あらすじ
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男の子がぼうしの中につかまえたチョウをにがしてしまった。松井さんがチョウのかわりに思いついたものとは・・・心温まる短編集の傑作。
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Posted by ブクログ
白いぼうしは、小学校の時に教科書に出ていた
自分がかなり正確に覚えていたことに驚いたが、この作品の持つあたたかさがそうさせたのかも。
2巻も3巻もあるようなので、こうなったら全部読みたい
Posted by ブクログ
古き良き日本のファンタジー作品という感じ。
日常の延長線にあるような不思議な世界がとても心地よく親和性が高い。
解説?で海外作品の批判をしてるのはちょっといただけないが
Posted by ブクログ
不思議なお客を乗せて、発車!
松井さんは、空色のタクシーの運転手。松井さんのタクシーには、不思議なお客さんが次々に乗ってきます。優しくて不思議な8つの物語。
■小さなお客さん
松井さんは、タイヤの修理を手伝ってくれた2人の子どもをタクシーに乗せてあげます。子どもたちは初めて乗る車に大はしゃぎ。2人がタクシーをおりると、座席には金色の毛が散らばっていて…。
車をおり、客せきのドアをあけたとたん、松井さんは、
「なんだ? こりゃ……」
と、つぶやきました。
ほそいみじかい金色の毛が、みどりのシートにちらばっています。
松井さんにできなかったタイヤの修理をやってのける子どもたちにびっくりしたり、子どもたちの正体を想像する楽しさに、むねがはずんだりするお話です。
■うんのいい話
松井さんは、魚つり帰りのお客をタクシーに乗せて走っていました。お客がうとうとし始めると、車の目の前を魚たちが泳ぎ出し、お客の網の中からは、魚たちが出ていって……。
まどというまどが、ぜんぶ、すうっとおりました。水が、ひんやりと、風のようにながれこんできました。
松井さんとお客さんの指は、ふるえています。春ももう終わりの頃なのに、ふしぎですね。「かえせ かえせ かえせ」「きたよ きたよ きたよ」という魚たちの声も、ちょっとこわくて、でも楽しいです。
■白いぼうし
松井さんが、もぎたての夏みかんをのせてタクシーを走らせていると、道ばたに落ちた白いぼうしを見つけます。車をおり、ぼうしをつまみ上げると、中からモンシロチョウが飛び出しました。ぼうしのうらには、赤いししゅう糸で、「たけ山ようちえん たけのたけお」と書いてあります。
(せっかくのえものがいなくなっていたら、この子は、どんなにがっかりするだろう。)
そう思った松井さんは、いいアイデアをおもいつきます。それは、夏みかんを……。
魔法みたいなアイデアを思いついて心をおどらせる松井さんでしたが、松井さんにも魔法みたいな出来事が起こります。このふしぎを味わってみてね。
■すずかけ通り三丁目
松井さんのタクシーに乗ってきたのは、40才くらいの女の人。行き先は、松井さんも知らない、「すずかけ通り三丁目」の「白菊会館」近く。22年前、戦争が終わるまではその家で暮らしていたそうなのです。そして、今日は、3才の双子の息子をなくしてから、ちょうど22年の日なのでした。女の人は語ります。
「むすこたちは何年たっても3さいなのです。母おやのわたしだけが、年をとっていきます。
でも、むすこをおもうときだけは、ちゃんと、このわたしも、もとのわかさにもどる気がするんですよ。……おもしろいものですね。」
女の人は帰り際、小さなおばあさんになっていたのでした。
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4年教科書掲載本
空色のタクシーの運転手さんのちょっと不思議な体験を書いた短編集。言葉遣いが丁寧で好きです。1968年に書かれた作品ですが、今でも誰でも読みやすく、ぜひ親子で読んでほしいです。
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1/29に読み終わった、活版印刷三日月堂シリーズ第二弾『海からの手紙』の第一話「ちょうちょうの朗読会」のお話しの中に出てきた本
教科書に出てくる本・・・ 記憶にないので新しい本なのかな?と思いましたが、1968年出版
