松永正訓のレビュー一覧
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ネタバレ★感想
勇太くんやご家族の気持ちを知ることができた。
ただそれだけだけど、心が動く。それが大事と改めて感じた。
優しい眼差しで、背景を想像しても
〇〇さんと同じ気持ちになりたくても
〇〇さんにはなれない、だからこそ。
障害者は、コミュニケーションを通して人間関係を築くことは難しい、
心が見えにくいなど脳の構造上、仕方ないとか可哀そうとかじゃない。
うまく言えないけれど、誤解を恐れずはっきり言うと、
障害がなく生まれてきた人のほうが、生涯を通して心も身体も圧倒的に自由。
自由な私が支える、寄り添うことは当たり前。
どうやったら今を穏やかに過ごせる?楽しいかな?を共に考え続けていく。
時に「なんで!?」と不思議に思ったり、感情的に苛立ってしまりしたら
謝る、次はそうならない私・環境設定、試行錯誤を繰り返していく。
★引用
・幸せってなんだ?
人生で一番大事なことは、
世話を焼いてやれる家族がいるかどうかだ。 -
Posted by ブクログ
自閉症を持つ子と、その母親について。
お涙ちょうだいではない。ほっこりエピソードも大してない。救いのない話でもない。かといって、全面的に救われる話でもない。
ただただ、障害児と生きるという、その生活、人生。そこで起こる困難や喜び、母子の変化を描いている。他の障害児を例に、障害児を持つ困難さや、障害児福祉の社会制度についても知ることができる。
文庫化にあたり、単行本からの5年間での変化も追記されている。当然のことだが今もこの母子が生活をしていることが、文庫本ではより強く感じられた。
子どもを持つと一度ぐらいは「この子には何か問題がないだろうか」と不安が頭をよぎる。「何があっても愛して育てよう」は、きれいごとだ。
親は子どもが生活できるようにする義務がある。それでも、できないことはできないし、辛いことは辛い。理想幻想を捨て、できることを探して、より良い道を探すしかない。
そう思えるようになるのが、本書の一番の救いだと思う -
Posted by ブクログ
なるほどなぁと思いながら読んだ。
大学病院時代、病気になり勤務医を退職したこと、クリニックの立ち上げ、電子カルテの作り込み、クリニックでの診察あれこれなどなど。
すごく実直に文章を書かれていて、医師目線でのとらえ方が読んでいて新鮮だった。
面白かったのは松永先生が自身のことを「ニコニコした医者ではない」と言っていたこと。それまで勝手に想像していた先生像を裏切るものだったが、かえってその飾らなさが好感を持てた。
風邪に抗生剤は不要なこと。開業医でも診断のつかない病気はあること。しかし、患者が危ないのかそうでないのかを判別することが大事だということ(6日間熱が下がらなかった1歳半の子の例)。
先生の考えがよく分かり共感できた。もし近くに住んでいたら行きたかったなと思った。 -
Posted by ブクログ
私は子供の頃に体が弱く、頻繁に医者に掛かっていた。一患者としては、予約を取り、具合が悪い中を待った結果、納得のいく診察と薬の処方を頂くための、たった数分の真剣勝負である。ところが先生から「しばらく様子を見ましょう」「原因が分かりません」などど言われると、不安になるし、時にはイライラしてしまうもの。正直「こいつ大丈夫か?」と思いたくなるもの。
全ての先生に当てはまるか分からないが、医師の方も、短時間で真剣勝負をしていることが分かった。「様子見、原因不明、ストレスが原因」という言葉も、真剣勝負の結果、やむなく発せられる言葉なのだろう。筆者のように、ここまで自分の弱みを自己開示してくださり、真剣に考えてくださるのであれば、自分の子供を長期間委ねてみたい気持ちになる。
また、人間の体、特に成長著しい子供の身体は神秘そのものであり、成人内科の類似範疇ではない、小児科の特徴を少し学ぶこともできた。
開業にかかる手続きやマネタイズも紹介されていて、勤務医とは異なる、起業家、経営者としての側面も興味深かった。 -
Posted by ブクログ
軽い気持ちで読み始めたのだが、これが意外に面白かった。
正直でフェアで好感の持てる著者である。
自分のことをビビりでいわゆる「繊細さん」だと言う。ここまで自己開示する医師ってそうそういないような?
