高橋浩一のレビュー一覧
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ロジカルであり、実践的である。
印象に残っているのは「営業の型」の大切さと、そこから離れる重要性である。これを翻訳すると「守破離」のループを回すことの大切さと言える。型を守りすぎると対応できない顧客がいる一方で、型を捨てすぎれば再現性がなくなる。型を守りながら、現場に合わせて柔軟に対応するバランスが肝要である。
情報が不足している場合、妥当な仮説を立てて検証する重要性にも触れられている。仮説をぶつけた後の顧客反応を観察し、精度を高めるプロセスも具体的である。また、応用を利かせるための「捨て試合」のようなトライ&エラーも説かれている。失敗しても許容される場面で積極的に実験を行うことの推奨だ。
総じて、顧客を一面で捉えず、複数のシーンやコンディションを想定する視点に、現場のリアルを感じる。商談を「楽勝・接戦・必敗」に分類し、接戦のみをケーススタディに用いる手法も、他の著作にも記載があるが秀逸なアイデアである。楽勝や必敗ばかりを議論の対象にすると、商談の運・不運によってメンバー間の不公平感を生みかねない。これは「売上」のみを絶対視して評価に組み込むと、チームが崩壊するリスクと相似形である。
結論として、著者の思考方法に共感した。
小さな実験を内的動機でぶん回すことが、個のパフォーマンスを上げるコツである。結局のところ、個のパフォーマンスの最大化と、それを支える情報の共有こそが、結果を出すための唯一解なのだろう。 -
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「高いですね」
と営業先のお客さんに言われたとします。
さて、お客さんの本音は次のどれでしょう?
1、安くして欲しい
2、適正価格なの?
3、いいと思うんだけど社内に説明できないから助けて〜
正解は、わかりません。状況によります。
でもセリフだけ聞くと明らかに1ですよね。
お客さんも嘘をついてるわけじゃないんです。自分の本音がわかってないので防御反応のセリフを言うわけです。
そして、その奥にある本音にはパターンがあるから営業も科学できる、というのが本書のコンセプトです。
例えば本書の独自調査によると、「検討するのでお待ちください」といっているお客さんの86%は、条件が満たされればまた話を聞いてもいいと思っているそう。待たずに追加でアプローチするのが確率論的には正解ってことですね。
頑張ればなんとかなるという思考停止、お客さんの表面的なセリフに振り回される悲劇に警告を鳴らす良書です。 -
Posted by ブクログ
営業成果は「才能」や「根性」ではなく、再現可能なプロセス(=科学)で決まる。
営業は天性の才能が必要なものではなく、科学することによって、誰でも打率を上げることができる。
そして、営業で重要なのは「勝つこと」ではなく、負けない構造をつくることである。
「どこで失注しているか」を感覚ではなく構造的に特定することで、改善ができる。
当書のなかで面白いと思ったのは、関係構築を主たる論点として扱っていたこと。
ヒアリングやプレゼンについて語る本は多いが、関係構築を言語化していて学びになった。
▼初回接触・関係構築
・お客様との関係構築は、営業で重要な論点であり、メカニズムを知ることが必要
・客様との関係構築することのコツさえ掴めば、行動量を増やすほどに成果が出る。
・まずは仮面を外せるようにしないといけない。
・例えば、「今は忙しい」というお客様は、本当に時間がないのではなく、商談する価値を示して欲しいというサインだと捉えて話題や質問を振る。仮面を被っているだけ。
▼ヒアリング
・お客様の言葉を信じると、逆に成果はでない
・良い質問は「情報収集」ではなく「思考を前に進める」ものである。
・商品や競合比較ではなく、顧客の意思決定軸を整理してあげる
・ハイパフォーマーは、お客様のためになると信じているから質問する
◎お客様が仮面をつける理由
・楽だから。負担やリスクを勝手に抱える購買者が、楽になるための逃げ道。認知的不協和の解消として、仮面をつけることを正当化している。
→ローパフォーマーはお客様の言葉通りにうけとった反応を行う。ハイパフォーマーは仮面を外す
▼お客様の仮面の外し方
(1)不安を和らげる
お客様が質問に答える口実を営業から提供することで、お客様が感じるデメリットやリスクを軽減する。
例えば予算を聞いてもはぐらかされてしまう場合は、「教えていただければ費用対効果を算出したプランの提案ができる。」「思考を整理したお役立ちができる」と伝える。
明確なメリットまで伝えられると嬉しいが、質問に答える不安が、少しでも小さくなれば十分。
