【感想・ネタバレ】考えることの科学 推論の認知心理学への招待のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年12月04日

1997年が初版で、私が買ったのは2021年8月30日の16版でした。

心理学の面白い実験がいくつか紹介されていて、興味深かったです。

いちばん、不思議なのは三人囚人問題で、ヒントを与えられた後のほうが、助かる確率が下がってしまう、という話でした。

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Posted by ブクログ 2018年11月12日

 人間の判断過程・推論の仕方がどのようなものであるか、を描いた本書。
 私たちの推論やものの考え方というのが、統計学や確率論、論理学などに忠実かというと、そうではない(そうではないからこその、この一冊の本なのですね)。
 それどころか、人間の推論の仕方は、-この本ではいくつかの実験結果が紹介されてい...続きを読むますが-、そういった正当・合理的なやり方と比べると随分プロセスが違ったりするわけです。

 「人間は合理的に考える生き物だ」なんというのは、たとえばミクロ経済学などを勉強すると、そんな仮定に出くわすわけですが、上のような事実を踏まえると、「人間は合理的に考える」というのは、どうやら怪しい、ということであります。
 (むろん、議論を進める前提として、そのような仮定や擬制を行うのは意味のあることですし、そういった仮定や擬制をすることがミクロ経済学にとってまずいことだ、といっているわけではありませんよ)
 かといって別に、断じて私たちの推論の仕方(繰り返しますが、これはしばしば合理的な手法にそぐわないことがあります)というのが、とるにたらぬ、出来損ないの機能かというと、それはそれで極論なんですね。
 ヒューリスティックというのは、それはアルゴリズムとは別の意味で、合理的な意味合いがあるのです(脳への負担を軽減するため、とか)。

 私たちの思考・判断過程と、合理的な推論・思考の仕方にはギャップがある。
 この現状認識は、ぜひ心得ている必要があるとおもいます。
 そしてそれこそが、考える葦の面目躍如だと思うのです。

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Posted by ブクログ 2018年01月18日

品質管理の書籍でよく見かける大数の法則、検定と推定、相関、回帰などが出てくる。ただ、品質管理の書籍で語られているアプローチとは異なり、とても身近で、人間的で、かつおもしろい。
認知心理学の立場から語られているためか、著者のキャラクターによるものなのかわからないが、これはいい。

昨今は特に モノづく...続きを読むりは、コトづくりと云われる。
コトづくりは、人間理解ではないか?と思うし、科学的アプローチ一辺倒ではだめだ。心に近づかないといけない。。。いや、まず己の心が制御できないといけないのかもしれない ^_^


■要約 :『考えることの科学』『勉強法の科学』『勉強法が変わる本』市川伸一著 より、KJ的にひも解いてみた。
 
 『世の中にある問題というのは、初期状態、目標状態、操作がはっきりとは決められないものが数多く』、『どのような手が使えるか…を考え出すことがたいへんなのである』。
 『何らかの認識にいたるというときには、つねに推論がからんで』おり、『考えてアイデアがいきなり湧いてくる…、けっしてそうではない』。これらとどう向き合うかというのはとても重要なテーマだ。
 
 問題を解くには、推論したり、創造したりする必要があるが、この際、『事実を関連づけていくことが決定的に重要な役割を果たす』ようである。
 うまい手は『知っている問題にもちこむ』ことといわれるが、そのためには、『知識を使って「この問題はどんな問題か」を把握』せねばならない。
 知識といっても表面的な知識ではない。『関連をもってつながっている』知識、『構造化された知識』や『スキーマ』でなければならない。
『公式だけ覚えていても問題が解けるようにはならない』といわれるのも同じことだ。『方略というのは、それ自身を言葉で覚えていてもだめで、使えるようにならないと意味がない』からだ。
 
 また、問題は『解きながらそれがしだいに決まっていくということが少なくない』。解くうえでは、『定義や具体例を通じて意味を理解しておく』ことに加え、『手を使いながら、頭を使う』ことが大切であるとされている。
『書くということを通じてこそ、人は自分の考えを進めたり、新しい考えを出したりできる』、『何も書かずにうなっているだけの人は、まずいない』、『「考えたことを書く」のではなく「考えるために書く」』ことが大事であると説かれている。『(文章ならば)移動したり、削除したり…、段落の順序を入れかえたり…』、『紙の上に図や式を書きながら考え…』など、『ジタバタしてみなければ解けない』。
 このような行為によって、『もやもやとしていたことがらが形をなしてくる/思いもかけなかったような新しいアイデアに思い至る』こともあるし、『表現するという行為を通して心の中にあるものが変化』していったり、『制作過程を通じて自分自身が変化していくことを感じる』ようだ。
 
