嶋中潤のレビュー一覧

  • ここでは誰もが嘘をつく

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    刑務所の透析患者が亡くなった件について、矯正医官として働く主人公が挑むミステリ。
    重くなりがちなテーマに対し、主人公たちの精神が安定しているからか読みやすくて面白かった

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    2024年07月02日
  • ここでは祈りが毒になる

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    北海道函館にある医療刑務所が舞台のここでは誰もが嘘をつく、の続編。
    前作に引き続きなんとも後味の悪い展開。
    刑務所にいる受刑者たちの抱えているさまざまな事情が非常に重苦しく、そして実際には受刑者よりもその家族の方が苦労をしていると言う事実に愕然としました。

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    2024年03月11日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    医療系社会派ミステリーではあるが、お仕事小説でもある。
    出所した人の再犯はよく聞く話だけど、それで被害者になったら刑務所の医師などを憎むようになる気持ちも分かる。本当どうしようもない悪人が存在し年を取って認知症になった受刑者に手厚い介護と看護があることを思うと、世の中は不公平だと知りながらやはり割り切れない気持ちになる。主人公たちも悩んでいるが読む側も考えさせられた。

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    2023年04月01日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    医療刑務所に勤める金子由衣は、2年目の矯正医官。
    患者である受刑者のが平均年齢も高くなり、認知症の者もいる。
    凶悪な犯罪者であっても基礎疾患を抱えて、医師の助けを必要としている。
    由衣が、当直の晩に糖尿病を患っていた受刑者が亡くなった。
    突然のことに疑惑がわき、誰かが嘘をついているように思う。

    誰かがやらなければならない仕事。
    医師だから命は救わなければならないと思う。
    それが犯罪者であっても…だ。
    葛藤の中で悩みは尽きない。

    病院であって病院じゃない、刑務所であって刑務所ではない。特殊な職場。
    何一つとして正解がない。
    光はどこにあるのかと考えながら仕事するのだろう。

    誰も進んでやりたがるところではないのだろうが、必要としている。
    なかなか知ることのできない医療刑務所だが、分け隔てなく医師として勤めることに尊敬する。
    いろんな事実を知り、少しずつ成長している由衣に最後は頑張ってほしいと思った。

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    2023年03月15日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    ミステリー要素や社会派要素が詰まった、骨太な作品。由衣先生がいろいろな人と話し、向き合い、考える姿が健気でとても心を打った。

    『シークレット・ペイン』も医療刑務所でのお話だけれど、視点が違って両作ともにおもしろい。本作は貫く感じ、シークレット・ペインは変化していく感じ。両作ともに医療刑務所の空気感や、さまざまな受刑者の事情や想いなどをうまく描いていて、秀作だった。

    p.97 刑務所では何一つ。自分では決められない。洗えることに制約が伴う。外出はもちろん許されないし、食事も決められたものを食べるしかない。何よりほとんどの時間、鉄格子のはめられた狭苦しい空間で過ごすしかない。それは、すべて、犯した罪に対する罰であるから、当然のことではある。しかしながら、自業自得と考え、関西と悔恨、償いの時間と真摯に受け止め、行動するものは多くない。むしろ、逆、不平を訴えるものが圧倒的に多い。つまり、そうした環境下では、本人の為を持っての言葉にする反感を抱き、ひねくれた主張を繰り返し、他者を困惑させることに自己の存在価値を見いだすと言うことだ。命を削ってまですべきこととは思えないが。

    p.204 「わかってねーよ。世の中には大切で、なくてはならない仕事が山ほどある。いや、ほとんどはそういったものだ。面倒で、汚くて、臭くて、吐き気がして。本当なら見たくもねえ、触りたくねえ、関わりたくねえ、そんな仕事が腐るほどある。だから、そうしたことを誰もが避けていたら世の中回らね。誰かがしなきゃならねえ。腹が立っても我慢して、ふざけるなと一喝したいことも堪える。社会のゴミ野郎なんか死んじまえって思っても口には出さない。それが俺たちの仕事だ。それができないのならさっさと辞めろ」

