浅野りんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何年経っても一果やその周囲にとっては繊細な話題である彼女の家族がバラバラになっていた時期の話、だから一果が母と会うのを前にして少し落ち着かない感じなら周囲も少し動揺してしまう
ここで肝心の一果はそうした感情を分けて考えられているし、佳乃子は成長した一果の強さを感じ取れているのは、何もかも以前まま止まっているわけではないと見て取れて良かったな
その意味では真理が一果との約束を果たせなかった嫌な思い出と同じような局面に遭遇した際、それでも同じように人助けを優先したのは彼女もあの過去に囚われ過ぎているわけではないのだと見えたような
勿論、状況的に断れるものではないというのはあるだろうけど、あの時に約束を果たせなかったからこそ今度こそ!と硬くならず、むしろ早い段階で巴に託す判断を出来たのは真理とて止まらずに成長できているのだと感じられたよ
佳乃子の想いを知る失恋で一つの落ち込みに至った草護、けど同僚の女性陣にカラオケでスッキリさせて貰った事でひとまずは乗り越えられそうな感じかな
そんな彼が向き合うは中途で入ってきた硬さの取れない新人保育士か
困った事は無いか?とか、どうかしたのか?と水を向けても返ってくるものがない相手と向き合うは難しい話
自分を開いてくれない新人というのはそりゃトラブルが生じた時に助ける事も難儀なものだし
中途で入ってきた矢間一としては転園で途中から園に入ったまのんに共感する意識があるようで。ただ、そこで難しくするのがまのんには親御さんからの注意事項が有る点。そこに配慮した上でまのんに好きな事をさせてやりたい
でも、考えてみればまのんの母親だって後に自分の間違いに気付くように親としては新人みたいなものなんだよね。だから判らない事がある、相手に硬くぶつかってしまう。それが別の硬さを持った相手と衝突した際、互いに傷を生んでしまうかもしれない
だとしたら、柔らかさと硬さを時間経過によって分け持っていて、ぎゅうってすればあたたかくて優しい味わいになる丸ぼうろは矢間一から硬さを取ってくれる魔法の和菓子に成ったような
あれ、まのんがくれたお菓子だという点もあるけれど、まのんの言葉を聞いた園児達が矢間一から硬さを取ろうと柔らかくしてくれたシーンも良かったな
そうした柔らかさがいつの間にか硬くなりそうだった草護も柔らかくしていたと知れるのは良いエピソードですよ
一果とは度々衝突するというか、何かありそうで何も起きない関係を築いている野井。今回は野井自身の成長に関するもやもやが余計に一果の気になる部分となってしまった形か
自分の背は思ったように伸びない、なのに部には自分より大きな後輩が入ってきた。そうした成長の焦りは意外な程に周囲から見えてしまうものだけど、やはり見せたくない相手というものは居るもので
そこで野井としては競う相手でも気遣う相手でもない和に色々相談できたのは良い機会だったんじゃなかろうか
だから祖母から送られた筍のメッセージに気付ける、周囲は優しく自分を見守ってくれているのだと安心を得られる
一果に「悪かったな」と謝った野井、そんな彼を穏やかに見遣る一果。良い終わり方でしたよ -
購入済み
基調はほっこり 穏やか
読者に和菓子を買いに行かせるだけの力を持った作品だと思う。ストーリー構成は結構本格的な作りになっていて、ヒット小説のコミカライズです と言われたら信じてしまいそうなほどのでき。基調はほっこり 穏やかではあるが、跡目争い というアクセントがある。絵柄はまあ普通であるが、ストーリーの雰囲気とよく合っている。
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Posted by ブクログ
ようやく収まるべき所に収まった和と佳乃子、そうして行うは周囲への感謝と報告か。中でも佳乃子が美弦への報告を第一にするのは印象的だったなぁ…
一時は和を巡ってピリピリした空気を放つ事はあれど、仲の良い友人として過ごしてきた二人。それだけに佳乃子は様々な想いを込めて美弦に報告したかったようで
……そこで妙なトラブルに巻き込まれた上で妙な勝負をする事になったのは本当に妙な展開だと思うけども!いや、あれは鷹辻のナイスフォローか?あの勝負のお陰で美弦は正面から佳乃子にぶつかれて、佳乃子は正直に自分の気持ちを発せられたのだから
次は和が佳乃子の実家へ挨拶に行く番が描かれた97話
松風家に和の人柄は知られているけど、同時に一時は別れていた事だって知られている。それを不義理と責め立てられれば言い返しは難しいわけで。特に和の人柄に一言ある胤臣としては和をそのまま認めるのは難しい
