あらすじ
ドラマ化もされた『むこう岸』、第68回青少年読書感想文全国コンクール課題図書『セカイを科学せよ!』の安田夏菜、書き下ろし最新作!
亡くなった山好きの祖父との後悔を胸に抱く美玖。
大好きな母の乳がん再発におびえる亜里沙。
再婚し、幸せな家族の中で孤独を感じる由真。
三人の女子高生はおのおのの理由から、ともに山に登り始める。
日帰りできる「ゆる登山」のつもりだった三人だが、下山の計画を変更したことで、道を見失う──。
途絶える電波、底をつく食糧、野宿、低体温症、幻覚……絶望。
日常生活では感じえない生と死の狭間で、それぞれの悩みも輪郭を変えていく。
絶望にあらがう中で、三人がつかんだものとは。
巻末には、山岳遭難アドバイザー羽根田治氏によるコラム「遭難を防ぐための五か条」掲載!
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Posted by ブクログ
イッキ読みしてしまった。
登山部顧問のトガちゃんは正しかった。
そして今は亡きおじいちゃんありがとう!
おじいちゃんに救われたと言っても過言じゃない。
読み終わって、あなたは山に登りたいと思いますか?
それとも登山は怖いからしたくないと思いますか?
Posted by ブクログ
ブク友の皆さんのレビューで読んでみたいなぁと思っていたら今年の推薦図書になってる!
そして、カバーの新聞記事の日付は去年の今日…
これは今日読まねば!と一気読み。
まだまだ初心者向けの登山をメインに楽しんでいる私。
仲間と一緒の登山では、隊長におんぶにだっこで、頼りっぱなし。
でも、この本はどれだけ山を舐めると危険なのかがリアルに伝わってくる。
低山ハイクでも高校生くらいの若い人達は軽装備だったり、ふざけて転落しそうになったりするのを見かける。
若さ故になんとかなってしまうのだろうけれど、やはりこれから登山をしんでほしいからこそ、登山は危険と隣り合わせであることを知ってほしい。
課題図書になったのはとてもいいことだ。
かく言う私も、地図も天気図も読めない。
地図アプリとか便利な物は人を怠惰にするからな…
これからもっと登山を楽しむために、最低限必要な知識は身に付けないと。
Posted by ブクログ
久々の一気読み。「迷った時には苦しくても登れ。楽して下るとドツボだからな」の山岳部顧問の言葉が重い。高校生3人の道中の心の声がメインになってるので、ぶれず、濃く読めた。
Posted by ブクログ
遭難の怖さと3人それぞれの力強さを感じた。
みんなの心情の描写がすごく丁寧で、とても読みやすく、リアリティがあった。
自分が山に登った経験があるからこそ、作中で危険な選択をしているのが分かってとてもハラハラしたが、そういう状況下では正常性バイアスが働いてしまうのもすごく分かった。
登場する高校生3人それぞれが、いろんな思いを抱えていたが、遭難という生と死の狭間で生き抜くことで、正直な自分の気持ちと覚悟というのが強く滲み出ていたように感じた。
トガちゃん優しい。
由真もんは親が100悪い。それでも自分なりに考えているのがすごいし、そのタフな心が印象的だった。
遭難することが分かりきっているタイトルだから、なんとなくの展開は分かっていたが、遭難の描写以上にリアルな人間の描写にとても圧倒された。
山に登りたくなくなったけど、山に登りたくなった。
「生きてるのと死んでるのって紙一重なんだよね。今、こうして遭難してよくわかった。
道を一か所まちがえただけでオセロゲームの駒みたいに、生が死にくるっと裏返っていく。そんな弱っちい存在なんだよ。あたしたち。
だから、生きてるってけっこう奇跡で。
奇跡だから、生きてるね、生きてるねって誰かと喜び合いたくて。」
「冒険とは、死を覚悟して、そして生きて帰ることである」 ──────冒険家 植村直己
「人間ちゃ不思議なもんでな。自分の弱さを受け入れたもんだけが、真に強うなれるがやちゃ」
Posted by ブクログ
3人の女子高生が山で遭難した!遭難から帰還までの6日間の物語です。恐怖や不安が文章からすごく伝わってきて実際に私も遭難したような焦りが出てきてしまいました…
よくテレビ番組でもありますよね。このような遭難した出来事に基づいたドラマ。やっぱり、百聞は一見にしかずなのでテレビで見たほうが断然リアルですけど、文章でしか伝わらない何かがありました…