 『「思考のツール(道具)」として使える推論に関する学問(論理学、確率論、推測統計学)』の活用も重要だ。人には『確率判断を求められたときに、それを代表性に置き換えて判断してしまうというヒューリスティックス』など、ある『考えに流されやすい心理的な傾向』があるからだ。『ランダム、標本抽出、大数の法則、相関などの確率・統計的な概念を用いたデータを扱い、現象を理解するといった方法論をとることにより洗練された解釈をする』ようになる。
 
『学習は、量と質』、『量よりも、何が身についたかを気にかける』必要があるのだ。
『いい仕事をしている人/熟達者/成績がいい人/良い成績の学生』は、『豊かな知識』『豊富な「問題状況のパターン」』をもっている、『トップダウン的な処理をする』、『統計学の訓練を受けている』などの傾向があり、『問題の考え方のセンスがいい』ようである。
  『人はついどのような考えに流されやすいか』ということと、人はどのように認識、解釈(ボトムアップ⇒スキーマ呼び出し⇒トップダウン)し、『考えを進めるかという指針』を知っておいたうえで、『経験から一般的な教訓を引き出し』たり、『自分で学習観や学習方法を作っていく』などしながら、『自分の知識をより完全なものに』していかなければならない・・・これこそが学びだ。
 
 心持ちとしては、『「いつかわかってやるぞ!」という気持ちを秘め』、『何か問題意識を感じて「なんとかしたい」と思うこと』など、『基本的には「理解したい」という方向付けをもつ』必要があるが、『「これをやればいい結果になる」という確信をもてる内容にすると同時に、「これなら自分でもできそうだ」という実行可能性の高いものにしないと、やる気は湧いてこない』。『外発的動機づけの視点からすると、何をめざしてやっているのか、目的・目標が見えにくいときにはやる気が出ない』、『内発的動機づけの視点からすると、知的納得感、達成感、進歩の実感などが満たされなければ、およそやる気になれない』が、『どの動機でもいいので、とにかくやってみることです。やってみたら、できるようになった、おもしろくなった、という経験をつかむこと』も重要であるとある。
 一方、『意味が理解できなくても手続きへの慣れを先行させたほうがいい』ことや、『伝統的な枠組みの中にどっぷりとつかる時期があってもいい』、『わからないことにじっと耐えるというのも、重要な学習』ともあり、とても人間的だ。考えるとはいかなることかについてより理解を深め、人の思考のくせを認めつつ、とにかく四苦八苦し、『自分なりに方略をつくっていく力』をつける・・・ということなのであろう。

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Posted by ブクログ 2012年11月26日

市川先生の本・論文には色々とお世話になりました。
この本は、ほんとに初心者にも分かり易くて、しかも面白かったです。つい、読んだことを誰かに言いたくなったり、実験してみたくなったりしました。

人間の「思考」が科学で紐解けるようになる日はまだまだ先のことになりそうです。

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Posted by ブクログ 2012年11月08日

本書のメインテーマは、人間の推論について心理学的な立場から眺めてみることです。認知心理学や社会心理学の推論研究に基づいているので、確率論や統計学が苦手でも理解できるでしょう。読み返す度に違った気づきを与えてくれるでしょう。折々、再読したい一冊です。

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Posted by ブクログ 2012年06月06日

人が物事を推察する仕方(推論)を論理、確率、感情の点から傾向と落とし穴について述べた本。人の持つ認識のバイアスについてとても良くまとまっている。特にベイズの定理についてはこれ以上分かり易いのは今まで読んだことがなかった。
論理的推論では、そのときにあった「スキーマ」を呼び出して当てはめている。帰納的...続きを読む推論では、論理の飛躍がおきがち(ホセは陽気である。メキシコ人は陽気な人が多い、ホセはメキシコ人である)である。
確率的推論では、分かりにくいベイズの定理(事前確率、条件付き確率を使って事後確率を出す)を分かり易く説明し、なおかつパイチャートを使って事前確率をイメージするやり方を記載している。
第三節では、社会的な事情や感情が推論に影響を与える事例が出ている。

