嶋中潤のレビュー一覧

  • ここでは誰もが嘘をつく

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    医療ミステリっていうよりは医療刑務所を舞台にした医療モノ。なかなか面白い構成で一気に読まされました。私も、こんな誰からも喜ばれない仕事何のためにあるんだ、と思ってしまうことがあるので、ちょっと反省。

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    2025年05月04日
  • ここでは言葉が死を招く

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    続きものだったが難なく読め、色々と考えさせられる内容だった。
    罪を犯した人にも人権があり病い、持病など治療する必要があると今まで考えた事もない刑務所内の病院での入院患者??の主治医の奮闘。そして言葉の壁、宗教の問題。
    そして治療費は払わなくていいとは知らなかった。病いが進行して治療費が払えない外国人の話は税金がそんな風に使われるのは許せないと思うのは心が狭いからか。本当だったら助けてあげたいと思うのが一般的なのか?と自分の冷たさなど自分に問いかける内容ばかりだった。

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    2024年12月31日
  • 貌(かお)なし

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    木村香が仕事で1週間家を空け帰宅したときには、父はいなかった。
    沖縄に行くとは行っていたが、電話も通じず行方がわからなく…母を病気で亡くし、妹も事故で亡くして父と2人だったが、何ひとつ父のことを知らなかった。
    唯一、母方の伯母は夫婦で台湾に暮らしていたが、日本にいる従姉妹と父を探すことに…。

    父が昔、裁判の証人になったことがあるとわかり何かしら手掛かりはないかと奔走する。

    香が父のことを調べることと、父の語りで過去を遡ることが交互に進んでいく。


    戸籍がないということは、自分がこの世に存在しないということと同じ。
    どんなに生身の姿を見せても法は認めてくれない。
    誰かの戸籍をお金で買ったと

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    2024年11月19日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    函館の医療刑務所分院に勤務する2年目の矯正医官金子由衣。患者である受刑者の平均年齢は高く、基礎疾患を抱えた凶悪犯もいる中で苦悩が続く。そんな中、収監中の暴力団員が糖尿病治療のインスリン注射後死亡、病死か事故か殺人か…、疑いを持つ由衣は…。様々な場所で様々な対応が必要とされる現実を改めて実感。

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    2023年03月12日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    静かな日常
    平凡な生活
    普通の人生
    何事もなく生きていると思う傍らには
    それを支えてくれている仕事がある
    加害者も被害者も命はみな平等というたてまえを唱えているがそうなのか
    奨学金を刑務所の医療に3年勤めれば返金しなくていいという条件があること自体
    平等ではないと認めている
    受刑者への医療をどうするのか現場で携わる個人が考え判断する
    答えが出ていないのに判断は即時
    重い責任の仕事を担うある医師の日常を
    ミステリーを絡めて読者の目の前に置く
    本を閉じても捨てられない思いをもらった

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    2023年02月11日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    良かった。
    最初はタイトルに惹かれて本を手に取り読んだが、矯正施設での医療従事者という特殊過ぎる境遇でしか湧きおこらない感情が見事に描かれていた。文章もかなり読みやすく、淡々と彼女の日常が過ぎていく様子が入ってきやすかった。仕事で悩むことが多い読者なら、この本を読むことで何かが繋がるかもしれない。そう思える一冊だった。今まで読んだ小説の中でもかなり良いものに出会った

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    2023年01月05日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    疲弊するのは、仕事の意味がわからなくなったときだ。働いていれば、大なり小なり直面する。その極端な形がここに描かれている。だから自分とはかけ離れた職場環境が舞台にもかかわらず、引き込まれる。
    社会の多数派が求める正義には、圧がある。圧は正義の顔をして、悪を唆す。

    この小説のどこに怖さを感じるか、そのときの自分の人生のリトマス試験紙になるかもしれない。

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    2022年12月07日
  • 貌(かお)なし

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    初めて読んだ作家さんだし、テーマでした。
    全く私の中では現実感がないのですが、法務省のHP見たら今でも存在するんですね…。
    にわかに信じられないし、法務省のHPで無戸籍者の方は連絡して下さいで呼びかけ出るのを見て、寒気しました。
    なんでこんなことがあるのか、途中泣けてしまいました。
    基本的人権の尊重、どんな人であれば憲法の下、守られてるはずです。

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    2020年04月08日
  • 貌(かお)なし

    貌なし

    無戸籍問題を扱ったミステリーですが、いっきに読みました。
    感動できます。
    お勧めです。

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    2016年01月20日
  • 貌(かお)なし

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    とつぜん失踪した父親を追う娘は・・・。「無戸籍」がテーマのサスペンス劇なのですが、今の日本でこんなに簡単に「無戸籍児」が生まれるという事実には圧倒されました。この書をきっかけに民法が見直されると良いのですが・・・

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    2015年11月17日
  • ここでは祈りが毒になる

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    矯正医官・金子由衣が活躍のシリーズ2巻目。
    先に3巻目を読んでしまったが…、、
    函館にある医療刑務所には常にさまざまな疾病や障害で入所してくるので特に繋がりには問題なく読める。

