嶋中潤のレビュー一覧

  • ここでは誰もが嘘をつく

    Posted by ブクログ

    医療刑務所に勤める金子由衣は、2年目の矯正医官。
    患者である受刑者のが平均年齢も高くなり、認知症の者もいる。
    凶悪な犯罪者であっても基礎疾患を抱えて、医師の助けを必要としている。
    由衣が、当直の晩に糖尿病を患っていた受刑者が亡くなった。
    突然のことに疑惑がわき、誰かが嘘をついているように思う。

    誰かがやらなければならない仕事。
    医師だから命は救わなければならないと思う。
    それが犯罪者であっても…だ。
    葛藤の中で悩みは尽きない。

    病院であって病院じゃない、刑務所であって刑務所ではない。特殊な職場。
    何一つとして正解がない。
    光はどこにあるのかと考えながら仕事するのだろう。

    誰も進んでやりた

    0
    2023年03月15日
  • ここでは誰もが嘘をつく

    Posted by ブクログ

    ミステリー要素や社会派要素が詰まった、骨太な作品。由衣先生がいろいろな人と話し、向き合い、考える姿が健気でとても心を打った。

    『シークレット・ペイン』も医療刑務所でのお話だけれど、視点が違って両作ともにおもしろい。本作は貫く感じ、シークレット・ペインは変化していく感じ。両作ともに医療刑務所の空気感や、さまざまな受刑者の事情や想いなどをうまく描いていて、秀作だった。

    p.97 刑務所では何一つ。自分では決められない。洗えることに制約が伴う。外出はもちろん許されないし、食事も決められたものを食べるしかない。何よりほとんどの時間、鉄格子のはめられた狭苦しい空間で過ごすしかない。それは、すべて、

    0
    2023年02月07日
  • ここでは誰もが嘘をつく

    Posted by ブクログ

    医療刑務所である囚人が突然亡くなったことをきっかけに物語が始まります。
    最後には、何が正しくて、何が悪いことなのかよくわからなくなってしまうくらい、当事者たちの気持ちがよくわかりました。正解のない世界で、もがいてもがいて、納得できる言動ができたらそれでいいんだと思います。
    日本で透析してる人は350人に一人、受刑者一人あたりの収容費用は年間300万円等、数多くの刑務所ウンチクも知れる作品でした。

    0
    2023年01月29日
  • ここでは誰もが嘘をつく

    Posted by ブクログ

    いつも聴いてるPodcastで紹介されたので読んだ。途中刑務所内で死亡事件が起こるので、「あれれ、ミステリーなの?」と思ったけど、骨太の社会派な話だった。矯正できないような人は実際にいる訳で、そこで働いている人たちは苦悩の日々なんだろうなぁ。ちなみに、題名に「嘘」がついていると、めっちゃ読みたくなるのなんでだろ(「6人の嘘つきな大学生」とか「嘘つきな二人」とか)

    0
    2023年01月24日
  • 代理処罰

    Posted by ブクログ

    娘が誘拐され、金の受け渡しに指定されたのは
    ブラジルにいる妻という・・・
    それでも主人公は娘のために行動する
    誘拐犯は誰なのか、娘は助かるのか
    展開は読めなかったが、終盤
    あぁなるほどそういう展開でしたかと
    楽しめました

    0
    2020年03月17日
  • 貌(かお)なし

    Posted by ブクログ

    憲法で定められている基本的人権の尊重。それさえも保障されない「無戸籍」の人々。
    現代日本でこのような人がいること自体、信じられないが実際に1万人ほどの人がこの境遇に身を置いている。

    以前NHKのクローズアップ現代で、この無戸籍者の人を取り上げていたことがあった(色々と問題が取り沙汰された番組ではあるが、この回がそうだったわけではない)。
    にわかには信じがたい事実。法的弱者を助ける弁護士でさえ、救済しているのはごく僅かな印象だった。

    そういったにわか知識をもって読んでみたが、本当に過酷としかいいようがない。
    最近は法務省でも無戸籍者への呼びかけをホームページで行なっているようだが…。時代の急

