安野光雅のレビュー一覧

  • 会いたかった画家

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    安野光雅さんの文章と言うのは、割と以前から好きです。
    無論、本業は、
    画家・イラストレーター・装丁家・絵本作家・などなど...、
    とにかく「絵を描く人」。そして、文章も素敵です。

    文章も素敵、なんですが。
    絵メインではなく、文章メインの本もいっっぱいあるんですが。
    安野さんの不思議なところは、ほとんど全て、
    「明確に、なんだかちょっと欠点のある、ややへっぽこな、魅力的な本」なんです。

    なんだろう。
    例えば。

    序盤はわくわくするけど、後半腰砕け。

    はっとするような素敵なエッセイもあるけど、「エッセイ集」としては、ぐだぐだなエッセイも多すぎる。

    人生論として、なんだか情熱的過ぎて読み辛く。ほぼほぼ訳が分からないのだけど、部分的にすごく面白い。

    などなど...という感じです。
    ですが。

    何とも言えない「トボけた品格」「無垢な情熱」「リベラルな知性」とでも言うべき魅力が、安野さんの文章にはあります。

    そんな安野さんの、2016年8月現在、恐らく最新の著作。
    そして、これは、安野さんの最高傑作なのでは、ないでしょうか(読み物としては)

    #

    本のタイトル通りの、本です。
    安野さんが「会いたかった画家」についての、(あるいは絵画について、または絵画についての映画について、の)エッセイ。
    伝記っぽい章もあれば。淡い印象論。旅の思い出。実際会った話。解説。芸術論。与太話。
    色んな雑誌に書いたものに、半分以上は書き下ろして、一冊にしたみたいですね。

    パウル・クレー 
    ※素敵ですね。好きです。ちょっとミロっぽい?ピカソっぽい?

    ロートレック 
    ※パリ、ポスター、フレンチカンカン。

    モディリアーニ 
    ※映画「モンパルナスの灯」は未見なので観たい。

    佐藤忠良、野田弘志、有元利夫 
    ※誰も知りませんでした。

    小村 雪岱 
    ※挿絵画家さんなんですね。知りませんでした。

    セガンティーニ 
    ※知りませんでした。アルプスの風景。

    ビアトリクス・ポター 
    ※ピーターラビットの作者さんなんですね。ほぼ知りませんでした。

    ブリューゲル 
    ※知りませんでした。素敵ですね。オランダとスペインの歴史など、これも知りませんでした。

    ペリー公の祈祷書 
    ※知りませんでした。なんだかすごいですね...制作の大変さを想うと目が眩みます。

    張択端 
    ※知りませんでした。これも目が眩みますね。1000年前の人なんですよね...。

    マルメロの陽光 
    ※ビクトル・エリセさんの映画。これも未見。安野さんの筆にかかると、なんとも腰砕けな映画に聴こえるけど、でも魅力的(笑)

    ラスコーの洞窟画 
    ※腰砕け旅エッセイでした。「見に行ったけど、見れなかった」(笑)。安野節の面目躍如。

    ノーマン・ロックウェル 
    ※なんだか好きですね。安野さん言及の通り、映画「スティング」のタイトルバックの世界観。

    アンリ・カルティエ=ブレッソン 
    ※この列に、写真家も入ってくるのが流石。

    ゴッホ 
    ※この章は割と「伝記」ぽかったですね。まとも。

    ピロスマニ 
    ※知りませんでした。なんだかちょっと好みとしては苦手な画家さんかも。グルジア映画についても言及。ほとんど「会いたかった画家と映画」...(笑)。

    東勝吉 
    ※湯布院。老人ホームで初めて絵を描きはじめた、70歳過ぎで。すごいなあ。 (谷内六郎+棟方志功)÷2 と、いう感じか...。

    アンリ・ルソー 
    ※なかなか評価されなかったアンリ・ルソーへの愛。安野さんの情熱。これはこれで安野節炸裂。素敵。

    冠商店 
    ※わずか4頁。谷根千に冠商店という荒物屋があって、良い画があった。それだけ(笑)。そして、場所が思い出せない、という落ち。画も観れない。なのに、すごく素敵な4頁。安野マジック。

    セラフィーヌとウーデ 
    ※「セラフィーヌの庭」という映画について。素朴派ってなんだろう、みたいな話。

    鈴木信太郎、佐野繁次郎、花森安治 
    ※花森さんしか知りませんでした。佐野繁次郎さんの、「パピリオ」に感動。
    佐野繁次郎さん、広告美術のようですが、この本の画家さんで「全く知らなかったけど、物凄く気になる人」ナンバー1。面白い。もっと見たい。

    「最後の一葉」の画家 
    ※これまた結局、オムニバス映画「人生模様」の1篇について。売れる、売れないについて。情熱と愛。そして曖昧さ(笑)。

    #

    90歳近いんですよね。すごいなあ。
    ちなみに、「安野さんの本(文字ベースの)」という意味では、
    「口語訳 即興詩人」も、僕は大好きでした。

    ※デンマークのアンデルセンさんが1835年に30歳で発表した小説。
    1892年から10年くらいかけて、30歳~40歳の森鴎外が文語訳したものを、
    2010年に80歳を過ぎた安野さんが口語訳した本です。

