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突然失踪した父。行方を追う娘は、父が25年前の殺人事件の法廷で被告に有利な証言をしていた事実を知る。真相を求めて父の過去をたどる娘は、「無戸籍」という不条理な境遇に生まれた彼の、あまりにも過酷で無慈悲な人生に向き合う。八度目の最終候補となった『代理処罰』で晴れて第17回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した著者が、現代社会の矛盾に挑む、渾身の書下ろし長編ミステリー。
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Posted by ブクログ
木村香が仕事で1週間家を空け帰宅したときには、父はいなかった。 沖縄に行くとは行っていたが、電話も通じず行方がわからなく…母を病気で亡くし、妹も事故で亡くして父と2人だったが、何ひとつ父のことを知らなかった。 唯一、母方の伯母は夫婦で台湾に暮らしていたが、日本にいる従姉妹と父を探すことに…。 父が...続きを読む昔、裁判の証人になったことがあるとわかり何かしら手掛かりはないかと奔走する。 香が父のことを調べることと、父の語りで過去を遡ることが交互に進んでいく。 戸籍がないということは、自分がこの世に存在しないということと同じ。 どんなに生身の姿を見せても法は認めてくれない。 誰かの戸籍をお金で買ったとしても本当の自分は誰なのか… 法廷で証言することが、自分の存在を証明する機会と思っていたのに、結果的に後悔や絶望や不安などの重荷を背負うことに。 無国籍とは、あたりまえの生活すら送れない。 人間であることの証明すらできない。 タイトルの意味がわかると残酷だと感じた。 絶望の淵から救いあげてと願わずにはいられない。
初めて読んだ作家さんだし、テーマでした。 全く私の中では現実感がないのですが、法務省のHP見たら今でも存在するんですね…。 にわかに信じられないし、法務省のHPで無戸籍者の方は連絡して下さいで呼びかけ出るのを見て、寒気しました。 なんでこんなことがあるのか、途中泣けてしまいました。 基本的人権の尊重...続きを読む、どんな人であれば憲法の下、守られてるはずです。
貌なし
無戸籍問題を扱ったミステリーですが、いっきに読みました。 感動できます。 お勧めです。
とつぜん失踪した父親を追う娘は・・・。「無戸籍」がテーマのサスペンス劇なのですが、今の日本でこんなに簡単に「無戸籍児」が生まれるという事実には圧倒されました。この書をきっかけに民法が見直されると良いのですが・・・
憲法で定められている基本的人権の尊重。それさえも保障されない「無戸籍」の人々。 現代日本でこのような人がいること自体、信じられないが実際に1万人ほどの人がこの境遇に身を置いている。 以前NHKのクローズアップ現代で、この無戸籍者の人を取り上げていたことがあった(色々と問題が取り沙汰された番組ではあ...続きを読むるが、この回がそうだったわけではない)。 にわかには信じがたい事実。法的弱者を助ける弁護士でさえ、救済しているのはごく僅かな印象だった。 そういったにわか知識をもって読んでみたが、本当に過酷としかいいようがない。 最近は法務省でも無戸籍者への呼びかけをホームページで行なっているようだが…。時代の急速な変化と古すぎる民法との乖離、その狭間に落ちてしまう人々の抗いようのない姿が如実に描かれている。本書の発行は2015年だが、四年後の今どれだけ状況は変化したのだろうか。2019.9.29
24無国籍を救済すること、不法滞在者を混在させないこと、旧態依然の家長制度の残滓と折り合いをつけること。難しいけど権利としての生存権を重要視して欲しいです。
何らかの事情で無国籍な状態で過ごさなければならない児童をベースとし、自分の過去の過ちを悔い、自分が犠牲となり再度その罪を負わせる。
失踪した父の行方を追う娘の前に、次々に明らかになる事実…。父の過去と娘の捜索が交互に描かれ落ち着かない。結果として読みにくく、訴求力のない作品になてしまっている。代理処罰、無戸籍者問題と、重いテーマを描くが、書ききれていないもどかしさを感じる。ごめんなさい。
11月-3。3.5点。 主人公の女性、母と妹を亡くしており、父親が突如失踪。 父親を探すと共に、過去も調べていく。 無戸籍の問題。丁寧な記述で読みやすい。 身につまされる話だった。
内容(「BOOK」データベースより) 突然失踪した父。行方を追う娘は、父が25年前の殺人事件の法廷で、被告に有利な証言をしていた事実を知る。真相を求めて父の過去をたどる娘は、「無戸籍」という不条理な境遇に生まれた彼の、あまりにも過酷で無慈悲な人生に向き合う。『代理処罰』で第17回日本ミステリー文学...続きを読む大賞新人賞を受賞した著者渾身の書下ろし長編ミステリー!
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貌(かお)なし
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嶋中潤
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