エドワード・ルトワックのレビュー一覧

  • 戦争にチャンスを与えよ

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    2016年10月来日時のインタビューをまとめたもの。戦略的思考の方法など語ってる。
    ちょうど米大統領選でゴタゴタしてたころで,オバマ外交はダメだとか,日本外交へのアドバイスとか,そういった話も。

    表題の意味は,「当事者が疲弊しないうちに外部の介入で停止された戦争は,次の争いの火種を残してしまい,長期的な平和にはつながらない。とことんやった上で終わった戦争こそが真の平和をもたらすのだ」ってことだそうで,ちょっとにわかには受け容れがたい命題だ。リアリズムというより

    さらに,欧州の衰退を論じているところ,随分雑な感じでいろんな方面から反感を買いそう。曰く「戦いが、『野蛮』で『原始的』で『後退的』とみなされるようになれば、子供は生まれなくなる。『男は戦いを好み、女は戦士を好む』という文化を失った国は、いずれ消滅する」p.168

    その例示がまたひどい。CNNのクーパー氏(ゲイのイケメン)とトランプ(子供が5人,孫も二桁)を挙げて,「クーパーは、フライトアテンダントの胸など触ったことがないほど上品だろう。ところが、彼には未来がない。トランプには未来がある」p.170
    …えっ…?こんなので戦略家…?って感じである

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    2018年12月20日
  • 戦争にチャンスを与えよ

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    ・戦争は「現象」である。
    ・戦争の最大の役割は、「戦争をしたい」当事者の感情を疲弊させ、最終的に、その後の「平和」を生み出す。
    ・「当事者の感情=火」が燃え尽きる前に紛争を凍結してはならない。結局、長期化し、そこで争われている本当の問題は解決しない。
    ・こちらの動きが、相手に戦略的なメッセージとして明確に伝わることが重要。
    ・「あいまいなメッセージ」ではなく、例えば「尖閣諸島を守る」という明確なメッセージ(人員を常駐させる)を伝えるべき。
    ・優れた軍事力で相手にサプライズを与えても、外交や同盟で負けていれば最終的には勝てない。戦前のドイツと今日の中国は同じ。
    ・ドイツ・ブラジル等との「チームの一員としての常任理事国入り」は誰も欲しないプランである。特にスペイン語圏のラテンアメリカ諸国はブラジルを望まないし、ヨーロッパにはドイツを支持する国はない。アフリカも自国すら統治できていない。インドは別。日本はインドとの共同管理を狙う。

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    2018年12月09日
  • 戦争にチャンスを与えよ

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    論文とインタビューを纏めた本だけあって、ルトワック氏のいつもの論調、という印象。
    8章だけは頂けない。理屈も結論も共感できない。あとは程よく逆説に満ちておもしろい。

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    2018年02月07日
  • 戦争にチャンスを与えよ

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    ★戦争にチャンスを与えよ
    ・戦争の目的は平和をもたらすこと、
    ・戦争の妨害=平和はもたらされない=決定的な勝利、戦争による疲弊という終戦要因が阻害される
    ・NGO、国連等の無責任な介入が戦争を長引かせる
    ・和平合意、難民移住などに関する責任をすべて引き受ける
    覚悟がある場合はOK
    ・難民キャンプが自然な拡散を阻害し難民、紛争を永続化させる

    ★尖閣に武装人員を常勤させる提案
    ★同盟こそ最強の戦略、軍事力のみでは負ける。

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    2017年06月18日
  • 中国4.0 暴発する中華帝国

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    【196冊目】中国そのものの分析というよりも、戦略論の観点から中国をとらえ、日本に提言を行うもの。

    中国1.0は、平和的台頭。
    →リーマンショック等を見て、米国一強の時代は終わったと理解。
    →中国2.0は、対外強硬路線。
    →周囲を見渡すと、日本や東南アジア、インド等がアンチ中国で連携していたことに気がつく。
    →中国3.0は、選択的攻撃。
    ※なお、中国4.0は筆者の中国に対する提言でしかない…。

    中国2.0の失敗の原因は、中国が陥った3つの錯誤にある。
    1. 金は力なり。
    2. 中国の発展は直線的に続く。
    3. 大国は二国間関係を持ち得ないのに、G2論に依拠したこと。
    特に三点目は、筆者の戦略論の真骨頂。「逆説的論理」=小国が大国に攻撃されると、その小国を守ろうと他国が支援する。日露戦争でロシアが、ベトナム戦争でアメリカが敗北したのもこの論理が働いていると筆者は分析する。

    その他。
    ・習近平は圧倒的な権力を持っているが故に、不都合な真実を伝えてくれる人がいない。これは彼の戦略を誤らせる。しかし、こうした内向きさは中国の文化である。
    ・ルトワック氏は本書で何度も尖閣に言及している。これは、日中間の戦争の最も現実的な火種が尖閣諸島にあるという彼の認識ん裏返しであろう。
    ・中国はsea powerではあるが、maritime powerではない。前者は艦船の建造など資源を投入すれば構築可能だが、後者は違う。日露戦争のときのロシアもmaritime powerを持っていなかった。そのため、アフリカ大陸を迂回して日本海に到達したとき、ロシアの艦船は既に疲弊していた。maritime powerとは、外交関係等の要素も含めた総合力である。ロシアの艦船は食料や燃料を補給させてくれる寄港地が少なかった、その意味で、イギリスは真のmaritime powerであった。→この点、「一帯一路」構想に賛同する国が増えればこの点は克服できそう。

    筆者のルトワック氏から日本政府への提言は、次のとおり。ただし、文脈から言って、そのほとんどが尖閣対処に向けられたものに聞こえるのは、私の認知のゆがみだろうか…。
    ◯米国が島を守ることまで日本は期待すべきではない。米国は核の傘は提供するし、大筋の戦略でも合意するが、島ぐらいは自国で防衛してくれよと思っている。
    ◯対処すべき相手国である中国は、巨大でありながら不確実性を抱えた国である。
    ◯したがって、日本は「封じ込め」という受動的対処方針のもと、米国に頼らずに独力で島を奪還する多元的能力を身につけるべきである。「受動的」とすべきなのは、不確実な大国相手には積極的戦略が意味をなさないことの裏返し。「多元的能力」については、海保、海自、陸自、空自のほか、外務省にも言及あり(有事の際には中国製品の税関手続を遅らせるなどの措置を各国が実施するよう、事前に働きかけるなど。)。

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    2017年06月17日
  • 戦争にチャンスを与えよ

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    中国4.0の続刊というポジショニングで、前書で導入した戦略の逆説的論理、大国小国理論などを、中国に閉じない形にgeneralizeして戦争の有用性を説いている。が、結局中国集中砲火に再帰結している気がしないでもない。

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    2017年06月04日
  • 中国4.0 暴発する中華帝国

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    アメリカの歴史学者ルトワック氏による本。
    軍事戦略、安全保障論を基に中国の今までとこれからを説明する。

    中国の外交政策の流れがわかり、章立ても短いので読みやすい。

    軍事戦略・地政学などいろいろな面から考察されているので、読む価値はある。

    しかし、一部の日本人にとっては「ウケ」がいいだろうが、「こういう捕らえ方もある」と客観的に読む必要があると思う。


    繰り返しになるが、「こういう対中国観もある」というくらいの評価。

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    2016年07月14日