市川伸一のレビュー一覧
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人間の判断過程・推論の仕方がどのようなものであるか、を描いた本書。
私たちの推論やものの考え方というのが、統計学や確率論、論理学などに忠実かというと、そうではない(そうではないからこその、この一冊の本なのですね)。
それどころか、人間の推論の仕方は、-この本ではいくつかの実験結果が紹介されていますが-、そういった正当・合理的なやり方と比べると随分プロセスが違ったりするわけです。
「人間は合理的に考える生き物だ」なんというのは、たとえばミクロ経済学などを勉強すると、そんな仮定に出くわすわけですが、上のような事実を踏まえると、「人間は合理的に考える」というのは、どうやら怪しい、ということ -
Posted by ブクログ
ネタバレ品質管理の書籍でよく見かける大数の法則、検定と推定、相関、回帰などが出てくる。ただ、品質管理の書籍で語られているアプローチとは異なり、とても身近で、人間的で、かつおもしろい。
認知心理学の立場から語られているためか、著者のキャラクターによるものなのかわからないが、これはいい。
昨今は特に モノづくりは、コトづくりと云われる。
コトづくりは、人間理解ではないか?と思うし、科学的アプローチ一辺倒ではだめだ。心に近づかないといけない。。。いや、まず己の心が制御できないといけないのかもしれない ^_^
■要約 :『考えることの科学』『勉強法の科学』『勉強法が変わる本』市川伸一著 より、KJ的にひ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人が物事を推察する仕方(推論)を論理、確率、感情の点から傾向と落とし穴について述べた本。人の持つ認識のバイアスについてとても良くまとまっている。特にベイズの定理についてはこれ以上分かり易いのは今まで読んだことがなかった。
論理的推論では、そのときにあった「スキーマ」を呼び出して当てはめている。帰納的推論では、論理の飛躍がおきがち(ホセは陽気である。メキシコ人は陽気な人が多い、ホセはメキシコ人である)である。
確率的推論では、分かりにくいベイズの定理(事前確率、条件付き確率を使って事後確率を出す)を分かり易く説明し、なおかつパイチャートを使って事前確率をイメージするやり方を記載している。
第三節 -
Posted by ブクログ
大分前にふらっと立ち寄った書店で手にとって、待ち合わせ時間にでも読もうと考えたけれど、意外と相手が早く来ちゃったもんで読み損ねて、まんま積ん読になっていた本。
積ん読は無駄などという記事を見かけたけど、『それってどうよ派』である私……とはいえ、積ん読の昇華は出来ればしたいところ(新書は基本、一時間程度で読めるよう配慮されているらしいしね。知らんけど)……ちょこちょこと読み進めておりました。1997年初版ということもあり、おそらく古い部類になると思うし、まだAIが萌芽だったころの著作なので、そのあたりのコンピュータによる認知とか推論とかの記述は素朴だったりする。けれども、古典的な確率論と人間が実