あらすじ
誰もが行ったことのある動物園。そこには知られざるドラマがある! 自然を知らない“箱入り”ペンギン、仲間に馴染めないチンパンジー、500km以上を飛翔したハゲコウの追跡……動物たちが暮らしやすく、より魅力的な施設にしたい。動物園の飼育員は、強い思いを胸に、動物たちの心の声に耳を傾け続けている。彼らの愛情あふれる奮闘の日々に迫るお仕事ルポ! 決定版。
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Posted by ブクログ
とてもとても興味深く読んだ。
今、動物園業界では、できるだけ、その動物の生息地に近い形を動物園内で実現しようとする「環境エンリッチメント」という考え方が当たり前になってきているそうだ。
ペンギン、チンパンジー、キリン、アフリカハゲコウの飼育員さんたちが、担当となった動物に寄り添おうと耳を傾け、じっくり観察しながら、しゃべらぬ動物の気持ちに寄り添おうとし、最上のものを目指す。ただただすごいなぁと思った。
Posted by ブクログ
「環境エンリッチメント」という観点で動物園で飼育されている動物にとって最適な環境を作る取り組みを行った飼育員たちの苦労などを綴ったノンフィクション。
ペンギン、チンパンジー、アフリカハゲコウ、キリンのそれぞれのエピソードが飼育員の苦労や苦悩が伝わってきて、言葉をしゃべれない動物の気持ちを推し量ることの大変さがよくわかった。
Posted by ブクログ
素敵な「本」は
文庫本になった時に
また 読んでしまう
最近の「文庫」はそれはそれは
丁寧に進化していますね
大幅に加筆されたり、写真も追加されたり
それに うれしいのは
「解説」がついてくること
文庫になっているころには
ほとんど内容があやふやになっているので
もう一度 「おもしろかったなぁ」の
あの感情が蘇ってくるのも 楽しみの一つ
「北里大学医学部 犬部!」
「ゼロ! 熊本市動物愛護センター 10年の闘い」
今回も
片野ゆかさん の「生き物愛」が満載です
Posted by ブクログ
動物好き、生き物好きならば面白くないということはあるまい。ただ特に前半のペンギンやチンパンジーの章辺りは、なんだか筆致が単調でメリハリがないように感じられて、取材は丹念なのにちょっともったいないなあ…なんて思っていたが、アフリカハゲコウで少しリズムが出てきて、最終話のキリンまできたら序盤で感じた瑕疵がまったく気にならなくなったというか、しっかり娯楽性を備えた読み物に仕上がっていたと思う。
確かに動物園と言えば、生き物が好きな人ほどその存在に抵抗を感じる、という一面があることは否定できない。
野生動物の捕獲が困難になっている情勢等を考えると、その未来に不安を感じるし、存在意義を保っていけるのかすら怪しかったりもする。
そういった事情は我々以上にもちろん深く骨身に染みながら、動物たちのいわばQOLを何とか高めようと知恵を絞る人たちの奮闘がここには描かれている。
生き物相手の仕事は、大変なことも多くまた喜びを感じるであろうことも多く、振れ幅の大きいダイナミックな世界なんだなあ、ということがよく分かった。