片野ゆかのレビュー一覧
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10数年ぶりの再読。私が動物のノンフィクションや科学エッセイを読む切っ掛けになった、思い入れのある作品。そして動物福祉の「環境エンリッチメント」という言葉も知った作品でもあります。
この1冊に、ペンギン、チンパンジー、アフリカハゲコウ、キリンと、飼育員が動物と向き合い続けた日々が描かれています。
飼育員の苦労や葛藤、初めての感動体験、飼育員の目を通して見る動物たちは、その特性にとどまらず個性豊かで魅力的!
人間ドラマならぬ「動物ドラマ」が繰り広げられていて、その世界にすっかり魅了されてしまいました。
もっともっと彼らのことを知りたくなります。
ペンギンが、実は南極よりも南米ペルーやアルゼンチンなど温帯地域の陸地に営巣する種類の方が多いこと。鳥のショーでは異例の「フリーフライト」に初めて挑んだこと。遊ぶ様子はまるで人間そのもののチンパンジーの親子。キリンは想像よりはるかに繊細でデリケートなこと。
これまで知らなかった動物のこと、悲喜こもごも飼育員との奮闘の日々がぎゅっと濃縮されていて、驚きや感動、興奮とともに胸踊る読書体験でした。 -
Posted by ブクログ
引退した競走馬とそれに携わる人たちの活動を追ったノンフィクション。
著者は動物愛護関連の著書がある作家で、競馬ファンではないが、引退した競走馬の共同オーナーになったことをきっかけに、競走馬のその後について調べるようになる。競馬業界の引退馬の現状とJRAの取り組み、JRAの角居元調教師の活動などを中心に、引退馬のその後のキャリア構築に地道に取り組む人たちの姿をインタビューや体験を通じて紹介する。引退競争馬を引き取って生涯面倒を見る馬主もいるが(それも素晴らしい事だが)、引退馬を再トレーニングして仕事を与え、人々の生活に役に立てる活動を目指す人達がいる。長年、競馬ファンを続けているが、競争馬の引退後の様々な取り組みについては知らないことが多く、いろいろ勉強になった。引退馬に関心がある人は勿論、競馬ファンにも一読する価値があると思う。 -
Posted by ブクログ
競馬会で華々しく走った馬たちは、引退したら何処へ?
引退馬たちのその後を、関わる人々、引退馬たちの姿、
そして抱える様々な問題を捉えながら巡る、ノンフィクション。
・カラー口絵2ページ ・はじめに
第1章 突然だが、馬主になった 第2章 馬と生きる新しい仕組み
第3章 知られざるリトレーニングの世界
第4章 馬と暮らした日本人 第5章 ある地方馬主のリアルと挑戦
第6章 ホースセラピーの力 第7章 旅して食べて馬を応援
第8章 社会が変わる交差点
・おわりに 主要参考文献有り。
2019~2023年の約4年間の、引退競走馬を巡る世界への記録です。
2~3歳での引退もあるが、寿命は30年以上。
アスリートになるために幼少から特別な訓練を受けてきた
競走馬たちが、乗馬クラブや観光牧場、セラピーホースとして
医療・福祉施設等に迎え入れられ、セカンドキャリアに
つくためには、リトレーリングが必要になる。
TCCセラピーパークの存在。栗東トレセンの調教師の挑戦。
岡山乗馬倶楽部の代表とリトレーリングを行う人々、
住宅地で馬と暮らす人の試み。馬事学院のカリキュラムと
セリで売れ残ったサラブレッドのリトレーリング。
肥育場の馬に新たな馬生を用意する地方馬主の努力。
再びTCCでのホースセラピーの仕事をする馬と再会。
ホースセラピーの研究者である東京農大の教授からの話。
引退競走馬の養老牧場をつくる「奥能登・馬プロジェクト」
引退競走馬と農業を繋げる馬厩肥でのマッシュルーム栽培。
<ウマ娘>からの引退馬への支援の拡がり。
そしてJRAの変化。
実際のところ知らなかった世界だったので、驚きの連続。
馬って繊細な生き物なんだなぁと、しみじみと感じました。
でも、リトレーニングしてセカンドキャリアに繋げる人々の
行動と努力の熱さにも感動しました。
かつて引退後が行方不明だったことを考えれば、
課題はあれど、大いなる変化であり、進展だと思います。
引退競走馬の穏かな姿は癒しだなぁ。会ってみたくなりました。 -
購入済み
書籍の評価と事象への評価と
熊本市の取組については、本当に素晴らしいことだなと思いました。愛護センターの職員さん、獣医師会の先生方、愛護団体の皆さん、良心あるペットショップ経営者さん、保護動物の新しい飼い主さん、市民ボランティアさん、ボランティアとかですらない、市民の皆さん。
生き物が相手ですから、一人一人が出来ることを全てやっても、諦めざるを得ない命はあるかもしれません。でも、結果的に落としたり奪ったりしてしまう命に対しても、最後まで向き合って努力する姿勢が大切だと改めて思います。
自分も犬が好きで、家庭の状況をみて飼いたい思いはあるので、その時にはペットショップではなく、保護犬を譲渡して頂くよう行動したいと思います。
書籍としては、ノンフィクションで色んな立場からのトピックを取り上げているため仕方無いのだと思いますが、ちょっと細切れな印象でした。 -
Posted by ブクログ
動物園の動物自身が快適に、健康に暮らすこと。
飼育員の安全も確保すること。
また、来園する一般の人々が楽しめる場所であること。
そういった意味で、言葉を離さない動物たちの心を“翻訳”しているのは、動物たちと日々向き合っている飼育員さんたちだ。
ここで紹介されているのは、市民ZOOネットワ-クが毎年発表している「エンリッチメント大賞」を受賞した動物園。
ペンギン
チンパンジー
アフリカハゲコウ
キリン
野生の環境で過ごすことが一番の幸せのだろうけれど、柵で囲われた動物園の中でいかに幸せにくらせるか。
飼育員さんたちの工夫と努力と、動物たちと信頼関係を築くことに成功しているのには脱帽。
それぞれが是非見に行ってみたい!と思わせてくれる。 -
Posted by ブクログ
「環境エンリッチメント」とは、
動物福祉の立場から飼育動物たちの“幸福な暮らし”を
実現するための具体的な方策。
四つの動物園の、四種の動物の、四人の飼育員&獣医師の物語。
・ペンギン・・・埼玉県こども動物自然公園
“箱入りペンギン”を本来の生息地に近い環境に馴染ませるには?
「ペンギン図鑑」上田一生氏も関わっていたのね。
・チンパンジー・・・日立市かみね動物園
チンパンジーの森に群れを・・・しかし、登場する彼らの個性強し!
・アフリカハゲコウ・・・秋吉台自然動物公園サファリランド
大空を飛ばせたい!その実現までの道のりと事件とは?
・キリン・・・京都市動物園
十二年間のキリン担当者としての道のりは、
静かで無口な彼らとの歩みであり、飼育員としての成長でもある。
高木直子さんは現在、ツシマヤマネコの飼育と出産に関わってます。
新人であれ、ベテランであれ、飼育員(獣医と兼職もあり)たちの
飼育動物に抱く愛情と敬意が、実に尊いです。思わず感涙!
動物園へ行くときの見方が変わりますよ。