で起きた謎をまとめて持参。
     若くてお金持ちの夫婦。夫の故郷である田舎に戻り、家を再興し、昔ヤンチャだったがオールドミス達に認められ。そんな暮らしの中で、以前敷地の古屋敷に住んでいた老婆が嫌がらせをする様になり。マープル曰く、昔から人が大きく変化する事はない。後味が悪い事件である。
     四階のフラット
     探偵役はポアロ。若い男女グループがフラットという旧イギリスの家屋で鍵を無くしてしまい裏通路(ゴミ捨て場?)から侵入し部屋のドアを開けようと試みるが、誤って下の部屋に侵入してしまい。死体を発見し、困っているところ、上のフロアにいたポアロが助け舟を出す。最後、ロマンチックに締めていくところがポアロシリーズらしい結末だ。
     ジョニー・ウェイバリーの冒険
     ポアロシリーズ。ヘイスティングスも登場。誘拐事件。被害者家族の屋敷内にて偽装が多すぎる為、ポアロは違和感に気づく。いわゆる誘拐偽装事件であり、ある程度見たことのあるストーリーだった。
     愛の探偵たち
     表題作。探偵役はクィン。表題作の探偵がクィンである事が感慨深い。内容はありきたりなものでアリバイも当時のミステリーに有りがちな壊れた時計の二重仕掛けだ。犯人達がそれぞれ自分が犯人だと名乗り上げ、殺害方法を実際のものと違う方法を挙げ推理が自分達に向かない様に偽装する。何重にも偽装を仕込んでいるところが面白い作品だ。

    0
    2023年08月03日
  • このやさしき大地

    Posted by ブクログ

    アメリカ、大恐慌時代、4人の少年少女がインディアン救護院を抜け出し、カヌーでミシシッピ川を下ってセントポールのおばの家を目指す。黒い魔女と過酷な暮らし、虐待、神は竜巻。酒の密造、家族を失った農夫、癒しの伝導団、農園を失った家族、女の家。

    歴史小説なのですね。記憶に残る人がいるくらい、現代に近いように思えましたが。

    0
    2023年05月04日
  • このやさしき大地

    Posted by ブクログ

    1932年の米国、白人で孤児のオディとアルバート兄弟は、ネイティブアメリカンの子どものための教護院で暮らしている。暴力的な管理人にムチ打たれ、もとは監獄の独房だった反省室に入れられたり、過酷な労働をさせられたりしていた。そんな管理人に殺されそうになった時、逆に管理人を殺してしまう。兄弟は仲の良いモーズと竜巻で母親を亡くした幼いエミーとともに、教護院から逃げ出す。4人はカヌーで川を下り、兄弟の唯一の親戚であるおばの住むセントルイスうを目指す。

    エミーを誘拐した犯人として警察に追われながら4人は様々な出会いを経て川を下る。著者自身が「ハックルベリー・フィンの冒険」のアップデート版と書いているが危機感迫る冒険である。時代背景を差し引いても、なかなかハードだ。ミステリーとの紹介文もあるが、これは4人の冒険物語だ。

    0
    2023年04月09日
  • このやさしき大地

    Posted by ブクログ

    オディッセウスが、イサカへと帰る物語。キュキュロプスは院長なのか?
    先住民や宗教団体の話も単なる挿話でなく語られるので、ちと長い。
    初だったので、姉妹編という作も読んでみる積りだが、メインたるシリーズ物の翻訳が途絶えていて、手を出しにくい。

    0
    2023年01月30日
  • 賢者たちの街

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2022.5 いかにもアメリカ ニューヨークの小説といった感じ。アメリカ人はこういう小説が好きなんだろうけれど日本人の私にはその良さがよくわかんない…

    0
    2022年05月09日
  • 愛の探偵たち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    おなじみの探偵たちにまた会える。

