【感想・ネタバレ】6days 遭難者たちのレビュー

あらすじ

ドラマ化もされた『むこう岸』、第68回青少年読書感想文全国コンクール課題図書『セカイを科学せよ!』の安田夏菜、書き下ろし最新作!

亡くなった山好きの祖父との後悔を胸に抱く美玖。
大好きな母の乳がん再発におびえる亜里沙。
再婚し、幸せな家族の中で孤独を感じる由真。

三人の女子高生はおのおのの理由から、ともに山に登り始める。
日帰りできる「ゆる登山」のつもりだった三人だが、下山の計画を変更したことで、道を見失う──。

途絶える電波、底をつく食糧、野宿、低体温症、幻覚……絶望。
日常生活では感じえない生と死の狭間で、それぞれの悩みも輪郭を変えていく。
絶望にあらがう中で、三人がつかんだものとは。

巻末には、山岳遭難アドバイザー羽根田治氏によるコラム「遭難を防ぐための五か条」掲載!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

遭難の怖さと3人それぞれの力強さを感じた。
みんなの心情の描写がすごく丁寧で、とても読みやすく、リアリティがあった。

自分が山に登った経験があるからこそ、作中で危険な選択をしているのが分かってとてもハラハラしたが、そういう状況下では正常性バイアスが働いてしまうのもすごく分かった。

登場する高校生3人それぞれが、いろんな思いを抱えていたが、遭難という生と死の狭間で生き抜くことで、正直な自分の気持ちと覚悟というのが強く滲み出ていたように感じた。

トガちゃん優しい。
由真もんは親が100悪い。それでも自分なりに考えているのがすごいし、そのタフな心が印象的だった。

遭難することが分かりきっているタイトルだから、なんとなくの展開は分かっていたが、遭難の描写以上にリアルな人間の描写にとても圧倒された。

山に登りたくなくなったけど、山に登りたくなった。






「生きてるのと死んでるのって紙一重なんだよね。今、こうして遭難してよくわかった。
道を一か所まちがえただけでオセロゲームの駒みたいに、生が死にくるっと裏返っていく。そんな弱っちい存在なんだよ。あたしたち。
だから、生きてるってけっこう奇跡で。
奇跡だから、生きてるね、生きてるねって誰かと喜び合いたくて。」


「冒険とは、死を覚悟して、そして生きて帰ることである」 ──────冒険家 植村直己


「人間ちゃ不思議なもんでな。自分の弱さを受け入れたもんだけが、真に強うなれるがやちゃ」

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2025年01月17日

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