川本三郎のレビュー一覧
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妻夫木&松ケンのW主演で話題のマイバックページ。
映画化に際し、河出書房からの原作がハードカバーで復刻され、即購入。
川本三郎は、キネマ旬報の読者ならご存知の、実にやさしい映画評論。僕は数年前まで映画評論家だと思っていたのだが、文章からは音楽や時代背景も含めた縦と横の描写がとても上手な知識人だなあと思っていて、なるほど、昔はとんがったジャーナリストで、こんな過去があったのかと納得した。
「旅先でビール」の肩の抜けた随筆も非常に親近感を覚え、文章を読んだだけで人柄が伝わってくる。
上司と殴り合いのけんかをしたり、陽の当らないところにまなざしを注ぐ視点だったり、感情的な自分と理性 -
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今はやりの若手有名俳優では、果たして、60年代後半の時代背景が、うまく伝わるかどうか、期待できないので、原作を読むことにした。「連帯を求めて、孤立を恐れず、力尽くして挫けることを恐れないが、力尽くさずして、挫折することを拒否する」、「自己否定、日常性の否定」「実存をかけているか」,等等、未だ、二十歳前後の自分が、感じていたことが、そのまま、自分自身に、その言葉達は、襲いかかってくる。奥浩平(青春の墓標)、高野悦子(二十歳の原点)高橋和巳(邪宗門)、吉本隆明などを、読んでは、模擬試験の後で、京大生博昭君の死の知らせを聞いた翌年には、当時、何も出来なかった自分と、死んでいった同世代の若者との違いは
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映画を鑑賞後に購入。
読みやすい文体なので、一日でサクサクと読める。
私はまだ齢26で全共闘時代にはかすりもしていない。
恥ずかしながら、さほどの知識もなく、ときどきテレビ等で流れる「あの時、時代は○○だった!」的な特番でしか、この時代の知識を持ち合わせていないし、そういったテレビで流れる映像は大体、浅間山荘事件だったりするので、「全共闘=暴力的」なイメージが脳に染みついている。
その意味で、この本は私の中での全共闘時代のイメージを覆している。
また、この本の素晴らしいのは、書かれたの1988年に書かれたのにも関わらず、全く古臭さを感じさせない点である。
本のあらすじは、全共闘時代を生 -
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ネタバレおや、と思った。何だかいつもの川本三郎と感じがちがう。文章も生硬で余裕が感じられない。それに、60年代をテーマに謳っているのに出てくる話が暗いことばかりじゃないか。死者についての話も多い。それに何より「週刊朝日」や「朝日ジャーナル」記者としての個人的な感想がいかにも青臭い。いや、臭すぎる。いったい何を書きたいのだろう、と思いながら読み進めていった。
先に書いておくが、実はこの本1988年に河出書房新社から出版された同名の書物の復刻版である。その前年に雑誌「SWITCH」誌上に連載された文章を集めたものだ。当初は「60年代の様々なできごとをさらりと客観的に書くつもりだった」と、88年版のあとが -
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[ 内容 ]
敗戦から昭和三十年代にかけて、急速な経済成長の中で失われた様ざまな習慣、やさしく奥深い言葉の数々、変わりゆく家族のかたち、東京の町並…それらをいとおしみ、表現し、そして体現し続けた向田邦子。
様変わりした現代において、今なお高い人気を誇る作品群をひもとき、早世の天才作家が大切に守り続けたものとは何かをつづる。
[ 目次 ]
序章 昭和の女学生
第1章 父母のいませし頃の懐かしい言葉
第2章 家族の記憶と食
第3章 「向田家の父」と「昭和の父」
第4章 お嬢さん、実社会へ
第5章 家族のなかの秘密と嘘
最終章 向田邦子と東京の町
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆ -
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向田邦子が日航機の墜落事故でなくなったのが昭和56年(1981年)の夏のことなので、今年で27年目をむかえることになる。あれっ、そんな前のことだったっけ?と感じるのは、自分が歳をとった証拠なのだろう。この本の書き出しは、何年か前にはやった「Always 三丁目の夕日」という昭和30年代の東京を扱った映画の紹介であり、締めくくりは「昭和三十三年頃から変わり始めて、バブルですべてなくなってしまった何か大事なものを、向田さんはとても丹念に見続けていましたね」という久世光彦の本からの引用である。その時代の日本に生きた家族を主たる題材として、向田邦子は脚本を書き続けてきたわけで、そういうわけで「向田邦子