(2)質問に答える負担を軽減する。
Yes/No質問より、Why / How / What if を使う。
(3)売り込み集を消す
お客様に興味をもつこと。
一緒に話し合いたいという意思を示す。
◎重要なのは「質問の引き出し」
仮面をつけたお客様の曖昧な情報を頼りに頑張って提案しないこと。まず仮面を外すことに注力する。
多くの営業は、お客様に突っ込んで聴くことを躊躇する。お客様の機嫌を損ねることが心配だから。
そんなことを考えるのは馬鹿げている。なぜなら、お客様が「はぐらかす」ことに大きな理由はないから。
それりも、回答する口実を作ってあげるべき。
◎話す口実をつくる5種類の枕詞
小さな言い訳をつくるためには
・お客様にメリットをつくる
「お客様の理想を叶えるためにお伺いするのですが、今の電気代って高くなってませんか?」
・お客様にコストやリスクを発生させない
「いただいた時間を無駄にしないようにお伺いするのですが、電気代を安くする話だけでも聞いてみませんか?」
「言える範囲で大丈夫ですが、今の電気代ってどれくらいですか?」
・お客様のコストを小さくする
「お忙しいと思うので1つだけ宜しいですか。現在考えている電気代を安くする方法ってありますか?」
「最後に1つだけ、今回お客様の電気代を安くできる方法をご提示できたら、嬉しいですか?」
・前提を変える
「もし仮に、電気代を安くできたら嬉しくないですか?」
◎深堀る
お客様の3/1は本当の話はいきなりしない。
「もう少し詳しく伺ってもよろしいですか?」
「……と、おっしゃいますと?」
「具体的にはどういうことでしょうか?」
「それはなぜなのでしょうか?」
「他にもありますか?」
▼提案設計
・商品紹介は、一方的な説明ではなく、お客様の質問や会話にでてきたネタを含めた会話のキャッチボールにする
・引き出しの広さは、トレンド情報やマニア知識よりも、お客様との会話の文脈に合わせて披露する。
一般的に引き出しの多い営業というのは、商品知識や業界知識が豊富でポンポン知識披露することが思い浮かぶが、お客様に響くものをポックする。
・「どのようにしてお客様の課題を解決するか」「お客様と共通点のある事例」「お客様に響く第三者話法や権威の法則」を使う。
『こんなことができます→(お客様と共通点のある)こんなお客様がいましたよ→こういうことからもおすすめできます。』という流れで、わかってくれている感を整えることが重要。
▼クロージング
・判断基準が曖昧なお客様は、「とにかく安く」の仮面をつける。判断基準が曖昧なまま検討しているお客様は75%以上。
・つまり、高いですねというお客様は、安くして欲しいという要望とは限らない
・判断基準を明確にしてあげる
・高価格帯の商品は、判断基準そのものに変化を起こす。予算以外に大切なものを明確化することが重要
・値引きでクロージングは麻薬。そういう営業は100%、「特別にお安くしますので」と値引きを自ら打診するようになる。
・検討しますのでお待ち下さいに何のアクションもしないのはただの損。こちらからのアプローチ手段を探すターン。
お客様は「何かが足りない」を言わない。見つけに行く。
◎検討しますの仮面には助け舟を出す
・検討しますと言われて引き下がるのではなく、仮面の下にある本音を見極める丁寧な対話が成果に繋がる。
・可能性がないからシャットアウトしたというお客様は13.7%だけで、残りの86.3%のお客様は「きちんと条件を満たせば、追加で話を聞いてもよい」。つまり、まだチャンスは86.3%もある
・顧客が「イエス」と言いやすい、具体的な検討の進め方を提案する。
・「予算が合わないのか、時期が早いのか、あるいは別の懸念か」など、具体的な「助け舟」を出して本音を引き出す。
ー今ここに時間を使っている理由
お客様が提案の場に参加した背景を確認し、意思決定の原点に立ち戻る。
ー提案への感触
会社としての見解を問う前に、個人的な感触を尋ねることで答えやすい環境を作る。
ー進め方の意向
個人的な考えを確認し、無理に次の段階へ進めず購買意欲を高める。
ーBANTCH情報
意思決定に必要な「予算」「決裁者」「ニーズ」「スケジュール」「競合」「組織体制」を順次確認。
ー社内における次のアクション
お客様の社内での検討プロセスや予定を確認し、具体的な次のステップを明確にする。
ー検討上のネックや判断基準
提案の引っかかりや判断基準を洗い出し、解決策を提示する。
ーネクストステップ
お客様と営業の間で具体的な次のステップを合意する。
ー当社へのリクエスト
手順を踏んだ上で、お客様からの具体的なリクエストや宿題を引き出す。
ーこちらの熱意
クロージングの場で熱意を示し、提案の採用に向けた最後の後押しを行う。
ー直後のコミュニケーション許可