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Posted by ブクログ 2010年05月18日

数学を学ぶと必ず通る道には確率がある。高校や大学で。数学好きな僕だから、確率は面白かった、でも少しだけ苦手だった。その少しだけの理由が、この本の中あった。確率のなかに潜む心理。心の中で隠れて動く統計。それを少々難しく、でもできるだけわかりやすく、そしてちょっと楽しく教えてもらった。認知心理学とかなに...続きを読む?って人な私でも、楽しく読めた。むしろ、知識の少ない私みたいな人にぴったりだったのかも。

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Posted by ブクログ 2010年01月03日

論理学、認知心理学の最初の書物としては最適。今でこそ行動経済学その他、この分野の入門書は数多くあるが、平易でありながら、根源的である点で群を抜いていると思う。

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Posted by ブクログ 2023年10月26日

「結果に賛成だと、推論過程も正しいと思ってしまう」

「その行為が無意味である(つまり新しい情報をもたらさない)とき、仮説の確かさは当然ながら高まらない」

シェマ フレームによる知識表層 スクリプト ボトムアップ

面白さを「ドラえもん」という漫画に帰する為に必要な条件

一貫性 テレビでも、映画...続きを読むでも、雑誌でも「ドラえもん」を面白がっている

合意性 うちの子だけでなく、他の子も「ドラえもん」を面白がっている

弁別性 他の漫画に比べて、とりわけ「ドラえもん」を面白がっている

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Posted by ブクログ 2018年12月15日

われわれのおこなっている推論にかんする認知的なエラーやバイアスについて、さまざまな実験などの事例を引きながら解説している本です。

ベイズの定理にかんする認知的な錯誤を解消するために、ルーレットで表わされる同型図式を用いて説明する箇所は非常にわかりやすいと感じました。ほかにも、認知や行動を改善するた...続きを読むめの具体的な方法について多少語られてはいますが、基本的にはサブタイトルの「推論の認知心理学への招待」ということばが示しているように、この学問分野のおもしろさを一般の読書人に向けて紹介しており、興味を引く話題が多くとりあげられています。

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Posted by ブクログ 2018年11月04日

臨床推論を勉強するにあたり、認知心理学に興味を持ち手に取った。
人がどのように考えて推論しているのか、どういうクセがあるのか。
人間はさまざまな状況と能力的な制約の中で、
「だいたいにおいて」うまくやっていくための思考のしかたをとる。のだと。なるほど。
この領域を、より掘り下げて学んでみたくなりまし...続きを読むた。

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Posted by ブクログ 2021年08月08日

「『人間はもともと日常生活では合理的で賢いものだ』という人間観に対する、私の部分的な反論」と言うとおり、人間の考えると言う行為が当てにならないことも往々にしてあることを説明している。内容としては、『経済は感情で動く―― はじめての行動経済学』や『人間この信じやすきもの』と共通している。ただ 、『経済...続きを読むは感情で動く―― はじめての行動経済学』より説明が体系だっており、読みやすかった。書いてある内容は、最近読んだ書と似ている部分が多かったため、真新しさは当然なかったのだが、ひとつ最近個人的に考えるとと共感できたのは、以下の部分。「子どもたちのふだんの学習の様子を聞いてみると、問題が解けるにせよ、解けないにせよ、やりっぱなしのことが多いのが目につく。一日何時間勉強したか、何ページ分問題を解いたか、ということばかりに注意が向いてしまうようなのだ。私たちの学習指導では、問題解決プロセスの最後における重要な『推論』として、『なぜはじめはうまく解けなかったのかを考えて、一般的な教訓として引き出す』ということを強調している。」

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Posted by ブクログ 2015年12月05日

認知心理学や論理学等々、「考えること」について考えさせてくれる本。
一つ一つに深い突っ込みはないが、なんだろう、無自覚に生きてるのが不思議にさせてくれる。

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Posted by ブクログ 2015年06月28日

良書。典型的な良い新書。
新しく知ることやこれまで考えたことのなかった視点が、実にわかりやすく解説されている。
(唯一、条件付き確率はもうちょっと詳しく書けたかも、と思う)
問題や具体例をうまく盛り込んで、読者を飽きさせない工夫もたくさんあるし。

