安野光雅のレビュー一覧

  • 空想亭の苦労咄 ――「自伝」のようなもの

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    もとは2006年刊。
    見事というしかない。「定吉」という弟子を相手に、落語風に自らを、そして世間を語る。しゃべくりも会話も絶妙。凝りに凝っているのに、ゆとりがあって、自然体、すなわち安野風。でも、絵を用いないで、これだけのことができるとは。
    カバーを最初に見た時には「?」 どうやら判じ物らしい。本文は落語の「湯屋番」の話から始まる。妄想する湯屋番=空想亭=著者という図式が見えてくる。登場する落語はほかに、「二階ぞめき」「長屋の花見」「火焔太鼓」「黄金餅」「寝床」「首提灯」「猫の皿」「酢豆腐」「高田馬場」「笠碁」。
    安野光雅作品のなかでは異色中の異色。しかも80歳でこの作品!
    (p.s. 人名は

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    2025年11月18日
  • かんがえる子ども

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    2018年刊。安野光雅、92歳。
    自分で考えて生きよう。そのためには、まずは疑おう、「自分の考え」を持とう、自分の大きさを知ろう、その場に行きその場で感じよう、「ほんもの」を見よう、本を読もう……子どもたちへのメッセージ。説教くさくないのがいい。
    おとなが読むと、安野光雅の生き方のエッセンスとして読める。安野は35歳までは小学校の教員だった。最初の絵本『ふしぎなえ』を出したのは42歳、初めてのエッセイ集『空想工房』は53歳。驚くほどスロースターターだった。しかし、彼の生き方を考えるなら、それもうなずける。
    本書の版元は最初の絵本を出した福音館。安野が小学校の先生だった時、生徒の保護者から、絵本

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    2025年10月21日
  • 私捨悟入

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    2020年、亡くなる4カ月前の刊行。もとは『月刊数学教育』に2013年~19年連載の「忙中閑話」と「続忙中閑話」。
    『散私語録』から続く定番スタイル。トリビア、小話、アイデア、箴言、語録、なぞなぞ、思い出などの入ったカプセル、今回は317錠。
    どこかで読んだようなエピソードもいくつか混じる。いわゆる再話。ディテールが微妙に違っているのが可笑しい。たとえば、パリのホテルで向かいの部屋の妙齢の女性から電球の取り換えを頼まれる話。今回はいつもより詳しい。
    最後、317番目は、1984年に国際アンデルセン賞を貰った時に、山梨の温泉で泊りがけの祝賀会をしたという話。余興の写真が2枚、25名ほどの参加者に

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    2025年10月18日
  • 銀の匙

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    「銀の匙」は、以前からいつかは読みたいと思っていた作品です。しかし、他に読みたい現代小説がたくさんあって、なかなか手にすることはありませんでした。ところが、教育学者の齋藤孝さんが書かれた本に、読むべき名著として「銀の匙」が推薦されていたことから、背中を押されたように、この度ようやくこの作品を手にして、時代や環境は違うけれど、自分の子供の頃を思い出すような優しい世界に浸ることが出来ました。

    「銀の匙」は、岩波文庫、新潮文庫、角川文庫などから出版されていますが、調べたところ、本書は巻末ではなく同じページに注釈が書かれており、何より画家「安野光雅」さんの挿絵も描かれているということで、いちばん読み

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    2025年05月23日
  • 絵のある自伝

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    日本経済新聞の「私の履歴書」(2011年2月連載)とはまったく違った印象。大幅に加筆、連載後の後日談もある。水彩のイラスト(55葉)も花を添える。
    37の各章に、いくつもの小話風のエピソードが散りばめられている。そして安野氏お得意の謎めいた箇所も随所にある。だから、安易に読み飛ばすわけにはいかない。
    「つえ子のこと」、「村松武司」、「ダイアナ妃のこと」の章がいい。安野氏は『旅の絵本』にチャールズ皇太子とダイアナ妃の婚礼の儀式を描き込んだことがあった。そのため、ふたりが来日した折に英国大使館主催のパーティに招待された。「ダイアナ妃のこと」には、その時のこと、そして悲劇的な死のことまでが綴られてい

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    2025年05月08日
  • かんがえる子ども

