車浮代のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ現代から江戸時代へタイムスリップした武村は、20代前半の若者(タケ)と姿を変え、蔦重に拾われる。
蔦重は江戸で本屋を営んでいて、そこには後の喜多川歌麿が絵師として雇われていた。蔦重はタケも雇う事にするが、その教えがタケを変えていく。
蔦重の教えは、江戸っ子特有というのかサッパリしているのだけれど、芯が通っていて気持ちが良い。付箋を貼りながら読んでいたら最後にキチンとまとまっていた。
ストーリー的にもハッピーエンドだし、タケが現代に、戻った後どうなったんだろう…という疑問も全て解決して、スッキリした。とにかく蔦重が魅力的だ。
若い時に読んでいたら、もっと良かったと思ったけど、武村も55歳でやり -
Posted by ブクログ
ネタバレ啓発本のようなねらいもあるのかな?と思ったら、涙涙の感動物語。面白かった!
江戸の文化、著名人の周辺知識、伏線回収もいいね!
以下自分のメモ
物事を反対から考えると別な世界が見える
何かできないか、ではなく何ができるか
気が合わない人ほど丁寧に。枝の先に果実あり
性悪説の方が他人を大切にできる。
人は得意なことで失敗する。
苦手なら準備するから失敗しない。
自分の目、相手の目、鳥の目
でもとしかしは、金言を逃す
信者を詰めて書くと儲けるになる
人を率いるには、率いるなりの苦労がある
捨てたところに新しい風が入る
自分に勝つことは他人に勝つことより難しい -
Posted by ブクログ
仕事で大失敗し、早期退職を命じられた武村。突然タイムスリップした。ときは江戸時代中期。保護しれくれたのは蔦屋重三郎。版元として歌麿、写楽を手掛けた凄腕。彼の側で学ぶ、人の心を掴む方法、版画の製造法、江戸の風物・・・
めちゃくちゃ面白かった。何も出来ない武村の成長譚あり、蔦重の人柄あり、そして江戸がまるでそこにあるかのように描かれる。
ビジネス小説風に教訓が差し込まれるのはマイナスだが、それを補って余りあるプラスがった。
「いいえ。タケさん、蔦重の仕事ぶりを見ていると信じられないかもしれませんが、あの方にあれだけ人望があるのは、約束は必ず守る、というその一点を貫かれているからでございます」 -
Posted by ブクログ
一流の浮世絵師として認められる条件は「春画が描ける」ということであった。今の時代の規範からは春画浮世絵にふれることが出来にくい。しかし、江戸時代は大らかで春画を楽しむことが今ほど憚られるものではなかったとのこと。
浮世絵師の腕を評価するという点からも春画とはどういうものであるかをこの本で知ることができるのは価値がある。
写楽の作品は、そういう観点で評価するとそれほどの質の高いものと言えるか...とう著者の指摘は面白い。作品数があまりに多くて評価が若干低いところにある国貞の春画の質からこの絵師を高く評価しているなども興味深い。(数ヶ月前に静嘉堂文庫で国貞展を観ていい作品と感じていたので、我が意を