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Posted by ブクログ
木村香が仕事で1週間家を空け帰宅したときには、父はいなかった。
沖縄に行くとは行っていたが、電話も通じず行方がわからなく…母を病気で亡くし、妹も事故で亡くして父と2人だったが、何ひとつ父のことを知らなかった。
唯一、母方の伯母は夫婦で台湾に暮らしていたが、日本にいる従姉妹と父を探すことに…。
父が昔、裁判の証人になったことがあるとわかり何かしら手掛かりはないかと奔走する。
香が父のことを調べることと、父の語りで過去を遡ることが交互に進んでいく。
戸籍がないということは、自分がこの世に存在しないということと同じ。
どんなに生身の姿を見せても法は認めてくれない。
誰かの戸籍をお金で買ったとしても本当の自分は誰なのか…
法廷で証言することが、自分の存在を証明する機会と思っていたのに、結果的に後悔や絶望や不安などの重荷を背負うことに。
無国籍とは、あたりまえの生活すら送れない。
人間であることの証明すらできない。
タイトルの意味がわかると残酷だと感じた。
絶望の淵から救いあげてと願わずにはいられない。
Posted by ブクログ
憲法で定められている基本的人権の尊重。それさえも保障されない「無戸籍」の人々。
現代日本でこのような人がいること自体、信じられないが実際に1万人ほどの人がこの境遇に身を置いている。
以前NHKのクローズアップ現代で、この無戸籍者の人を取り上げていたことがあった(色々と問題が取り沙汰された番組ではあるが、この回がそうだったわけではない)。
にわかには信じがたい事実。法的弱者を助ける弁護士でさえ、救済しているのはごく僅かな印象だった。
そういったにわか知識をもって読んでみたが、本当に過酷としかいいようがない。
最近は法務省でも無戸籍者への呼びかけをホームページで行なっているようだが…。時代の急速な変化と古すぎる民法との乖離、その狭間に落ちてしまう人々の抗いようのない姿が如実に描かれている。本書の発行は2015年だが、四年後の今どれだけ状況は変化したのだろうか。2019.9.29
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小説・文芸
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