雪舟えまのレビュー一覧
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冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー
6人の作家による個性豊かな短編集で、個人的には
寺地はるなさんと町田そのこさんが好みだった。
以下、収録作品と簡単なレビュー
飛鳥井千砂「もうすぐ十八歳」
成年年齢が引き下げられた。
でもどう感じるかなんて自分次第だと思った。
寺地はるな「ありふれた特別」
読者の予想をいい意味で裏切ってくれた。
ずっと何やら面白くてじんわりと温かかった。
雪舟えま「二人という旅」
家読みのシガとクローンのナガノ。
まさかのSFでぶっ飛んでいた笑
嶋津輝「漂泊の道」
葬儀で出会ったうつくしいひと・・・
感じ方や物の見方が年々研ぎ澄まされ無駄を排除していく様子が人生 -
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ネタバレ【収録作品】
「もうすぐ十八歳」 飛鳥井千砂
「ありふれた特別」 寺地はるな
「二人という旅」 雪舟えま
「漂泊の道」 嶋津輝
「祀りの生きもの」 高山羽根子
「六年目の弔い」 町田そのこ
冠婚葬祭アンソロジー。
「もうすぐ十八歳」 「成人」を巡る話。沖縄出身で、十八で子どもを産み、結婚した智佳。娘が十八になることで感慨を抱く。
「ありふれた特別」 取り立てて仲がいいわけでもなかった幼なじみたちの関係が変化した、出産騒ぎ。
「二人という旅」 結婚。旅をしている家読みのシガと助手のクローン・ナガノとの関係の変化。
「漂泊の道」 弔事のときだけ会う親戚のカナに漠然と惹かれる希和子の生き方。
「祀 -
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近未来を舞台とした不思議な恋愛物語。
全体的に宇宙空間のような、銀河でたゆたうような不思議な雰囲気に包まれています。
このお話は男性同士の恋愛ものなのですが、近未来だからかそこはさしたる葛藤はなく描かれています。
楯の方が飄々として掴みどころがなく、そこがまたいい意味で宇宙人のようで、物語に雰囲気にあっていました。
緑の家庭環境など重い問題もあるのですが、物語のふわふわゆらゆらしたイメージの包まれてウェットな重さはありません。
ただ、私にはどうしても合わなかった……。身を切るようなシリアスさが好きなので、この丸い雰囲気があいまいさのように見えて受け入れられませんでした。
男性同士の恋愛でも文学 -
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ネタバレどの話も好き。
「失恋給付マジカルタイム」
3人の雰囲気が良いし、素直さんが目が覚める変わっていく瞬間も素敵。
「キッチン・ダンス」
自由度が高くなっていくことだよ
「ちしゃの旅」
青虫子の話。フェオとトート。
『たぶんなにになってなってもいいのだろう、わたしたちは。高貴な人の首飾りになれなくても』
「おやすみ僕の睡眠士」
睡眠士という職業自体は架空だけど、親だったり恋人だったり悩み自体はリアル。
「パラダイスィー8」
斎の船の前日譚。弱がそうだけど、人が変わっていくところを書くのが上手い人だと思う。
「愛たいとれいん」
緑と盾。話自体は他愛もないんだけど、でも会いたいってそんなもなんだろう。 -
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ネタバレ男女の壁を通り越した愛の関係は、宇宙と同じ世界。
ロボットペット会社で働くすわの。
団地の屋上でのおとむらい(お葬式)にやってきた斎の舟の社員の楯。
会社の火事で逃げ遅れたすわのが楯に助けられて
おとむらいで歌を唄わせてもらってから
自分の居場所を見つけたすわの。
同居する休之助が漫画家になったのを機に、何もかもを捨てて楯の傍で仕事を始めた心境。
無であるからこそ無限大である宇宙と同じ
誰かにたいして芽生えた気持ち。
休之助が、すわのが去ったことよりも彼女にもらったものでなんとかやっていけそうって言葉がよかった。
うちもロボットペットほしーーーー。
不思議な、世界観です)^o^(