杉山尚子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
既読類書の参考文献一覧から行動分析学についてもう少し深堀してみようかと読んでみた。
入門書としては少し難しめだが既に2冊ほど読んだからそれほど苦にはならなかった。
一つ一つの言葉を噛み砕いて説明されているし、疑問を解決されるような順に書かれているので、読みやすかった。
第1章
P.11 行動分析学 behavior analysis は、1930年代に米国の心理学者B・F・スキナーによって創始された心理学の一体系。
P.14 人間や人間以外の動物の行動には、それをさせる原因があり、行動分析学はその原因を解明し、行動に関する法則を見出そうとする学問である。
★行動とは死人にはできない活動のことである。
P.44 行動随伴性:行動の原因を分析する枠組みで、行動とその直後の状況の変化との関係をさす
行動分析学の対象:
「レスポンデント行動」行動の原因は行動の「前」に発生、
「オペラント行動」行動の原因は行動の「後」にある
第2章
P.46 強化:行動の直後の状況の変化によって、行動の回数が増えること。
P.47 好子(こうし):行動の直後に出現した場合に、行動が強化される刺激や出来事。
P.56 弱化:行動の直後の状況の変化によって、行動の回数が減ること。
P.53 嫌子(けんし):行動の直後に消失さた場合に、行動が強化される刺激や出来事。
P.52 出現:変化の方向が『ない』→『ある』
P.52 消失:変化の方向が『ある』→『ない』
P.47 好子出現の強化:行動の直後に好子が出現すると、その行動は繰り返される。
P.53 嫌子消失の強化:行動の直後に嫌子が消失すると、その行動は繰り返される。
P.57 嫌子出現の弱化:行動の直後に嫌子が出現すると、その行動は将来しなくなる。
P.61 好子消失の弱化:行動の直後に好子が消失すると、その行動は将来しなくなる。
P.64 消去と復帰
行動しても何も起こらなければ、いずれ行動しなくなる:「消去」
弱化随伴性がなくなると行動は元に戻って増えてしまう:「復帰」
P.74 「般化」…刺激や条件が違っても同じ行動をする⇔「弁別」
第3章
P.80 なぜやらないのかという問題には、必ず知識や情報の不足が絡んでいるわけではない。
P.83 指示を出せば相手はその通りにすると考えるのは、ある意味では幻想である。
p.107 好子を使う場合は、毎回の行動に好子が出現しなくても行動は維持されやすい。
嫌子によって行動を制御するには、嫌子を頻繁に与え続けなければならない。嫌子出現の弱化はコストがかかる。好子消失の方がベター。
★有能なリーダーはフィードバックを細かく入れる。具体的な指示を出す。
【シェイピング】即時強化:目標達成後すぐ褒める。目標は徐々に引き上げる。挫折した時は直前の目標を再度練習する。
【チェイニング】行動手順を鎖のように繋げる。最初は教え、後に実践させる。徐々に実践を増やす。
第4章
スキナーの哲学:フランシスコ・ベーコン、エルンスト・マッハ、ジョン・B・ワトソンの影響。実験を通して行動の原因を分析。
消去抵抗:消去しているのにもかかわらず、行動をなおも続けること。(ex. エサは出てこないのにキーつつきをやめない)
バースト:消去直後に行動が一時的にエスカレートすること(ex. 自販機のジュースが出ない→もう一度押す、強く押す、叩く、蹴飛ばす)
部分強化:行動が100%強化される連続強化と、まったく強化されない消去の中間部分。
第5章
話者の言語行動を強化するのは他者(聞き手)だが両者は共通の言語共同体に属していなければならない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ入門よりも少し難しめ
しかし、一つ一つの言葉を噛み砕いて説明されているし、順番が疑問を解決されるような形でされているので、読みやすい
また実験や方法論まで触れられており、興味深かった
行動の原因を分析するために、好子、嫌子などを使う
フィードバックをよくする上司の部下は仕事が早い
目標達成するにはちょっとずつの目標が必要
随伴性を意識することで、何かを止めることや何かを始めることができる、例えばタバコをなぜ吸い続けてしまうのかを考え、吸う前と後のことを考える
反応がないことで、人は行動しなくなる、例えばナースステーションにきでた人が反応されなるなると来なくなる -
