須賀敦子のレビュー一覧

  • ユルスナールの靴

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    マルグリッド・ユルスナールというフランスの作家の生涯や作品に焦点を当てつつ、須賀敦子自身のエピソードも混ぜ込んだ素敵なエッセイ。
    著者がフランスに留学していた時のエピソードは、「あるある!」って共感するところがいっぱいでした。時代が変わっても、感覚は一緒だな。

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    2010年05月16日
  • 遠い朝の本たち

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    遠い朝・・・まだ人生の深さなど知らなかった少女時代・・・そして、大人になるまでに読んだ本の思い出をその時代の風景やエピソードを織り交ぜて語っている。単なる本の紹介でなく、その本と自分との関わりを美しい文章で綴られている。
    中でも、サンテグジュベリ(星の王子様)やアン・モロウ・リンドバーグ(海からの贈り物)への深い思いに共鳴してしまった。
                          ちゃちゃ

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    2012年07月28日
  • ユルスナールの靴

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    大学の講義中に「清潔な文章を書く」作家だと評して、先生が紹介してくれた本。

    ひとつの事象について、彼我の感じるそのスピードを丁寧に表現しているところが好き。「私はこう思った」→「彼はこう思った」→「それで私はこう思う」というプロセス。

    日常のスピードに押される中で、この感じるプロセスを几帳面に残していて新鮮だった。

    作者の描く世界のスピード感に驚きつつ、自分がそのスピードに少し翻弄されて不思議な時空に飛ぶ。通勤電車で読んで乗りすぎた一冊。

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    2010年05月04日
  • コルシア書店の仲間たち

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    随分古い作品のようですが、上品な文章で、読んでてイタリアへ行きたくなりました。ミラノ、行ったことないんだよな~。行きたい!情景が思い浮かぶような文章が素敵でした。

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    2025年12月06日
  • コルシア書店の仲間たち

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    確か、一度読んだ気がするけれど、またこの著者の本を読みたくて。

    イタリアへ渡って、自分の興味をもとに、人と繋がり、友人との関わりにホッとしたり、寂しさを感じたり。
    その静かで精密な眼差しにずっと触れていたくなる感じ。

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    2025年10月13日
  • コルシア書店の仲間たち

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    - 人間の誰もが、生きなければならない孤独と隣り合わせで、人それぞれ自分自身の孤独を確立しない限り、人生は始まらない。ー 孤独が、かつて私たちを恐れさせたような荒野ではないことを知ったように思う。

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    2025年08月24日
  • 遠い朝の本たち

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    翻訳家の著者が、第二次大戦前後の女学校時代や大学院時代に読み、影響を受けたほんと、その本にまつわるエピソードを思い出しつつ、エッセイ形式で綴る。

    あいも変わらずあらすじなどを読まずに読み始めるワタクシであるが、1本目は女学校時代の同級生が入院し、その頃に読んでいた本を思い出しつつ女学校時代を思い出すというような話で、普通に純文学のようなストーリーだったため、小説だと思っていた。

    しかし、最後の段落で、生きていたと思ったら死んでしまい(本当にどちらが時系列的に先なのかわからない文章)、あれれ?と思ったら、2本目はしっかりとエッセイになっていた。

    前半は、いろいろな過去のエピソードに、同級生

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    2025年07月17日
  • 塩一トンの読書

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    さらりとしているようでいて、つまずくところもあり、不思議なリズム。
    手持ちぶさたの時間に、少しずつ読むのが好き。

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    2025年04月10日
  • 島とクジラと女をめぐる断片

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    物語のようでいて実のところは“詩集”なのだろうか…
    解説や訳者の後書きにもあるように、クジラは暗喩のようなのだけれど、自分にはそれがよく分からず、つまりは浅い読みに終始しまたのかもな…

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    2024年09月04日
  • コルシア書店の仲間たち

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     イタリアミラノにある書店に出入りする仲間達について書いた本。
     自分にはこのスタイルが合わなかったのか次々に語られていく書店の仲間たちのエピソードがあまり頭に入らなかった。
     時間を置いてもう一回読んでみたいと思う。

    2023/10 評価3.5

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    2023年11月12日
  • ヴェネツィアの宿

