片野ゆかのレビュー一覧
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動物園は動物をオリに閉じ込めて酷いところだ…
井の頭動物園の象の花子が海外に晒されて、虐待だ!と多くの署名が集まる…
虐待だ!酷いところだ!と言っている人たちは、
共感力が高いのだろうと思う。
自分に置き換えて動物のことを考える。
動物と暮らしたことがある人なら、わかるはず。
動物と自分を置き換えて考えることは決してできない。
貴方が美味しいと感じるチョコレートやお酒、この美味しさを分けてあげよう!と考えたら…犬や猫は死ぬ。
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必要なのは、人間に置き換えることではなく、
彼らの言葉を翻訳すること。
動物のために、と本当に思うなら、使う力は共感力ではなく、傾聴力なのだ。
動物園の -
Posted by ブクログ
何かの雑誌で紹介されてて、ずっと読みたかった本。本当によかった!
お涙頂戴系じゃなかったけど、飼育員さんたちの仕事へのひたむきさと動物への愛、動物たちがヒトを認めて共存してくれるその優しさに感動してつい泣いてしまった。
動物の暮らしやすさと一生涯の幸せを徹底的に追及しつつ、来場者に動物らしさをわかってもらう。限られた予算のなかで。これって他の仕事でも同じことだと思う。他のニンゲンもこのくらい真摯に相手に向き合うべき(もちろん私も)!
理系ができていれば動物関連の仕事につきたかったので、本当に心揺すぶられた!
日本の動物園はペンギン大国、チンパンジーは天真爛漫など知らないこともたくさんあった。
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Posted by ブクログ
最近、犬猫に神秘を感じておりまして。
とても利害が一致しそうにないヒトと獣が無条件に信頼し合う関係というのが不思議でならないわけです。特に猫。
お互いの常識が根本から異なる関係に、なんとか歩み寄ろうとするのが本書。動物というのは文字通り冗談が通じない相手。彼らの喜びを感じたかもしれない瞬間は、こちらもホッとしてしまいます。
私が子供の頃は、申し訳ないけれど動物園は退屈なイメージがありました。檻の中でじっとしている動物を眺めても楽しくないし、獣臭くて早く帰りたいわけです。最近は動物たちにのびのびと生きてもらうことで、観客も楽しませる活動が普及した結果でしょうか。10年前に訪れたアドベンチャー -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと装丁から、軽く読める、動物エッセイ的なものを想像していましたが、いい意味で、裏切られました。4種類(ペンギン、チンパンジー、アフリカハゲコウ、キリン)と数年間挫折と工夫を重ねて過ごしたドキュメンタリーです。
日本の動物園が非情に難しい立場になっている原因は、ひとつには、人気のある動物はワシントン条約にかかって、輸入が難しいため、捕獲輸入ができないというところになります。そうなると、動物園同士での動物のやり取りが供給源となります。
さらに、もっと難しいのが、動物園での飼育は自然環境に程遠いため、繁殖が成功しない、成功しても子育て放棄に繋がるという点です。
この本では、全国の動物園 -
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動物園というと何を思い浮かべるだろうか。
子供の頃の遠足だろうか。それとも家族で行った思い出だろうか。
動物園が絶大な人気を誇ったのは、おそらく一時代前の昭和50年台前後、上野動物園にパンダが来園した頃だろう。珍しい動物を一目見ようと、人々は動物園にひしめき合った。
だが、そこから娯楽の多様化、資金の不足、少子化など、多様な要因が相まって、動物園人気は徐々に下降していく。何よりも、檻に閉じ込められ、時には同じ箇所を行ったり来たりするなどの異常行動を示す動物たちが「かわいそう」という意識が、見る側に出てきたことが大きかった。
野生動物を捕まえて、狭い場所で「見せ物」にする。それは正しいことなのか -
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ネタバレ4つの動物園を舞台とした、飼育員さんたちのノンフィクションです。
私がこの本を読むまで知らなかったのは、「環境エンリッチメント」という概念。本文から引用させていただくと、
『動物園の飼育環境を充実させて動物たちの精神的、身体的な健康を向上させる取り組みのこと』
だそうで。
実際、この本に登場する飼育員さんたちは誰もが、動物園で生きる動物たちの幸せな生活のために尽力されています。そこにとてつもないプロ意識を感じました。
ただ単にエサをやって掃除して、というだけではなく、生活環境を野生と同じに整えたり、より良いエサを探し求めたり、動物たちが求めているものを設置してあげたり…
その行動は -
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著者がこの本を書くきっかけになったラッキーハンターという引退競走馬との出会いから始まる。
その来し方が時系列を追って語られていくが、今は幸せになっていると分かっていても、彼の行く末を案じてこちらはハラハラドキドキ。
冒頭からぐっと読者の心を捕らえる、巧い掴み。
その後、著者が精力的な取材を通して馬に関する知識を急速に吸収し、また彼らを取り巻く境遇に思いを寄せて意識の段階で変革を遂げていく様が等身大の目線で綴られ、"引退競走馬をめぐる旅"というサブタイトルの通り、まさしく追体験しているかのよう。
取材対象者についても、馬たちの命を守らんと奮闘する人たちの活動が子細に、そして温