市川伸一のレビュー一覧
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人は何か先のことを考えるとき、自分の持っている知識なり経験なりに、またそのときの状況などに基づいて推論をする。そんなふつう無意識にしていることを改めて考えてみようという本である。自分はコンピュータにおけるヒューマンインターフェースをちょっと講義で聞いてから、心理学の分野に興味を持つようになり、この本を読んだ。
率直に思うことは、考えさせられることを多く教えてくれたことである。人は何かを推論するときに、論理学のように順序立てて導出をするわけでもないのに、論理学と同じ結果を答えとして推論することができる。一方で、まったく根拠もないようなことをいきなり推論してしまうこともある。推論なんていう日常ではあまりしっかりと考えないような事柄を人にわかるように説明している。
本は三部から成っており、
一部 論理的推論
二部 確率的推論
三部 日常場面における推論
である。著者が言うようにある程度独立して読めるようになっているので、数理的な話に慣れてない人は三部から読んでもいい。自分はそうした。
何回読んでも勉強になるだろうなぁと自分は思った。人口知能をやっている人で心理学にさわったことのない人はぜひ読んでみるべき。必ずヒントがあるような気がした。
より洗練された思考をするためにはまずそのプロセスを知らなければならない。どこかで聞いた言葉だが、まさにその通りであると思った。 -
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日々おこなう思考は「推論」の連続である。
推論に関して、3部構成で説明しています。
まず、第1部は「人間は論理的に推論するか」
人がおこなう論理的思考は、よほど訓練されていない限り論理式を操作するような思考はおよそできず、視覚的なイメージを操作しながら吟味していくやり方をとる。
つまり、イメージ的に考える図式表現を使うと、私たちの思考は随分改善される可能性があるということです。
小さい頃から言われていますね。図を書いて考えろと。
第2部「確率的な世界の推論」
第2部はこの本の一番おもしろいところです。事前確率を無視する傾向はなるほどと思いつつ、でも事前確率を無視しないようにするには、どれほどの注意力と訓練がいるんだとうかと思います。
では事前確率を無視する傾向の例題を一つ
感染者問題:
ある国では、男性1000人に1人の割合で、ある病気に感染しているという。検査薬によって、感染していれば、0.98の確率で陽性反応が出る。ただし、感染していない場合にも、0.01の確率で陽性反応が出るという。さて、今1人の男性に陽性反応が出たとして、この男性が感染者である確率はどれだけか。
答えは、0.98(98%)ではありません。なんと、0.089(8.9%)です。 本当?って感じですが、何故と思う方は是非一読ください。ベイズの定理を使って計算してください。
第3部「推論を方向づける知識、感情、他者」
この中の一節の紹介ですが、問題解決をどれくらいの知識量に頼るのか?
できる限り知識量は少なく、応用できる範囲は広いことが望まれますが、実際、物理学の問題をスラスラと解く研究者などの解決過程を見ると、実に多くの問題スキーマや解法の手続きをもっていることが分かる。
単なる知識をマル暗記するだけではだめで、問題を解くためのスキーマ(解法パターン)やヒューリスティックス(常に正解に至るわけではないが、多くの場合、楽に早く正解を見つけられるうまいやり方)が必要である。
問題を解いた経験が他の問題の解決を促進することは、心理学で「転移」と言われます。学習でこの転移を期待しますが、転移がうまく起こることは稀だそうです。
筆者が実際に、小中高を対象とした学習相談を実施しています。一日に何時間勉強したか、どれだけ問題を解いたかだけに注目するのではなく、「なぜはじめはうまく解けなかったのかを考えて、一般的な教訓として引き出す」ことを強調している。こうすることで、次の機会の転移を促す重要な要因になるとしている。
学習アドバイスにするときに参考になることばかりでした。
ただ、これを理解しても、事前確率の考慮など実践できるのか。。。。という印象ももちました。 -
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―――子どもの自主性を尊重する日本の教育は世界の潮流に逆行しているのか??