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    2016年08月02日
  • 世にも美しい日本語入門

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    対談形式の本です。
    とても読みやすく、「入門」の名にふさわしい本だと思います。
    日本人の地力は、日本語と日本語によって書かれた”文学”から来ているということを良く解らせてくれます。
    この本では先人の書かれた本が例として多く載っており、読んでみたい気持ちになりました。

    そう長い本ではないので、一読をお勧めします。

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    2012年07月17日
  • カラー版 絵の教室

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    「想像力・創造力を人が身に付けてきたのは子供の頃の豊かな時代だ、その点をとれば大学生の時代よりも小学生の頃のほうが大切なのだ」という考えがとても好き。

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    2012年02月18日
  • シンデレラ

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    ネタバレ

    1974年発行の人気童謡絵本シリーズ「ドレミファランド」の中からシンデレラのみを抜粋した絵本。
    大まかな話の流れはよく知られているシンデレラと同じだが、そこはさすが安野光雅氏といったところで、構成や台詞にも氏らしいウィットにあふれたものに仕上がっている。
    注目して読みたいのは、なんと話の最初から最後まで全ページに登場している魔法使いのおばあさん。
    単にドレスとガラスの靴と馬車を与えるだけの存在ではなく、シンデレラを見守り続けながら、頼もしくもチャーミングなストーリー上の進行役をつとめているのが面白い。
    しかもそのおばあさん、まさかなぁと思うところに描きこまれているので、目を凝らして見つけたときは嬉しくなってしまうのだ。
    そんな嬉しい仕掛けもあって、大人も子どもも楽しめる絵本に仕上がっていると思う。

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    2012年01月06日
  • 悪人礼賛 ――中野好夫エッセイ集

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    この味わいがたまらない。この人が教授のころ学生だったら、多幸だろうともぐりこんで、英文学の授業を受けたかったな。

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    2011年12月27日
  • 世にも美しい日本語入門

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    ネタバレ

    藤原正彦の小学校の時の先生が、安野光雄だったとは、つい一月前に知ったばかりでした。
    まえがきを藤原正彦が、あとがきを安野光雄が書いているだけでも贅沢だ。
    二人について興味がない人が読んでも、面白くないかもしれない。
    絵と数学というそれぞれの専門家の二人が、絵本、小説などの作者として日本語について語っているのは貴重だ。読書、教育、歌、日本語がかかわるさまざまな視点の話題が満載。
    挿絵は南伸坊で、すこしほっとする感じです。

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    2011年10月03日
  • カラー版 絵の教室

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    安野光雅さんが絵について教えてくれている。絵の理論が分かっているとよりいっそう絵を見るのも楽しめるし、絵を描くってことを感覚じゃなしに理解できた気がする。
    でも何より、安野さんの中で大きな存在というゴッホについての章が印象に残った。安野さんは、ゴッホは絵をいかなる時も描かねばならないという「赤い靴」を履いているように思える、と表現している。

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    2010年09月25日
  • 世にも美しい日本語入門

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    画家の安野光雅、数学者の藤原雅彦、2人の「日本語について」の対談を冊子にしたもの。

    あぁ、日本語ってホントに豊かなんだ、そしてお2人のユーモアも素晴らしい。
    というのと、今後読んだら良い本のガイドブックにもなっています。

    この「世にも美しい日本語入門」は、
    対談集なので、楽に読めます。
    私にとっては、栄養が丁度よかった「良作」。

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    2009年10月30日
  • カラー版 絵の教室

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    だまし絵や、旅の絵本で有名な安野光雅さんの本。
    新書版ですが、カラー図版も沢山あって、説明が
    分かりやすくなっています。
    難しい絵画論ではなく、素人の私達にもよく分かるように
    楽しく書かれていて、絵筆を取りたくなる一冊。
    絵描きから見た、絵画の歴史も画法を元に書かれていて、
    今までの絵画本とは違う興味をそそられます。
    何度でも見たい秀作です!

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    2009年10月04日
  • 世にも美しい日本語入門

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    安野光雅(と藤原正彦の対談)にクラフト・エヴィング商會の装丁なんて素敵すぎる。両者とも齢相応のかたくなさが目についてしまって、対談内容だけを取り上げてしまえば藤原氏が小川洋子と語った「世にも美しい数学入門」よりも劣るけれども、「美しい日本語」が矢継ぎ早に出てくるのは流石。そう、本書にも取り上げられるが「花発多嵐雨 人生足別離」を「花に嵐の例えもあるさ さよならだけが人生だ」と美しく書き下したのは井伏鱒二だ。

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    2009年10月04日
  • 世にも美しい日本語入門