とてもやさしい 懐かしい 安心できる 心が安らかになる 想像する気持ちが楽しいお話したち
戦争中のお話しもありましたが、戦争中のお話しも、しっかり子どもたちに伝わるとよいなと思います
ずっとずっと、たくさんの子どもたちに読み続けてほしい
素晴らしい本に出会えて嬉しいです
運転手の松井さんの本、あと2冊あるみたいなのでこちらもぜひ読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
四年生の国語の教科書に載っていたので、松井さんシリーズを全て読破することとした。下記の内容でメモしていく。
【登場人物】
【季節】
【行き先】
【松井さんの人柄】
小さなお客さん
【登場人物】松井五郎さん、二人の小さなかわいい子供(正体は、きつね)、新しい黒のスーツの女性客
【季節】春
【行き先】五本松をUターン(ドライブ)
【松井さんの人柄】車の故障に苛立つが、子供思い
うんのいい話
【登場人物】松井さん、大きなつり道具を持った男の客
【季節】春のおわりちかく
【行き先】林を抜けたところ
【松井さんの人柄】不安になるとタバコを吸う
白いぼうし
【登場人物】客のしんし、おかっぱのかわいい女の子(モンシロチョウ)、男の子とお母さん
【季節】夏(六月のはじめ)
【行き先】なの花橋
【松井さんの人柄】子供想い
すずかけ通り三丁目
【登場人物】四十ぐらいの、いろのたいへん白い、ふっくらした女の人
【季節】真夏
【行き先】すずかけ通り三丁目(白菊会館の近く)
【松井さんの人柄】タクシーの運転手三年目で、道には詳しいつもりだし、お釣りはきちんと返したい
山ねこ、おことわり
【登場人物】わかい男の人(山ねこ)
【季節】秋
【行き先】山ねこの実家
【松井さんの人柄】動物を車に乗せたくなかったが、お金さえ受け取れれば乗せる。動物の気持ちも考える。
シャボン玉の森
【登場人物】ふかふかのセーターをきた小さな女の子、小指くらいの男の子
【季節】秋
【行き先】なし
【松井さんの人柄】タクシーを運転することが本当に好き
くましんし
【登場人物】くましんし
【季節】冬
【行き先】熊野熊吉の自宅
【松井さんの人柄】お金のことは、きちんとする
ほん日は雪天なり
【登場人物】毛が真っ白なしんし
【季節】冬
【行き先】りんどう公園
【松井さんの人柄】お客の少ない日には、なんとかお客をつかまえようとする
Posted by ブクログ
国語の教科書にのっていたお話。
夏みかんが故郷のお母さんから送られてきた、という所で私も祖母がよく夏みかんを送ってくれたのでお話がぐっと身近に感じました。
夏みかん・・・なんてマイナーな果物なんでしょう。
甘い、甘い砂糖が入ってるんじゃないかと思うぐらい甘い果物が多い中、超すっぱいこの夏みかん。
なぜ、あまんきみこさんは夏みかんにしたのか、などなど考えたりします。
帽子の中の蝶が夏みかんにかわる。驚くこども。新鮮~
大好きなお話です。
Posted by ブクログ
~あらすじ~
男の子が白いぼうしで捕まえたチョウを逃がしてしまった松井さん。代わりに置いた夏ミカンと、お客さんの不思議な女の子が目指す「なのはな横丁」とは?ほか、いくつかの短編集。
~感想~
短大の卒業論文を書くときに一番に頭に浮かんだ作品です。
小学校の時に教科書で読んで以来(全く不思議なことに)一切あまんきみこさんの作品とは接点がなかったのですが、読み込んでみて再燃しました。
色彩が鮮やかに描かれていながら、感情の機微を克明に記す表現手法がキャラクターに命を与えているかのようです。
読んでいて、まるで、自分がそこにいるんじゃないかという感覚になります。
さらに話の奥深さ。
事実上、そこにないはずの場所
いないはずのモノ
でも「ほんとう」は確かにそこに息づいている
このシリーズのどれにも一貫して事実と真実の対峙を感じます。
あまんきみこさんが学生時代に、(いきさつの詳細は省きますが)大きな衝撃をうけた詩があったそうです。
To see a World in a Grain of Sand
一粒の砂に世界を見
And a Heaven in a Wild Flower,
一輪の野の花に天国を見る
Hold Infinity in the palm of your hand
掌のうちに無限をつかみ
And Eternity in an hour.
