安田夏菜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ブク友の皆さんのレビューで読んでみたいなぁと思っていたら今年の推薦図書になってる!
そして、カバーの新聞記事の日付は去年の今日…
これは今日読まねば!と一気読み。
まだまだ初心者向けの登山をメインに楽しんでいる私。
仲間と一緒の登山では、隊長におんぶにだっこで、頼りっぱなし。
でも、この本はどれだけ山を舐めると危険なのかがリアルに伝わってくる。
低山ハイクでも高校生くらいの若い人達は軽装備だったり、ふざけて転落しそうになったりするのを見かける。
若さ故になんとかなってしまうのだろうけれど、やはりこれから登山をしんでほしいからこそ、登山は危険と隣り合わせであることを知ってほしい。
課題図書になったのはとてもいいことだ。
かく言う私も、地図も天気図も読めない。
地図アプリとか便利な物は人を怠惰にするからな…
これからもっと登山を楽しむために、最低限必要な知識は身に付けないと。
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Posted by ブクログ
児童文学でSDGsを学ぶおはなしSDGsシリーズの一冊。テーマは『貧困をなくそう』
小学6年生の兄視点で話は進む。
TVで飢餓の子どもを見た妹が「うちは貧乏じゃない」という。
でもそうかな?
給食費も払えないのに?
絶対的貧困と相対的貧困について、子どもにも分かりやすい具体的なお話で描かれている。
子どもが満足に食事が出来ない描写が辛くて、読みながら涙が出た。
何度も「生活保護受けて!」と思った。
大人が読んでいても、
①栄養の偏った貧しい食生活では逆に太っていく=太っている子が飢えていないわけではないこと。
②単にお金がないだけではなく、親の目が行き届かないため、虫歯や知識の習得困難など、様々な面で子どもの養育に悪影響が出ていること。
など、普段生活していて気付かなかった現実を知ることができて、秀逸な作品。
主人公が本当に賢くて、妹のことも考えて何とかしなければと考えているところもグッと来た。
母親も必死で、『悪い人』というわけではない。
ただ、必死過ぎて行政の助けを得る考えすら浮かばない。
このような子ども達を救うためには、小学校でも、社会保障の仕組みや、生活保護について教えていく必要があると感じた。
子どもが「お腹が空いた!うちは困っている。助けて!」と、しかるべき場所に声を上げられる社会にしていかなければならないと思う。
まだ幼稚園の我が子には難し過ぎるけれど、もう少し大きくなったら読ませたい、もっと多くの人に知ってほしい作品。 -
Posted by ブクログ
第59回日本児童文学者協会賞
貧困ジャーナリズム大賞2019特別賞
厳しい貧困生活の中にも希望が感じられる作品だった。
生活保護に限らず、複雑でわかりにくい制度は多すぎる。
知識がないことで損をするのが当たり前なことには納得がいかない。
ヤングケアラーや学べる環境がなく学力が低い人にはより不利なのに、頼りになるはずのケースワーカーは不勉強で多忙で真摯な対応をしてくれない。
憤りを感じる話だったけど、樹希が生活保護や支援を「施しではなく、社会からの投資」と知るところがとてもよかった。
また、中学生の和真が「生活保護は権利なんだ」と樹希に言ってあげたのにも胸が熱くなった。
和真の母親が生活保護について興味をもつ息子を肯定したところは泣けたけど、自分の息子が貧困の家庭の子と付き合うことは受け入れられないところがリアルで複雑な気持ちになった。
胸に刺さる、人にもお勧めしたい作品。
星4.5 -
Posted by ブクログ
ネタバレ遭難の怖さと3人それぞれの力強さを感じた。
みんなの心情の描写がすごく丁寧で、とても読みやすく、リアリティがあった。
自分が山に登った経験があるからこそ、作中で危険な選択をしているのが分かってとてもハラハラしたが、そういう状況下では正常性バイアスが働いてしまうのもすごく分かった。
登場する高校生3人それぞれが、いろんな思いを抱えていたが、遭難という生と死の狭間で生き抜くことで、正直な自分の気持ちと覚悟というのが強く滲み出ていたように感じた。
トガちゃん優しい。
由真もんは親が100悪い。それでも自分なりに考えているのがすごいし、そのタフな心が印象的だった。
遭難することが分かりきっているタイトルだから、なんとなくの展開は分かっていたが、遭難の描写以上にリアルな人間の描写にとても圧倒された。
山に登りたくなくなったけど、山に登りたくなった。
「生きてるのと死んでるのって紙一重なんだよね。今、こうして遭難してよくわかった。
道を一か所まちがえただけでオセロゲームの駒みたいに、生が死にくるっと裏返っていく。そんな弱っちい存在なんだよ。あたしたち。
だから、生きてるってけっこう奇跡で。
奇跡だから、生きてるね、生きてるねって誰かと喜び合いたくて。」
「冒険とは、死を覚悟して、そして生きて帰ることである」 ──────冒険家 植村直己
「人間ちゃ不思議なもんでな。自分の弱さを受け入れたもんだけが、真に強うなれるがやちゃ」
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Posted by ブクログ
膝を痛めるまで山に登っていた私。
あまりにもリアルで怖い小説だった。
本当にフィクションなのだろうかと思えるくらい。
生と死は紙一重なんだと改めて思う。
「冒険とは、死を覚悟して、そして生きて帰ることである」
そう言った植村直己さんはマッキンリーで消息を絶った。
「大自然の中に放りだされたわたしたちは、ただの小動物だった。水がなければ渇き、食料がなければ飢え、寒さに震え、闇におびえる。」
低山だからと甘くみたのが悪いのか。いや私も同じような体験をしたから、深く共感する。ちょっとした判断の甘さが命取りになりかねないのだ。
だからと言ってなにもしないのでは人生はつまらない。
じいちゃんが言っていた言葉
「人間ちゃ不思議なもんでな。自分の弱さを受け入れたもんだけが、真に強うなれるがやちゃ」
が心底響いてくる。
遭難した彼女たちは生きたいと強く思った。
生は当たり前じゃないことに気づいた。
だから、これからは違う密度で生きていくはず。
うち震えた物語だった。