安田夏菜のレビュー一覧
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ネタバレ難関中学についていけずに退学した和真は、生活保護をもらっている樹希と人種差別を受け学力にも問題があるアベルと出会う。
和真はアベルに勉強を教えることになるが、アベルから先生と感謝されることによって、自分の存在価値を認められるようになる。樹希の生活保護に関しても、調べていくと、進学の道もあることがわかってくる。
冷たい目で見る大人たちが多い中、中学生が、このような状態に立ち向かって、可能性を見出す姿が、彼らの明るい未来を予感させてよかった。
生活保護の制度の詳細を知らないと何もできないで可能性をつぶしてしまうが、何かできないか他人の助けも借りながら、動いていくと道はないわけではないことがわかる。 -
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小学校の娘と一緒に読んだ本。これは貧困格差のお話。SDGsシリーズで他のテーマの本も何冊も出ている。
ーみんなは舗装道路を、真新しいスニーカーをはいて走っていく。おれはでこぼこの砂利道を、裸足で走って追いかける。息を荒らげ、必死に走っても、差はどんどん開いていく。とてもじゃないけど追いつけない。
この部分がこの本の内容を過不足なくまとめている。娘には伝わっているだろうか。
自分の子どもたちには、努力だけでは乗り越えられないものが世の中にはあって、自分の運命は偶然の産物だと理解して欲しい。何もかもが自分でコントロールできるという思い上がりを捨てて、努力や意志とは違うところで働いている「偶然」 -
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高校の登山部を退部した美玖は、夏休み友達に山に連れて行ってと頼まれ、友達とその友達と三人で出かけた。
途中までロープウェイで行けるハイキング程度の山、だと見くびっていた。
登山届を出してきたは良かったが、帰路予定変更して、反対側に降りることに・・・
その変更がすべての始まり・・・
下調べ不足、装備の不足、体力の不足、勝手な判断、思い込み・・・
すべてが悪い方に転がっていきやがて遭難。
こんな山で遭難なんて誰が思うだろうというような山。
何日目かにいよいよ食べ物もなくなり、意を決して二人を残して救助要請のために電波のつながる場所を探しに行った美玖。
道に迷ったらわかるところまで引き返す。
迷った -
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むこう岸と言うタイトルと中身を読んで、「橋のない川」を思い出してしまった。あちらは部落差別のお話だが、あちら岸こちら岸は、深くて大きな川に阻まれていて、渡れる橋もない状態が、主人公たちの苦しすぎる生活を物語ってる気がする。
普通なら混じることもなさそうな、私立中学校からの転校生和真と、生活保護世帯で育つ樹希が、むこう岸とこちら岸の川を越えようとする、胸の熱くなるお話。もがいて、手足をばたつかせ、なんとか岸に辿り着こうとする、切ないお話。
生活保護法
第一章第二条
全ての国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる。
主人公の一人、和真が、 -
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典型的な遭難案件で負のスパイラルに落ちていく3人、一人は登山部に在籍していた経験者ですが、地図読みが苦手で4ヶ月で退部した美玖。あとの二人は未経験の同級生、ロープウエィで登山口に行きそこから整備された登山道を800m登れば山頂に着くとゆう山で行程的には上り3時間、下り2時間半。
予定より早く山頂に着いた3人は寄り道しようと反対側に見えた津ケ原温泉を目指して下山するなか道に迷い遭難する。
余裕をもって計画通りピストンしてたら問題なく下山できてたのにって感じです。
登山では「早出、早終い」も鉄則なんですよね。夏場は午後になるとガスが上がってきて天候か崩れて雷になることもあるから、日の出前の涼しいう -
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面白かった〜!山岳遭難の誰にでも起こりうるおそろしいお話、私はこういう事態が怖すぎて事前に家族に渡したルート以外ビタイチ歩かない、たまにネットの登山ログ読んでるとその時の気分で破線ルートに変更する人とかいてひえ〜〜〜と思う。でもトガちゃんが言ってたとおりなにがなんでも生き残る方がえらい!ネットの遭難批判なんてクソ食らえだ!死にたくて山に登るやつなんていね〜んだから!山岳救助隊も民間の捜索隊もみ〜んな山が大好きで山が好きなまま生きて帰ってほしい、そんでまた山に来てほしいって思ってるに決まってる!
得られる教訓としては
・迷ったら登れ
・沢は絶対に降るな
・ヘッデンは日帰りでも持ってく
・ヘッデ -
Posted by ブクログ
それぞれに悩みがある女子高生3人が、日帰りできるゆるい登山に出かける。
初心者でありながらもなんとか登ったあと時間に余裕があることで、下山の計画を変更すると…
こんな低い山で遭難なんてあり得ないと思っていたが、下っていくのに目指す温泉は見つからずスマホの電波も圏外で進めども視界は雑木林に覆われ、次第に闇へと恐ろしいくらいに時間は過ぎていった。
体力もなくなり、怪我を負い何日も装備なしに過ぎていくことで高熱を出す。
彼女たちは、最初のうちは誰かのせいにしていたが、それも意味のない無駄なことだと知り、今できることをやろうと食料を分け合い励まし合う。
絶望にのみこまれずにいようとする。
何があ