でも、その点はそれこそ松風家に和の人柄が知られていた事が一役買ったね
和は実家から離れて東京に居ても和菓子から得た知識は持ち合わせたままだったし、それを人に伝える優しさも持ち合わせていた。何よりも彼が作った「梅見月」は彼の人柄を何よりも表しているし、それを表せるだけの人間になったと判る
胤臣と和解できたのは、和と佳乃子が結ばれる上での心配事が一つ解消されたかのように思えたよ
結ばれるという点では100話も印象的なエピソードだったかも
緑松創業者の一光と倭世の出会いと結ばれる直前が描かれた回想シーン。前々から一光という人物は本当に精神も見た目もイケメンだなぁなんて感じていたものだけど、倭世に膝を貸すシーンは尚更にその印象が強まってしまったよ!なんだあれ…
けど、倭世を魅了していく一光の良さはそのような表面的な要素だけではないね。「ついてへん」と口癖のように物事を否定的に捉えてしまう倭世を一光は容易に引っ繰り返す。「ついてへん」を「ついてる」に変えられる。それはこの人ともっと一緒に居たいとの想いを強くさせるものだろうね
また、二人の間だけで通じる呼び名も尚更に特別感を増すもの。二人が一緒に過ごす道を選ぶのは納得の光景
それだけに最期の時期に弱った一光が「ついてへん」と零してしまうのは心衝かれる光景だったかも
一光からたくさんの「ついてる」を受け取っていた倭世はそれを引っ繰り返そうとする。けども上手く行かない。そんな哀しい光景をそれでも一光という人物は「ついてる」に変えてくれるんだなぁ……
改めて和は良い祖父を持ったものだと感じましたよ
結ばれるエピソードが幾つか描かれた中で99話は送るエピソードに
先輩が卒業するからと送り出す企画を立てるというのは部活ならではの行事に思えるけど、2年としてはしてやられた経験があるから、こちらこそ先輩に一泡吹かせたいなんて。そういう送り方で良いのかいなとちょっと言いたく成るが、どのような企画にするのかと考える様子は楽しそうだし、他に心を込めた贈り物も用意しているのだから良いのか
…そこで送られる側の3年が遣り返して来るって早々ない展開な気もするけどね?
まあ、あの茶道部ならではの賑やかな行事となったようで微笑ましく見てしまったよ -
Posted by ブクログ
草護の告白を契機に揺れ動く和と佳乃子の心情、特に和の方は影響が大きいようで
前巻の見合い話の件にて、佳乃子はいつまでも今の関係が変わらないなど有り得ないのだと思い知っていたけど、草護の告白に拠って今度は和がその感覚を思い知る事になったようで
今の和は佳乃子とただの友人でしか無く、彼女の決断を決める立場でも彼女に近づく男を止める権利もない。全ては和の知らぬ場所で進展するに任せるしか無い
そう思っていただけに、和が自ら草護と佳乃子がお茶している場に乗り込むとは思わなかったなぁ。しかも、その時の反応で既に草護は和をライバル視していると知れたのも意外だった
恋の鞘当はとっくに始まっていたようで
ただ、この状況で鍵を握っているのは何も和の心情変化だけではないね。前巻の見合い話で揺らいだように佳乃子だって鍵を握っている
杏由との語らいから見えるように、佳乃子は和から特別な相手として見られる相手だし、今も引き摺るくらいに和を特別に思っている。その意味では佳乃子の中で草護への答えは幾らか出ているのだけど、結局は和が今の彼女をどう思っているかに懸かってしまうから踏み込めない。そのような状況がずっと続いている
だから和が佳乃子との関係をどう思うか、どう踏み込むかという点に問題が集約されてしまう。それだけに倭世との会話は物の見方を変えるきっかけとなるものであったね
草護は確かに和にとって佳乃子を掻っ攫うライバルかも知れない。思わずピリピリした空気も向けてしまうのもやむを得ない
でも、特定の誰かに勝つ事ばかり考えていると自分の魅力すら失ってしまうもので。餅つき大会で草護のチームメイトが倒れた際、先にリタイアを宣言した和は立派だね。あのシーンには彼の人柄がよく現れている
京都のお餅に倣って全てを丸く収め円満に暮らせるように。これは和が京都に戻ってきた事でより強くした特性だろうね
94話はこれまでの流れの帰結が描かれたかのようなエピソードに
これまで京都の人間の殆どに自分と佳乃子が交際していた事を伝えていなかった和が草護に交際の事実を認めた。それは彼が言及しているように、「遠回りによる実感」なんだろうね
京都に戻ってすぐの頃は認められなかった想い。遂に和はそれと向き合えたわけだ
