柳澤健のレビュー一覧
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ネタバレ2007年に発売された単行本に大幅加筆。
そして、Number誌上で実現したアントニオ猪木へのインタビュー
が収録され、無事に「完本」となった名作を、改めて読んでみた。
単行本に関しては既に10回以上積読を重ねているのだが、この文庫版は
まるで違う作品のような印象。特に加筆されたパク・ソンナン編での
韓国プロレス界に関する記述は実に興味深く、無情にも猪木にセメント
を仕掛けられ、なすすべも無かった韓国の巨人の苦悩が伝わる。
このエピソードは、G SPIRITSに掲載された小泉悦次氏の「キンタロー・
オオキのアメリカ武者修行」と合わせて読むことをオススメしときます。
そして、読後の率直な感想 -
Posted by ブクログ
クラッシュ・ギャルズという名前は知っていてもどんな二人なのかは知らない。彼女たちの全盛期に生まれ落ちた僕が楽しめるのかという疑問はすぐに払拭された。
長与千種とライオネス飛鳥の幼少期から女子プロに入っていくまで、そこからの葛藤と戦い。時代を作った二人と他の女子プロレスラーとの関係や全女という組織、そして時代が変わっていく中でもがきながら輝いたこの二人を時系列で追いかけながら、彼女たちのファンであったひとりの少女(のちに編集者になる)をもうひとつの視点として入れていることでクラッシュ・ギャルズという存在をさらに浮かび上がられている。
読んでいて栄枯盛衰というしかないのか。彼女たち、いわゆるレジ -
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いや、すごい本だ。
1976年に行われた猪木の4つの試合。
ウィリエム・ルスカ戦、モハメド・アリ戦、パク・ソンナン戦、アクラム・ペールワン戦。
この本は、その4つの試合をもとに、日本のプロレス界、格闘技界とアントニオ猪木という男の歴史を綴ったものだ。
そもそもプロレスの試合について調べるというのは難しい。
プロレスがボクシングのような意味での真剣勝負の競技ではないからだ。
そして、それをプロレスラー自体は認めない。
その上、上記4つの試合のうち3つはリアルファイトであったと言う。
つまり、プロレスがリアルファイトでないことを相手に認めさせ、その上でタブーであるリアルファイトが行われた事情を -
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えーーーっ!!
わたしみたいに、プロレスファンタジーにドッポリ使ってきた人間には、ものすごい衝撃の本です。
少なくとも、UWFは、フェイクじゃないと、今まで信じててた。
だって、夢枕 獏を読んで育ってきたんだから。あと、梶原 一騎とね(笑)
まあでも、確か前田も、
「いつでも、あんな試合ができるわけでない」
みたいなことを言っていたんだから、そうなんだろうな。だからこそ、佐山とは袂を分かったという話は、すごく納得できる。
まあでも、これこそが「たったひとつの真実」ではなくて、これも、プロレスをとりまく魅力的な伝説のうちの1つなんだと思います。
嫉妬とプライドでできた、ドロドロした物語 -
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まず結論からいいますと、本書は傑作である。私は、プロレスに夢中になったこともないし、アントニオ猪木に深く魅了されたことがない。プロレスなど退屈に覚えるほどである。夢中になったとすれば『プロレススーパースター列伝』の「懐かしのBI砲編」を通したアントニオ猪木である。そんな私にも本書は傑作と思わせる作品であった。解説で海老沢泰久が書いたとおりである。
素晴らしいノンフィクションを読むと、「ノンフィクションとは何か」「ノンフィクションとはどうあるべきか」をつい考えてしまうのですが、本書を読んでいる途中、何度もそれを感じました。この描写は、事実ではなく筆者の想像なのだから、そう描くべきである、いや -
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あの時代の自分を思い起こしたりして、しばし当時の空気感、懐かしさに浸る事が出来、何やら愛おしい一冊となった。
同期である久米宏が病気降板した後を受けて、林美雄の金曜第2部パックインミュージックが1970年から始まる。74年8月16日の放送で突然8月30日での終了が本人から告げられると、ショックを受けたコアなファン達が動き出す。林美雄のファンクラブ的なイベント、サマークリスマスを8/25に開催(当時まだほぼ無名だった荒井由美に石川セリ、中川梨絵ゲスト)、8/27パ聴連(パック 林美雄をやめさせるな!聴取者連合)メンバーが降板反対の1200筆の署名をTBSへ提出、8/30最終回放送とその後パ聴連 -
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身内びいき
花田紀凱と新谷学の二人の編集長の側面から書いた週刊文春史。出版部や営業部の内情は全然わからない。
ゴシップや裏話にあふれてゐて読ませる内容だ。花田と尾崎一雄など、へえと思った。ここだけでも読む価値はある。
しかし著者が元社員なので、身内びいきが多く、公平ではない。週刊新潮へのライバル視や、花田への称讃などがたびたび。
また、再三、文春は右でも左でもないと主張してゐるが、読んでも皇室や天皇が出てくる。花田のWiLLも含め、どうしたって保守的(若干右翼的)と思はざるを得ない。
また、いくらファクトがあっても、週刊誌といふ性質上、俗悪な部分はまぬかれない。 -
購入済み
猪木新日本のその先
棚橋弘至は嫌いだった。女に背中刺されて、愛してますとか言う、自分が知る新日レスラーではないことへの違和感。
しかし本書を読みその考えを覆すことにした。そして棚橋弘至に謝罪したい。そう思うだけのことを彼は暗黒期の新日での立て直しで頑張り続けていたんだと。
今はオカダ・カズチカがエースだけど、棚橋にはずっと団体を支えるエースとして頑張って欲しい。