塚本勝也のレビュー一覧

  • 拒否戦略 中国覇権阻止への米国の防衛戦略

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    エルブリッジ・コルビー博士の原著を防衛研究所の塚本氏等が訳出したもの。これは原文でなんと書いてあるのだろうという訳もたまにあるが、全体としてはうまく訳されていて、原著にあたるよりは大分楽に読めた。

    コルビー氏は、トランプ第一次政権で国家防衛戦略をリードし、対中シフトを軍事面から支えた人物であり、何を隠そうつい先日、議会承認を経て前回よりもランクを上げて、政策担当国防次官としてペンタゴンに帰ってきた。

    氏の筆致は冷酷なまでに論理的であり、リスクと便益の冷徹な計算に基づいている。大掴みの論旨は明快で、米国はインド太平洋の平和と安定に最も重大な国益を持っており、そこに覇権を敷こうとする中国に対し

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    2025年05月01日
  • エドワード・ルトワックの戦略論

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    ルトワックの戦略論。戦略の逆説的論理が主題。対立する意志の間で生じる動的な競争が逆説的論理の源泉。魚雷艇や対戦車ミサイルの逆説。戦略のレベルには技術、戦術、戦略、大戦略とあり、それが垂直的な側面をなしている。一方で大戦略は階層として最上ながら幅広い裾野を持っていて、それが水平的な側面をなしている。ロンメルは垂直的に成功したが、水平的には失敗した。

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    2018年01月07日
  • エドワード・ルトワックの戦略論

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     現代の戦略研究の第一人者の一人である著者の和訳本で2014年に発行されているが、もともとは1987年原本出版であり、和訳が遅すぎよう。内容が難しいこともあるが、欧州各国はもちろん中国韓国よりも遅いのは、このような戦略研究者が防衛省や自衛隊に限られているというお寒い状況のせいだと思う。
     副題の戦争と平和の論理こそが、内容を的確に示している。通常生活における合理的な直線思考とは異なり、逆説の論理が技術や戦術から戦略まであらゆる場面で支配している、という。それをこれでもか、という膨大な実例で解説する。
     おおいに感心したが、難しい表現や複雑な説明も多々あり、一度読んだくらいでは理解したとは言いが

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    2015年03月14日
  • 戦略原論 軍事と平和のグランド・ストラテジー

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    これを高校の政経の教科書にすべきだろう。
    <特記事項>
    戦略を考えるには、国際環境、国内要因、時代精神という3つのレベルで思考する必要が或る。
    戦争はどうして始まるのか。戦争が近代国家の形成に大きな役割を果たしたとする「軍事革命」論。ケネ&T

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    2011年07月11日
  • 戦略原論 軍事と平和のグランド・ストラテジー

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    戦略の教科書を作ってみよう!というのが本書のコンセプトです。 

    「戦略」という言葉はそもそも軍事に源を持つ言葉です。そのため本書も軍事戦略思想とその歴史的展開、さらに政治と軍事の関係等、軍事を切り口にしたテーマで一貫しています。

    従来、こういった切り口での教科書がなかった以上、本書は貴重な存在です。

    章立てもユニークで参考文献リストも充実しており、戦略論に興味がある方の最初の一冊としてお薦めします。

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    2011年05月09日
  • 戦闘力 なぜドイツ陸軍は最強なのか

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    命令にがんじがらめにされて硬直化しているイメージのドイツ軍だが、むしろ規律通りの行動を強いられるのは米軍の方で将校、下士官の自由裁量はむしろドイツ軍の方にイニシアチブがある。また信頼できる郷土部隊の関係性から士官の練度はドイツ軍の方が高く、米軍は微妙に無能な士官が多かったのはよくハリウッド映画で語られるところ。

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    2025年09月18日
  • 拒否戦略 中国覇権阻止への米国の防衛戦略

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    筆者であるエルブリッジ・コルビーはアメリカのトランプ政権のNational Defense Strategy作成メンバーの1人である。そんな彼が書いた本であり、英語版は多くの文献で引用されている。そのような本が英語版が出てから2年程で日本語版が出たのはありがたい限りである。
    内容としては中国の地域覇権を阻止するために何ができるかである。アメリカのすべきこと、各地域ができること、また我が国日本に求められることなどが書かれる。また、想定される軍事行動に対してどう対処するのか、またそのために何ができるのか、するべきなのか、もしくはしてはならないのかが書かれている。
    英語版が出されてから2年が経った

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    2024年01月19日
  • シリーズ戦争学入門 戦争と技術

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    技術を軍用と民用に分けるのは無意味だと思わされる。
    歩兵と騎兵がの重要度が、技術の進歩により反転することを繰り返しているという話は、興味深かった。

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    2021年03月05日
  • 拒否戦略 中国覇権阻止への米国の防衛戦略

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    C国の覇権を阻止するための米国の戦略について、かなり理論的に詳細に検討していて面白い。

    のだが。

    これは現覇権国たる米国が、自国の安全自由繫栄を脅かさないために、覇権挑戦国を許さないという本で、ぶっちゃけ、「中国」を「米国」に差し替えても国によっては首肯できる。昨今の、某大統領貿易についての横暴ぶりを見るに、一皮むけばさほど変わんねえと思うところもある。

    ただ、我が国としてはそれでも米国の方がかなりまし、という話であって、C国の覇権なぞ現実化なぞ目も当てられないのも事実。

    なぜかは、C国が胸に手を当てて考えてもらいたいものだが。

    米国は、自領土自体は相当程度安全という前提が薄ら透けて

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    2025年08月20日
  • エドワード・ルトワックの戦略論

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    逆説的論理という、なるほど、こういう結果に対して後付けするそういう言い方もあるか、というところであった。

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    2021年01月13日
  • エドワード・ルトワックの戦略論

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    以前、日中、日米の外交戦略に関する著作を読んだことがあってとても面白かったので、本質に迫ろうと本丸の本を購読。経営に役立つかなと思ったが、本当に戦争・外交がテーマだったのでナナメ読み。「平和を求めるなら、戦いに備えよ」という箴言を肝に銘じよう。

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    2019年06月21日
  • 戦略原論 軍事と平和のグランド・ストラテジー

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    「戦略」についての教科書的な著。内容としては、戦争とは何か、戦略とは何かという根本的な問いに始まり、過去の戦略思想家と彼らの思想の変遷、さらには戦争や戦略に関連した議論が歴史的にどのように推移し発展してきたかということについてこれらを系統的に叙述する一方で、現在各国が直面している、戦略に関わるグローバルな問題について分析し、その解決の可能性についても戦略的な視点から言及しています。ヨーロッパやアメリカに比べて日本では戦略に関連した研究があまり成されていません。その意味でこの本は一般の人が戦略という概念に対する理解を深める一助となるように思います。

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    2011年12月06日