Posted by ブクログ
ネタバレ「人の行動は変えられる」、これは「人を変える」といったことを観念的な精神論ではなくて、行動分析学的な知見から具体的な行動にフォーカスして変化させること。
本書ではある人事コンサルタントがM&Aを行った企業の諸問題を行動分析学的な知見から解決していこうというもの。
全編通して内容が章立てに細かく分かれており、1つの章は問題→行動分析学を使って解決→行動分析学的な仕組みの説明という構図になっている。
個人的に役に立ったようなことなど。
人間が行動を起こするのは心の内部に原因があるのではなくて、その行動が強化されているから(しない理由は弱化されているから)
行動随伴性(その行動の直後におきていること)をしることが行動の増減にかかわる
嫌子を使ったマネジメントはリスクが大きい
ある行動を増やしたかったら具体的な行動にフォーカスしてその行動が起こった直後に褒める
複雑なプロセスがかかわる場合はシェイピング(ステップごとに区切る)を使い、細かいステップごとに段階を経る
基本的な行動分析学のメカニズムを知っている方は読んでおくとビジネスにどう生かすかがわかるかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ行動分析学の第一人者である著者によって書かれた入門書。
すでにある程度行動分析学の本を読んでいたので、基本的な行動分析学のレクチャーに関しては既知のことが多かった。
行動分析学とは大まかにまとめると下記のようなことになる。
人間が行ある動をするかしないかは「心」「意志」といった内面的な部分ではなく、行動の後に起こる快、不快によって決まる。
ある行動の後に快が起こればその行動は強化され、不快が伴えば弱化する。
快が起こす要素を「好子」、不快を「嫌子」とよぶ付随する要素全般を行動随伴性と呼ぶ。
上記を応用した、様々な組み合わせがある(好子消失の防止など)
スキナーの思想や言語活動に関する部分に関してははじめてのこともあり、この部分は学術的な部分で参考になったかも。 -
Posted by ブクログ
人の行動を決定づけるのは、
①強化
②消去(不変化)
③弱化
しかない。
①強化の例:褒め言葉。
子どもが勉強する→直後に褒める→もっと勉強する。
しかしこれでは褒める人がいないと勉強しなくなる。いわば外在。内在的理由で強化するほうがよい。たとえば、好奇心が満たされるとか。
なお、褒め言葉とかしかる言葉は、直後に与えるのが効果的。
最初は連続強化(するたびに褒めたりする)次第に部分強化(頻度を減らしていく)。
行動のきっかけとなる刺激には
①言語
②モデル
③身体的誘導(体に触って指導すること)
一連の流れを細かく分解し、それぞれを順次クリアさせていくやり方と、ゴールから体験させる形でクリアさせていくやり方がある。
★新人のころに運よくゴールできた(たとえば営業で決まったとか)経験があると、その後もゴールしやすい。
覇気がない、といった状態ではなく、それを具体的行動として解釈する
次に、現在の行動原因となっている強化や消去、弱化を明らかにする。
次に、行動を変えるための新しい強化、消去、弱化を実行する。
論理的理解だけではだめ。共感しながら。話の表面的内容ではなく、そういうことを言いたくなる気持ちを理解してあげる。
成果だけに注目しない。成果だけに注目すると成果がないと意味内容に思えてくる。しかしプロセスに変化があるはず。
あいさつしている人に、そのことを褒めるのは馬鹿らしいと思うかもしれない。しかし「気合いが入ってるね」といった感じで褒めて雰囲気をよくできる。「あいさつがしっかりできてるね」といったようなずばりの褒め方ではなくて・。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ心理学の一種である「行動分析学」の入門書。
専門用語もでてきますが、なかなかどうして読みやすいです。
どういった種類の心理学かというと、
本書から例を出せば、
冬場にこたつで朝食を取る家族のなかで、
高校生の男の子が左手をこたつにいれたまま、
ごはんを食べているというのがあります。
それで両親は男の子を「行儀が悪い」「だらしがない」のを理由にして、
両手で食べるように叱るのですが、
実は「行儀が悪い」「だらしがない」というのは理由と考えるべきではなく、
