あらすじ
2025年大河ドラマは「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。蔦重こと蔦屋重三郎は、「浮世絵黄金期」と呼ばれた江戸時代の、天明~寛政期(1781年~1801年)に、版元として活躍した。当時の版元は手短に言えば出版社と書店を兼ね備えた職種で、版元の社長である蔦重は、編集と出版プロデューサーの役割も果たした。本書では、出版王・蔦屋重三郎と、彼と深く関わり江戸中期の文化を創った絵師・作家13人を紹介する。13人とは、喜多川歌麿、葛飾北斎、北尾重政、勝川春章、鍬形恵斎(北尾政美)、十返舎一九、朋誠堂喜三二、山東京伝(北尾政演)、曲亭馬琴、恋川春町、四方赤良(大田南畝)、石川雅望(宿屋飯盛)、東洲斎写楽。蔦重の最大の功績は、名プロデュ―サーとして数々の異才を世に送り出したことと言えるだろう。その中で、蔦重が発掘して大出世した代表格が、浮世絵師の喜多川歌麿だ。画力はあるものの、いまひとつパッとしなかった歌麿を、蔦重は恋女房ともども店舗兼自宅に住まわせ、その才能を開花させた。そしてもう1人、東洲斎写楽は、蔦重がデビューさせた絵師だ。1794年から1795年のわずか10カ月という活動期間に145点以上の作品を残し、その後、忽然と姿を消したせいで、その正体が今もなお謎とされている。なぜ蔦重のもとで、絵師や作家が開花したのか? 長年、蔦重に関心を寄せ、時代小説『蔦重の教え』の著書もある江戸料理文化研究家が、その疑問に明快に答える。粋な江戸文化をワクワクしながら学べる一冊。巻末には、本書に登場する主要人物ゆかりの地のマップや蔦屋重三郎年表も掲載。
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Posted by ブクログ
特に目新しい内容はなかったが
当時の江戸文化にとって
蔦重は大きな存在だったのだと改めて実感した
後半は蔦重と関わりのあった絵師たち
一人一人について書かれている
なかなか興味深い内容だった
Posted by ブクログ
江戸時代の版元・蔦屋重三郎。
江戸文化の仕掛人としての生き方と、彼が見出した
絵師、作家たち13人の姿を分かり易く紹介する。
・まえがき ・相関図
第1部 蔦屋重三郎とは何者だったのか?
第2部 江戸文化を創った13人
――蔦屋重三郎が見出した絵師・作家
主な参考文献有り。
巻末付録として、本書に登場する主要人物ゆかりの地の地図、
本書に登場する14人の生没年図、蔦屋重三郎年表
江戸時代、田沼意次から松平定信へ。自由から統制への
時代の変遷の中で生き、活躍した版元・蔦屋重三郎。
23歳で開業してからの機を見て動く、プロデュース、
マーケティング、ビジネス、狂歌での人脈形成、
絵師や作家へのバックサポート、人材発掘など、
その手腕は目を見張るばかりの敏腕ぶりです。
彼が見出した絵師・作家13人は、
喜多川歌麿、葛飾北斎、北尾重政、勝川春章、
鍬形薫斎/北尾政美、十辺舎一九、朋誠堂喜三二、
山東京伝/北尾政演、曲亭馬琴、恋川春町、
四方赤良/大田南畝、石川雅望/宿屋飯盛、東洲斎写楽。
彼らの蔦重との関わり、絵師や作家の人脈、人間関係、
彼らの生業としての境遇、そして寛政の改革の悪夢が
簡易にざっくりと紹介されています。
2025年NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の
舞台となる江戸文化への入門書的な内容に感じました。