川本三郎のレビュー一覧

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    全共闘の時代、ジャーナリストとしてのモラルと市民の義務の中で揺れる筆者。

    映画が期待外れだったので、原作は途中で挫折するかと思いきや、ページをめくるたびにどんどん引き込まれていった。

    やっぱ映画を見るなら原作を読む前だね。

    全共闘時代に流行したフォークソングやアメリカン・ニューシネマが紹介されるので、当時の文化を知るのにも好都合。
    (2012.1.14)

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    2012年01月23日
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     兄は、職業上のモラルが重要なことはわかるが、今度の事件の場合、その政治グループは、君がジャーナリストのモラルを持ち出してでも守らなければならないことをしているのか、自分にはただの殺人事件にしか見えないが、といった。
     それから兄は、私の顔を見てゆっくりといった。「だって君、人がひとり死んでいるんだよ。何の罪もない人間が殺されたんだよ」
    (略)兄は最後に「あの事件はなんだかとてもいやな事件だ。信条の違いはあっても、安田講堂事件やベトナム反戦運動、三里塚の農民たちの空港建設反対は、いやな感じはしない。しかしあの事件はなんだかいやな気分がする」といった。(p178-p179)

    この兄の言葉は、映

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    2011年12月06日
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    記者の気持ちはわかる、同じ立場なら間違いなく私も足を掬われただろう。けれどやっぱ軽率だったと思う。人を信用し過ぎ。興奮状態だったんだろうな。私も同じタイプの人間だから冷静な判断をしないと…と自戒でいっぱいです。日常生活で犯罪に染まることはないけども。

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    2011年08月07日
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    ノンフィクションの読み物としては興味深かったが、引き込まれるような文章力は感じなかった。自分は団塊の世代の子供世代だが、60年代のことは「団塊の世代が語らない青春時代」として、直接関係者や肉親などから聞くことがないので、各事件が繋がらない年表にはなっても、包括的なイメージは持てなかった。

    その「語らない理由」、「命を懸けた青春」、「無言で働く父親たち」をなんとなく理解できた気がした。

    いい時代なんかじゃなかった。死があり無数の敗北があった。だが、かけがえのない“われらの時代”だった。だれもが他者のことを考えようとした。ベトナム反戦は真剣だったが、平和で安全な地域にいることの後ろめたさが拭え

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    2011年07月08日
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    実は「マイ・バック・ページ」は妻夫木聡&松山ケンイチ出演でちょうど映画化されている。
    映画も先日観てみたのだが、この原作本の幾つかの章をエピソードとして散りばめながらストーリーを展開。
    そして映画の幹となるのは、「逮捕まで」という章になっている。

    全体を通しての「どんより感」・・・これは60年代には仕方の無いことか。
    川本三郎氏は「週刊朝日」の記者であるが、映画では「週刊東都」という設定になっている。
    この時代のジャーナリストというのは、ホントに命かけて果敢に取り組んでいたのだろうな・・。
    原作本自体は、ドラマティックという感じでなく、川本氏の全くの回想録。
    そして回想録だからこそ、話せる本

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    2011年07月02日
  • 向田邦子と昭和の東京

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    「言葉」「食」「父」「家族」などの視点から、向田邦子作品を読み解く中で、高度成長とともに日本が失ったものを、改めて確認する一冊。もしもお元気ならば、今年八十歳とのこと。当たり前のことなのかもしれないけれど、びっくりしました。

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    2012年07月08日