一瞬に永遠を知る
William Blakeの無知の告白という詩です。
「事実」と「真実」
同じものであって、違うもの。
少々哲学的でわかりにくいですが、作品をよめばすとんと胸に落ちる言葉でした。
Posted by ブクログ
いつもありえないお客を乗せる松井さんのタクシー。
でも、こんなことってなんだかすごく「ありそうな」気がする。
「あったらいいな」と想うのだ。
バックミラーに狐の兄弟がうつったりしたら、どんなにかびっくりするだろうけれど。
気づかないフリをして、木の葉のお礼を受け取ったりした日は、しばらく心がホカホカすることだろう。
奇妙で心温まる、空色のタクシーのお話です。
Posted by ブクログ
国語の教科書に載っていたのでご存知の方も多いと思います。タクシーの運転手さんとタクシーに乗ってくるちょっと変わったお客さん達とのほのぼのとしたお話。心が温まります。
Posted by ブクログ
運転手の松井五郎さんが出逢った、不思議なお客さんとのストーリー。続きが気になる終わり方に少しの怖さと気味の悪さを残しながら、こんな出逢いあったら楽しいだろうなと思わせてくれる一冊です。
Posted by ブクログ
学期初めの掲載で、本の紹介まで依頼されることがなかったのだが、4年光村「白いぼうし」並行読書に加え依頼あり、再読。ひさしぶりに読むと、話によっては読書感想画にも向いているなぁと感じた。
以下ネタバレあり
◆小さなお客さん
パンク修理している松井さん、うまくいかないのに、なぜか小さな男の子二人きて、無事終了。お礼に乗せてあげると(すごく喜ぶ二人)、次のお客さんにシート汚れてるといわれ、金色のキツネの毛を発見。
◆うんのいい話
金いろのすじが一本ついたピカピカひかる魚を釣った客を乗せた松井さん、車が闇に包まれてくると沢山の魚に囲まれ、かえせかえせ…。あたりが収まったあと、客と二人震える手で火をつけ、タバコを吸うのでした。タバコを吸う場面がとても多いのに、時代を感じたのと、杉みき子の「月夜のバス」を思い出した。
◆白いぼうし
これは、レモンのにおいですか?
