Posted by ブクログ
2023年05月21日
和達と再会できたけど、居場所を持たないが故に曖昧な部分が有る巴。そんな彼の足場硬めと言えるエピソードがこのように温かみ有る形で描かれるとは
一度は巴自身が自分の居場所ではないと捨てた場所。だからか、巴の振る舞いから 余所余所しさが捨てきれないし、義父・義弟との距離も有る。一度生じた穴は簡単に埋められ...続きを読むない
…と思っていただけにあのような力技で強引に埋めてくるとは思わなかった(笑)
いや、わざとらしい強引さだから逆に義父達の想いを汲み取れるという事だろうか?
頓珍漢で調子を外した状況。それでも精一杯を籠めただろう「おかえり」の温かさにはじんわりと来てしまったよ…
一方で落ち着くべき処という話題ではどうしても気になってしまうのが和と佳乃子の関係性か
一度は別れた筈なのに京都で再会してそのまま落ち着いてしまった元恋人。互いに何も想ってない筈がないのに何も言葉にしない
曖昧故に形にならない二人
それを思えば現在の形が無いなら、出逢いによって別の形になる可能性もあるわけで。最近、佳乃子との間柄を匂わせる草護の存在は気になる処
けど、やっぱり佳乃子が気にしてるのは和ただ一人なんだろうなぁ…
悪酔いしてうさ耳付けて。そんな不格好を見られたのに、笑える失敗談で済ませられる間柄
果たして佳乃子はお月さまに移り住んでしまうのか、何かを気にして地上に留まってしまうのか…
曖昧だからこそ気になるね
曖昧さが逆に活きたのは咲季と静月の関係か
見た目的に男女の垣根を超えた関係性を築いているように見える二人。でもそういう関係だからって二人の間に何も無いなんて決めつけられなくて
親しい間柄の人間にちょっと世間様に言い難い趣味を知られるってどう考えたら良いか判断に困るもの。又、曖昧な関係をどう捉えたら良いか?そのような悩みの答えは当人が考えない限りは答えの出ない問題で
だから和の答えも咲季の答えも今ははっきりしない
咲季と静月に必要だったのはきちんと向かい合った上で考える時間だったのだろうけど、まさか咲季の趣味が普通にバレているとは思わなんだ(笑)
見た目が逆転しているかのような二人だから、逆に見た目を問題としなかったわけだ
二人の答えは読者に未だ示されていないけれど、萩の向こう側でにこやかに談笑する二人を見れば答えは自明であるように思えたよ