わずかな記述に感じさせる著者のユーモアもよい。
...続きを読むっこう昔に出た本なんだねえ。今まで知らなかったのがもったいない。

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Posted by ブクログ 2013年10月26日

人は何か先のことを考えるとき、自分の持っている知識なり経験なりに、またそのときの状況などに基づいて推論をする。そんなふつう無意識にしていることを改めて考えてみようという本である。自分はコンピュータにおけるヒューマンインターフェースをちょっと講義で聞いてから、心理学の分野に興味を持つようになり、この本...続きを読むを読んだ。

率直に思うことは、考えさせられることを多く教えてくれたことである。人は何かを推論するときに、論理学のように順序立てて導出をするわけでもないのに、論理学と同じ結果を答えとして推論することができる。一方で、まったく根拠もないようなことをいきなり推論してしまうこともある。推論なんていう日常ではあまりしっかりと考えないような事柄を人にわかるように説明している。

本は三部から成っており、
一部 論理的推論
二部 確率的推論
三部 日常場面における推論
である。著者が言うようにある程度独立して読めるようになっているので、数理的な話に慣れてない人は三部から読んでもいい。自分はそうした。

何回読んでも勉強になるだろうなぁと自分は思った。人口知能をやっている人で心理学にさわったことのない人はぜひ読んでみるべき。必ずヒントがあるような気がした。

より洗練された思考をするためにはまずそのプロセスを知らなければならない。どこかで聞いた言葉だが、まさにその通りであると思った。

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Posted by ブクログ 2013年02月27日

日々おこなう思考は「推論」の連続である。

推論に関して、3部構成で説明しています。

まず、第1部は「人間は論理的に推論するか」
人がおこなう論理的思考は、よほど訓練されていない限り論理式を操作するような思考はおよそできず、視覚的なイメージを操作しながら吟味していくやり方をとる。
つまり、イメージ...続きを読む的に考える図式表現を使うと、私たちの思考は随分改善される可能性があるということです。
小さい頃から言われていますね。図を書いて考えろと。

第2部「確率的な世界の推論」
第2部はこの本の一番おもしろいところです。事前確率を無視する傾向はなるほどと思いつつ、でも事前確率を無視しないようにするには、どれほどの注意力と訓練がいるんだとうかと思います。
では事前確率を無視する傾向の例題を一つ

感染者問題:
ある国では、男性1000人に1人の割合で、ある病気に感染しているという。検査薬によって、感染していれば、0.98の確率で陽性反応が出る。ただし、感染していない場合にも、0.01の確率で陽性反応が出るという。さて、今1人の男性に陽性反応が出たとして、この男性が感染者である確率はどれだけか。

答えは、0.98(98%)ではありません。なんと、0.089(8.9%)です。 本当?って感じですが、何故と思う方は是非一読ください。ベイズの定理を使って計算してください。

第3部「推論を方向づける知識、感情、他者」
この中の一節の紹介ですが、問題解決をどれくらいの知識量に頼るのか?
できる限り知識量は少なく、応用できる範囲は広いことが望まれますが、実際、物理学の問題をスラスラと解く研究者などの解決過程を見ると、実に多くの問題スキーマや解法の手続きをもっていることが分かる。
単なる知識をマル暗記するだけではだめで、問題を解くためのスキーマ(解法パターン)やヒューリスティックス(常に正解に至るわけではないが、多くの場合、楽に早く正解を見つけられるうまいやり方)が必要である。

問題を解いた経験が他の問題の解決を促進することは、心理学で「転移」と言われます。学習でこの転移を期待しますが、転移がうまく起こることは稀だそうです。
筆者が実際に、小中高を対象とした学習相談を実施しています。一日に何時間勉強したか、どれだけ問題を解いたかだけに注目するのではなく、「なぜはじめはうまく解けなかったのかを考えて、一般的な教訓として引き出す」ことを強調している。こうすることで、次の機会の転移を促す重要な要因になるとしている。

学習アドバイスにするときに参考になることばかりでした。

ただ、これを理解しても、事前確率の考慮など実践できるのか。。。。という印象ももちました。

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Posted by ブクログ 2011年11月01日

認知心理学関連本3冊目。「心と脳」「問題解決の心理学」とつながるところが多く、私たち人間が、如何に確率・統計的な世界を生きているか、「問題解決」と意識しなくとも、瞬間瞬間推論しているかを改めて学んだ。学術用語もふんだんに使われて、夜読むとうつらうつらしそうにもなるが、読んでいてしっくりきた。