いいえ、夏みかんですよ。
関係のなさそうな夏みかんが帽子の中に入って帽子の持ち主の男の子をビックリさせ、モンシロチョウが客として乗ってくる(と思わせる)話はやはり画的にも春の国語に相応しく、面白かった。
◆すずかけ通り三丁目
戦争中大空襲の中、3歳のむすこを抱っことおんぶで逃げたけど最後死んでいることを知った母がタクシーにのり、よく知っている白菊会館のそばの、すずかけ通りに行く(ないはずの通り)。二十二年まえのきょうなのです。おかげでかえることができました。たくさんの人にまぎれて見えなくなったおばあさんを千円にお釣りを返したくて、なにか言いたくて追いかける松井さん。
◆山ねこ、おことわり
客の案内でグルグル回って林を走るとお客さんは山ねこになっていました。松井さんはおりてくださいよ、と言いますが山ねこおことわりとは書いてなかったでしょう?と降りません。しかも、医者で病気の母を診に来たというのです。送ることにした松井さん、しばらく待って大学病院に戻りました。代金と一緒に山ねこおことわりと書いてある読めない紙をもらいましたが、松井さんはまた、いつでもどうぞと言いました。
◆シャボン玉の森
道路でシャボン玉を吹いていた女の子を抱いて退かしたとき、シャボン水のコップが落ちました。泣いた女の子に困っていると松井さんはどんどん小さくなってしまいます。笑い声したのでふりむくと、シャボン水の消えたところに小指位の男の子がぷくっと立っています。ナンバープレートも恐ろしく大きくなってしまい、今度は松井さんが泣きました。そしたら大きくなれました。女の子は泣いている松井さんを見て泣き虫ねぇと笑いました。そして、地面からシャボン玉がたくさんでてきました。一番上の金いろの玉に男の子が見えました。慌てて車に飛び乗り曲がる前にふりむくと、まるで七色のシャボン玉の森がうきあがっていくようです。
◆くましんし
忘れ物のバックを届けに熊野熊吉さんのお家に行くと、わざと忘れたと言われる。なぜなら、松井さんがバックミラーでクマに気づいたから。くましんしはこたたん山から下りてきたのです。372匹になって、滅びるばかりだと。人の姿になり、汽車に乗り、子どもも大きくなりました(上は大学、下は高校)。ウイスキーを飲みながらの打ち明け話に松井さんがぼんやり考えていると、また、ドアの前で財布を持って立っていました。
◆ほん日は雪天(ゆきてん)なり
雪の中お客さんを乗せていると、お客は公園でお金を払わずに降りてすたすたと行ってしまいます。松井さんが追いかけて行くとなんと何十というキツネが輪を作って歌っていました。さあさあしっぽをだしなさい♪キツネコンクールが始まります。みんな一部キツネです。おじちゃんのばんよ、しっかりといわれいつのまにやらステージの上に。わたしはばけておりません、わたしはにんげんのまついです。
優勝した松井さんは商品の油揚げを断り、料金を回収し、雪でお客のない日に、公園の周りをみんなに本物のお金で1425回乗ってもらいました。
Posted by ブクログ
子どもの国語の教科書(光村4年)に載っていた『白いぼうし』を自分も教科書で読んでいたことに感動して、元の作品集を読んでみました。見返しには、あのあまんきみこさんの処女作であることが記され、「期待しよう」と書かれていました。本文にも時代を感じます。
最後まで読むと、それまでの全作品の受け止め方が覆されます。いろんな受け止め方があると思います。ネタバレになるのでここでは書きません。ぜひご自分で確かめてみてください。
Posted by ブクログ
あまんきみこさんの作品は、いつも心が温まる。
タクシー運転手の松井さんは、職業柄いろんな人や動物と出会います。
それぞれのエピソードに、松井さんの人柄が出ていて、安心できる童話です。
Posted by ブクログ
しゅ人公は空いろのタクシーのうんてん手の松井さんです。いろんな動物のおきゃくさんが人間にばけてのってきます。ちょっとふしぎで、でもおもしろい本です。
Posted by ブクログ
読んだのは文庫版のほうですがなかったのでこちらに感想を失礼します。昔国語の教科書で読んだ「白いぼうし」が懐かしく、今読んでもいいお話でした。他にこの松井さん(運転手)のシリーズがあったなんて知らなかったです。動物が出てくることが多くほのぼのして良かったです。
Posted by ブクログ
・有名だが読んだことがなかったのに気づいて。
・松井さんが運転してるタクシーはそら色。その出会ったさまざまなお客のお話を描く半ば絵本。
・パンク修理中に助けてくれた二人の少年は?
・大漁にごきげんの釣り客。
・蝶にかぶせてあった白い帽子をあけてしまった松井さんは。
・「すずかけ通り三丁目まで」と言われた松井さんだがそんな名前の通りは知らなかった。
・山猫の医師を乗せた松井さん。
・「なんてこった」って言うと小さくなってしまう。
・春野タクシー会社に戻った松井さんは熊そっくりな男性の忘れた財布に気付き…
・キツネコンクール? に紛れ込んでしまった松井さん。