安田夏菜のレビュー一覧
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ブク友の皆さんのレビューで読んでみたいなぁと思っていたら今年の推薦図書になってる!
そして、カバーの新聞記事の日付は去年の今日…
これは今日読まねば!と一気読み。
まだまだ初心者向けの登山をメインに楽しんでいる私。
仲間と一緒の登山では、隊長におんぶにだっこで、頼りっぱなし。
でも、この本はどれだけ山を舐めると危険なのかがリアルに伝わってくる。
低山ハイクでも高校生くらいの若い人達は軽装備だったり、ふざけて転落しそうになったりするのを見かける。
若さ故になんとかなってしまうのだろうけれど、やはりこれから登山をしんでほしいからこそ、登山は危険と隣り合わせであることを知ってほしい。
課題図書に -
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児童文学でSDGsを学ぶおはなしSDGsシリーズの一冊。テーマは『貧困をなくそう』
小学6年生の兄視点で話は進む。
TVで飢餓の子どもを見た妹が「うちは貧乏じゃない」という。
でもそうかな?
給食費も払えないのに?
絶対的貧困と相対的貧困について、子どもにも分かりやすい具体的なお話で描かれている。
子どもが満足に食事が出来ない描写が辛くて、読みながら涙が出た。
何度も「生活保護受けて!」と思った。
大人が読んでいても、
①栄養の偏った貧しい食生活では逆に太っていく=太っている子が飢えていないわけではないこと。
②単にお金がないだけではなく、親の目が行き届かないため、虫歯や知識の習得困難な -
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第59回日本児童文学者協会賞
貧困ジャーナリズム大賞2019特別賞
厳しい貧困生活の中にも希望が感じられる作品だった。
生活保護に限らず、複雑でわかりにくい制度は多すぎる。
知識がないことで損をするのが当たり前なことには納得がいかない。
ヤングケアラーや学べる環境がなく学力が低い人にはより不利なのに、頼りになるはずのケースワーカーは不勉強で多忙で真摯な対応をしてくれない。
憤りを感じる話だったけど、樹希が生活保護や支援を「施しではなく、社会からの投資」と知るところがとてもよかった。
また、中学生の和真が「生活保護は権利なんだ」と樹希に言ってあげたのにも胸が熱くなった。
和真の母親が生活保護に -
Posted by ブクログ
ネタバレ遭難の怖さと3人それぞれの力強さを感じた。
みんなの心情の描写がすごく丁寧で、とても読みやすく、リアリティがあった。
自分が山に登った経験があるからこそ、作中で危険な選択をしているのが分かってとてもハラハラしたが、そういう状況下では正常性バイアスが働いてしまうのもすごく分かった。
登場する高校生3人それぞれが、いろんな思いを抱えていたが、遭難という生と死の狭間で生き抜くことで、正直な自分の気持ちと覚悟というのが強く滲み出ていたように感じた。
トガちゃん優しい。
由真もんは親が100悪い。それでも自分なりに考えているのがすごいし、そのタフな心が印象的だった。
遭難することが分かりきってい -
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膝を痛めるまで山に登っていた私。
あまりにもリアルで怖い小説だった。
本当にフィクションなのだろうかと思えるくらい。
生と死は紙一重なんだと改めて思う。
「冒険とは、死を覚悟して、そして生きて帰ることである」
そう言った植村直己さんはマッキンリーで消息を絶った。
「大自然の中に放りだされたわたしたちは、ただの小動物だった。水がなければ渇き、食料がなければ飢え、寒さに震え、闇におびえる。」
低山だからと甘くみたのが悪いのか。いや私も同じような体験をしたから、深く共感する。ちょっとした判断の甘さが命取りになりかねないのだ。
だからと言ってなにもしないのでは人生はつまらない。
じいちゃんが言っていた