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     ネットで検索してトップに出た記事ですべて知った気になっている現代人に、改めて自分の頭で考えることの重要性を説いておられる。子どもの方がよりテーブルに近く目線も低いので、うまく距離感が掴めなかったり置いてある物が見えなかったりすることに改めて気づく。相手の視点に立って考えようと子どもに言いながら、自分が子どもの目線に立てていないことを反省。子どもは大人をよく見ている。言われたこと、目の前の事実を疑い、自分の頭で考える習慣をまず大人からつけていきたい。

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    2025年01月16日
  • 絵のある自伝

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    ネタバレ

    2024年、北九州市立美術館に安野光雅展を見に行って、グッズショップで購入しました。子どものころから安野光雅さんの絵本に親しんできたので、私が夢中になっていたあの絵本は、このようにして作られたんだなとか、こんな秘密があったのね、なんて発見もあり、読んで良かったです。絵は一つのエッセイにつき1つ、ささやかに添えてある感じです。

    印象深いエピソードがたくさん載っている。戦時中のエピソード、子ども時代のことも興味深い。
    私が一番好きな安野光雅さんの絵本、「旅の絵本」シリーズがいかにつくられたかのエピソードもあって、読めて良かった。一冊目の中部ヨーロッパ編に脱獄犯が描かれていること。これはよく覚えて

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    2024年08月18日
  • カラー版 絵の教室

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    カラー版 絵の教室
    著:安野 光雅
    中公新書 1827

    絵をどうかけばいいのかという方法ではなく、感性豊かな画家が、自分の心情、考え方を述べたものであると理解しました。

    絵を書かないものが、「絵の教室」だなんて変だとはおもいますが、カラーの挿絵がたくさんあり、まさに、絵がわかりやすく語ってくれる本となっています。

    気になったのは、以下です

    ■はじめに

    ・絵描きにならなくても、絵が好きと言う人はたくさんいます。そういう人は音楽について話したり、絵について感じたことを述べるとき、自分の言葉で話します。文学作品について好き嫌いや、あるいはもっとつっこんだ話をする人もおなじです
    ・そういえば

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    2024年06月02日
  • かんがえる子ども

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     画家で、絵本作家でもある安野光雅さんの本を初めて読んでみました。
     画風などから独特な感じを受けていたので、合わないかもと危惧していましたが、とても興味深く面白い内容でした。

     題名のごとく、「自分で考える」ということを、多くの人に「考えてほしい」という内容です。それでは、自分で考えるとは、どういったことなのか?

     安野さんは「考える」、ぱっと答えを出すのではなく、「じっくりと考える」ことができるような本を書いてこられたようです。

     例えば、クイズは、知っていることの中から答えを見つけるものですが、答えを全く知らなくても、その問題を考えていれば答えを導き出せるのがパズルと書かれています

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    2023年12月18日
  • メアリ・ポピンズ

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    あまりにも有名な本である。津田の読み直し世界文学の1冊。やさしいやさしいお手伝いさんか、という先入観を持っていたら全く異なっていた。

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    2023年07月24日
  • あしながおじさん

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    何度読んでも色褪せない名作。
    主人公があしながおじさんに送る手紙からなる本作は、とっつきやすく、主人公に共感しやすい。
    劇的な場面は少ないが、少女にとっての悲しみや喜びを丁寧に描いた作品。

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    2023年03月27日
  • シンデレラ

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    名作絵本、どの本で読み聞かせしてあげようかなと悩んでいる最中。
    安野さんの描かれたシンデレラを見つけた。文章が綺麗。絵が美しい。大人向けかな?と思いきや萌ちゃんもしっかり見て聞いてくれた。

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    2023年03月07日
  • あしながおじさん

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    谷川俊太郎さんの翻訳と安野光雅さんの絵が素晴らしいです。

    ジュディーの率直で前向きで、ユーモア溢れる言葉の数々はキラキラしていて、読んでいて心が磨かれて洗われるようでした。

    本人が書く手紙なのに彼女がどんどん新しいことに出会い、学び、お洒落に、素敵になっていく様子が読んでいて楽しく、ワクワクしました。

    読み始めたら止まらないこのお話は、ジュディの成長譚でありながら、同時にハッピーエンドに違いないと思いながらも様々な角度から想像して時々切ない、素敵なラブストーリーでもありました。

    谷川俊太郎さんのまえがきと安野光雅さんのあとがきにも心を打たれました。

    これまで読んだ本の中で一番好きな本

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    2023年02月17日
  • かんがえる子ども