看護師との関係性など、なるほどそういうことだったのね、と納得。開業するのって資本金ほとんど要らないなんて!専門のコンサルにお任せしているっていう世界。
なるほどなるほど。
(どこにでもコンサルって今はガンガン入ってくるのね。この件に関しては、うーん…。いろいろ思うところはある。そういう種類の「仕事」もあるとは思うけどね。)
理念はちゃんとあるのに、自分の弱さをさらけ出してくれるこんな医師が主治医だったらいいな。最近ホームドクターにしていた医院が高齢のために閉院してしまい、次の主治医を探さなくてはいけないのだが、参考にさせてもらおう。
でもこんな人なかなかいないよね。 -
Posted by ブクログ
文章うまい!
そして、誠実なお人柄がにじみ出ている。
こういう先生に私もぜひ診てもらいたいけど、大人は見ないのね。残念。
タイトルから下世話な興味で読んでみたけど、ちゃんと私の知りたかったことが予想したよりもしっかりと書いてあった。
ほんとに開業医の方が勤務医より儲かるの? とか、医師会って何してんのよ? とか、耳鼻科と内科どっちに行くべき?とか(正確には、小児科と耳鼻科どっち?だけど、まあでもめちゃくちゃヒントになった。耳鼻科って…ちょっと…)。
でも、自分の医者選びの基準は正しかったと分かって良かった。質問したらちゃんと丁寧に答えてくれて、やたら薬出すだけじゃない医者。
けっこういるよね、質問しても全然まともに答えてくれない医者って。
あと、たまに抗生物質信者な人がいるが(私の元上司とかがそう)、まさか医者でもそんなのがいるとはビックリした。それは患者の無知がそういう先生を作ってしまったのかもしれないけど。
私は初診のときは「薬をたくさんもらって満足するタイプではないから、必要以上の薬はほしくない」となるべく伝えるようにしているが(中には伝えるのが難しいタイプもいるのでうまく意思疎通ができるとは限らないのだが)、やっぱり医者によって処方内容はものすごく違ってくるものなんだなぁと怖くなった。
知識不足じゃなくて本人の人間性が診察や処方に大きく反映してそうで嫌な感じ。まあどんな仕事も人間性が反映しない職業なんてないけれども。
しかし、白い巨塔は健在なんだなぁ。最初の留学のチャンスが到来した時にそれを許さなかった教授はひどいと思った。本人の将来を思ってではなく、便利だったから、という理由なのが悲し過ぎる(もちろんそれはご本人の見方で真実かどうかは分からないけれど、きっと真実だという気がした)。
医学部に限らず、大学というのは教授が部下の命運をガッチリ握っていて非常に怖いところだと思う。
以前、ほんの少しだけ働いた某国立大学の研究室の教授が漫画のキャラのような極悪人で、研究室のメンバー全員をあらゆる手を使って無意味に苦しめていて、私はただの事務方だったので、すぐ逃げ出したが、助教や講師たちその分野でキャリアを築こうとしている人たちは逃げるに逃げられず(よそに行こうとしても学問の世界は狭いので行けない)、本当に気の毒だった。あれはなんとかならんもんなのかね、と心底思う。絶望して死ぬ人がいても全然おかしくない。
そういう意味では、企業は(その会社がまともであれば)三権分立といかないまでも二権分立で、極悪パワハラ上司に人事部などが介入することができるし、自分でも助けを求められる。そうじゃなくてもよその会社までは権力は及ばないので、逃げ道もあるし、大学よりもずいぶん健全だと思う。
とにかく、この本の著者を留学させてあげたかったなぁ、と読んでいて私まで悔しく思った。
P.S. うちのクリニックのスタッフは偶然だけど全員美人!と自慢しているところは大きなマイナスだった。
それ言わない方が良かったやつよ。
綺麗な人が多いな、というクリニックはたまにあるが、あんまり好きな雰囲気じゃないところが多い気がする。
そうじゃなくても、そういうことを自慢する院長ってなんか嫌だと思った。