須賀敦子のレビュー一覧

  • 遠い朝の本たち

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    読んだ本を思い返すことは、その時の自分の思い出を手繰ることなんだと教えてくれる。
    美しい言葉で語られる情景は素晴らしく、読んでいると須賀敦子さんの思い出に入っていくようです。

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    2012年12月01日
  • なぜ古典を読むのか

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    ネタバレ

    イタリアの作家イタロ・カルヴィーノが、文学について雑誌などに書いた文章が死後まとめられたもの。須賀敦子が訳している。須賀敦子が訳している小説ではない本を読んでみたかったのが、この本を読んだ理由の一つなのだけど、もともとのイタリア語の文章がそうだったのだろうけど、須賀敦子自身があとがきで書いているように、ごつごつして読みにくい文章も多かった。

    表題作の「なぜ古典を読むのか」に始まり、取り上げられているのは、オデュッセイア、アナバシス、オウィディウス、スタンダール、バルザック、ディケンズ、フロベール、パステルナーク、トルストイ、マーク・トウェイン、ボルヘス、パヴェーゼと多岐に渡る。カルヴィーノの読書量には驚かされる。ものすごい。例えば、プリニウスの「博物誌」について書かれた「天、人間、ゾウ」の章を読むと、カルヴィーノは「博物誌」37巻全部を読んだことがわかる。私は、(プリニウスによると)「人間にもっとも近いのはゾウだからこれを精神的な手本にすればいいという。」などと書かれたこの章をおもしろく感じた。

    その他では、「オウィデウスと普遍的なつながり」の章の「イアソンとメデアの物語は、そのまま『マクベス』に用いられる」という部分、「ホルヘ・ルイス・ボルヘス」の章で、ボルヘスが「私たちにとってもっとも大切なテクスト」であるダンテについてボルヘスが情熱をもって研究しつづけたことに(イタリア人として)感謝を表明したいと述べた部分などが印象に残った。

    「なぜ古典を読むのか」の中で、カルヴィーノは古典を読むいろんな理由を述べているが、私の印象に一番残ったのは次の文章である。

    「古典がなんの役に立つかといえば、私たちがどういう人間たちであるのか、どこまで来ているのかを知るためなので、そのためには[イタリア人にとっては]イタリアの文学を読むことが必要になる。自分たちを外国の人々とくらべてみるために。また、外国人[の著作]が必要なのは、これをイタリア[のもの]と比べるためだ。」

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    2015年10月02日
  • なぜ古典を読むのか

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    ここで取り上げられている本の殆どを読んだことがないというだけでも買った価値のある本です。いいなぁ、こういう本。知らない世界を押し広げてくれるんだから。ヘミングウェイの作品くらいは読んだことあったからそこしかまだ読んでませんが、なにか新しい作品に出会いたくなったら本書を頼りとして、ゆっくり堪能させてもらいます。

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    2012年05月21日
  • 遠い朝の本たち

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    ネタバレ

    1年ぐらい前にも読んだけれど、再読。須賀さんの文章は読んでいるとわたしの時間の流れをさりげなく変えてくれるから好きだな。

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    2012年03月11日
  • 遠い朝の本たち

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    感受性の鋭い子ども時代に多くの本との出合いを経験し、それを成長過程の風景と共に記憶している著者を羨ましく思った。

    最初は、本との幸福な出会いを綴ったエッセイだと思ったけど、どんな本も出合って不幸になるものはないかもね。

    アン・リンドバーグの「海からの贈物」は読んでみたい。

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    2012年01月05日
  • ユルスナールの靴

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    マルグリッド・ユルスナールというフランスの作家の生涯や作品に焦点を当てつつ、須賀敦子自身のエピソードも混ぜ込んだ素敵なエッセイ。
    著者がフランスに留学していた時のエピソードは、「あるある!」って共感するところがいっぱいでした。時代が変わっても、感覚は一緒だな。

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    2010年05月16日
  • 遠い朝の本たち

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    遠い朝・・・まだ人生の深さなど知らなかった少女時代・・・そして、大人になるまでに読んだ本の思い出をその時代の風景やエピソードを織り交ぜて語っている。単なる本の紹介でなく、その本と自分との関わりを美しい文章で綴られている。
    中でも、サンテグジュベリ(星の王子様)やアン・モロウ・リンドバーグ(海からの贈り物)への深い思いに共鳴してしまった。
                          ちゃちゃ

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    2012年07月28日
  • ユルスナールの靴

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    大学の講義中に「清潔な文章を書く」作家だと評して、先生が紹介してくれた本。

    ひとつの事象について、彼我の感じるそのスピードを丁寧に表現しているところが好き。「私はこう思った」→「彼はこう思った」→「それで私はこう思う」というプロセス。

    日常のスピードに押される中で、この感じるプロセスを几帳面に残していて新鮮だった。

    作者の描く世界のスピード感に驚きつつ、自分がそのスピードに少し翻弄されて不思議な時空に飛ぶ。通勤電車で読んで乗りすぎた一冊。

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    2010年05月04日
  • コルシア書店の仲間たち

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    久しぶりに仕事でミラノに行くことになり読んでみる。
    須賀敦子さんの本は、以前読書会で紹介があり、「ヴェネツィアの宿」を読み面白かった。(特に須賀敦子さんの自伝的なところ)