和の想いを知ってしまった草護は自ら結末に至るような行動を……
「冷えてたみたいです」という言葉に見える彼の心情、誕生日と偽ってまで佳乃子の時間を得ようとした行為、己の告白を和に伝えたと明かした発言。それら全てに籠められた草護の想いを読み取ろうとすると切なくなるね…
これはせめて最後のチャンスをというものでありつつ、未だ踏み止まっている佳乃子の背を和の方へ向け押すような行為でも有ったように思えてしまうよ
確かなのはそのような言動が出来る草護は間違いなくイイオトコであったという点だろうね
草護によって場が整ったかのような状況。ここで和がどう行動するかが二人の関係を開く鍵となる
だからか、佳乃子と再会してからの和はいつになく積極的な発言を見せるね。杏由の発言を思い起こすと彼の方からあのような誘いをするというのは珍しく思え、そしてそうした誘いをしたい相手が佳乃子であると見えてくる
でも、あの頃にそれらを言えなかったのは事実で。だから、和は京都に帰ってからの己の変化を佳乃子に明かす必要が有ったわけだ。それでも関係を決定させるには決定的な言葉が必要となるのだろうけど…
関係が破綻する際に伝えようとした言葉と似た言葉を再び発した和に応える佳乃子の言葉もあの頃に伝えるべきだった言葉
いやそれでもあの髪型で「ずっと和が好き」と言うシーンには強さを感じてしまったな。ようやく二人が有るべき関係に立ち戻ったように感じてしまったな…
和と佳乃子の破局で始まった物語。二人が遂に結ばれた事を考えるとそろそろ物語も執着が見え始めた感じなんだろうか?ただ、もう少しこの穏やかで温かい人達を見守りたい気持ちもあるけれど -
Posted by ブクログ
前巻にてちらっと有った佳乃子へのフリを受けてか、今巻は彼女をピックアップした話が目立ったね
元々は和を追って京都に居着いてしまっただけだった。
でも2年も京都で過ごしてお茶の資格も取った。彼女は何となく京都で過ごしているだけの人ではなくなった。だから佳乃子が京都で培った人脈や経験から頼りにされるのはもしかしたら当たり前の話で
前巻で和指名の仕事が描かれた事を考えると、続く形で佳乃子指名の仕事を描かれると何だか繋がりみたいなのを感じてしまうね
ただ、そこまで己の仕事を確立した自覚を持っていない佳乃子には重圧なわけで
けれど、そこで周囲の人の助けを借りつつも、己の遣り甲斐を手探りするように相手のオーダーに相応しいお茶を仕立てていく佳乃子の姿は既に職業人としての貫禄が見え始めていたよ
特に佳乃子を試すかのような質問を投げかけた恩田に対して信頼するに足る返答をした上で彼をファンにしてみせた佳乃子はいい仕事したね
続く83話は佳乃子の兄襲来と、彼女の境遇を思えば不穏さを感じずに居られないエピソード
不穏さを前にして華子を始めとしたそれぞれが勝手に動き始める様子はドタバタ感が有って良いね
まあ、不穏さを感じなくても佳乃子と和の関係を少しでも知っていれば胤臣の来訪が良い未来を予感させないのだから仕方ないけど
オチとしては非常にしょうもない(笑)ものだったけど、胤臣の言葉の端々に見える心配や和への印象を思うと今回のエピソードは一応佳乃子にとって兄の合格を勝ち取る話にもなったのかな?
胤臣としては中途半端な和との交際は反対だった。けれど、立派に働いている佳乃子を見て更に錦秋を食べて、彼の認識も少し変わったように思えたよ
後は佳乃子自身が和との関係をどうして行くかだけど、こちらはどうなるのかなぁ……
85話は登場人物構成が本作にしてはちょい珍しいタイプだった気がしてしまうが、その分だけ普段は見れない話を見れたね
学生時代からずっと続く変わらない関係。でもそれぞれの人生は幾らか変わって、会える機会も限られるようになって
でも、それが関係を変えるのではなく、それはそれで飯の種というかはしゃぐネタになるというのは羨ましい関係性
ていうか、一応はお淑やかに宴会していた流れからROUND1にてストレス発散大会になっている様はインパクトありましたよ(笑)
それはもしかしたら若年層から見ればぎょっとする姿かもしれなくて
でも女子校繋がりで一時を共にした3人組にとってはきっと指標になる姿で
あの3人には大人は楽しいのだと思える体験になったろうし、また友達関係を続けたいと思えるものになったのなら、良い出会い
加えて、富紀達があの日に集った事も意味があったのだと思えるものになった点には心が暖かくなってしまったよ
そうした人情を感じたラストで示された驚きの提案、アレは佳乃子を相当に焦らせるものになるような気がするけど、果たしてどうなるんだろうか……