杉山尚子のレビュー一覧
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既読類書の参考文献一覧から行動分析学についてもう少し深堀してみようかと読んでみた。
入門書としては少し難しめだが既に2冊ほど読んだからそれほど苦にはならなかった。
一つ一つの言葉を噛み砕いて説明されているし、疑問を解決されるような順に書かれているので、読みやすかった。
第1章
P.11 行動分析学 behavior analysis は、1930年代に米国の心理学者B・F・スキナーによって創始された心理学の一体系。
P.14 人間や人間以外の動物の行動には、それをさせる原因があり、行動分析学はその原因を解明し、行動に関する法則を見出そうとする学問である。
★行動とは死人にはできない活動のこと -
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ネタバレ入門よりも少し難しめ
しかし、一つ一つの言葉を噛み砕いて説明されているし、順番が疑問を解決されるような形でされているので、読みやすい
また実験や方法論まで触れられており、興味深かった
行動の原因を分析するために、好子、嫌子などを使う
フィードバックをよくする上司の部下は仕事が早い
目標達成するにはちょっとずつの目標が必要
随伴性を意識することで、何かを止めることや何かを始めることができる、例えばタバコをなぜ吸い続けてしまうのかを考え、吸う前と後のことを考える
反応がないことで、人は行動しなくなる、例えばナースステーションにきでた人が反応されなるなると来なくなる -
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ネタバレ「人の行動は変えられる」、これは「人を変える」といったことを観念的な精神論ではなくて、行動分析学的な知見から具体的な行動にフォーカスして変化させること。
本書ではある人事コンサルタントがM&Aを行った企業の諸問題を行動分析学的な知見から解決していこうというもの。
全編通して内容が章立てに細かく分かれており、1つの章は問題→行動分析学を使って解決→行動分析学的な仕組みの説明という構図になっている。
個人的に役に立ったようなことなど。
人間が行動を起こするのは心の内部に原因があるのではなくて、その行動が強化されているから(しない理由は弱化されているから)
行動随伴性(その行動の直後におき -
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ネタバレ行動分析学の第一人者である著者によって書かれた入門書。
すでにある程度行動分析学の本を読んでいたので、基本的な行動分析学のレクチャーに関しては既知のことが多かった。
行動分析学とは大まかにまとめると下記のようなことになる。
人間が行ある動をするかしないかは「心」「意志」といった内面的な部分ではなく、行動の後に起こる快、不快によって決まる。
ある行動の後に快が起こればその行動は強化され、不快が伴えば弱化する。
快が起こす要素を「好子」、不快を「嫌子」とよぶ付随する要素全般を行動随伴性と呼ぶ。
上記を応用した、様々な組み合わせがある(好子消失の防止など)
スキナーの思想や言語活動に -
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人の行動を決定づけるのは、
①強化
②消去(不変化)
③弱化
しかない。
①強化の例:褒め言葉。
子どもが勉強する→直後に褒める→もっと勉強する。
しかしこれでは褒める人がいないと勉強しなくなる。いわば外在。内在的理由で強化するほうがよい。たとえば、好奇心が満たされるとか。
なお、褒め言葉とかしかる言葉は、直後に与えるのが効果的。
最初は連続強化(するたびに褒めたりする)次第に部分強化(頻度を減らしていく)。
行動のきっかけとなる刺激には
①言語
②モデル
③身体的誘導(体に触って指導すること)
一連の流れを細かく分解し、それぞれを順次クリアさせていくやり方と、ゴールから体験させる形でクリ -
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ネタバレ心理学の一種である「行動分析学」の入門書。
専門用語もでてきますが、なかなかどうして読みやすいです。
どういった種類の心理学かというと、
本書から例を出せば、
冬場にこたつで朝食を取る家族のなかで、
高校生の男の子が左手をこたつにいれたまま、
ごはんを食べているというのがあります。
それで両親は男の子を「行儀が悪い」「だらしがない」のを理由にして、
両手で食べるように叱るのですが、
実は「行儀が悪い」「だらしがない」というのは理由と考えるべきではなく、
実際に理由でもないというのが、行動分析学の捉え方。
本当の理由は、男の子の席はドアの近くで、他の家族の席よりも2℃も室温が低く、
寒いのが理 -
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【連続強化】つきっきりでやり方を教え、やらせてみて、出来たら褒める事をしばらく続ける。
【部分強化】いつまでもそれを続けていると、褒められないと動かない人になりかねない。慣れてきたら、【連続強化】から【部分強化】に変え2回に1回褒めるようにし、3回に1回、4回に1回...と強化の頻度を下げていく。【部分強化】には行動を維持する効果がある。
【シェイピング】相手の行動をステップバイステップで上げていき、最終目標とする行動へと近づけていく。前段階の行動が出来なくなってしまった時は、一旦前の段階に戻って強化をし直す事。
山本五十六…やってみせ、言って聞かせて、させてみて褒めてやらねば、人は動かじ。 -
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人の行動を変えるにはどうすれば?が行動分析学のアプローチで書かれている本。外資系の会社に合併吸収された日本の会社。一つのチームとしてワークする際に生じる様々な障壁を、行動分析学に詳しい人間が一つづつ解決していく物語形式で描かれている。テーマ別に章立てされており、物語編と解説編で1章となっているので理解しやすい。
【感想】
好子嫌子・強化弱化など、行動に関するいろいろな概念が出てくるが、平たく言うと「相手の行動にどのようにフィードバックを与えればよいか」に尽きると思う。
人の「行動」は他人から見える表層でしかなく、その裏には習慣や思考、経験などが広く絡みあって生成されている。本質的に変化を求め