    0
    2019年09月30日
  • 貌(かお)なし

    Posted by ブクログ

    24無国籍を救済すること、不法滞在者を混在させないこと、旧態依然の家長制度の残滓と折り合いをつけること。難しいけど権利としての生存権を重要視して欲しいです。

    0
    2019年02月25日
  • 貌(かお)なし

    Posted by ブクログ

    何らかの事情で無国籍な状態で過ごさなければならない児童をベースとし、自分の過去の過ちを悔い、自分が犠牲となり再度その罪を負わせる。

    0
    2017年01月03日
  • ここでは言葉が死を招く

    Posted by ブクログ

    通じないってもどかしいだろうな。こういう場では、深く関わりすぎず、中立でいるのが一番なのかも。自分がぶれたら周りも迷惑を被りそう、

    0
    2025年03月13日
  • ここでは誰もが嘘をつく

    Posted by ブクログ

    犯罪受刑者の医療を行うための成人矯正医療センターに勤務する医療従事者の物語。改心する見込みのない犯罪者に手厚い医療が必要かは難しい問題だ。なにより被害者より加害者の方が大切にされる現実には吐き気を覚える。題材がとても魅力的で重厚感があり何が正しいのか考えさせるヒューマンドラマであり、医療サスペンスミステリーでもある。しかしストーリー進行が独特なので読みにくい面があるかもしれない。ラストの展開にはかなり疑問が残る。この決着のつけ方で本当に良かったのだろうか?

    0
    2024年09月14日
  • ここでは祈りが毒になる

    Posted by ブクログ

    人が集まるところはどこであっても、妬みといったようなことが生じてしまうものなのかも。他人と比べたり、他人に関心を持たなければいいんだろうけど、そうもいかないか。

    0
    2024年05月08日
  • ここでは誰もが嘘をつく

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最後まで誰が犯人(?)かわからなかったなー!とはいえこの物語の主軸は刑務所で働くお医者さんの苦悩。誰がぎやらなければいけない仕事って色々あるよなあ。

    0
    2024年05月04日
  • ここでは誰もが嘘をつく

    Posted by ブクログ

    自分の仕事と少し通じるところがあった。
    誰かがやらないといけないけど必要とされてないのってしんどい。
    謎解きよりもお仕事小説のつもりで読んでしまった。

    0
    2023年07月10日
  • 遊びの時間は終らない

    Posted by ブクログ

    都井邦彦著「遊びの時間は終らない」とそれにちなんだ作品のアンソロジーだそうで表題作は確かに楽しかったのですが他の作品はそれほどの爽快感がありませんでした。

    ■心覚えのための簡単なメモ

    [▽]鈴木光司「生きる時間は終わらない」/脚本家、スランプ、樹海取材、自殺者、遺留品、ラブドール。
    [△]天祢涼「遊びの時間は終わっても」/炎上、特定厨、連続殺人者、モザイクアプローチ、記号化。
    [△]嶋中潤「遊びの時間が凍りつく」/ロシア、宇宙開発、モスクワ、蚤の市、ブランのタイル、詐欺に引っ掛かりやすいオーラ、地下鉄駅。
    [○]都井邦彦「遊びの時間は終わらない」/銀行強盗対策訓練、犯人役刑事の予定外の行動

    0
    2023年06月11日
  • ここでは誰もが嘘をつく

    Posted by ブクログ

    ドキュメンタリー小説のようでした。初めて知った、矯正医療機関というものの話。重たい現実とやり切れなさと。

    0
    2023年03月28日
  • ここでは誰もが嘘をつく

    Posted by ブクログ

    ミステリと思いきやかなり骨太の社会派小説。
    医療刑務所という、多くの人にとっては一生縁のない場所で、職員の方々がどんな葛藤を抱えているのかがとてもリアルに綴られていた。
    ただ、まずは登場人物とそれに付随する要素(役職や既往症)があまりに多く、そのわりにキャラ立ちもあまりなくて、きちんと追いきれなかったのが残念。
    あとは内容面でもかなり説明的な部分が多く、もうちょっと会話や心情描写で読ませるというか、小説ならではの読む楽しみを味わいたかったなぁという気持ち。

    0
    2023年02月05日
  • オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁

    Posted by ブクログ

    映画作品のノベライズ
    ボリュームは少ない
    エベレストで活動する山岳救助隊が
    依頼で依頼人とともにエベレストに入り
    起こる出来事のお話
    ちょっと、あれ?おかしくない?って場面も
    ありましたが無駄なくあっさりした作品と感じました

    0
    2020年11月09日
  • 遊びの時間は終らない

    Posted by ブクログ

    タイトルが面白い。
    表題作、面白いと思いつつも何となくすっきりしない。
    映画化されたというが一度観てみたい。

    0
    2020年02月08日
  • 貌(かお)なし

    Posted by ブクログ

    失踪した父の行方を追う娘の前に、次々に明らかになる事実…。父の過去と娘の捜索が交互に描かれ落ち着かない。結果として読みにくく、訴求力のない作品になてしまっている。代理処罰、無戸籍者問題と、重いテーマを描くが、書ききれていないもどかしさを感じる。ごめんなさい。

    0
    2020年01月04日
  • 貌(かお)なし

    Posted by ブクログ

    11月-3。3.5点。
    主人公の女性、母と妹を亡くしており、父親が突如失踪。
    父親を探すと共に、過去も調べていく。

    無戸籍の問題。丁寧な記述で読みやすい。
    身につまされる話だった。

    0
    2019年11月07日