Posted by ブクログ
児童文学とは思えないくらいのリアリティ。しかし、その中に10代の気持ちのゆらぎや心情が丁寧に書かれた作品でとても面白くグイグイ読めました。
主人公ごとに視点が変わっていくのも良かったです。
Posted by ブクログ
膝を痛めるまで山に登っていた私。
あまりにもリアルで怖い小説だった。
本当にフィクションなのだろうかと思えるくらい。
生と死は紙一重なんだと改めて思う。
「冒険とは、死を覚悟して、そして生きて帰ることである」
そう言った植村直己さんはマッキンリーで消息を絶った。
「大自然の中に放りだされたわたしたちは、ただの小動物だった。水がなければ渇き、食料がなければ飢え、寒さに震え、闇におびえる。」
低山だからと甘くみたのが悪いのか。いや私も同じような体験をしたから、深く共感する。ちょっとした判断の甘さが命取りになりかねないのだ。
だからと言ってなにもしないのでは人生はつまらない。
じいちゃんが言っていた言葉
「人間ちゃ不思議なもんでな。自分の弱さを受け入れたもんだけが、真に強うなれるがやちゃ」
が心底響いてくる。
遭難した彼女たちは生きたいと強く思った。
生は当たり前じゃないことに気づいた。
だから、これからは違う密度で生きていくはず。
うち震えた物語だった。
Posted by ブクログ
267ページ
1500円
9月15日〜9月16日
タイトルから6日間遭難することは想像できるのだが、1日目、2日目の焦燥感や3日目の絶望感など、リアルで続きが気になりすぎて一気読みしてしまった。過酷な環境でこそ人間の真価が問われたり、本当にやりたいことが見えたりするのだろう。日常では気づかないことを気づかせてくれる登山が描かれていたが、私は山には登りたくない。
Posted by ブクログ
一気に読み終えた
それぞれの視点から書いたのって、すごい読みやすい!
山岳救助の本を最近読んでたからか
うわー、それは遭難するぞーとかって思いながら読んだ
女子高生3人が、日帰り登山のはずが
2人がソフトクリームだの温泉に行きたいだの言い出したために遭難
下山ルートを変えちゃダメだー!
救助隊だって登山計画書見て救助しに行くんだし…
山を甘く見ちゃダメだ
いくら日帰りだからと軽装もダメ
登山は怖いわ
私もよく、ジーンズで
暑寒別岳登ったなぁ
今となっちゃ、大反省
Posted by ブクログ
むこう岸に続き安田夏菜さんの新作のこちら。
児童文学ではあるが人生色々考えさせられる。何より登山を始めたばかりの人にオススメしたい。遭難当事者の状況がリアルに描かれていた。
山を侮らず登山を楽しもうと誓った。
Posted by ブクログ
高校の登山部を退部した美玖は、夏休み友達に山に連れて行ってと頼まれ、友達とその友達と三人で出かけた。
途中までロープウェイで行けるハイキング程度の山、だと見くびっていた。
登山届を出してきたは良かったが、帰路予定変更して、反対側に降りることに・・・
その変更がすべての始まり・・・
下調べ不足、装備の不足、体力の不足、勝手な判断、思い込み・・・
すべてが悪い方に転がっていきやがて遭難。
こんな山で遭難なんて誰が思うだろうというような山。
何日目かにいよいよ食べ物もなくなり、意を決して二人を残して救助要請のために電波のつながる場所を探しに行った美玖。
道に迷ったらわかるところまで引き返す。
迷ったら下らない(沢に降りない)上を目指して尾根に出る。
鉄則ですね。
Posted by ブクログ
女子高生3人が、登山に行った鎌月岳で遭難した話。
6日間も…フィクションだけど、安易にコースを変えた経緯や、過酷な遭難の描写、彼女たちの心の変化などが、まるでノンフィクションのように感じられた。
児童書扱いなのが不思議なくらい鬼気迫る話だった。
Posted by ブクログ
一気読みした!読みやすいのもあったけど、何より「この先どうなるの?」という気持ちでグイグイ読めた。3人の女子高生が抱えるそれぞれの内面に光を当てつつ、「遭難」という外面もきちんと描いているのが凄かった。ハイキングに行ったことがある人なら分かる「それダメ!!」を続々と起こしてしまうけれど、「それ正解!」によって命が助かる。山岳小説としても、青春小説としても、とてもよい小説でした。