    …「…私はまだ割り切ません。おはよう。ありがとう。そんな言葉すら満足に言えない相手を前にすると自分が汚れていく。そんな気になってしまって。だから毎日、診察の前に行かせるんです。彼らは言葉が話せない、言葉を忘れた人たちなんだ。だから仕方がないと。かわいそうな人たちだから、優しく接しないといけないって。でも多くの場合、すぐに要求が投げつけられます。もっと休ませろ、薬を出せ。ヤブ医者って言葉と一緒に。褒められたいわけじゃないんです。そんな必要はありません。でも汚されたくは無いんです」

    p.207 「大学3年の夏休みに職場訪問をした時、社会福祉士とは、一体どんな仕事をする人なのか先輩に尋ねたんです。そうしたら、社会福祉と言うのは、靴をなくしてしまった人の新しい靴を一緒に探すこと。人生を歩いていくのは、その人自身だけど、その人が歩きやすい靴を探して助けをするのが社会福祉士だと教えられて。それを聞いて、興味を持ち、自分もしてみたいと考えるようになったんです」

    p.214 「お店店をお任せしてもよろしいですか?女性が喜びそうな店を選ぶのはどうも苦手で。魚でも悪でも、嫌いなものはありませんから」熊は、雑食だった。

    p.225 「人は、生まれてくる時、場所も時代も、もちろん親も選べません。何故か突然、この世界、この時代に生を受けます。まるで放り出されるように。そして多くは悪戦苦闘して世の中を渡って行きます。中には、悪いことをして生きていく人もいます。でも、誰であっても、私だけは平等に訪れます。どんなに善行相撲が、夢を正しく、他社の命を奪おうが」

    「むしろこちらが考えていた形へ誘導しようとする方が傲慢だと思う。そう思いませんか?相手が誰であれ、人の気持ちなんて操れるものじゃありません。いいじゃないですか、本人が決断したんなら。死ぬ時ぐらいわがままを聞いてあげれば」死ぬ時位好きにさせてよ。そういった亡くなった女優もいた。

    p.278 「楽しいことも忘れる、ですか?」
    「そうだ。もちろんできるなら残しておきたい。でもできなかった。だから取捨選択を止めた。忘れるなら全部。そう決めた」

    「俺たちに必要なのは、最先端の医療技術じゃない。社会のはみ出し者である受刑者と向き合い、平然とやっていける精神力だ。どこかの偉い医者が言っていた。鈍感力ってやつかもしれない…嫌なこと、腹立たしい事は忘れて何を言われても、柳に風とやり過ごす」

    p.331 「すべての医者がこの仕事を避けていたら、この社会はスムーズに回らない。つまり、そういうこと。人間が法律を作って、その法律に則って自由を奪うなら、奪われた者たちの健康維持だけは、奪った側がしなければならない。そうじゃないかな?これだけは事実だと、最近そう思えるようになってきたんだ。俺たちは、さっそうと登場するイケメンのドクターヘリの医者でも、どんな難病だって治しちゃう魔術師みたいな美人の救急救命医でもない。残念ながらね。でもさぁ、ほとんどの人は知らないけど、社会から必要とされていることだけは事実なんだ、受刑者に対する思いは人それぞれだからさ。それを変えろとは言わない。いや、言えない。それはもう仕方がないことだから。でもさぁ、ここにいる仲間はわかってくれるはずなんだ」

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    2023年02月07日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    医療刑務所である囚人が突然亡くなったことをきっかけに物語が始まります。
    最後には、何が正しくて、何が悪いことなのかよくわからなくなってしまうくらい、当事者たちの気持ちがよくわかりました。正解のない世界で、もがいてもがいて、納得できる言動ができたらそれでいいんだと思います。
    日本で透析してる人は350人に一人、受刑者一人あたりの収容費用は年間300万円等、数多くの刑務所ウンチクも知れる作品でした。

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    2023年01月29日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    いつも聴いてるPodcastで紹介されたので読んだ。途中刑務所内で死亡事件が起こるので、「あれれ、ミステリーなの?」と思ったけど、骨太の社会派な話だった。矯正できないような人は実際にいる訳で、そこで働いている人たちは苦悩の日々なんだろうなぁ。ちなみに、題名に「嘘」がついていると、めっちゃ読みたくなるのなんでだろ(「6人の嘘つきな大学生」とか「嘘つきな二人」とか)

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    2023年01月24日
  • 代理処罰

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    娘が誘拐され、金の受け渡しに指定されたのは
    ブラジルにいる妻という・・・
    それでも主人公は娘のために行動する
    誘拐犯は誰なのか、娘は助かるのか
    展開は読めなかったが、終盤
    あぁなるほどそういう展開でしたかと
    楽しめました

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    2020年03月17日
  • 貌(かお)なし

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    憲法で定められている基本的人権の尊重。それさえも保障されない「無戸籍」の人々。
    現代日本でこのような人がいること自体、信じられないが実際に1万人ほどの人がこの境遇に身を置いている。