社内検討後の短時間の電話商談アポイントを取り付ける。
▼営業の教育要点
・トークスクリプトではなく「思考の型」を共有する。営業が対処すべきなのは、表面的な言葉に隠された本音である。
・教育はOJT任せではなく、設計された育成が必要。 -
Posted by ブクログ
長年の営業経験から腹落ちする観点が多く、体系的にまとめられているから科学という言い方になっていると思う。備忘として記載しておく。
・はぐらかしの仮面→質問の引き出しを増やす
BANTCH、枕詞、特定質問、核心質問、接戦状況
・忙しさの仮面→価値の根拠を示す
お客様文脈、事前準備、お役立ち情報
・いきなりの仮面→高速ラリーに持ち込む
レスポンス、接触頻度、電話商談、お客様の頭整理
・とにかく安くの仮面→価格以外の判断基準
網羅的、具体的、優先順位で要件整理
・検討しますの仮面→前進のための助け舟
商談終盤の10ヶ条、4階層、論理、感情、政治 -
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「お客様がもう一度会いたい」と思う営業は6分の1であり、どういう営業かというと「分かってくれる営業」。逆に言うと、「ほとんどの営業は、お客様が求める期待とズレてしまっている」というのが現実。
本書ではこのズレが生じないようにするための「3つの質問」と「4つの力」を解説されてます。これが秀逸で、納得感が高いです。書かれている内容もかなり具体的で、ほぼそのまま使えます。
また、営業と一言で言っても様々なのですが、本書では、ルート営業(キャラバン営業)とアカウント営業に大別したうえで、それぞれのやり方も説明されてます。これも納得感があります。
2点注意が必要で、1つ目は、これが通用するのは商談が接戦状況の場合だということです。本書でも書かれている通り、初めから当て馬状態の場合は、その商談にはリソースは注がず、早々に切って捨てるべきです。
2つ目の注意点は、本書は基本的に民需の商談を前提としていることです。公共機関の場合、仕様や業者決定方式もRFPに明文化されて公示されます。案件によっては、評価基準や配点も明記されます。その点は置き換えて読む必要があります。 -
Posted by ブクログ
◆所感
・そこまで営業に自信がないからこそ、営業力はセンスではなく、研究と行動量でいくらでも向上していけることが分かり、モチベーションが上がった。接戦案件をどれだけ知恵を絞り勝ち切れるかで地力は上がっていくので、組織全体として鍛えていきたい。
◆学び
・ほとんどの商談は自分の想像と違う場面で決着している。自身が思うサービスのストロングポイントが刺さらないケースも往々としてあるので、できる限りFBを拾うべきだ。特に、決め手と決めたタイミングをヒアリングすることを徹底したい。
・質問の深掘りレベルを自分で制限しない。及び腰にならず怒られると思うまで深掘りするくらいで良い。そこまではスタンスを取って初めて本音が引き出せる。
・どんな相手でもまず最初にバリューが出せるのは労務提供。そう言った意味でお役立ちは非常に大事である。
・先方への連絡頻度は多いに越したことはない。アジャイル式で擦り合わせながら、アウトプットしていく。10分間の電話mtg、即メールで論点送付はどんな場面でも有効そうなので、取り入れていく。
・買う側の本音と建前を想定したトークを差し込むべし。建前的な、他社への断り文句や家族や友人周囲に対する説明など、わかりやすい理由付けをしてあげる。一方で、本人の独り言的な本音は別のところにあることが多いため、それぞれ用意してあげるべき。 -
Posted by ブクログ
政治、論理、感情。
お役立ち情報をつけてリマインドすること。
安さで負けているのではなく判断基準を知ってもらえてない。
質問をすることは迷惑ではない。
電話商談は相手の作業効率化のためなら良い。
枕詞。「とおっしゃいますと?具体的には?他には?なぜ?」
オープンとクローズの併用。
接戦商談の振り返り、ヒアリング。
数字や事例を入れた根拠の提案。
熱意ある営業で終わらせない。
御用聞きでなくて、打てば響くリアクションで勝負。
レベルの低い営業には時間は使いたく無い、ハイパフォーマンス営業は値引きでクロージングしない。
見積もり提示の前にテストクロージングをする。値段関係なく今導入いただけそうかどうか。
用件整理。納期、フォロー、品質、価格、事業展開と展望。
費用対効果は売り上げアップとコストダウンだけでなく、成長イメージ、理念の実現、負担軽減もセットで。
商談終了の10箇条。
今時間使ってる理由。提案の感触。進め方の意向。BANTCH情報。社内アクション。検討上のネックや判断基準。ネクスト。リクエスト。ねつい。直後コミュニケーション。