車浮代のレビュー一覧
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少し前に何かの書評で気になっていたこの本
内容はというと、
バブルの時代を持ち前の人好きする性格と
ノリで乗り切って来た主人公だが
不況になって、時流にあわずに影では
良く土下座をするのを皮肉って『ゲザ男』と呼ばれたり、、、。
社内でリストラか?と噂され、ショックで浴びるように
酒を飲み、気を失う。。。
と、気がつけば江戸時代。
拾ってくれた人物は時の蔦屋重三郎。
本屋であり、出版社であり、広告代理店であり
芸術家のパトロンであり、
時代の時流を産むプロデューサーであった人物。
そこで暮らすうちに、
人にはなにが重要なのか?
仕事の関係づくりとは?
などなど、時代を作った人物から多くの -
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今年15冊目。数年前、蔦屋重三郎を取り上げたサントリー美術館の展示を見に行った。歌麿や写楽のプロデューサーであり、画期的な方法で錦絵や書籍を広めた人物であることを知った。歌麿や写楽がメインではなく、こうした仕掛け人に焦点を当てていた点が気に入り、分厚い図録まで購入してしまった。
そして、たまたま書店で見つけたこの本。
上記の企画展と同じ視点で描かれつつ、ビジネスや人生訓が散りばめられていた。
歴史ライトノベルという感じ。賛否両論あろうが、仕掛け人を取り上げる点が良いし、なおかつ、江戸の習俗や、当時の出版・広告について勉強にもなり、サラッと読めるので私はなかなか面白かった。
設定がハチャメチャで -
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江戸時代の酢製造業の商家の話。時代小説である。
愛知県で酒蔵を営んでいた商人一家が、アクシデントで酒が腐り、酢になってしまった。酒は上方にかなわずどう頑張っても二級品ということで、分家して酢を製造することにした。
跡継ぎが生まれずに養子をもらって学ばせたり、自然災害に見舞われたり、裏切られたり、商売や家族のいろいろな出来事を綴ってある。著者は本書の執筆にあたりかなりいろいろ調べたようだ。
出てくる人物の名前が襲名で途中で変わったり、奥さんたちの名前が似ていたり、複雑で覚えるのを途中であきらめてしまった。最初に巨大な家系図が書いてあると、面倒臭くなってしまう。厳しいことを書くと、オチがなくストー -
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主人公が江戸時代にタイムスリップして蔦重こと蔦屋重三郎とともに過ごす日々を描いた作品。設定としてはおもしろかったですが、蔦重の「教え」そのものはなんだかあまり響かなかったです。
蔦重はこの時代にあって時代の流れをよむことに長けたマーケッターといえるでしょう。その才覚を生かして歌麿や写楽を売り出した点は興味深いですね。ただ、こういった構成ですとどこまでが史実でどこからがフィクションなのかと気になってしまいます。巻末の断り書きのとおり、すべてフィクション、史実もフィクションとして織り交ぜているということなのでしょうけれども…。
時空を超えて人と人がつながるというロマンはあるのですが、現代に戻っ -
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全体的に、春画を取り巻く美術史とでもいうべき内容。
社会の動きは、今も昔も変わらない。
春画
?一般の浮世絵と差別はない。一流浮世絵絵師が春画を描いている。
?広く人気があった。
そば代と同等の低価格。嫁入り道具にも。
?お上の取り締まりはそれなりに厳しかった。
江戸幕府は倹約方針とともに風紀の乱れにも厳しかった。
「手鎖五十日」は想像以上に辛いようだ。
一方、現代では、写真が普及して、選択肢は多岐に渡るようになった。
絵だけのものは、ニッチな存在になっていく。→成年コミック。
その作者が、著名な一般マンガ家なんてことはまずない。
ただし、取り締まりは同様に厳しい。
4,5年置きに出版社へ -
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ネタバレ2013年秋から2014年新春まで
イギリス大英博物館で大成功を収めた
「春画ー日本美術における性とたのしみ」展
世界を驚かせた展覧会が、いよいよ日本へやってきました。
「春画」を見ずして浮世絵の真の凄さは語れない。
浮世絵の公園を依頼されると必ずこのことを
話してきた筆者が「春画」の基本の「き」を伝授。
明の時代に中国からやってきた元々から
発展し、熟し花開く浮世絵の世界。
歴史からその変容。
作り手、版元、作家。
その技量から、時の政権との攻防。
現代人が読めない「江戸言葉」を読み解き
その画面に描かれる場面も生き生きと。
そこからは成熟期の江戸の人々の性に対する意識も
垣間みえて -
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解雇を言い渡された55歳のサラリーマンが、ひょんなことから江戸時代にタイムスリップしてしまう。
そこで出会った蔦屋重三郎の元で働きながら、仕事や人付き合いの極意を学んでいく。
ファンタジー小説の形を取ったビジネス(生き方)HOW TO本でもあり、江戸庶民の生活や浮世絵などの美術についてもわかりやすく説明してくれる歴史読み物でもあり、テンポよく一気に読めた。
「わかりやすい生き方指南書」をコンセプトに書かれたものだろうから、そういう役割ならちょうどよい文量だと思う。
私としては、登場人物たちがすごく魅力的だからもっと人間ドラマの部分も深く掘り下げて欲しかったな。
タイムスリップしたタケの生活を