    今回は特に母である女性ばかり…で、坂上敏江は風俗で働く母親の下、ネグレクトと思われる扱いを受けて成長し、自身も不安定な暮らしをし同棲相手を刺殺、勾留中に低出生体重児を産む、本人は境界知能でもある。
    井上明美は、再婚でDV夫と義理の息子を刺殺するが、緑内障を患い失明に絶望している。
    早川桜子は、比較的裕福な家庭で生まれたが覚醒剤で転落し、末期の胃癌を患う。
    相沢桃花は、DV夫と障害のある息子を刺殺、糖尿病網膜症である。

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    2025年05月24日
  • ここでは言葉が死を招く

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    矯正医療センターで働く金子由衣医師のシリーズ3作目。
    2作目が未読だったのに後から気づく…

    在留外国人が増えるにつれて、事件も起きれば病気で医療が必要となることも増える。
    言葉の壁を越えて、どこまで病状を把握でき、的確な治療を施すことができるのか…とても難しく多数の言語を習得することも大変だとつくづく知る。

    そんななか、果敢に取り組むのご由衣だがかなりの暴走もあってヒヤヒヤすることも。

    ベトナム人ランの卵巣癌に関しても病状と手術の必要性を説明するだけでも大変だろうが、翻訳機が表示した『お嬢様、もうやめたいです』という日本語訳が、正確には『女、やめたい』だったということに
    どんな事があった

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    2025年05月07日
  • ここでは言葉が死を招く

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    医療刑務所分院シリーズ展開早い! それに反して内容はどんどん重くなってるし、由衣さんは行き着くところまで行ってしまった気もするし……。パリでの話はめちゃ考えさせられてしまった。

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    2025年05月04日
  • ここでは言葉が死を招く

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    日本に暮らす外国人の数がどんどん増えていることは、千葉の片田舎に住んでいても肌で感じます。
    当然、罪を犯す人も、塀の中に収容される人も、そこで病気になり治療が必要な人も、どんどん増えているのでしょう。
    先日まで放送されていたNHKのドラマ『東京サラダボウル』でも、身につまされました。

    なんとかして言葉の壁を超えても、宗教や文化の違いが立ちはだかる。医師として患者を治療することができないジレンマに苦しむ主人公・由衣は、医師として負うべき仕事の範疇を越えてある行動を起こす── 仕事論として見た時、その姿は是か非か考えさせられました。私ならどうするだろう。

    「あなたは自分を善人だと思われますか?

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    2025年04月19日
  • ここでは祈りが毒になる

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    登場人物の様々な親子関係をマーブル模様のように描く物語。この世に生まれてくる子どもは、別に生まれたいと願ったわけではないし、この親の元に…と親を選べるわけでもない。我が子の幸せを願っているようでいて、実は自身の願望しか見えていない親もいる。その子どもは親を枷に思ってしまい、そう思う自分を責めてしまう。親子というのは、本当に厄介だな。でも、とにかく、どんな状況でも犯罪に逃げてはいけない。何か別の方法が必ずあるはずだから。
    最後の最後に光が見えるので、読むのが途中で辛くなっても完走してください。

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    2024年12月25日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    久々にページをめくる手を止められず、夜更かしして読みました。病気や怪我に苦しむ人を助けるために医者になったのに、ただまっすぐにそう出来ない医師──塀の中の病院で、受刑者を診る矯正医官を描いた物語です。殺人犯、詐欺師などの犯罪者がいれば、当然被害にあった人とその家族がいて、処罰感情が強くて当たり前。一方、犯罪者の家族も苦しめられている。受刑者本人も苦しいのだろう、それが自業自得だとしても。仕事として、そんな人々と向き合う矯正医官・看護師・刑務官を通して、普段とは違う角度で命について考える時間になりました。

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    2024年12月23日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    非常に重い主題をなんとか上手く繋げている感じ。登場人物の造形が浅く関係性が甘いけど、全体には良い一冊でした。ただタイトルと表紙がライトノベルっぽく内容にそぐわない。変えたほうがいいね。

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    2024年09月06日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    刑務所の透析患者が亡くなった件について、矯正医官として働く主人公が挑むミステリ。
    重くなりがちなテーマに対し、主人公たちの精神が安定しているからか読みやすくて面白かった

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    2024年07月02日
  • ここでは祈りが毒になる

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    北海道函館にある医療刑務所が舞台のここでは誰もが嘘をつく、の続編。
    前作に引き続きなんとも後味の悪い展開。
    刑務所にいる受刑者たちの抱えているさまざまな事情が非常に重苦しく、そして実際には受刑者よりもその家族の方が苦労をしていると言う事実に愕然としました。

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    2024年03月11日
  • ここでは誰もが嘘をつく

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    医療系社会派ミステリーではあるが、お仕事小説でもある。
    出所した人の再犯はよく聞く話だけど、それで被害者になったら刑務所の医師などを憎むようになる気持ちも分かる。本当どうしようもない悪人が存在し年を取って認知症になった受刑者に手厚い介護と看護があることを思うと、世の中は不公平だと知りながらやはり割り切れない気持ちになる。主人公たちも悩んでいるが読む側も考えさせられた。

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    2023年04月01日