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Posted by ブクログ 2011年10月23日

人間の推論について、心理学の立場から眺める書。推論に関しては、論理学、確率論、推測統計学という規範的な科学と呼ばれる領域からの見方と、心理学は、実際に人間がどのように推論しているかについての知見や理論を提供することから記述的な科学ということになっている。
本書は、人間は論理的に推論するのか、確率的な...続きを読む世界に対する推論、推論を方向付ける知識、感情、他者といった、それぞれ論理、確立、日常推論とある程度独立した角度からの”人の推論”に対する考察がなされている。
全般的に、それぞれの推論、思考過程に対する実例に基づいて記されており非常にわかりやすい。人の思考過程について探索するには、領域を広くカバーしているようでもあり、良書であると感じた。また、本書を読むことにより、人間の思考は種々の状況、知識に左右され、それを模倣することの難しさを改めて実感した。

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Posted by ブクログ 2011年06月23日

定期的に読み返したい。
頭の中でうすぼんやりとしていたことに名前がつくとすっきりする、ことがわかった。

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Posted by ブクログ 2011年04月01日

[ 内容 ]
日常生活での思考は推論の連続といえる。
その多くは論理形式に従うより、文脈情報に応じた知識を使ったり、心の中のモデルを操作してなされる。
現実世界はまた、不確定要素に満ちているので、可能性の高さを直観的に判断して行動を決めている。
推論はさらに、その人の信念や感情、他者にも影響される。...続きを読む
推論の認知心理学は、これら人間の知的能力の長所と短所とをみつめ直すことによって、それを改善するためのヒントを与えてくれる。

[ 目次 ]
1 人間は論理的に推論するか(形式論理と日常的推論 論理的推論の認知モデル 帰納的推論―一を聞いて、十を知って、三誤る)
2 確率的な世界の推論(確率・統計的な現象に対する理解と誤解 ベイズの定理をめぐる難問・奇問 確率・統計問題での推論のしくみと学習)
3 推論を方向づける知識、感情、他者(推論は知識に誘導される 因果関係を推論する 自己の感情と他者の圧力)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2011年03月21日

認知心理学の中で、人間の認知過程、推論に焦点をあてた入門者向けの本。

私たちが推論する過程において、どのような処理があるのか、またどのような誤りをおかしやすいのかということを、論理てきにわかりやすい文章で説明してくれる。

私たちが普段している「考える」という行為に興味がある方にはおすすめの一冊。...続きを読む

おもしろかったです。

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Posted by ブクログ 2011年01月23日

認知屋と自ら称する市川伸一氏の書。

論理学、認知心理学の入門書として最適。簡単な言葉で、本質的を付くあたりが素晴らしい。
内容としては、認知心理学の事例の紹介と、人間の論理的な特徴を述べている所が面白い。下記を見て興味を持ったら読んでもみてもいいかもね。

人間の特徴
・ベイズの定理が難しいのは、...続きを読む人間にとって納得し難い答えがでること
・「仮に」と前置きしても、それを事実のように扱う
・暫定的な間違った事を答えとする
・記憶を圧縮し、解凍できないまま忘れる
・故障原因を探る時、原因の確率高いものとして①と②があるけど、①ばかり調べること
 ①典型的な稀な現象
 ②典型的ではないが、よくあること

認知心理学の事例
・4枚カード問題
・ヘンペルのパラドックス
・新人王の2年目のスランプ
・三囚人問題

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Posted by ブクログ 2010年11月01日

推理・推論の誤り、思考回路をつまびらかにする学問。それが認知心理学。4枚カード、ペイズの理論、三囚人の問題、ギャブラーの誤り、ヒューリスティックスという曖昧な判断。具体例を用いながら、分かりやすく解説する、入門書、導入的な新書。人間の思考というのは、おもしろい!これが認知心理学の神髄だろう。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

本書は、認知心理学の本です。ですが、副題にある通り、入り口としての
位置づけですので、総評としては読みやすく、面白かったと思います。
ただし、行動経済経済学を学んでいる方にとっては、既知な情報が多いと
思います。なぜなら、心理学(認知心理学を含む)と経済学を併せて考えられたのが
行動経済学ですから。...続きを読む