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    日本人の必読本。抽象的な日本生まれの漢語を生み出した西周さんのこと。私は強制されて読書するのは天邪鬼だからこのまないけれど、読書ゼミというのは名著に出会う良いきっかけになるはずだ。宮本常一「忘れられた日本人」無着成恭「山びこ学校」新渡戸稲造「武士道」を読みたい。

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    2009年10月04日
  • 世にも美しい日本語入門

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    ひとりの数学者とひとりの画家が語り合う日本語の魅力。そのリズム・表記・文学… 失ってはいけない大切なものが、言葉の中にはあるんです…

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    2009年10月04日
  • あしながおじさん

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    谷川俊太郎訳を見つけてへーと読みました。今読むと、おいジャービス! おいおいジャービス! となるところが要所要所にあり、ハッピーエンドを素直に祝福する気持ちをうっすら凌駕してきて面白かったです。自分も手紙で好きになって結婚した話を始めだす谷川俊太郎もよかった。

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    2026年08月05日
  • かんがえる子ども

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    シンプルながら、考えることの大切さを伝えてくれる一冊。もともと安野光雅の考え方が好きだったこともあり、安野光雅美術館 森の中の家に行ったときに購入。
    誰々が言っていたからと、誰かの言葉を鵜呑みにしてしまうことで、考えることをやめてしまった私たちを諭してくれる。
    AIが出てくる以前の話なのだが、現代だと誰かに考えてもらうことは当たり前になっている。
    なんでも疑り深くなるのも…とも思うが、誰かを批判するのも、賛同するのも、本当に自分の頭で考えたことなのだろうかと、自分自身を疑うきっかけになった。
    安野さんの本が面白いのも、自分の頭で考えたり、1人の時間を大切にしたり、自分の好きなものを深めたり、そうしたことの積み重ねを通して人間性を高めたからなのだと思う。

    こどもの目線も素敵でしつけと思っていても、実は子供を自分のコントロールに収めたがっているからではという話は思い当たる節があった。だからと言って安野さんの言葉を鵜呑みにして、叱りません、躾より自由を尊重します、とはいかないが、子どもを理解しています!子どものためです!といって子どもに寄り添っている気分になるのだけは避けようと思った。
    子どもと大人とはみている世界が違うし、どうしても分かり合えない時もある。その相いれなさって実は大切なことだと思う。

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    2026年06月28日
  • メアリ・ポピンズ

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    ネタバレ

    知ってるけどそーいやちゃんと読んだことないよな
    と思って手にとる
    訳が岸田衿子さんだったし

    え、なんか映画と全然違うメアリのイメージが違うと愕然
    あれはハリウッド版メアリポピンズやったのかー
    風に乗ってきたとこは同じだけど
    あれはあれで楽しいとは思うけど
    原作の方が好きかも

    結局何者なんだ、とも思う
    不思議な、誰とも違うひと

    赤ちゃんたちが
    忘れないと言ってたとにやっぱり忘れちゃうとこは
    ちょっと切ない

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    2026年06月16日
  • 絵のある自伝

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    安曇野にある安野光雅美術館で購入。

    美術館でも、安野光雅さんの生い立ちや生前の話などの展示もあり、一部読んだ事があるなぁと思いました。

    安野光雅美術館は、すごく良いです。
    ただ、安野光雅さんを知らないと、意味ないのかな。私は、子どもの頃、家に何冊か絵本がありましたし、我が子には「あいうえおの本」を買ったので、思い入れがありました。

    安野光雅さん、ユニークな方です。

    最後の方で書かれたエピソード。
    「空想犯」
    毎年、年賀状に工夫をしているが、ある年、刑務所に入ったかのような年賀状を出した事がありました。
    軽い冗談のつもりが、本気にして心配する人も多数いて、びっくりしたみないなお話。
    凡人じゃないですね。

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    2026年06月13日
  • 人が、つい とらわれる心の錯覚

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    常識に飲み込まれることなく
    どこか すかして
    どこかで 自分を笑って
    ほどほどに 暮らしていくこと
    そんなことが 大事だよ
    と お二人が言っておられる
    気がしました

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    2026年05月28日
  • かんがえる子ども

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    大人は後のことばかりを重く見ていまのことを大事にしない。響いた。一生戻ってこない子供時代の貴重な今を大事にさせてあげたい。

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    2026年05月14日
  • 会えてよかった

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    帯に書いてある人たちの名前を見て即購入。
    けっして文章が上手いとは思えない。どちらかというポツポツ語るような、たどたどしくさえ感じる文章なのだけど、着眼点やこころの跳ね方がとても素直でチャーミングな人だ。

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    2026年04月24日
  • 会えてよかった

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    いい本でした。
    ただただ、あの人もこの人もと みんな、亡くなられてしまって、ホントに「惜しい」。話者のアンノサンもまた。
    泉下では、さぞ賑やかなことかもしれません。
    おしまいの阿川サンの手紙:素晴らしい解説と共に、皆さまとの鮮やかなお話を 読めてよかった、です。

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    2026年01月28日