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    こどもに真摯で丁寧な安野さん

    空想の世界で遊ぶ娘たちを
    現実世界で間違いないしつけに押し込もうとしてしまいつつある私をふりかえりつつ

    ゲームとゲームのYouTubeが好きな娘たち
    ゲームができない日は、なるべくゲームの解説動画をみて過ごしてる

    はて。それでいいんだろうか?
    テレビをみるのも動画をみるのも似たようなもの、とおもう妻はとくに疑問なく1日1つならOKと

    『わが家のルール』はどこでもすくなからずあるでしょうが、うちはかなりきびしめ。「なんでゲームするために英語べんきょうしないといけないの?」と小3小4の娘が反対するのも頷けます、、

    せっかちなだけ。なのかもしれません
    つくりた

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    2022年08月29日
  • かんがえる子ども

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    サクサク読める。
    地動説を発見したコペルニクスの喜びはどんなに大きなものだったろうか。
    こどもの発見の芽を摘んではならない。

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    2022年08月20日
  • 絵のある自伝

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    ネタバレ

    今、一等になるために走るのではない、いつか大人になって一等になっても得意にならず、ビリになってもくじけないプライドを持つ日の為に走るのだ

    試験というもののありかたが、教育の方向を決定づけているという変なことになりつつある。

    絵は説明ではない。(略)壁に飾る絵に題名はあっても文字はない。

    空想の時間

    などなど、普段感じてることがさらっと書かれていて、あぁ、間違ってない、というか、自分の気持ちに肯定感を得たような。

    戦中、戦後を生き抜き、沢山の絵を残し、令和の世の中まで見て逝かれたのだと思うと尊敬しかない。

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    2022年06月15日
  • かんがえる子ども

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    今の時代、すぐにネットで調べてしまう。
    自分で考えるってことがほとんどない。でも、この本を読んで“考える“ことをしてみようと思った。

    まずは身近なところから…
    『あの漢字どういう時だったっけ…』『あの芸能人なんて名前の人だったっけ…』考えることで案外、自分が漢字が書けることや思い出せることに気づいたりする。笑

    大袈裟かもしれないけど自分自身も見えてなかった自分の可能性に気づけたり、ふとした時に広い世界で物事を見れたりするのかもしれないと思った。

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    2022年02月27日
  • かんがえる子ども

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    子どもの頃、母が与えてくれた絵本、『もりのえほん』。十数年経った今でも、また読みたいと思える絵本である。このような絵本はなかなか無い。その作者である、安野光雅さんのエッセイ。
    私にとっては、教科書以外で初めて触れるエッセイだった。

    自分で考えるということをテーマに綴られたこの一冊は、全ての大人に読んでもらいたいと思える一冊である。特に、親や教育に携わる大人にお薦めする。

    『子ども自身の成長に必要だから、ということで叱っている方は、少ないのではないでしょうか。』
    という言葉にはハッとさせられた。

    読みながら、自身が子どもの頃のことを思い出した。
    ぬいぐるみでおままごとをしたり、夜寝るときに

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    2022年02月21日
  • あしながおじさん

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    ネタバレ

     映画で見て,「本当に,そんな結末なの?」と思って読んでみました。そんで,せっかくなので,訳:谷川俊太郎,絵:安野光雅のものを選んで…。もう一冊,違う翻訳本も横に並べながら,訳がどんなふうに違うのか比べたりもして…。

     私的にビックリしたのは,ジュディのあしながおじさん宛の手紙(大学4年生時代の2月)に,サミュエル・ピープスの日記の引用が出てきたところです。サミュエル・ピープスは,17世紀の英国海軍大臣で,日記が有名な人です。人名辞典では,DIARISTと出てくるのが普通らしいです。
     私はピープスのことを知ったのは,20年ほど前に自分が興味を持って調べていた「ロンドン王認学会=ロイアル・ソ

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    2021年08月30日
  • 『史記』と日本人

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    半藤氏が亡くなったニュースを見て、どんな人物なのかを知りたくて読む。
    史記に対する造詣が深い。その著者である司馬遷の生涯や人物像についてもとても詳しく2月8日は、司馬遷の日らしい。文学者3名の鼎談であるが、中国の歴史から日本の歴史まで広範にわたる内容でこれぞ教養と思った。司馬遼太郎は、司馬遷から名前を取ったとのことも初めて知りなるほどと感心した。

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    2021年02月12日