Posted by ブクログ
シリアスな遭難モノとは一味違った人間の内面を極限状態で炙り出す描写。女子高生だからこその悩みも深刻だけど命に比べれば、という思考。そして改めて山の怖さを認識。
Posted by ブクログ
ゾゾーーーーッ!!これは「私かもしれない物語」だ。標高もそこまで高くなく、ロープウェイもあるお気軽日帰り登山での遭難事故。救助隊も出動の大捜索。しょっぱなにあやふやなままルート変更したところは流石に「馬鹿だなあ」と思ってしまったものの、彼女たちを責めるほどの正しさは私にはない。私もかつては日帰り登山を楽しんでいたが「積雪で道を見失いそうになる」「想像以上に下山ルートが長くて疲労がつのり不安になる」など予期せぬ出来事はたくさんあった。本当に山をなめてはいけない、と肝に銘じることができる秀作となった。
Posted by ブクログ
典型的な遭難案件で負のスパイラルに落ちていく3人、一人は登山部に在籍していた経験者ですが、地図読みが苦手で4ヶ月で退部した美玖。あとの二人は未経験の同級生、ロープウエィで登山口に行きそこから整備された登山道を800m登れば山頂に着くとゆう山で行程的には上り3時間、下り2時間半。
予定より早く山頂に着いた3人は寄り道しようと反対側に見えた津ケ原温泉を目指して下山するなか道に迷い遭難する。
余裕をもって計画通りピストンしてたら問題なく下山できてたのにって感じです。
登山では「早出、早終い」も鉄則なんですよね。夏場は午後になるとガスが上がってきて天候か崩れて雷になることもあるから、日の出前の涼しいうちから登りだして午前中に下山してくることもよくあるんです。それでも行動時間はたっぷり8時間とれるのでゆったりできたりです。
予定にないルートに行くときもスマホに地図DLしておけば圏外でも位置がわかるけどそれを忘れていたとかはかなり痛い。けど、ここらまでは私も経験してます。
上りはどこから登っても頂上は目指せて迷いにくいのですが、降りる場合は分岐を間違えたらあみだくじのようにランダムに予定外のところにでてしまう。これが谷筋だと滑落や登り返せない場所にでてしまうので、迷ったら谷筋に下りず、尾根筋で上を目指すのが鉄則なんですよね。
予定外の行動で体力奪われて救助されるまでの6日間、必死に命をつないだ心境がリアルに伝わってきました。
作中に出てくる鎌月岳がどこにあるのかググってみたのですが架空の山のようでしたけど・・
山始める前に私も遭難の事例をSNSや映画でたくさん観て学習してたので慎重なんですよね。この作品、ヤング向けだけど山を始める前に是非読んで欲しい良書です。
ちなみに下の山岳遭難ものも必須ですね。
「八甲田山」「岳」「剱岳 点の記」「神々の山嶺」
「春を背負って」「聖職の碑」
Posted by ブクログ
むかしむかし、中学生だった頃、夏休みに伯父さんに、「今から山登りに行くぞ、着替えと水筒用意しろ」と言われ、1昼夜かかって連れていかれたところが富士山5合目だった。朝早くついて昼までかかって登りました。降りるのは登りの半分の時間だったような覚えがあります。上から下に向かってジャンプしてそのままズルズルと滑り降りるような感じです。今思えば、完全な弾丸登山、装備も何もなくジャージ(長袖、長ズボン)にスニーカーと言う滅茶苦茶な軽装。この本を読んで、自分の愚かさと怖さが募る想いです。よく生きて帰ってこれたなぁと。
Posted by ブクログ
中高生向けなのかな。
けど大人でも読み応えありました。
じいちゃんの
「人間ちゃ不思議なもんでな。自分の弱さを受け入れたもんだけが、真に強うなれるがやちゃ」
なんか分かる〜と思えた自分の成長を感じました。
Posted by ブクログ
面白かった〜!山岳遭難の誰にでも起こりうるおそろしいお話、私はこういう事態が怖すぎて事前に家族に渡したルート以外ビタイチ歩かない、たまにネットの登山ログ読んでるとその時の気分で破線ルートに変更する人とかいてひえ〜〜〜と思う。でもトガちゃんが言ってたとおりなにがなんでも生き残る方がえらい!ネットの遭難批判なんてクソ食らえだ!死にたくて山に登るやつなんていね〜んだから!山岳救助隊も民間の捜索隊もみ〜んな山が大好きで山が好きなまま生きて帰ってほしい、そんでまた山に来てほしいって思ってるに決まってる!
