須賀敦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
翻訳家の著者が、第二次大戦前後の女学校時代や大学院時代に読み、影響を受けたほんと、その本にまつわるエピソードを思い出しつつ、エッセイ形式で綴る。
あいも変わらずあらすじなどを読まずに読み始めるワタクシであるが、1本目は女学校時代の同級生が入院し、その頃に読んでいた本を思い出しつつ女学校時代を思い出すというような話で、普通に純文学のようなストーリーだったため、小説だと思っていた。
しかし、最後の段落で、生きていたと思ったら死んでしまい(本当にどちらが時系列的に先なのかわからない文章)、あれれ?と思ったら、2本目はしっかりとエッセイになっていた。
前半は、いろいろな過去のエピソードに、同級生 -
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Posted by ブクログ
著者がイタリアに留学し、ミラノの小さな書店に集う人々と交流した若き日々をたどるエッセイ。
当時はまだ日本人女性が珍しかったせいか、さまざまな人に紹介されたり、招待を受けたり。
何かをスルドク分析するとか考察するとかではなく、とても素直な目で、書店の仲間たちの姿が、丁寧に淡々とつづられているのが心地良い。
その昔、学生時代に冷やかしによく立ち寄った、見たことのない雑誌や単行本、自費出版本ばかりの書店を思い出した。
最近、店内でくつろいでお茶を飲めるとか、読書会を開くとか、店主の個性を反映したユニークな書店がちらほら。
いつかそんな書店で時を過ごした誰かが、こんなエッセイを書くかもしれない。