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    読書の胆力が足りない、私には、まだ。

    母の苦しみ、父の身勝手さ、その辺りだけは惹かれるものの、イタリアの舞台にいまいちしっくり馴染めず。

    いつかきっと、いつかもっと。

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    2023年11月07日
  • 霧のむこうに住みたい

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    イタリアやフランスでの日々を追憶するエッセイ。
    日本語で書かれているのに、読んでいるうちに「こんなことばがあったんだ」と感じていました。
    するする入ってくるけれど、洋画の字幕を目で追っているような。そんな不思議な感覚です。
    しかし、須賀さんの感性と視点を通して描かれる人々は、とてもリアリティがあって、"暮らしている"姿がありありと目に浮かびました。

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    2023年01月20日
  • コルシア書店の仲間たち

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    自分と時間軸が異なる方が、経験されたイタリア。どんな景色が人が見られたのだろうか。旅行者ではない著者が感じた思いは、稀有な事で追体験出来る事が、嬉しい。日本とは異なる価値観、環境。

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    2022年01月04日
  • 霧のむこうに住みたい

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    202101/タイトルと表紙に惹かれて初めて読んだ須賀敦子さんの暮らしや旅等が綴られたエッセイ。余韻が残る落ち着いた文章、風景が浮かぶ描写で、ゆったりと味わう一冊。

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    2021年03月27日
  • コルシア書店の仲間たち

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    初めて読んだ須賀敦子さんの本。
    回想録なのに、これほどまでに明瞭に描写できるのが素晴らしいと思うし、観察眼もまたそう。

    このような眼を持てたら、日常がもっと深まるように思うのは気のせいだろうか。

    コルシア書店、小遣いにも満たないほどの給料で書店を切り盛りしていた人たちは、「自分の信念を生きるために、からだを張っていた」と須賀さんは書いている。
    そんな書店があったことが羨ましい。そんな書店が近くにあればいいなとも思う。

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    2020年09月12日
  • コルシア書店の仲間たち

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    なんだろう。厳しい生活を送っていただろう作者のエッセイだが、ほんわかしてふわふわした感じを受けた。また、別の機会に読み返してみたい。

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    2020年05月20日
  • ユルスナールの靴

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    ユルスナールを読んだことがないのでどうかしらと思いつつ、美しい日本語と情感あふれる描写に引き込まれる。

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    2020年04月21日
  • ヴェネツィアの宿

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    海外での暮らしぶりより、生い立ちをはじめとする、日本でのエピソードの方が心に留まった。
    『白い万丈』は、どこか霧の向こうの話のような幻想的な空気感。
    『寄宿学校』の、厳格でほとんど自由のない中で見える初々しさや青春世代のきらきらした感じは、懐かしいようでもあり頼もしくもあり。

    彼女に対する父親の影響力はかなり大きそう。
    日本を離れて、より父を意識することになったのかもしれない。

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    2019年11月05日
  • コルシア書店の仲間たち

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    著者がイタリアに留学し、ミラノの小さな書店に集う人々と交流した若き日々をたどるエッセイ。

    当時はまだ日本人女性が珍しかったせいか、さまざまな人に紹介されたり、招待を受けたり。
    何かをスルドク分析するとか考察するとかではなく、とても素直な目で、書店の仲間たちの姿が、丁寧に淡々とつづられているのが心地良い。


    その昔、学生時代に冷やかしによく立ち寄った、見たことのない雑誌や単行本、自費出版本ばかりの書店を思い出した。
    最近、店内でくつろいでお茶を飲めるとか、読書会を開くとか、店主の個性を反映したユニークな書店がちらほら。
    いつかそんな書店で時を過ごした誰かが、こんなエッセイを書くかもしれない。

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    2019年09月10日
  • コルシア書店の仲間たち

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    「コルシア書店の仲間たち」とあるイタリアの書店を舞台に須賀敦子が出会った人達にスポットを当てていくエッセイ。何十年もの時間と空間を行きつ戻りつしながらそれぞれの人物像や出来事を映画のワンシーンのように切り取っていく。オノナツメの「GENTE(リストランテパラディーゾ)」に似た雰囲気。

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    2019年02月03日