得られる教訓としては
・迷ったら登れ
・沢は絶対に降るな
・ヘッデンは日帰りでも持ってく
・ヘッデンの電池を確認する
・エマージェンシーシートを持ってく
・紙地図コンパスを持ってく
・登山計画外の道に行かない
・リーダーが初心者の甘い提案に絆されるな
・リーダーの指示に従う
・全員がgps地図をダウンロードする
・モバイルバッテリーとコードを事前に確認する
とか?多いな…
あと笛とかあったらよかった?
最後に答え合わせの地形図とかがあったらよかったな。実は普通に歩けば1、2時間のところをぐるぐる回ってたってオチありそう。
昔高校生数人でまさにこの小説と同じような登山経験者一名と初心者数人が1週間弱遭難して大きく報道されたことがあったよね、報道がほんとうに胸糞悪かった、高校生なんて生き残っただけで100点満点よ
Posted by ブクログ
それぞれに悩みがある女子高生3人が、日帰りできるゆるい登山に出かける。
初心者でありながらもなんとか登ったあと時間に余裕があることで、下山の計画を変更すると…
こんな低い山で遭難なんてあり得ないと思っていたが、下っていくのに目指す温泉は見つからずスマホの電波も圏外で進めども視界は雑木林に覆われ、次第に闇へと恐ろしいくらいに時間は過ぎていった。
体力もなくなり、怪我を負い何日も装備なしに過ぎていくことで高熱を出す。
彼女たちは、最初のうちは誰かのせいにしていたが、それも意味のない無駄なことだと知り、今できることをやろうと食料を分け合い励まし合う。
絶望にのみこまれずにいようとする。
何があろうとも絶対に最後まで諦めない。
ぐらぐらふわふわの表現は、彼女たちだけにわかるものかもしれない。
意味がわからなかった祖父の言葉が胸にしみこんできたのは体験したからだ。
「人間ちゃ不思議なもんでな。自分の弱さを受け入れたもんだけが、真に強うなれるがやちゃ」
彼女たちは、今度はゆっくりと確かめながら歩いていくことだろう。
山を知らなければこわい思いをする。
だけども心を奪われる魅力もある。
だから人は、山に登るのだろう。
違う世界を見るために。
Posted by ブクログ
サバイバル物でもあり、思春期の悩みに寄り添った群像劇でもあり、後半のピンチの連続には本当に遭難した時に生き残るかどうかは紙一重なんだと怖くなりました。そしてスマホの僅かな充電が…のシーンはあまりにもありそうで「やめてー!」と叫びそうでした。
Posted by ブクログ
私も死ぬまでに富士山に登ってみたいと思っていて、でもまだ体力も知識も足りてない。そうこうしてる間に50になり60になってしまわないように少しずつでも情報収集し始めようかな。と思った。
この女子高生たちはよく頑張った!人の見えてない部分が見え始め、辛いと人のせいにしたくなる。他人といることで成長出来た部分も良かった。
Posted by ブクログ
登山がほぼ素人の高校生がよくこんなにも耐えられたな、と感心。私が高校生のときにヒルに噛まれてたらもっと発狂してたし冷静に止血もできなかったと思う。
ありさは逞しくなって見直した、ゆまもんは幸せになってほしい、みくはリベンジしてほしい。
いい注意喚起になる山の小説。
Posted by ブクログ
軽い気持ちで山にハイキングに出かけた女子高生3人が遭難。途中で仲間は一人はぐれる。6日間の記録。YA向けということもあってそこまで壮絶な描写はない。
Posted by ブクログ
女子高校生3人が山で遭難。1人は3ヶ月で山岳部を退部した美玖、登山は初めての亜里沙と由真。ロープウェイを使って登山口まで行き、3時間ほど歩いて山頂到着。同じ道を戻って3時ころにはロープウェイ駅に着き、夜7時には帰宅の予定だった。スムーズに山頂に到着した3人は、少し下ったところにある温泉に寄って行くことにするが…。
食料もお昼ごはんとオヤツくらいしか持っていない。スマホも圏外で連絡も取れないまま、遭難してしまう。救助されるまでの6日間を克明に描く。
遭難するという事は、こういうことなのだとよくわかる。3人それぞれの家庭の事情も上手く絡み合わせ、思っていたより読み応えがあった。
山で遭難しないためのアドバイスもついています。