市川伸一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
子どもの自主性を尊重する日本の教育は世界の潮流に逆行しているのか?
教育心理学が「自律的な個人」をモデルにすることで、社会階層差の拡大などマクロな問題が見過ごされてしまうのか?
本書では、心理学の「動機づけ」理論の基本的な流れを踏まえ、最近の教育改革をめぐる論点を、精神科医・和田秀樹氏、教育社会学者・苅谷剛彦氏と徹底討論。
人間の「やる気」を考えるための新しい枠組みを提示する。
学ぶ意欲、働く意欲など、私たち一人一人の「やる気」を引き出すヒントも見つかる一冊。
[ 目次 ]
第1章 動機づけの心理学を展望する(職場における動機づけ 基礎心理学での古典的研究 動機づけ研究の展開 学習動機の二要因モデル Q&A)
第2章 和田秀樹氏との討論(内発と外発をめぐって 勉強法と動機づけを考える ひとこと言いたい三つの話 和田秀樹氏との対談)
第3章 苅谷剛彦氏との討論(苅谷論文は何を主張しているのか 教育心理学からの釈明と反論 教育心理学からの釈明と反論 教育心理学の見直しをどうはかるか 苅谷剛彦氏との対談)
第4章 自分のやる気を引き出す環境づくりと意識づくり(第一ステップ―内容分離的動機から入る 第二ステップ―内容関与的動機を高める 第三ステップ―二要因モデルを越えて Q&A)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「いくら勉強してもわかるようにならない」「ちょっとした問題でも間違えてしまう」としたら、勉強法に問題がないかな?
心理学の成果をもとに、数学、英語、国語などの問題にそって、なぜつまずいてしまうのか、もっとよいやり方はないか、具体的にアドバイスします。
自分にあった効果的な勉強法をみつけよう。
[ 目次 ]
1 学習観を見直す(勉強法の問題点を探る 学習のしかたに目を向ける 勉強方の背後にある学習観)
2 記憶する(英単語の学習の工夫から 記憶理論から見た勉強法 記憶のモデルを考える)
3 理解する(用語が理解できないのはなぜか 図、公式、手続きの理解のために 文章を理解する)
4 問題を解く(問題を解くときの心の中 「数学=暗記」説はほんとうか 見落されがちな勉強のしかた 広い意味での問題解決)
5 文章を書く(小論文を書くときの姿勢 「読んでから書く」という本格的な小論文文章作成の過程とスキル)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
私たちは「考える」という行為についてどれくらい考えているだろうか?日々さまざまなことを判断し、決定し、理由づけし、予測しているが、毎回毎回プロセスの妥当性を検証している時間がないことは明らかである。
本書は3部構成の1部2部において、論理的推論、確率的推論のような、正解がある推論について間違いやすい有名な例を上げるとともに、なぜ間違いやすいのかについていろいろな学説ともに筆者の自説も紹介する。3部では、私たちの日常における認知、記憶について、どういう仕組みで行っているのかを議論する。
論理パラドックス、経験則バイアス、ベイズ確率など、それぞれの分野の本はいろいろあるが、この本のように推論全体を幅広く扱うものは珍しい。新書のため、一つひとつの考察は浅くならざるを得ないものの、全体を通して「推論スキーマ」という考え方で統一的に説明を試みており、バラバラの事例を整理して把握することができる。 -
Posted by ブクログ
勉強しなさい!
耳にタコができるほど言われて育った口かな。
でも、勉強の方法って習ったっけ?
英単語の暗記してたけど、暗記の仕方って習ったっけ?
数学の解き方習ってたけど、問題の捉え方って習ったっけ?
そんなふと思った疑問を認知心理学の分野からアプローチしてみようではないかと考えてこの本に出会いました。
学習感を見直し。
記憶するとはどういうことか。
理解することとは。
英単語の暗記に数学の解き方、小論文至るまで。
テストに出る、受験する、だから覚えたり問題をひたすら解いてみる。
ではなくて、物事に対して理解することがどう重要なのか。
心理学からどう考えれるのか。
ここ最近よく巡り会う本ですね。
僕が思う勉強法が心理学の考え方だったとはなかなか面白かったですね。
もう少し心理学というのを掘り下げてみてもいいですね。 -
Posted by ブクログ
早口で言えるからって、数字がいっぱい覚えられるわけじゃないのかー。でも、時間をたくさんかけると、また覚えられる量が増えていくというのは面白いなと思った。
あと、結局チャンクで区切れれば、いっぱい覚えられるってのは、これまでの既有知識を持っているかどうかで、NHK,SBC,ABNとかが、まとまりにできて覚えられるという話で、結局いっぱい知っていることが、覚えやすさに関係してくるんだ、知ってなきゃダメなんだ、ということが分かった。
けっこうおもしろいが、これは苫米地さんの本をたくさん読むことが頭を良くすることで、記憶力をあげることなんだ、っていう話と一緒だなと、感心した。 -
Posted by ブクログ
自分は、邪推することが多い、いい意味でも悪い意味でも。
人と会話している時も、その相手から発せられた言葉の裏側にある見えない部分にピントを合わせてしまう。
だが、当然ながら、その時のレンズは、絞りも露出も自分というマニュアル操作なもんだから、いかんせん、たいがいはピンぼけとなる。
そんなもやもやをいつも抱いているのだが、本書を読んだら、なるほどその辺が、実に明快に書かれており、なるほどとばかり、溜飲が下がりまくった。
著者も書いているとおり、全3部構成の1部と2部は、実証的な見地からの記述のため、理数が苦手な方はとっつきにくいかもしれないので、3部から読み始めてもよいかもしれない。