    この本は、著者がミラノで「コルシア書店」を切り盛りしていたころの交友関係を綴ったもの。
    当時の政治情勢もあり、ピュアに生きる人、挫折する人、様々なバックグラウンド(人種、宗教)の登場人物があり、興味深い。

    イタリア文化的な要素の取り上げは少ないように感じた。

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    2026年02月01日
  • コルシア書店の仲間たち

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    随分古い作品のようですが、上品な文章で、読んでてイタリアへ行きたくなりました。ミラノ、行ったことないんだよな~。行きたい!情景が思い浮かぶような文章が素敵でした。

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    2025年12月06日
  • コルシア書店の仲間たち

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    確か、一度読んだ気がするけれど、またこの著者の本を読みたくて。

    イタリアへ渡って、自分の興味をもとに、人と繋がり、友人との関わりにホッとしたり、寂しさを感じたり。
    その静かで精密な眼差しにずっと触れていたくなる感じ。

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    2025年10月13日
  • コルシア書店の仲間たち

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    - 人間の誰もが、生きなければならない孤独と隣り合わせで、人それぞれ自分自身の孤独を確立しない限り、人生は始まらない。ー 孤独が、かつて私たちを恐れさせたような荒野ではないことを知ったように思う。

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    2025年08月24日
  • 遠い朝の本たち

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    翻訳家の著者が、第二次大戦前後の女学校時代や大学院時代に読み、影響を受けたほんと、その本にまつわるエピソードを思い出しつつ、エッセイ形式で綴る。

    あいも変わらずあらすじなどを読まずに読み始めるワタクシであるが、1本目は女学校時代の同級生が入院し、その頃に読んでいた本を思い出しつつ女学校時代を思い出すというような話で、普通に純文学のようなストーリーだったため、小説だと思っていた。

    しかし、最後の段落で、生きていたと思ったら死んでしまい(本当にどちらが時系列的に先なのかわからない文章)、あれれ?と思ったら、2本目はしっかりとエッセイになっていた。

    前半は、いろいろな過去のエピソードに、同級生や両親、妹といった人達が出てくるのだが、ほとんど会話らしきものがなくつらつらと地の文で説明されるため、見た目の割になかなか読み進まない。

    ただ、1本目同様に、エッセイらしからぬ詩的な表現が含まれたりするものだから、おや?とおもう分が多々あるのがこの本の魅力だろう。

    中盤の家の隣り住んでにいたホトトギス派の実力者俳人の原さんの話など、完全に小説として読んで面白いものだし、映画が1本撮れそうである。原さんの章だけで☆4くらいあげたい。

    一方で、サンテグジュペリあたりからの中盤以降の話は、前半と打って変わって文章自体は読みやすくなる。ただ、論文的というか、評論的というか、やたらと固有名詞を叩きつけるような本の解説になってしまって、ほとんど頭に入らずに終わってしまった。父親が薦めてきた森鴎外の本を「旧字で漢字ばかりであって、主人公なども存在しないため目が滑る」と評しているが、実際にそういう文章になってしまっている。

    世代的に少し上だし、紹介される本も鴎外を始めとした古典名作か、大学で翻訳した外国文学のようなものが多く、現代では参考にならない部分が多いが、見開きに1つくらいある、なんとも詩的な言葉選びは、一度体験する価値はあるだろう。

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    2025年07月17日
  • 塩一トンの読書

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    さらりとしているようでいて、つまずくところもあり、不思議なリズム。
    手持ちぶさたの時間に、少しずつ読むのが好き。

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    2025年04月10日
  • 島とクジラと女をめぐる断片

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    物語のようでいて実のところは“詩集”なのだろうか…
    解説や訳者の後書きにもあるように、クジラは暗喩のようなのだけれど、自分にはそれがよく分からず、つまりは浅い読みに終始しまたのかもな…

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    2024年09月04日
  • コルシア書店の仲間たち

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     イタリアミラノにある書店に出入りする仲間達について書いた本。
     自分にはこのスタイルが合わなかったのか次々に語られていく書店の仲間たちのエピソードがあまり頭に入らなかった。
     時間を置いてもう一回読んでみたいと思う。

    2023/10 評価3.5

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    2023年11月12日
  • ヴェネツィアの宿

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    読書の胆力が足りない、私には、まだ。

    母の苦しみ、父の身勝手さ、その辺りだけは惹かれるものの、イタリアの舞台にいまいちしっくり馴染めず。

    いつかきっと、いつかもっと。

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    2023年11月07日
  • 霧のむこうに住みたい

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    イタリアやフランスでの日々を追憶するエッセイ。
    日本語で書かれているのに、読んでいるうちに「こんなことばがあったんだ」と感じていました。
    するする入ってくるけれど、洋画の字幕を目で追っているような。そんな不思議な感覚です。
    しかし、須賀さんの感性と視点を通して描かれる人々は、とてもリアリティがあって、"暮らしている"姿がありありと目に浮かびました。

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    2023年01月20日
  • コルシア書店の仲間たち

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    自分と時間軸が異なる方が、経験されたイタリア。どんな景色が人が見られたのだろうか。旅行者ではない著者が感じた思いは、稀有な事で追体験出来る事が、嬉しい。日本とは異なる価値観、環境。

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    2022年01月04日
  • 霧のむこうに住みたい

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    202101/タイトルと表紙に惹かれて初めて読んだ須賀敦子さんの暮らしや旅等が綴られたエッセイ。余韻が残る落ち着いた文章、風景が浮かぶ描写で、ゆったりと味わう一冊。

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    2021年03月27日