本書では、心理学の「動機づけ」理論の基本的な流れを踏まえ、最近の教育改革をめぐる論点を、精神科医・和田秀樹氏、教育社会学者・苅谷剛彦氏と徹底討論。
人間の「やる気」を考えるための新しい枠組みを提示する。
学ぶ意欲、働く意欲など、私たち一人一人の「やる気」を引き出すヒントも見つかる一冊。
みおからの借りもん
俺は新書をほとんど読まへんから、いい刺激になった
2章と3章の対談はちょっと読みにくくて、頭に入りづらいとこがあったけど
「動機づけ」の「二要因モデル」なんかは、
今までの人生で自分が色んな仕事を、どうやって乗り越えて来たかの分析に役立つと思うし
4章の環境づくりと意識づくりの話は
これからの自分にとって『使える』ことが書いてあった
自分が広がったことを感じられる一冊でした -
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教育心理学の権威といわれ、中教審の委員などを務められる市川伸一先生の著書です。
教育心理学の観点から、現代の教育を考察しています。
本の冒頭で、教育心理学の基礎知識、市川先生が提唱する「二要因モデル」などを概説しているので、無知な人でも学習しながら読むことができます。
最終章では、やる気や学習意欲を出すためのアプローチ法、環境づくり、意識改革について、さまざまな方法・理論を述べられ、試してみたいものばかりでした。
もちろん、学校の授業で実践できそうなものもあります。
本書のなかで、「東大教授の意見も疑ってかかれ」という節では、なるほど、と思わされました。
私は、この本を読んで、「心理学からみた教育」に関する本を、もっと読んでみたいと思いました。
教育心理学を深く学んでみたい、心理学という観点から教育を考えてみたいという方には、“窓口”となるような一冊だと思います。 -
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人間の推論について、心理学の立場から眺める書。推論に関しては、論理学、確率論、推測統計学という規範的な科学と呼ばれる領域からの見方と、心理学は、実際に人間がどのように推論しているかについての知見や理論を提供することから記述的な科学ということになっている。
本書は、人間は論理的に推論するのか、確率的な世界に対する推論、推論を方向付ける知識、感情、他者といった、それぞれ論理、確立、日常推論とある程度独立した角度からの”人の推論”に対する考察がなされている。
全般的に、それぞれの推論、思考過程に対する実例に基づいて記されており非常にわかりやすい。人の思考過程について探索するには、領域を広くカバーしているようでもあり、良書であると感じた。また、本書を読むことにより、人間の思考は種々の状況、知識に左右され、それを模倣することの難しさを改めて実感した。 -
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勉強をする際、頭のなかをどのように働かせればいいか。そのヒントが書かれてある本。読むと、自分の学習観を見つめ直すいい機会になる。
小学校や中学校で、勉強する内容は教えられることがあっても、勉強法そのものは、あまり教えられなかったのではないだろうか。人それぞれ自分の勉強の仕方を自分で見つけて、勉強してきたはずだ。
ひとくちに勉強と言っても、記憶すること、理解すること、問題を解くこと、文章を書くこと、などの要素がある。そのそれぞれで、頭の働かせ方は違う。
たいていの人は、この本に書かれてあるような頭の働かせ方をしている。ただ、多くの人は半ば無意識的に行なっているはずだ。この本を読めば、それを多少とも意識化できることができ、勉強する、学習するということを見つめ直すことができる。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
日常生活での思考は推論の連続といえる。
その多くは論理形式に従うより、文脈情報に応じた知識を使ったり、心の中のモデルを操作してなされる。
現実世界はまた、不確定要素に満ちているので、可能性の高さを直観的に判断して行動を決めている。
推論はさらに、その人の信念や感情、他者にも影響される。
推論の認知心理学は、これら人間の知的能力の長所と短所とをみつめ直すことによって、それを改善するためのヒントを与えてくれる。
[ 目次 ]
1 人間は論理的に推論するか(形式論理と日常的推論 論理的推論の認知モデル 帰納的推論―一を聞いて、十を知って、三誤る)
2 確率的な世界の推論(確率・統計的な現象に対する理解と誤解 ベイズの定理をめぐる難問・奇問 確率・統計問題での推論のしくみと学習)
3 推論を方向づける知識、感情、他者(推論は知識に誘導される 因果関係を推論する 自己の感情と他者の圧力)
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
認知屋と自ら称する市川伸一氏の書。
論理学、認知心理学の入門書として最適。簡単な言葉で、本質的を付くあたりが素晴らしい。
内容としては、認知心理学の事例の紹介と、人間の論理的な特徴を述べている所が面白い。下記を見て興味を持ったら読んでもみてもいいかもね。
人間の特徴
・ベイズの定理が難しいのは、人間にとって納得し難い答えがでること
・「仮に」と前置きしても、それを事実のように扱う
・暫定的な間違った事を答えとする
・記憶を圧縮し、解凍できないまま忘れる
・故障原因を探る時、原因の確率高いものとして①と②があるけど、①ばかり調べること
①典型的な稀な現象
②典型的ではないが、よくあること
認知心理学の事例
・4枚カード問題
・ヘンペルのパラドックス
・新人王の2年目のスランプ
・三囚人問題