    「三匹の盲目のねずみ」大ヒットした劇「ねずみとり」の原作だそうで。確かに「ねずみとり」の方がこなれた感じがしたかも。

    「奇妙な冗談」若いカップルがミス・マープルにした相談は、マシューおじさんが遺したはずの宝物の場所。自分の知り合いのヘンリーおじさんについて楽しそうに語るミス・マープルが示した、マシューおじさんの遺産とは。思い出話で若い人をうんざりさせるミス・マープルを思い浮かべると思わず微笑んでしまう。ハッピーな結末も素晴らしい。

    「昔ながらの殺人事件」スペンロー夫人が殺された。警察から話を聞かれたミス・マープルは、いつものように思いを巡らし、そしてちょっと出かける。ミス・マープルの洞察力と行動力、それから若者をユーモアたっぷりに応援する優しさに拍手したくなる。

    「申し分のないメイド」正直者なはずのグラディスが泥棒扱いされて奉公先をクビになった。代わりに雇われたのはできすぎたメイド。何かを嗅ぎつけたミス・マープルが動く——。鮮やかに悪者を見破り、グラディスを励ますミス・マープルに拍手喝采。

    「管理人事件」事件が何よりの薬とヘイドック医師はミス・マープルに一つの謎解きを渡す。さらりと謎を解いて元気になるミス・マープルはやはり素敵。

    「四階のフラット」鍵がないのでリフトで上がろう。若者たちが間違えて入った部屋で見つけてしまったのは死体だった。そこに現れたのはポアロ。またもや意外な人間関係があり、ポアロは事件解決と共に優しく若者を勇気づける。ところで原タイトルはThe Third-floor Flatなんですね。これイギリス英語だったっけ、アメリカ英語だったっけ。

    「ジョニー・ウェイバリーの冒険」由緒ある一族の跡取り息子が誘拐された。ポアロとヘイスティングスのやりとりが楽しく、事件は大した不幸もなくあっさりと解決するので、気楽な気持ちで読めた。

    「愛の探偵たち」サー・ジェイムズ・ドワイトンが殺された。連絡を受けたメルローズ大佐と居合わせたサタースウェイトは、屋敷に向かう途中でクィン氏に出会う。屋敷で彼らが救うのはもちろん恋人たち。クィン氏に導かれるように、人を語り、事件を語り、解決に導くサタースウェイト。その不思議な感覚を存分に味わえる。

    0
    2021年06月18日
  • 愛の探偵たち

    Posted by ブクログ

    ミス・マープルにポワロ、クィン氏の短編集だった。長編よりあっさり書かれているので、ちょっとした隙間時間にも読みやすい一冊。クィン氏の話はいつも不思議な印象があるが、今回もそうだった。

    0
    2021年01月15日
  • 賢者たちの街

    Posted by ブクログ

    ケイティにとって、ニューヨークでの、1937年の大晦日からの1年間は特別でかけがえのないものであった。

    読書を愛するケイティが、イヴ、ティンカー、ハンク、ウォレス、アン等(個人的にディッキーとビッツィも挙げておきたい)、印象に残る個性的な友人たちと織り成す想い出は、当時の時代性や文化の壮麗な描写とのバランスも相まって、上品なチャーミングさと冷静なクレバーさが(あと、奔放さも)混在した素晴らしさの中に、シリアスさもきっちり含まれており、なぜ、特別な一年なのかが、読んでいく内に明らかになるストーリー展開も素晴らしいです。

    私みたいに、当時のニューヨークの文化をあまり知らなくても、親切な解説に、その説明や、この作品の主旨が書かれているので、読書中に分かりづらいところがあっても気にせず、最後まで読むことをお勧めします。興味深い文化の濃さも良いのですが、それを抜きにしても、友情や愛情、先の読めない人生の意外性は、私達にも共感出来る万国共通のものだと思いますので。