実際に理由でもないというのが、行動分析学の捉え方。
本当の理由は、男の子の席はドアの近くで、他の家族の席よりも2℃も室温が低く、
寒いのが理由で左手をこたつに入れたままごはんを食べるようになっている。
実験では、この弟の近くにストーブをもってきてやると、
ちゃんと左手をこたつから出してごはんを食べるようになっています。
このように、「こたつに左手をいれたままごはんを食べる」という行動の、
その随伴性を考えていくのが行動分析学です。
本書の大事なキーワードである行動随伴性とは、
<行動の原因を分析する枠組みで、行動とその直後の状況の変化との関係をさす>
とされています。
よって、さっきの例のように、
「行儀が悪い」「だらしがない」だとか、
「意志が弱い」「やる気がない」「欲求不満」
などの理由づけは本当の意味ではなくて、
それは行動にラベルを貼ったにすぎない、となる。
タバコをやめられないのは意志が弱いからだ、
と、心というものに原因を持たせるのは間違いだということ。
ただ行動にラベルを貼ったにすぎないものを、原因としてとらえるのが
不幸の始まりなんですね。
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「意志」や「やる気」や「性格」は行動に対してはられたラベルであり、
実体はそれが指し示す行動と同じであるから、
これらが行動を説明する原因ではないのである。
ラベルを使えば、いちいち実体である具体的な行動を言及せずに、
ある程度の情報を伝えることができるし、便利な場合も少なくないから、
そのこと自体は問題ではない。
しかし、それを行動の原因と考えてしまうことには大いに問題がある。
ラベリングの危険性はこれ以外にもまだある。
行動にラベルをはる時、多くの場合、人は無意識のうちに
「こころ」を想定し、その「こころ」が問題行動を引き起こしている
と考えてしまう
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と引用しましたが、そういうことになります。
そして、ラベルを貼ってそれを原因だとしてしまい、
非難するというのが問題なんですよね。
そんな個人攻撃の罠にはまらないための新しい見方を持とうというのも、
本書のねらいのひとつでした。
と、簡単な感想ですが、すごく面白かったです。
おすすめ。 -
Posted by ブクログ
【連続強化】つきっきりでやり方を教え、やらせてみて、出来たら褒める事をしばらく続ける。
【部分強化】いつまでもそれを続けていると、褒められないと動かない人になりかねない。慣れてきたら、【連続強化】から【部分強化】に変え2回に1回褒めるようにし、3回に1回、4回に1回...と強化の頻度を下げていく。【部分強化】には行動を維持する効果がある。
【シェイピング】相手の行動をステップバイステップで上げていき、最終目標とする行動へと近づけていく。前段階の行動が出来なくなってしまった時は、一旦前の段階に戻って強化をし直す事。
山本五十六…やってみせ、言って聞かせて、させてみて褒めてやらねば、人は動かじ。
【ABC分析】
先行条件A…前列がない時に
行動B…試しにやってみると
結果C…たしなめられる
賞賛される
【行動変革の型】
きっかけ→行動→強化
呼びかける、褒める、模範を見せる→望んでいる行為をする→褒める、共感する、対応を確約する -
Posted by ブクログ
人の行動を変えるにはどうすれば?が行動分析学のアプローチで書かれている本。外資系の会社に合併吸収された日本の会社。一つのチームとしてワークする際に生じる様々な障壁を、行動分析学に詳しい人間が一つづつ解決していく物語形式で描かれている。テーマ別に章立てされており、物語編と解説編で1章となっているので理解しやすい。
【感想】
好子嫌子・強化弱化など、行動に関するいろいろな概念が出てくるが、平たく言うと「相手の行動にどのようにフィードバックを与えればよいか」に尽きると思う。
人の「行動」は他人から見える表層でしかなく、その裏には習慣や思考、経験などが広く絡みあって生成されている。本質的に変化を求めるのであればそれらの複数要素に働きかけるべきで、行動を変えるためにルールを設けるようなマネジメントは下策でしかないと改めて感じた。
行動分析学は人間をまるで動物のように扱う印象を受けたが、人の行動や組織の文化を変えて成長を促す方法としては有効と感じた。