【感想・ネタバレ】ここでは言葉が死を招くのレビュー

あらすじ

日本という国が檻のようだーー。

不寛容、偏見、差別、利権。
命に係わるこの場所には持ち込ませない。

金子由衣の勤める医療刑務所分院では、外国人受刑者のための翻訳機の導入、通訳の確保が課題となっていた。現在由衣が担当する外国人受刑者は、肺動脈性肺高血圧症のインド人女性、卵巣癌のベトナム人女性、そして宗教上の理由で輸血を拒絶しているアメリカ人男性の三人。意思疎通に不安を感じながらコミュニケーションと治療を重ねていたが、治療を台無しにする事件がおきてしまったーー。

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Posted by ブクログ

続きものだったが難なく読め、色々と考えさせられる内容だった。
罪を犯した人にも人権があり病い、持病など治療する必要があると今まで考えた事もない刑務所内の病院での入院患者??の主治医の奮闘。そして言葉の壁、宗教の問題。
そして治療費は払わなくていいとは知らなかった。病いが進行して治療費が払えない外国人の話は税金がそんな風に使われるのは許せないと思うのは心が狭いからか。本当だったら助けてあげたいと思うのが一般的なのか?と自分の冷たさなど自分に問いかける内容ばかりだった。

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2024年12月31日

Posted by ブクログ

矯正医療センターで働く金子由衣医師のシリーズ3作目。
2作目が未読だったのに後から気づく…

在留外国人が増えるにつれて、事件も起きれば病気で医療が必要となることも増える。
言葉の壁を越えて、どこまで病状を把握でき、的確な治療を施すことができるのか…とても難しく多数の言語を習得することも大変だとつくづく知る。

そんななか、果敢に取り組むのご由衣だがかなりの暴走もあってヒヤヒヤすることも。

ベトナム人ランの卵巣癌に関しても病状と手術の必要性を説明するだけでも大変だろうが、翻訳機が表示した『お嬢様、もうやめたいです』という日本語訳が、正確には『女、やめたい』だったということに
どんな事があったのか想像するだけで悲しくなる。
カールソンの輸血をしない理由やインド人サリタの国のヒンドゥー教の教えに基づく慣習とらしいが、名誉殺人があることに理解できなかった。
なんとも重い話だった。


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2025年05月07日

Posted by ブクログ

医療刑務所分院シリーズ展開早い! それに反して内容はどんどん重くなってるし、由衣さんは行き着くところまで行ってしまった気もするし……。パリでの話はめちゃ考えさせられてしまった。

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2025年05月04日

Posted by ブクログ

日本に暮らす外国人の数がどんどん増えていることは、千葉の片田舎に住んでいても肌で感じます。
当然、罪を犯す人も、塀の中に収容される人も、そこで病気になり治療が必要な人も、どんどん増えているのでしょう。
先日まで放送されていたNHKのドラマ『東京サラダボウル』でも、身につまされました。

なんとかして言葉の壁を超えても、宗教や文化の違いが立ちはだかる。医師として患者を治療することができないジレンマに苦しむ主人公・由衣は、医師として負うべき仕事の範疇を越えてある行動を起こす── 仕事論として見た時、その姿は是か非か考えさせられました。私ならどうするだろう。

「あなたは自分を善人だと思われますか? それとも悪人でしょうか?」
この問いから続く法話に目から鱗が落ちました。
けれど、答えが出るわけじゃありません。
問いかけながら進む道を探り続けるのでしょう。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

通じないってもどかしいだろうな。こういう場では、深く関わりすぎず、中立でいるのが一番なのかも。自分がぶれたら周りも迷惑を被りそう、

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2025年03月13日

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