    解説にあった、イヴが主役の中篇も読みたい。日本語で読める時が来ますように。

    0
    2020年10月13日
  • エヴァンズ家の娘

    Posted by ブクログ

    リリスとルーシーとエミリーの三姉妹のうち、エミリーが湖畔の家で行方不明となる。ルーシーの死後、リリスの孫娘にあたるジャスティーンが二人の娘を連れ、湖畔の家にやってくる。男から逃げるためだ。時代が異なるルーシーとジャスティーンを中心に物語は展開する。エミリーがいなくなった謎は最後に解かれる。謎解きの要素はほぼないが、楽しむべきは、ルーシーやジャスティーンの周辺にいるどこか普通ではない人々が醸し出すサスペンスの要素だろう。前半はそうでもないが、後半は怪しさが増してくる。日常から非日常へとだんだんと連れていかれた。

    0
    2018年07月03日
  • エヴァンズ家の娘

    Posted by ブクログ

    過去と現在の物語が同時進行し、ラストで重なり合うというストーリー。けれど、途中までとにかく話が進まない。退屈で読み進めるのが大変でした。表現も曖昧で、察して理解という箇所も多々。ラストはほぼ納得の終わり方でした。けれど、これだけ書き込まれたから理解できる結末と言えるのかも、です。

    0
    2018年06月10日
  • エヴァンズ家の娘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    多分に既視感のある設定で、言ってしまえば目新しいものは何もない。あれに似ている、これに似ているとついつい思ってしまう。またか…と思う鬼畜の仕業も、サイコパスのストーカーも食傷気味。長い時を経た老人たちのプラトニックな愛。湖畔の家で昔起こった事件の真相は…、うう。
    ただ、落ち着いた筆致で、盛りだくさんな内容を時代と視点の違う語りを交互に持ってきて、最後まで引っ張っていくところはうまいので、新鮮な目で読めたらとても面白い小説なのでは。とても悲しい静かな物語。
    すみません、すれっからしな読者で。

    0
    2018年04月28日
  • エヴァンズ家の娘

    Posted by ブクログ

    原題がgirlsなのはエミリー以外に誰を指しているんだろう?
    メラニーとアンジェラもパトリックから見たらロストしてるけど。

    0
    2018年04月05日
  • 暗い暗い森の中で

    Posted by ブクログ

    ミステリというかサスペンス。
    女の恐ろしさではなくて弱さを書いた話なのでは。自分の思い通りに全てを従える女王は、他人の評価でしか自己を形成することができない。でも、ほんとはありのままで愛されたいし許されたいし救われたい。そこのとこは、ちょっと理解できてしまう。
    冒頭の童謡、暗い暗い‥をどこかでみたな‥と思ったら、チャレンジミッケの「こわーいよる」だった(笑)

    0
    2017年08月11日
  • 蛇の書

    Posted by ブクログ

    時間かかったあ。個々の場面は書き込まれていて結構好き。女占い師も史実?としてへぇ、て感じ。でもひとつにまとめると、ようわからん。絶対オクスリを飲んで書いてそう。

    0
    2017年01月07日
  • 愛の探偵たち

    Posted by ブクログ

    一番最初の「三匹の盲目のねずみ」は、コンパクトながら非常に優れた作品。開店直後の宿屋を舞台に怪しい人物が次々に現れる。読者が怪しいと感じたところをまさに主人公が考察してストーリーを進め、また新たな謎が提示される。没入感が強い。

    ミスマープルの作品は謎解きがすこし無理やりか。

    0
    2016年08月06日
  • ありふれた祈り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何故かはわからないがちょっと取っつきにくくて読み進むのに時間がかかった本だった。タイトルの意味が分かったあたりから盛り上った感じでしたが。主人公が男の子だったせいですかね?感情移入がイマイチ出来なかったような……

    0
    2016年01月30日
  • ありふれた祈り

    Posted by ブクログ

    始まりが1人の少年の死からなので、『トーマの心臓』を思い出す。
    少年の死は直接メインテーマではないけれど、この話の始まりとしてはすごく大事。
    子供のままではいられない、というさしせまってくる話。
    真実は残酷なものだったが、知りたいと思ってしまった以上、突き進まないわけにはいられないという心理は理解できる。

    0
    2015年05月27日