「科学」と銘打っているが、どちらかと言えば、人の心の機微を感じるためのエッセイのような臭いもする。
とはいえ、理科系の脳みそによるエッセイであるが。
そんな感じで読むと、面白いと思います。
タイトルだけで借りたけど、意外と楽しめた。 -
Posted by ブクログ
心理学的な文脈でのやる気・動機づけを説明する時、歴史的に心理学ではこれまで様々な角度から議論されてきたが、著者はその統合化の試みとして「二要因モデル」で説明が可能であるとする。
二要因モデルとは、学習の動機の分類を「功利性」と「重要性」という二つの次元で構造化し、整理したものであり、以下の六つに分類される。
内容関与的動機
・充実志向(学習自体が楽しい)
・訓練志向(知力を鍛える)
・実用志向(仕事や生活に生かす)
内容分離的動機
・関係志向(他者につられて)
・自尊志向(プライドや競争心)
・報酬志向(報酬を得る手段として)
また、これらの分類に対して効果的に実生活に役立てる方法がそれぞれの志向に対して示されており、うまく自分のやる気を調節できるような仕組みが最後の章で与えられるが、各人が多かれ少なかれ経験したであろう取組が紹介されている。
一般に本の効用の一種として、モヤモヤしている暗黙知の言語化・明確化があるが、この本の動機づけの考え方、整理の仕方は、過去を振り返った自分自身のやる気やモチベーションに当てはめて反芻でき、利発的に言語化が進む。それらは将来の自分が壁にぶつかった時に解決の方法の一助を提示してくれるものであると思う。
PHP新書らしく、実用的な部分にアクセスし易い作りになっていて
手っ取り早く読んで、自己のモチベーションを心理学的な枠組みでとらえ直したいという人には短時間でサクサク読め、パフォーマンスは良い。
自己啓発にしても、根拠のない安易なそれよりも、分別としての科学に基づいた嗜みをしたいものだ。
二・三章
教育対談のような風情で、専門用語を多用し、極めて読者に不親切であった。
対談相手から発せられる批判や誤解に対する弁明、釈明のような意味合いが強い気がして残念だったことをを鑑み、★3つとする。 -
Posted by ブクログ
市川伸一という著者を古くから知る人は、口をそろえて「東大の文学部心理学科の中でも、昔から抜群に頭のキレる人だった」という。なるほどそうなのだろう。この人の著作のどれを読んでもその天才ぶりを感じることができる。この人の頭のキレのすごさがよく現れるのは、物事を解釈するときである。世の中にある複雑な現象、世の中にある様々な学説・理論をそれはもう鮮やかに意味づけ、結びつけられるところにこの人の頭の良さが垣間見られる。「あ、一を聞いて十を知るってこういうことか」と頭をガツーンとやられた気持ちになるのだ。本書は人間の学習について「動機付け」との関連から論じていくものである。一般人をターゲットにする新書だけあって、和田秀樹との対談など読みやすく仕上げられている。しかしながら、一般向けのさがか、どうも今一歩という感じは否めない。ってことちょっと辛口の★3つ。
-
Posted by ブクログ
認知心理学という領域があって、現代の心理学における基本的なことがらを紹介しながら「勉強法について考え直す」と、掲げられている(III)。
「学習観を見直す」、「記憶する」=英語・歴史を主軸、「理解する」=文章、「問題を解く」=数学、「文章を書く」=小論文。
記憶ー理解ー問題解決。試験対策の授業理解の観があるが。
詰め込み主義にかわる「問題解決・総合学習」への見解もある。その可能性を指摘しながらも、次のように整理をする。
「テスト勉強をしていれば十分というわけではないが、テスト勉強だからといってバカにして、高校で習うような知識の習得や問題の解決すらしなかった(できなかった)人が、社会に出て急に優れた問題解決的な仕事をすることはめったにない」ということだ(145p)と、しめくくる。
章ごとに「本省のまとめ」があって、主張点は明白。問題に瞬時に解答を用意する方法と技術は身に付くこと請け合いながら、質問や作問にポジティブに取り組む気質はどうなるのかと、思いめぐらした。. -
Posted by ブクログ
子どもの「やる気」に関して、心理学の立場から分析したもの。第1章では、心理学における「やる気」に関する古典的研究から、著者の「二要因モデル」までを解説した章で、心理学の一般的な知識を学ぶことができる。第2章と第3章は他の学者との対談で、第4章がまとめとなっている。全体的に読みやすく、分かりやすい。
第1章の部分は、ソーンダイクとかアンダーマイニング効果、とか教育心理学で学んだ内容が復習できるので良いし、第3章の対談の中でも述べられているが、こういった基礎的な研究を知っておくことはとても大事だと思った。第2章の対談は、学者同士の言った言わないの喧嘩を見ているような感じがないこともないが、著者の理論や、特に「内発的」ということに関して、理解を深めることになるので、良いと思う。第3章の対談は、刺激的で興味深い。特に、対談相手の教育社会学者の鋭い指摘を交えての対談が面白かった。例えば「内発的な学習意欲」という言葉自体に心理学的なニュアンスを持っていて、だから無条件に科学的、学問的だとみなされる(p.189)といったあたりや、「教え込み」が悪いことの象徴とされ、「知識軽視」の傾向が強く文科省に現れる(p.178, 187あたり)、といった部分はとても共感できた。
本文の内容を踏まえて、章末にはQ&Aという形で、著者と素人との対談も載っており、さらに理解しやすいものとなっている。3年前に別の教育心理学者の『ほめるな』という新書を読んだが、同じ「やる気を引き出す」ということを考える材料としては、この本の方が、学術的にしっかりした根拠を持って論が展開されているのが良く分かる点で、断然良いと思う。(11/12/19)