安野光雅のレビュー一覧

  • 絵のある自伝
    感想
    絵を描く人の鋭い目線。刺々しい切れ味はなく優しさに満ちている。それでいて他人が気づかない細部に気がつき大局を汲み取る。時代の空気を感じる。
  • 世にも美しい日本語入門
    藤原さんのエッセイ、日本語に対する考え方が好きで、文藝春秋の巻頭や、エッセイ集は読んでいます。今回は恩師との対談形式でまた別の楽しみ方が出来ました。語彙力が思考の深さ、広さを支えているのだと、日本語の特別な特性、可能性を改めて認識させていただきました。もっと古典に触れ未熟なジジイから大人のジジイにな...続きを読む
  • 絵のある自伝
    絵を描く人なのに、言葉選びも無駄がなく洗練されていると思った。私の親世代より少し上くらいだと思うけど、その時代のことが気軽に抵抗無く(固く古めかしい感じではなく)読めて良かった。大型本屋の戦争特集か何かで平積みされているなかで、読みやすそうだなと思って見つけた。大型書店はこういう出会いがあるから本当...続きを読む
  • 会いたかった画家
    先日お亡くなりになった有名な絵本作家。
    自分が子どもの時は意識せずに、
    子どもが出来てからは意識しながら、
    夢中で見てました。
    気になる画家、名も知らない画家、
    優しくも意志の強い視点で
    面白かった。勉強になりました。
  • 絵のある自伝
    安野さんの生きた時代の息づかいを感じたのが良かった。ずっと続いているような錯覚に陥るけれど、母と父、祖父母、私と兄弟、甥っ子、それぞれを取り巻いてきた、取り巻いている時代の空気は、自分の生きた年齢に合わせてその感じ方は矢張り違うもので、それをまざまざと実感したというか。同じ時代を生きているということ...続きを読む
  • 絵のある自伝
    安野光雅さんの自伝。エッセイ。
    絵のことはあまり書かれてなかった。絵本がすごく大好きでいろいろ読んだので、少しでも詳しいことがわかればと思ったが。ただ書き下ろしの絵が沢山で有難い。ABCの本については残念。いろいろ考えて描かれたのに駄目出しが多かったり無断で使われたりあまり良いことがない。それでも大...続きを読む
  • 赤毛のアン
    アニメやドラマで見て物語を知ったつもりでいたが、文字で読む方がスッキリしていて面白い。何より想像力に訴えてくる。映像だとアンに隠れてしまうマリラの不器用な優しさも、本の方が痛いほど伝わってくる。
  • 絵のある自伝
    安野光雅さんのエッセイ。

    少年時代から歳を重ねるまでの思い出が綴られています。
    生きてきた時代は異なるのに、どこか懐かしい匂いのするお話も多数あり、朗らかな気持ちで読めました。

    そんな中にも安野さんなりの信条や絵を思う気持ちが散りばめられていて、ますます安野さんのファンになりました。

    本の中で...続きを読む
  • カラー版 絵の教室
    NHK人間講座「絵とイマジネーション」をもとに書かれたもの。写真、遠近法、実際の画家を映した映画、ゴッホの生き方というものなどを手掛かりにしたり、実際にスケッチしたり、自画像を描いたりしたりしながら、イマジネーション(想像力)というものを考えている。見たものを写真のように描くことや遠近法を厳密に守っ...続きを読む
  • カラー版 絵の教室
    基礎がないと応用はできない。そんな当たり前なことは意外に理解できていないことなのかも知れない。

    例えば、ピカソの絵を見て「俺にもこんな絵描ける!」って思うことは1度はあるだろうが、実際彼のデッサンを見るとまぁ普通に上手いわけ。笑

    このように基礎の上に応用、つまり創造性やイマジネーションが成り立つ...続きを読む
  • 小さな家のローラ
    季節の移り変わっていく様子。
    季節の流れに逆らわずに、自然の恩恵を受けて暮らしていく様子。
    美しかった。
    生きていくために必要なものはほぼ自分たちで作って、質素に暮らして(質素感は全然ないけれど)、たまに小さな贅沢をして、、、なんか、あったかいなあと思った。
    文章もおだやかでよかった。ほっこりした。
  • 小さな家のローラ
    絵本といってもいいほどたくさんの絵が散りばめられていて,読んでも眺めても美しい本です.先に安野氏の展覧会の方で絵を見てましたが,この本の絵の発色がよくできていてすばらしいです.物語は前にも読んでましたが,今回のはとにかく絵が多くて道具類や,暮らしぶりなどが本当によくわかり,楽しい本です.
  • 世にも美しい日本語入門
    藤原さんの国語教育重視の考え方に賛同しているワタシ。今回は久しぶりにその流れの一冊を。
    藤原さんの小学校の恩師(!)である安野さんとの対談形式で進むこの本のいいところは、「今の若いもんは…」的な嘆き調になっていないこと。だから、読んでいて反発を覚えるどころか、やっぱり日本人としては日本語を誇り、日本...続きを読む
  • 小さな家のローラ
    ドラマ『大草原の小さな家』の原作を安野光雅が翻訳したもの。もともとは絵で多くを語ることを前提とした対訳本にしたかったのだそうで、絵本並みに挿絵が充実しており、2歳の娘も「いっしょによむ」と寄ってきたのには驚いた。
    私はドラマも見たことがなく他の翻訳本も読んだことがないので、初ローラでしたが、季節の移...続きを読む
  • 小さな家のローラ
    訳と絵が素晴らしく合っていてかわいい。これは古書店で探します。

    小さい頃に、この絵本があったのですが、その記憶がよみがえってきて、大変懐かしかったです。あ、自分の中の何割かは、あの絵本が閉めていたんだな、と。
    雪で冷ます蜜のキャンディ。燻製造り。とうもろこしの人形。もこもこのソリでやってくるいとこ...続きを読む
  • 会いたかった画家
    私の好きなアラナイ、改め、アラ卒(※アラウンド・卒寿)著名人のひとり、絵本作家安野光雅さんの最新エッセイ。

    安野さんの文章は、自由で、いい加減。
    軽やかで興味を引く語りから始まって、「そういえば」などと言って一見無関係な話題に飛んだりして、このあたりまでが枕かな?ここからどしっと本題に入るのだな、...続きを読む
  • 世にも美しい日本語入門
    画家と数学者のおふたりが昭和20年代に師弟関係だったとは。
    人と人との出会い、巡り合わせの不思議を感じる。
    読みやすい対話形式で素数の話、文学の話、ユーモアについてなど大事なことを楽しく読める。
  • 世にも美しい日本語入門
    日本語に対する愛着が痛いほど伝わってくる対談。根っからの文系人間を自認しているけど、この両者から見たらひよっこもええとこやな~、って反省させられることしきり。
  • 絵のある自伝
    安野光雅さんの描くヨーロッパの街並みが好きでした。
    同じ窓が延々と連なるお城や洋風建築と、日本画の平面を彷彿とさせる水彩画がツボで。
    そんな安野氏も、戦中派。
    興味深いお話が多く書かれていました。
  • 悪人礼賛 ――中野好夫エッセイ集
    生きているだけで人間は幸せだ、という傲慢さは筆者にはない。筆者は悪人である。人間の善意や純情は信じていない。悪人が持つグラマーというべき法則を信じている。良心も、その人の総合的な体験からできるものだ、と考えている。そうであれば、無垢に人間の幸せを願う宗教にも懐疑的になるのだ。
    氏の根本には、戦争を生...続きを読む