森浩美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やや複雑な家庭の人間関係や心の絆を、ことば巧みに表現し、最後は人間って捨てたもんじゃないな、家族はやはりいいもんだ、と思わせてくれた。涙腺が緩みっぱなしになってしまった。
ホタルの熱
乾いた声でも
星空への寄り道
カレーの匂い
柿の代わり
おかあちゃんの口紅
イブのクレヨン
粉雪のキャッチボール
の全部で8つの短編。
幼い子どもと一緒に、人生の最後となる旅に出かける母親。
しかし思いがけず、民宿に泊まることになり、そこで優しい女将と出会い、過去の悪い想い出を涙と共に洗い流してくれるという、ホタルの熱。
悪いことが重なり、どうしようかと悩んでいる主人公。たまたま乗ったタクシーの運転手さん -
Posted by ブクログ
様々な家族の姿を描きながら、世知辛い世の中で希望の光を感じさせるハートウォーミングな8編を収録した短編集。それぞれが独立した短編なのだが、どの短編にも背後に虐待の果てに幼い息子を殺してしまった母親の事件のニュースが影を落としている。その事件と各短編のストーリーとの対比が希望の光の輝きを、より一層感じさせてくれるようだ。
『桜ひらひら』。交通事故で幼い我が子を失った夫婦の間に生じた亀裂。お互いに相手の事を慮っているようで、実は良く理解していないのが夫婦なのだろうか。読後に涙がじわりと滲む。
『かたくなな結び目』。両親の離婚とその後の過去に追われるように仕事に没頭し続けて来たアラフォーの未婚女