ゆうこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
“自分を人間だと思っているレッサーパンダ”というフレーズと、ラブリーな表紙にハートを鷲掴みにされて手に取った本書。
高尾山のふもと付近にある〈西洋料理店 小熊猫軒〉。
こちらの料理人・レッサーパンダ(!)のコタローさんが作る料理を食べるとお腹も心も満たされて、つい素直になってしまうようで・・・次々と数珠つなぎのように人と人が繋がっていく連作七話の構成となっております。
読み始めは高校生のやり取りがラノベテイストということもあって、あまり期待はしていなかったのですが、コタローさんの可愛らしい姿と、その小さな手で一生懸命に作る美味しそうな料理にすっか癒されてしまった私。
正直、二葉ちゃんの面倒くさいメンタルや、オタク女子・いつかさんの重症すぎるオタ脳には辟易するものがありましたが、コタローさんの愛くるしさが、そういった人間キャラによるモヤモヤを払拭してくれちゃいます。
えっと、ここで注意事項です!“レッサーパンダが料理をするとか非現実的&その他もろもろ無理があるんだが・・云々・・”といった野暮なツッコミは禁止!ということでお願いしますよ~。
(“ぐりとぐら”もカステラ作ってますよね。その視点でヨロでやんす)
さて、そんな可愛すぎるコタローさんが何故お店を続けているのか・・それは“ある人”をずっと待っているから。
そう、この話は“モフモフ癒され”だけではなくて、すごーく切ない背景があった訳で・・。
第六話で語られる、一人(匹)ぼっちだった“コッチ”が“センセイ”と出会って“コタロー”になる経緯の話は読みながらウルウルしちゃいました。
そしてセンセイの抱える哀しい事情を踏まえての、コタローさんの健気な姿に胸がギューっとなっていたところに、第七話の後半のくだり(P305ラストの行~)で、コタローさんがカウンターを飛び越えて私の涙腺スイッチにズドーンと突進してきたので、またもやボロ泣き。
・・・コタローはニンゲンになってから、毎日が本当に幸せ。
でも、変わったのはそれだけじゃない。
コタローはセンセイとすごすようになって、初めて気が付いた。
いままでずっと、自分がさびしかったことに・・・
わーん( ノД`) お願いだから、もうこの子を一人(匹)ぼっちにしないで~・・。
と、コタローさんがずっと幸せに料理を続けられることを祈らずにはいられません。
〈小熊猫軒〉が今後どうなるのか・・・続編の『おかわり』も出ているようなので、是非読みたいと思います~! -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
福岡薬院の裏通り、古いビルの2階にある小さなお店「文月」は《本が読めて手紙が書ける店》。開いているのは三日月から満月の夜の間だけ。仕事でうまくいかなかったり、恋愛が不安だったり、誰かと話したかったり、家に帰る前にちょっとどこか寄りたいとき、店主の文がつくる気の利いた季節のちょいごはんが、誰の心もやさしく癒してくれます。
・小学生の時友達に貸した本がボロボロになって返ってきた。
「ちゃんと文のところに戻ってこられて、本は喜んでいると思うよ」
「だったら貸さなければよかった。そうしたらいつまでも綺麗なままでずっと私のところにいられたのに」
「でも、前よりも、ずっとこの本のことを好きになれたんじゃないか?」
→こういう風に言えるお父さんが素敵
「手紙の良さは、書き直しができることだ。よく考えて推敲できるぶん、自分の想いがまっすぐに伝えられる。」
【個人的な感想】
美味しそうなご飯がたくさん出てきてほんわかした雰囲気だけど、飽きずに最後まで読めた。