内容は、人々は推論を常日頃行っている。しかし、その推論はほとんどが演繹的ではない。
帰納的考え方によるものである。また、色々な心理的作用によってバイアスがかかる。
よって論理的でもなく合理的でもない場合が多い。人間はよく間違える。しかし、
弱い部分を見つめ直し、より洗練された思考法を身に付ける事は可能である。

本書の中で、統計的思考訓練を受けた学生とそうでない学生では、やはりある問題に
対する正答率が異なる。まぁ、当たり前ですが要は「勉強しましょう」という事です。
勉強すれば、論理的思考力が付き間違いを減らせますよと。

そして、本書のポイントは、

1.人間は論理的ではない。視覚的なイメージを操作して考える。(イメージさせる)
2.同型的図式表現(ルーレット表現)
3.認知的不協和理論

の3点です。2は、タクシー問題といった論理的には正しい解が、感覚的には
どうにも納得できないという難問を解くためのツールです。
(※タクシー問題は、本書を参考にしてください。)

まぁ、やはりイメージは大切ですね。認知心理学的に証明されたのですから、
誰かに何かを伝えるときには、なるべくイメージ出来るように伝える。
そして図式化する。私は、元は建築出身なので図で考える事は好きなのですが、
そうでない方は、訓練した方がいいかもしれませんね。

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Posted by ブクログ 2020年11月12日

人間の考える能力がいかに合理的で素晴らしく、いかに曖昧でいい加減なのか、がよく分かる。ちょっと難しいところもあるけど、最後までかなり楽しく読めた。紹介されていた本も読みたい。

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Posted by ブクログ 2016年05月13日

私たちは「考える」という行為についてどれくらい考えているだろうか?日々さまざまなことを判断し、決定し、理由づけし、予測しているが、毎回毎回プロセスの妥当性を検証している時間がないことは明らかである。

本書は3部構成の1部2部において、論理的推論、確率的推論のような、正解がある推論について間違いやす...続きを読むい有名な例を上げるとともに、なぜ間違いやすいのかについていろいろな学説ともに筆者の自説も紹介する。3部では、私たちの日常における認知、記憶について、どういう仕組みで行っているのかを議論する。

論理パラドックス、経験則バイアス、ベイズ確率など、それぞれの分野の本はいろいろあるが、この本のように推論全体を幅広く扱うものは珍しい。新書のため、一つひとつの考察は浅くならざるを得ないものの、全体を通して「推論スキーマ」という考え方で統一的に説明を試みており、バラバラの事例を整理して把握することができる。

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Posted by ブクログ 2014年10月14日

大学1回生のときに、好きな授業のうちの1つだった、パンキョーの「認知心理学」の参考図書を改めて再読。
やはり面白い。
一番勉強になったのはベイズの定理。高校のときに習ったのかなこれ...よく覚えていないけど今更なるほどねと納得。

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Posted by ブクログ 2014年06月16日

推論についての考え方。
ヒトはみな、知識に基づいて推論する。
演繹的な推論、帰納的な推論がある。
ベイズ理論は、直感はあてにならない計算してはじめてわかるもの。

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Posted by ブクログ 2014年04月29日

自分は、邪推することが多い、いい意味でも悪い意味でも。

人と会話している時も、その相手から発せられた言葉の裏側にある見えない部分にピントを合わせてしまう。
だが、当然ながら、その時のレンズは、絞りも露出も自分というマニュアル操作なもんだから、いかんせん、たいがいはピンぼけとなる。

そんなもやもや...続きを読むをいつも抱いているのだが、本書を読んだら、なるほどその辺が、実に明快に書かれており、なるほどとばかり、溜飲が下がりまくった。

著者も書いているとおり、全3部構成の1部と2部は、実証的な見地からの記述のため、理数が苦手な方はとっつきにくいかもしれないので、3部から読み始めてもよいかもしれない。

「科学」と銘打っているが、どちらかと言えば、人の心の機微を感じるためのエッセイのような臭いもする。
とはいえ、理科系の脳みそによるエッセイであるが。

そんな感じで読むと、面白いと思います。

タイトルだけで借りたけど、意外と楽しめた。

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Posted by ブクログ 2011年12月07日

頭の中での推論がどんな風に行われているか、ということを、各種事例をもとに、くだいて解説しています。どんなところで推論にバイアスがかかるのか(人間がいかに適当か)、ということも興味深いものです。そして、そういう研究を通じて人間がより合理性を獲得できるように、という心理学者からの答弁に拍手。

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