    以前NHKのクローズアップ現代で、この無戸籍者の人を取り上げていたことがあった(色々と問題が取り沙汰された番組ではあるが、この回がそうだったわけではない)。
    にわかには信じがたい事実。法的弱者を助ける弁護士でさえ、救済しているのはごく僅かな印象だった。

    そういったにわか知識をもって読んでみたが、本当に過酷としかいいようがない。
    最近は法務省でも無戸籍者への呼びかけをホームページで行なっているようだが…。時代の急速な変化と古すぎる民法との乖離、その狭間に落ちてしまう人々の抗いようのない姿が如実に描かれている。本書の発行は2015年だが、四年後の今どれだけ状況は変化したのだろうか。2019.9.29

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    2019年09月30日
  • 貌(かお)なし

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    24無国籍を救済すること、不法滞在者を混在させないこと、旧態依然の家長制度の残滓と折り合いをつけること。難しいけど権利としての生存権を重要視して欲しいです。

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    2019年02月25日
  • 貌(かお)なし

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    何らかの事情で無国籍な状態で過ごさなければならない児童をベースとし、自分の過去の過ちを悔い、自分が犠牲となり再度その罪を負わせる。

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    2017年01月03日
  • ここでは言葉が死を招く

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    シリーズ3作目。3作目にしてしっかり考えてしまった。受刑者は国籍問わず無料というか税金できちんとした医療が受けられるのに、頑張って働いている私達は高額の医療費を払い治療を受ける、もしくは受けれずに受診控えをしてしまう。本当に難しい問題だと思う。
    というか、ゆいさん暴走しますね。なかなかの。

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    2026年06月08日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    医療刑務所で働く新米医師。
    罪を犯した人を助ける事になかなかに葛藤しています。
    函館が舞台で、実際にあるのかな?と思ったけどなかった。少年刑務所がある場所が立地的に医療刑務所として働いています。
    北海道という事で帯広、旭川、美瑛あたりまで足を伸ばしてました。遠い!

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    2026年05月14日
  • ここでは言葉が死を招く

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    通じないってもどかしいだろうな。こういう場では、深く関わりすぎず、中立でいるのが一番なのかも。自分がぶれたら周りも迷惑を被りそう、

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    2025年03月13日
  • ここでは祈りが毒になる

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    人が集まるところはどこであっても、妬みといったようなことが生じてしまうものなのかも。他人と比べたり、他人に関心を持たなければいいんだろうけど、そうもいかないか。

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    2024年05月08日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    ネタバレ

    最後まで誰が犯人(?)かわからなかったなー!とはいえこの物語の主軸は刑務所で働くお医者さんの苦悩。誰がぎやらなければいけない仕事って色々あるよなあ。

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    2024年05月04日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    自分の仕事と少し通じるところがあった。
    誰かがやらないといけないけど必要とされてないのってしんどい。
    謎解きよりもお仕事小説のつもりで読んでしまった。

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    2023年07月10日
  • 遊びの時間は終らない

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    都井邦彦著「遊びの時間は終らない」とそれにちなんだ作品のアンソロジーだそうで表題作は確かに楽しかったのですが他の作品はそれほどの爽快感がありませんでした。

    ■心覚えのための簡単なメモ

    [▽]鈴木光司「生きる時間は終わらない」/脚本家、スランプ、樹海取材、自殺者、遺留品、ラブドール。
    [△]天祢涼「遊びの時間は終わっても」/炎上、特定厨、連続殺人者、モザイクアプローチ、記号化。
    [△]嶋中潤「遊びの時間が凍りつく」/ロシア、宇宙開発、モスクワ、蚤の市、ブランのタイル、詐欺に引っ掛かりやすいオーラ、地下鉄駅。
    [○]都井邦彦「遊びの時間は終わらない」/銀行強盗対策訓練、犯人役刑事の予定外の行動、解決できない警察の焦り、大にぎわいの吉祥寺、日本中にテレビ中継、終われない訓練。

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    2023年06月11日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    ドキュメンタリー小説のようでした。初めて知った、矯正医療機関というものの話。重たい現実とやり切れなさと。

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    2023年03月28日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    ミステリと思いきやかなり骨太の社会派小説。
    医療刑務所という、多くの人にとっては一生縁のない場所で、職員の方々がどんな葛藤を抱えているのかがとてもリアルに綴られていた。
    ただ、まずは登場人物とそれに付随する要素(役職や既往症)があまりに多く、そのわりにキャラ立ちもあまりなくて、きちんと追いきれなかったのが残念。
    あとは内容面でもかなり説明的な部分が多く、もうちょっと会話や心情描写で読ませるというか、小説ならではの読む楽しみを味わいたかったなぁという気持ち。

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    2023年02月05日