あまんきみこのレビュー一覧
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ネタバレ4巻目が新作だということに驚かされる。
この新装版の巻末にあるあまんきみこさんの各話についてのコメントや、これまでを振り返るあとがきにも、あまんきみこさんの感受性の豊かさや優しさがあふれている。読後、なんだか感激して涙ぐんでしまった。黒井健さんの絵もあったかくてかわいらしい。
今回も、かわいらしいふしぎな交流や、別れや戦争の話などしんみりする話もあった。やはり風景描写が素晴らしく余韻に浸りながら楽しめた。4感が一番グッとくる話が多かったかな。
全体を通して、タヌキ率が高めなのは御愛嬌。
週に一冊ずつ読んで、ついに最後の4巻。心が洗われるようだった。 -
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絵本とばかにすることなかれ。
読んで良かったと思わせてくれた。
文は、数々の賞を受賞されている、あまんきみこさん。
よどむことのない流れるような文章は、絵とシンクロナイズし、ほんの十数分で読めるものだが、これ以上の説明はいらないどころか、余韻も残してくれる。
村上豊さんの絵も素敵。この方もいろんな賞を取られている。特に表紙の平敦盛を描く絵は、彼の結末を知るに、余計に心が騒ぐ。
「みやびな若武者の美しくも悲しい物語」と解説にあるように、源平の「一の谷の合戦」で敗れ敗走する平家にあって、舟に乗り遅れた僅か16歳の平敦盛(平清盛の腹違いの弟)が、同じ年頃の息子を持つ義経配下の武将熊谷直実に討た -
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大人も子供も教科書でおなじみ、『車のいろは空のいろ』シリーズの最新作の4冊目です!
挿絵は黒井健になりました(1から3の挿絵は北田卓史)。
巻末の作者あとがきでは、それぞれの話がどのようにして生まれたかが語られます。経験や思ったことが素敵なお話しにできる人ってすごいよなあ。
さあ、そらいろのタクシー運転手松井さん、今日はどんなお客さんを乗せるのでしょう(*ノˊᗜˋ*)ノ
【きょうの空より青いシャツ】
うららかな春の日。松井さんは青い帽子をかぶったたぬきの子を乗せました。
松井さんと春の小さなお客さんとおはなしです。
【子ぎつねじゃないよ】
夜の公演で小さな子供たちが遊んでいます。こんな -
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「あまんきみこ」さんは、数々の素晴らしい絵本画家との共作によって、さらにお話の魅力が増す方で、ざっと挙げるだけでも、酒井駒子さんとの「きつねのかみさま」、上野紀子さんとの「ちいちゃんのかげおくり」、いわさきちひろさんとの「おにたのぼうし」、岡田千晶さんとの「あそびたい もの よっといで」等々、枚挙に暇がありません。
そして、本書は、「ぐりとぐら」等での姉妹の共作が有名な、中川李枝子さんの妹である、「山脇百合子」さんの絵ということで、もう表紙を見るだけで、その優しく穏やかな人柄が窺えそうな、派手さは無くても、ひとつひとつ心を込めて、じっくりと丁寧に描いている、そんな印象を与えてくれますし、それ -
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不思議なお客を乗せて、発車!
松井さんは、空色のタクシーの運転手。松井さんのタクシーには、不思議なお客さんが次々に乗ってきます。優しくて不思議な8つの物語。
■小さなお客さん
松井さんは、タイヤの修理を手伝ってくれた2人の子どもをタクシーに乗せてあげます。子どもたちは初めて乗る車に大はしゃぎ。2人がタクシーをおりると、座席には金色の毛が散らばっていて…。
車をおり、客せきのドアをあけたとたん、松井さんは、
「なんだ? こりゃ……」
と、つぶやきました。
ほそいみじかい金色の毛が、みどりのシートにちらばっています。
松井さんにできなかったタイヤの修理をやってのける子どもたちにびっく -
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きつねがかわいかった。しっぽがふわふわしていてかわいかった。
きつねのりえちゃんは、きつねのかみさまに、みんなでなわとびができますようにっておねがいした。そしたら、なわとびが公園の木のえだにかかってた。なわとびには「りえ」という名前が書かれていた。実は、人間のりえちゃんのなわとびだったから、おどろいた。きつねが神様っていう話だと思ったら、りえちゃんが神様だった。
ぼくも、きつねとなわとびしたい。そのきつねが、ばけておどかすきつねじゃなかったら。
りえちゃんのリボンがかわいい。弟のけんちゃんが、いそいだときに、のこっていたケーキを口におしこんだのが、ぼくみたいだった。(小3)