エドワード・ルトワックのレビュー一覧
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ネタバレアメリカ戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問。戦略家。歴史家。経済学者。
ルーマニアのトランシルバニア地方のアラド生まれ。イタリア、イギリス軍にて教育を受ける。一時イスラエルに居住。第3次中東戦争と第4次中東戦争を戦っている(陸戦でそれなりの戦果をあげている様子)。ロンドン大学で経済学の学位を取ったのちアメリカのジョンホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論。国防省の官僚や軍のアドバイザー。ホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーも歴任。著書に「中国4.0」「自滅する中国〜なぜ世界帝国になれないのか」「クーデター入門ーその攻防 -
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ルトワックの現代中国に対する見方をまとめたもので、彼の逆説的論理や中国は戦略下手説を知っている読者にとっては、本書の論旨に驚くところはない。 ただ、説得力に重厚さがないのは新書と薄い本のせいかと思っていたが、そうではなかった。
本書は、ルトワック著、奥山訳ではないのだ。奥山がルトワックにインタビューしてまとめた本だという。あとがきでそれを知り、少し興ざめである。
それでも、ルトワックの考えが、韓国の対日感情の解釈や、seapowerとmaritime powerなどで示され、さすが現代戦略家として説得力のある意見が開陳されている。一方で、周近平の後継が見えなくて不安定との意見には同意でき -
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「日本4.0」というタイトルだけれど、日本について論じている部分はごくわずかで、軍事分野を中心に国際的な戦略論の現在の潮流について解説(批判)した本。
もう少し日本について詳しく語ってほしかったが、そもそも知日派のような専門家ではないのだろう。
強く興味をそそられるようなテーマではなかったものの、「リスクを極端に恐れ、最小化しようとする現代の軍事文化」が却ってコストの増大や効率性の低下を招いている、という主張は、「一人も死なせてはならない」という前提を前に硬直してしまっている現在のコロナウイルス対策になにか当てはまるような気がして(国家レベルでも個人レベルでも)示唆的だった。 -
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今から35年以上前だと思いますが、ノストラダムスの大予言シリーズを読んでいた時、21世紀には日米安保条約が無くなっている、というフレーズがあり、その部分が鮮明に頭に焼き付いています。
それから30年間、つい最近までは、日米安保条約が破棄されないなんてありえないことだと思ってきましたが、どんな条約にも期限があり、それが延長されているという原則に立てば、破棄されることもあるのですよね。日露中立条約が延長されなかったように。
この本では、戦後日本を安定的に成長させてきたシステム(日本3.0)が終わって、新たな国家戦略の構築をする(日本4.0)必要があることを述べています。地政学から、「地経学」の -
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2016年10月来日時のインタビューをまとめたもの。戦略的思考の方法など語ってる。
ちょうど米大統領選でゴタゴタしてたころで,オバマ外交はダメだとか,日本外交へのアドバイスとか,そういった話も。
表題の意味は,「当事者が疲弊しないうちに外部の介入で停止された戦争は,次の争いの火種を残してしまい,長期的な平和にはつながらない。とことんやった上で終わった戦争こそが真の平和をもたらすのだ」ってことだそうで,ちょっとにわかには受け容れがたい命題だ。リアリズムというより
さらに,欧州の衰退を論じているところ,随分雑な感じでいろんな方面から反感を買いそう。曰く「戦いが、『野蛮』で『原始的』で『後退的』 -
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・戦争は「現象」である。
・戦争の最大の役割は、「戦争をしたい」当事者の感情を疲弊させ、最終的に、その後の「平和」を生み出す。
・「当事者の感情=火」が燃え尽きる前に紛争を凍結してはならない。結局、長期化し、そこで争われている本当の問題は解決しない。
・こちらの動きが、相手に戦略的なメッセージとして明確に伝わることが重要。
・「あいまいなメッセージ」ではなく、例えば「尖閣諸島を守る」という明確なメッセージ(人員を常駐させる)を伝えるべき。
・優れた軍事力で相手にサプライズを与えても、外交や同盟で負けていれば最終的には勝てない。戦前のドイツと今日の中国は同じ。
・ドイツ・ブラジル等との「チームの -
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